JPH0325060Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は空気調和機における露受皿装置に関す
るものである。

従来の技術 従来、フアンコイルユニツトなどのような空気
調和機は第４図および第５図に示すような構成に
なつている。すなわちフレーム側板１の内方に
は、熱交換器２が傾斜して設けられている。前記
熱交換器２の下方には略Ｖ字形になつた露受皿３
を設けてあり、この露受皿３は、フレーム側板１
にあけられた同じく略Ｖ字形の孔４にはめこまれ
て支えられている。露受皿３の下方には、露受皿
３の端部３ａに流れて来た結露水１０を受けるよ
うにした補助露受皿５を設けている。前記補助露
受皿５の口縁の一部には、補助露受皿５の口縁の
他の部分をねじ７で締付ける作業を容易にするた
めの切欠部６を形成している。前記フレーム側板
１にはストツパー９を切起して設けてあり、補助
露受皿５の両端に位置し、ねじ７を締付けるとき
回転モーメント矢印Ａ，Ｂが加わつても補助露受
皿５を水平に保たせる。図中の８はドレンホース
である。

このように従来は、熱交換器２で結露した結露
水１０が露受皿３に落下し、一側方の端部３ａま
で流れ補助露受皿５に落下しドレンホース８を介
して排水されるのである。

考案が解決しようとする問題点 このような従来の構成では、露受皿３が確実に
傾斜になつて据付けられている場合がよいが、床
面の凹凸などにより本体が水平に近い状態で据付
けられたり、また露受皿３の端部３ａ付近にゴミ
が付着した場合、第５図に示すように、一部の結
露水１０が露受皿３の底の外側を伝わり、略Ｖ字
形に打抜かれたフレーム側板１の隙間１ａより内
側に回りこんで側板１の内側に伝わり、下方の床
面に落下し、床面を汚してしまうという問題点が
あつた。

本考案はこうした従来の問題点を解決するもの
で、露受皿の傾きがなくて水平に近い状態で据付
られたり、また、露受皿の端部にゴミが付着して
も、結露水が床面に落下することのないようにす
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 この問題点を解決するために本考案は、熱交換
器の下方に断面略Ｖ字状の露受皿を一側方へ傾斜
して配置するとともに、この露受皿をフレーム側
板に形成した孔に嵌め合わせて保持し、この露受
皿の下方に補助露受皿を配置し、補助露受皿の上
方に突出する固定片の上辺に略Ｖ字形の切欠部を
設け、この略Ｖ字形部分を露受皿の下部に密着さ
せたものである。

作 用 この構成により、露受皿が水平状態に位置され
ても、露受皿の下方を伝わる結露水は補助露受皿
の固定片に案内されて補助露受皿に導入されるこ
ととなる。

実施例 以下、本考案による一実施例を第１図〜第３図
にもとづいて説明する。図において１３は空気調
和機本体の一方の側板となるフレーム側板で、熱
交換器１４が固定されている。この熱交換器１４
の下方には断面が略Ｖ字形の露受皿１５が配置さ
れ、この露受皿１５はフレーム側板１３に打抜か
れた略Ｖ字状の孔１６に嵌め合わされて保持され
ている。前記露受皿１５の下方には箱状になつた
補助露受皿１７が配置され、この補助露受皿１７
は上方に延びた固定片１８をねじ２０でフレーム
側板１３にねじ止めすることにより固定される。
この固定片１８は上端１８ａは略Ｖ字形に形成さ
れ、前記露受皿１５の底の下部に下方より押し当
てるようにして密着させている。この上端１８ａ
は略Ｖ字形に形成することにより、ねじ２０を締
め付けるとき、補助受皿１７のモーメントを矢印
Ａ方向および矢印Ｂ方向に回転しないように規制
する。図中の１９は固定孔、２１はドレンホース
である。

上記構成において、冷房時、熱交換器１４に結
露した結露水は、露受皿１５に落下したのち底部
を通つて排水口１６ａより補助露受皿１７に落水
する。このとき、補助露受皿１７の固定片１８の
略Ｖ字状の上端１８ａが露受皿１５の底に密着し
ているので、仮に露受皿１５の傾斜がとれていな
い状態で空気調和機の本体が据付けられたり、ま
た露受皿１５の端部にゴミが付着したりして、結
露水が露受皿１５の端よりフレーム側板の方に流
れても、結露水は固定片１８によつて塞き止めら
れ、しかも下方の補助露受皿１７内に導かれる。

また補助露受皿１７をねじ２０によつて固定す
るとき、固定片１８の上端１８ａが略Ｖ字形にな
つているから、左右いずれの方向にも補助露受皿
１７の回転が規制される。

なお、露受皿および補助露受皿の固定片を略Ｖ
字形としたが、略Ｕ字形や略コ字形で形成しても
よい。

考案の効果 このように本考案は、露受皿の底を略Ｖ字形に
形成し、この露受皿の底に補助露受皿の固定片の
略Ｖ字形の上端を密着させたものであるから、露
受皿から補助露受皿へ確実に結露水を流すことが
でき、従来のようにフレーム側板のわずかな隙間
の孔よりフレーム側板の内側に流れて床面に滴下
することなく、床を汚すなどの事故も防止でき
る。また、補助露受皿の固定も、固定片の上端に
設けている略Ｖ字形の形成により、ねじ締め付け
のときのモーメントにより不均衡な取付け方にな
ることもなく、従来のように切起こしによるスト
ツパーを不要とし、しかも水平に装着できるなど
の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の空気調和機の露受
皿装置の側面図、第２図は同露受皿装置の補助露
受皿の斜視図、第３図は同露受皿装置の部分断面
図、第４図は従来の露受皿装置の側面図、第５図
は同露受皿装置の部分断面図である。 １３……フレーム側板、１５……露受皿、１６
……孔、１７……補助露受皿、１８……固定片、
１９……固定孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱交換器の下方に底部の断面を略Ｖ状にした露
   受皿を一方向に傾斜するように設け、露受皿の下
   方に補助露受皿を配置し、前記補助露受皿より上
   方に延びた固定片の上端に略Ｖ字状部を形成し、
   より前記略Ｖ字状部を露受皿の底部に密着させて
   なる空気調和機の露受皿装置。