JPH0326153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、テープレコーダ等の磁気記録再生装
置に用いられるテープカセツトを収納する収納ケ
ースに関する。

〔背景技術とその問題点〕

テープカセツトを保管あるいは運搬する際に、
そのまま取扱うと、カセツトケーシングの開口か
ら露出している磁気テープを汚損したり、あるい
はケーシングを損傷したりする。そこでケース内
に保持して取扱うようにしている。ケースには通
常爪が設けられており、ケーシング内のリールの
回転を阻止し、磁気テープがケーシング内で弛む
のを防止している。

ところでテープカセツトの内でも特に所定の内
容を記録したテープカセツトすなわちソフトテー
プについては、例えば歌詞カードや説明書等の小
冊子を一緒に添付しなければならない。ところが
上述のように、爪がケースに設けられているため
にケースとカセツトケーシングとの間に歌詞カー
ドを挿入することができない。そこで従来はテー
プカセツトを収納したケースの外側に歌詞カード
等の小冊子を折りたたんで載置し、化粧紙で包
み、さらに透明な包装紙で包装を行うようにして
いた。従つて包装に手間がかかり、機械化が困難
になつていた。またケースの表面に特別なデザイ
ンの印刷を施しても、化粧紙によつて遮ぎられ、
外からは見えなくなる。従つて店頭におけるユー
ザの購売意欲を刺激することができない。また包
装紙を取除くと、ケースに歌詞カードを保持する
ことができなくなり、このために購入後に歌詞カ
ードを紛失し易い。

そこで、このような問題点の解消を図るため、
テープカセツトを保持するとともに、このテープ
カセツトのリールの回転を阻止する爪を具備する
ケースにおいて、歌詞カード等を収納するポケツ
トを設けるように構成したものが、実開昭57−
49777号公報に開示されている。

しかし、上記公報に開示されるものは、テープ
カセツトの下面を覆う下面板と、上記を覆う上面
板と、そして両者を連結しかつテープカセツトの
前面を覆う側面板とを備え、上面板の内側面に小
冊子収納用のポケツトを設けるようにしたもので
あるので、歌詞カードを収納する場合には、幾重
にも折りたたむ必要があり、又その他の印刷物等
の小冊子を収納する場合には、サイズの小さなも
のしか収納することができない。

〔考案の目的〕

そこで、本考案は、大型の歌詞カードやその他
印刷物等の小冊子の収納を可能となすとともに、
小冊子に折目を付けることなく収納することを可
能とするテープカセツト収納ケースを提供するこ
とを目的とする。

また、本考案は、外装ケース内に収納されるテ
ープカセツトを収納した内装ケース及び小冊子を
汚すことなく取出しを可能とするテープカセツト
収納ケースを提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は、上述したような目的を達成するた
め、背面板を介して一対の側面板を開閉自在に連
設するとともに、上記一対の側面板のいずれか一
方にテープカセツトのリール軸挿通孔に嵌合する
突起を少なくとも一個設け、この突起をリール軸
挿通孔に嵌合して上記一対の側面板で挟持してテ
ープカセツトを収納する内装ケースと、この内装
ケースの上記一対の側面板に亘つて巻装される歌
詞カード等の小冊子と、前面側に上記内装ケース
挿入用の開口部を有するとともに、上記内装ケー
スの一対の側面板を覆う相対向する一対の側面壁
部と、これら一対の側面壁部の一端側及び他端側
を連結して閉塞する天板と底板を有する上記内装
ケースを収納する外装ケースとからなり、上記外
装ケースの天板及び底板の上記開口部に臨む部分
に指掛け用の切欠部をそれぞれ設け、テープカセ
ツトを収納するとともに上記側面板と対向する開
放側及び一対の側面板に亘つて小冊子を巻装して
なる内装ケースを、上記外装ケースに上記側面板
が上記開口部に位置するようにして収納し、上記
背面板の上端部及び下端部をそれぞれ上記天板及
び底板の指掛け用の切欠部に臨むようにしたもの
である。

〔実施例〕

以下、本考案の具体的な実施例を図面を参照し
て説明する。

本考案によるテープカセツト収納ケースは、テ
ープカセツト１を収納する内装ケース２と、この
内装ケース２の外周面に巻装配設される歌詞カー
ド、その他の印刷物等の小冊子３と、上記内装ケ
ース２及び小冊子３を収納する外装ケース４とか
らなる。

本考案ケースにより収納されるテープカセツト
１は、一対のリール軸挿入孔５，５を有し、前面
開口部側の上下面部に膨出部６，６を有する標準
サイズのいわゆるコンパクトカセツトである。

そして、本考案を構成する内装ケース２は、第
１図及び第２図に示すように、テープカセツト１
の下面を覆う一方の側面板７と、上面を覆う他方
の側面板８と、そして両者を連結しかつテープカ
セツトの前面を覆う側面板９とを具備しており、
合成樹脂を用いて一体成形によつてつくられたも
のである。そして一方の側面板７と背面板９との
連結部および他方の側面板８と背面板９との連結
部は肉薄のヒンジ部１０によつて構成されてお
り、これらの連結部が回動可能になつている。な
お上記ヒンジ部１０は内装ケース２の内側にＶ字
状の溝を形成したものである。

一方の側面板７には一対の六角筒状の爪１１，
１１が左右に並置されて一体に設けられている。
これらの爪１１，１１はテープカセツト１のリー
ル軸挿入孔５，５と係合して、その回転を防止す
るためのものである。また一方の側面板７及び他
方の側面板８には台形状をなす開口１２，１２が
設けられており、テープカセツトの前面側の上下
面に形成された膨出部６，６を受入れるように構
成されている。一方、他方の側面板８には、第３
図に示すように、左右に一対の係合ピン１３，１
３が植立されている。これらの１３，１３は上記
一対の筒状の爪１１，１１の内側の孔と嵌着し
て、この内装ケース２を閉じた状態に保持するた
めのものである。

次に以上のように構成されたテープカセツト用
内装ケース２にテープカセツト１を保持する場合
には、第２図に示すように、テープカセツト１を
一方の側面板７上に載置するとともに、テープカ
セツト１のケーシングの下面に形成されている膨
出部６を上記開口１２内に挿入し、さらにケーシ
ングのリール軸挿入孔５，５を通させて一方の側
面板７に形成されている爪１１，１１をケーシン
グ内のリール（図示せず）と係合させる。これに
よつてリールの不測の回転が阻止され、内装ケー
ス２に保持されたテープカセツト１内の磁気テー
プが弛むこともなくなる。次いで、ヒンジ１０，
１０によつて他方側面板８を回動させ、この側面
板８をテープカセツト１の上面と重ねるようにし
て、この内装ケース２を閉じるようにする。する
と、係合ピン１３，１３が爪１１，１１の孔と係
合して内装ケース２は閉じた状態で保持されるこ
とになる。このようにしてテープカセツト１は第
１図に示すように内装ケース１内に保持される。

また、本考案ケースにおいて収納される小冊子
３は、内装ケース２の一方の側面板７から背面板
９に至つてさらに他方の側面板８に亘る長さを有
し、その幅を上記内装ケース２の高さと略同一幅
として形成される。そして、上記小冊子３は、二
つ折りとされて綴られているので、見開いた状態
では、内装ケース２の一方の側面板７から他方の
側面板８に亘る長尺なものとなる。この小冊子３
は、内装ケース２の背面板９を含み一対の側面板
７，８に亘つて上記内装ケース２に巻装するよう
にして、この内装ケース２とともに外装ケース４
に収納される。

さらに、外装ケース４は、小冊子３を巻装した
内装ケース２を収納するに足る大きさをもつて形
成され、透明な合成樹脂をモールド成形して形成
される。すなわち、この外装ケース４は、前面側
に上記内装ケース２の挿入用の開口部１６を有す
るとともに、上記内装ケース２の一対の側面板
７，８を覆う相対向する一対の側面壁部２０，２
１と、これら一対の側面壁部２０，２１の一端側
及び他端側を連結して閉塞する天板１７と底板１
８を有して構成されている。なお、上記開口部１
６と対向する背面側は、背面壁部によつて閉塞さ
れている。そして、上記天板１７及び底板１８の
上記開口部１６に臨む部分には、指掛け用の切欠
部１９，１９がそれぞれ設けられている。これら
切欠部１９，１９は、円弧状に形成され、円滑な
指掛けを行ない得るようになされている。

上述のように構成された本考案によるテープカ
セツト収納ケースにテープカセツト１を収納する
には、このテープカセツト１を前述したように内
装ケース２に保持させ、次いで内装ケース２に小
冊子３を巻装する。この小冊子３を内装ケース２
に巻装するには、第３図に示すように、内装ケー
ス２の背面板９と対向する開放側を含み一対の側
面板７，８に亘つて巻装する。次いで、小冊子３
を巻装した内装ケース２を開放側から開口部１６
を介して外装ケース４に挿入することにより第４
図に示すように収納される。

すなわち、テープカセツト１を収納するととも
に背面板９と対向する開放側及び一対の側面板
７，８に亘つて小冊子３を巻装してなる内装ケー
ス２は、外装ケース４に上記背面板９を上記開口
部１６に位置するようにして収納され、上記背面
板９の上端部及び下端部がそれぞれ上記天板１７
及び底板１８の指掛け用の切欠部１９，１９に臨
まされる。

なお、外装ケース４を透明の合成樹脂で形成す
ることにより、内部を透視できるので、、外装ケ
ース４の内側面にそつてインデツクスカード等を
配設しても良い。

〔考案の効果〕

上述のように、本考案はテープカセツトを収納
するとともに背面板と対向する開放側を含み一対
の側面板に亘つて小冊子を巻装してなる内装ケー
スを背面板が外装ケースの開口部側に位置するよ
うにして収納してなるので、従来のものに比し大
型の歌詞カードやその他印刷物等の小冊子を収納
でき、且つこの小冊子を小さく折りたたむ必要が
ないので折目を付けることもないので、小冊子の
商品価値の向上を達成できる。

また、本考案を構成する内装ケースは、外装ケ
ースに収納しない状態でもテープカセツトの収納
保持が可能であるので、掲携時にあつては、外装
ケースから抜き取り内装ケースのままテープカセ
ツトを確実に収納して持運びが可能であるので、
テープカセツトの収納状態を使用状態に合せ適宜
選択できる。

また、外装ケースに収納された内装ケースを取
出すには、指掛け用の切欠部に手指を掛けて取出
し操作を行ない得るので、取出し操作が極めて容
易となるばかりか、内装ケースの背面板の上下両
端を把持して取出しが行ない得るので、内装ケー
ス周面に手指を掛ける必要がなく、内装ケース周
面の汚れを防止でき、同様に小冊子の汚れも防止
できる。従つて、小冊子の保護が一層確実とな
る。特に、指掛け用の切欠部を円弧状に形成して
おくことにより、小冊子は外装ケースの内側面に
沿つて位置させて外部に臨ませないようになすこ
とができるので、さらに小冊子の汚れの防止に効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図で
あり、第２図は内装ケースを示す斜視図であり、
第３図は内装ケースを外装ケースに収納する状態
を示す斜視図であり、第４図はテープカセツトの
収納状態を示す斜視図である。 １……テープカセツト、２……内装ケース、３
……小冊子、４……外装ケース、７，８……内装
ケースの側面板、９……背面板、１６……外装ケ
ースの開口部、１９……指掛け用の切欠部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 背面板を介して一対の側面板を開閉自在に連設
   するとともに、上記一対の側面板のいずれか一方
   にテープカセツトにリール軸挿通孔に嵌合する突
   起を少なくとも一個設け、この突起をリール軸挿
   通孔に嵌合して上記一対の側面板で挟持してテー
   プカセツトを収納する内装ケースと、 この内装ケースの上記一対の側面板に亘つて巻
   装される歌詞カード等の小冊子と、 前面側に上記内装ケース挿入用の開口部を有す
   るとともに、上記内装ケースの一対の側面板を覆
   う相対向する一対の側面壁部と、これら一対の側
   面壁部の一端側及び他端側を連結して閉塞する天
   板と底板を有する上記内装ケースを収納する外装
   ケースとからなり、 上記外装ケースの天板及び底板の上記開口部に
   臨む部分に指掛け用の切欠部をそれぞれ設け、テ
   ープカセツトを収納するとともに上記背面板と対
   向する開放側及び一対の側面板に亘つて小冊子を
   巻装してなる内装ケースを、上記外装ケースに上
   記背面板が上記開口部に位置するようにして収納
   し、上記背面板の上端部及び下端部をそれぞれ上
   記天板及び底板の指掛け用の切欠部に臨むように
   したことを特徴とするテープカセツト収納ケー
   ス。