JPH032509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はチエンコンベア、スラツトコンベア
等の搬送用コンベアのサージング診断装置に関す
るものである。

（従来技術） 一般にコンベアにおいては各種の要因、例えば
チエンコンベアではチエンホイールの摩擦係数、
チエンテンシヨン等によりサージングと呼ばれる
コンベアの進行方向の速度変動が発生し組立作業
等において作業能率を悪くしている。そこでサー
ジング発生のメカニズムを解明する為ユーザは次
に示す方法によりサージングを測定している。

(イ) コンベア外の定点でビデオ装置を用いてコン
ベアの移動状態をスケールと共に撮影し、低速
で再生して速度変動を人の目で計測する。

(ロ) 定点で光電式ローラ型パルス発信器とデジタ
ル演算型高速Ｆ／Ｖコンバータとを利用して速
度変動を検出する。具体例として小野測器製
FV−801とRP−721との組合せが用いられてい
る。

然し従来の方法ではコンベアの外部に計測器を
固定して変動速度を測定する為、コンベア全長に
亘る連続的なデータを得ることが困難である。又
コンベアの移動部分と固定部分との相対変位を計
測するため計器のセツテイングに時間がかかる。
特にビデオを使用する場合にはデータを数値化す
る必要があり、この作業は画面をゆつくり再生し
ながら人が計測するのでセツテイングだけでなく
データ処理にも労力と時間を費すことになる。

（考案が解決しようとする問題点） この考案はコンベアへの装着が可能でコンベア
の全長に亘つてサージング（変動速度）量の測定
が可能であり、かつ許容値以上のサージング量で
異常警報を発する搬送用コンベアのサージング診
断装置の提供を課題とする。

（問題点を解決するための手段） 上記の課題を解決するためこの考案は搬送用コ
ンベアの走行体に取り付けた走行方向の加速度を
検出する加速度計と、この加速度計からの電気信
号に基づき変動速度を検出する変動速度検出部
と、変動速度信号収録用レコーダと、異常変動速
度を報知する異常警報ユニツトとから構成されて
いる。

（考案の作用） 上記の構成により加速度計はコンベアの全長に
亘りコンベアの走行方向の加速度を計測し、この
加速度の値から変動速度検出部は変動速度を検出
する。変動速度信号収録用レコーダは変動速度を
収録し、異常警報ユニツトは変動速度が設定値以
上になると警報を発する。

（実施例の説明） 以下実施例を示す図面に基づきこの考案を説明
する。チエンコンベア５のリンクプレート５ａに
ボルト９により固定されたアタツチメント１には
リンクプレート５ａの走行方向の加速度を検出す
る圧電型の加速度計８が取り付けられている。リ
ンクプレート５ａ上にはサージング診断装置本体
２を収容しているパレツト１５が載置されてい
る。サージング診断装置本体２は変動速度検出部
１１とレコーダ１２と異常警報ユニツト１４とか
ら構成されている。変動速度検出部１１はチヤー
ジアンプ１１ａ、積分器１１ｂ、ローパスフイル
タ１１ｃ、整流器１１ｄ及びメータ１１ｅを含ん
でいる。チヤージアンプ１１ａはローノイズケー
ブル１０を介して加速度計８に接続されている。
異常警報ユニツト１４は比較回路１４ａ、アラー
ムユニツト１４ｂ及び警報基準値設定器１３を含
んでいる。１６，１７，１８はそれぞれAC出力
端子、DC出力端子、外部接点を示す。なお、３
はチエンコンベア５の従動軸、４は駆動軸、６，
７はそれぞれ駆動軸４に対する駆動ベルト、駆動
モータである。

上記の構成においてデータ収録時には変動速度
検出部１１の諸条件（加速度計８の感度、メータ
１１ｅのレンジ）を設定後レコーダ１２を運転状
態にし、駆動モータ７によりチエンコンベア５を
駆動する。こうして従動軸３側から駆動軸４付近
までの変動速度信号を収録し、チエンコンベア５
及びサージング振動装置本体２を停止する。この
際警報基準値設定器１３で設定された基準値以上
の信号（変動速度）が発生した場合には異常警報
ユニツト１４のランプ、ブザー等のアラームユニ
ツト１４ｂが作動する。

データ再生時には変動速度信号を収録したテー
プを再生し、デイジタルメモリレコーダ、ウエー
ブメモリ、FFT（フアーストフーリエトランスフ
オーム）アナライザ等で解析する。第４図はサー
ジング波形をウエーブメモリ等を用いて時間軸で
表示した例を示す。第５図はFFTを用いてAC出
力端子１６の電圧、すなわち変動速度を示す。

（考案の効果） この考案は上記の構成を有するので次のような
優れた効果を有する。

(イ) 計測装置のコンベアへの装着が容易であり、
小型のためスペースを取らないから移動中のコ
ンベアでも測定が可能となる。

(ロ) コンベアの全長に亘つて変動速度の計測がで
きるので速度変動量の分布状態が分る。

(ハ) コンベアの変動速度が設定値を越えた場合は
すぐに警報がでるのでコンベアを停止してその
損傷を防ぐことができる。

(ニ) コンベアの変動速度の挙動をAC信号として
記録するのでオフラインでFFT等によるデー
タの処理が繰り返し可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はサージング診断装置の一般的使用例の
正面図を示す。第２図はチエンコンベアにサージ
ング診断装置本体を搭載した斜視図を示す。第３
図はサージング診断装置本体のブロツク図を示
す。第４図はウエーブメモリによる時間に対する
コンベアの変動速度の分布を示す。第５図は周波
数に対するコンベアの変動速度の分布を示す。 ２……サージング診断装置本体、５……チエン
コンベア（搬送用コンベア）、５ａ……リンクプ
レート（走行体）、８……加速度計、１１……変
動速度検出部、１２……レコーダ、１４……異常
警報ユニツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 搬送用コンベアの走行体に取り付けた走行方向
   の加速度を検出する加速度計と、この加速度計か
   らの電気信号に基づき変動速度を検出する変動速
   度検出部と、変動速度信号収録用レコーダと、異
   常変動速度を報知する異常警報ユニツトとからな
   ることを特徴とする搬送用コンベアのサージング
   診断装置。