JPH0324908B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

産業上の利用分野 本発明はインクジエツトプリンタ用の記録用紙
に関するものである。 従来の技術 一般にインクジエツト記録は直径数十ミクロン
の細孔からインクを加圧噴出させ、生成したイン
ク微粒子による記録紙上にドツト記録を行なう方
式である。細孔からの安定なイオン噴出を確保す
る必要上通常の印刷インクのようにインク中に顔
料、樹脂等を含有させることが困難であり、一般
に直接染料、酸性染料などの水溶性染料からなる
低粘度の水性インクが用いられる。このためイン
クジエツト記録は記録濃度、光沢、耐光性、耐水
性などの記録品質が一般の印刷に比べ見劣りする
のが当然と考えられていた。 しかしインクジエツト記録方式の使用分野の拡
大並びにカラープリンタの普及につれて、記録時
の性能即ち、解像度、濃度、カラー色調の鮮かさ
などは勿論のこと、記録後の画像の耐水性、耐光
性等の保存性も要求されるようになつた。 このうち記録の解像度、濃度、カラー色調の鮮
かさの対策としては特開昭55−51583、同56−
148583及び同56−148585号公報などでシリカ系顔
料と水溶性バインダーから成る塗料を10ｇ／m²以
上支持体上に塗布することが提案されており、更
に、特開昭57−107879号公報は無機顔料として合
成シリカを用い、PVA又は酸化でんぷんのバイ
ンダーに混合した塗料を、支持体の同一面に２回
以上塗布して、10ｇ／m²以上の塗工層とすること
によつて一層優れたカラー記録が得られるとして
いる。 また記録画像の耐水化については、例えば本発
明者らが特開昭59−20696号公報において、ジメ
チルアリルアンモニウムクロライド重合物を支持
体に塗工又は含浸させると黒色画像のみならず、
カラー記録画像の耐水化にも格段の効果が発揮さ
れることを示した。 然しこれらの従来技術には次のような欠点があ
つた。 先ず、１回で10ｇ／m²以上もの塗料塗布を行う
には、通常オフマシン塗工で行うが、これは巻取
の移動、機械への掛け替え等操業能率が悪く、そ
の上このようにして形成した塗布層は粉落ちが起
こり易いという欠点がある。オンマシンで行うこ
とも不可能ではないが、多量の塗料を均一に塗
布、乾燥する設備はつけられていないのが通常で
ある。また、オフマシン塗工で２回以上の多重塗
工を行えば、高品質の塗布層が得られるが、この
場合は作業能率が悪くコスト的に不利である。 従つて、10ｇ／m²以下の低塗布量でオンマシン
塗工を行なえば良い訳であるが、従来の塗料で低
塗布量とすると、インクのドツト径が大きくなつ
て解像度が悪くなる。更に、基本色を重ねて複合
色を記録するとき、その重ね順によつて複合色の
色合いが違つて見える、いわゆる色ズレが著しく
大きくなるという欠点が発生する。 又記録画像の耐水性向上の為に、塗工層にジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド重合物を含
有せしめると、色ズレを大きくするという欠点が
あつた。 尚、特開昭56−99692号公報には結着剤に60wt
％以上の充填材微粒子を添加した塗膜層の改質材
としてシリコーンオイルを用いることもあるとの
記載がある。これはシリコーンオイルの撥水性を
利用して、インクを濡れにくくして、ドツト径を
小さくする効果を期待しているものであるが、
0.1wt％以上使用すればインクが付着しにくくな
つて鮮明な画像が得られない上に、経時的に油が
表面に移行して筆記性を損うという欠点があり、
また、色ズレ改善効果も認められなかつた。 発明が解決しようとする問題点 本発明は、カラー記録における基本色の重ね順
の違いに起因する色ズレ及び画像解像度の改善を
目的とし、併せて低塗布量故にオンマシンコーテ
イングが可能なコートタイプのインクジエツト記
録用紙を提供せんとするものである。 問題点を解決するための手段 本発明者らは前述の問題点を解決すべく鋭意検
討を重ねた結果、(a)顔料と水溶性高分子バインダ
ー、並びに(b)シリコーンエマルジヨン又は水溶性
シリコーン化合物について、(a)、(b)を１液で同時
に支持体表面に塗布または含浸させ、或いは(a)、
(b)を別々に塗布または含浸させることによつて、
前述の目的を達成し本発明を完成した。 以下本発明につき詳述する。 本発明のシリコーンエマルジヨンは、シロキサ
ン骨格（Si−Ｏ−Si）からなるポリジメチルシロ
キサンとして知られているシリコンオイルを水中
に安定に分散させたエマルジヨン、あるいはジメ
チルシロキサンモノマーを乳化重合させて得られ
るものであり、メチル基の１部がエポキシ基、ア
ミノ基、反応性の水素等に置換されたものも含
む。また水溶性シリコン化合物とは、ジメチルシ
ロキサンやフエニルシロキサン等のポリアルキル
あるいはポリアリルシロキサンとエチレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリ
ツト、ソルビトール等の多価アルコールとのラン
ダム、ブロツク、グラフト共重合体であつて水溶
性のものである。これらの他に、シロキサン化合
物とヒドロキシメタクリル酸等との水溶性共重合
体も含まれる。これらの化合物は、インクジエツ
ト記録用紙を製造する時の温度では皮膜を形成し
ないものが良く、乾燥後常温で液体か又は容易に
水と混和する性質を保持しているものが好ましく
用いられる。 顔料としてはシリカ、タルク、カオリン、クレ
ー、重質又は軽質炭酸カルシウム、その他の炭酸
塩、酸性白土、水酸化アルミニウム、水酸化マグ
ネシウム、けいそう土、酸化チタン、酸化亜鉛、
硫酸バリウム、尿素ホルマリン樹脂微粉末等であ
り、これらを混合して使用することもできる。 水溶性高分子バインダーとしてはPVA、酸化
でんぷん、エーテル化でんぷん、その他のでんぷ
ん誘導体、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、そ
の他のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン
等を単独あるいは併用して使用する。 上記のうち顔料としてはシリカ系のものが良
く、なかでも二酸化珪素を主成分とする合成沈降
性無定形シリカが好適であり、これに水溶性バイ
ンダーとしてPVA（ポリビニルアルコール）を組
み合せたものが画像の濃度、鮮明性等の点でとく
に好ましいものである。 顔料と水溶性高分子バインダーとシリコーンエ
マルジヨン又は水溶性シリコーン化合物の使用割
合は、固形分重量で顔料100部に対して、水溶性
高分子バインダーが10〜40部、好ましくは15〜30
部、シリコーンエマルジヨン又は水溶性シリコー
ン化合物が１〜15部、好ましくは２〜７部であ
る。顔料に対して、水溶性高分子バインダーが少
なすぎると、接着力が不足して粉落ちがおこり、
多すぎると顔料の効果がなくなり、インクの吸収
性が悪くなつて、画像のベタツキや不規則な拡散
により鮮明性が損われる。シリコーンエマルジヨ
ン又は水溶性シリコーン化合物が上記割合より少
ないと、色ズレ改善効果がなく、多いと画像濃
度、解像度が悪くなつてくる。 又、本発明においては、顔料とともに既述の耐
水化剤ジメチルアンモニウムクロライド重合物を
添加することができる。ジメチルアンモニウムク
ロライド重合物の使用量は顔料100部に対して１
〜40部で好ましくは５〜20部である。１部より少
ないと耐水化効果は期待できず、40部より多くし
ても最早、耐水性は向上せず、むしろ色ズレの著
しい増大という逆効果がみられる。 シリコーンエマルジヨン又は水溶性シリコーン
化合物を支持体に含有させる方法としては、顔料
及びバインダーを塗工層としたとき、この塗工層
の下、塗工層中、塗工層の上が考えられるが、顔
料及びバインダーと共に混合して塗工層中に含有
させる方法が最も効果が大きい。 塗料の塗布量は固型分として３ｇ／m²以上であ
れば良いが、本発明では３〜10ｇ／m²、好ましく
は４〜７ｇ／m²の低塗布量で実用に足る品質のイ
ンクジエツト記録用紙とすることができる。塗料
塗布の方法としては従来法をそのまま用いること
が可能である。即ち、ロールコーター、ブレード
コーター等で10ｇ／m²以上塗工する場合はオフマ
シンで行い、10ｇ／m²以下の場合はオンマシンで
抄紙工程中で塗工する。特に低塗布量の場合はサ
イズプレスも使用可能である。 作 用 普及型のカラーインクジエツトプリンターは、
多くは往復方式のものであつて、カラー複合色を
得る場合、往と復で基本色の重ね順が逆になる。
この重ね順の違いによつて記録された複合色が若
干違つた色にみえる色ズレがおこる。 色ズレは、インクが受理される以前の記録層
と、既にインクにより湿潤、染色された記録層と
では、インクあるいは染料に対する記録層の受容
性（インク浸透性、濡れ性、染料親和性など）が
変化する為に生ずると考えられる。先に記録され
たインクが余りに速く吸収され、乾燥状態になつ
ていたり、染料が強く吸着されたりすると、後か
ら到達したインクと先のインクとが十分混合する
ことができず色ズレが生ずる。又、インクの有無
により、記録面のインク浸透性、濡れ性が変わる
と先に記録したインクドツト径と、その上に重ね
られたインクドツト径に差が生じ、混色部と非混
色部が生じ、色ズレとなる。これらは多く同時に
おこるが、その寄与の割合は支持体や記録層の性
質及びインクの性質によつて様々である。 顔料とバインダーを支持体に塗布して記録層と
する場合、塗布量が少なくなると、色ズレが大き
くなるのは、インクが素速く拡がり吸収されて半
ば乾いた状態になり、次のインクが到達した時の
インク混合が不十分になる為と考えられる。記録
層に例えば、画像の耐水化剤であるジメチルジア
リルアンモニウムクロライド重合物を含有せしめ
た場合は、先に記録されたインク中の染料はジメ
チルジアリルアンモニウムクロライド重合物に強
く吸着補獲され、従つてインクドツトは拡がらな
いので、次のインクが到達しても染料の混合が不
十分である上に、表面の吸着性の変化から先のイ
ンクの拡がりを越えて後のインクが拡がり、大き
な色ズレを生じる。この場合塗布量を低下させる
と色ズレはかなり改善されるものの、それだけで
は十分でない。 本発明の水溶性シリコーン化合物は常温で液体
であり、殆んど皮膜を形成しない。又シリコーン
エマルジヨンもインクジエツト記録用紙を製造す
る為の乾燥では殆んど皮膜を形成せず、しかも安
定な、親水性の強い乳化剤と共存している。この
為、これらと顔料及びバインダーを混合して支持
体に塗布すると、これらは顔料周囲及び支持体繊
維に吸着され、又繊維間に存在して顔料のインク
吸収能、染料の定着能を、又繊維、繊維間のイン
ク吸収速度、拡散性を変化させ、結果として適度
の撥水性と水との混和しやすさとのバランスで、
色ズレを減少させるものと推定される。 具体的には、塗工層が低塗布量からなる場合、
余りに速く拡がりすぎることからくる色ズレに対
しては、拡がりが抑制されてドツト径が小さくな
るとともに、インクの混和性がよくなつて色ズレ
か改善される。ジメチルジアリルアンモニウムク
ロライド重合物を塗工層に含有させたような場合
は、染料の吸着補獲能を緩除化して本来の耐水化
能をほとんど落さずに、インクの混和性を良くし
て色ズレを改善しているものと推定される。 実施例 以下実施例により説明する。尚、実施例中の部
及び％は特にことわらないかぎり、重量部及び重
量％を表わす。 尚、得られた記録用紙の品質テスト法は次の通
りである。 (1) 色濃度：シヤープ製インクジエツトカラーイ
メージプリンターIO−0700を使用してブラツ
ク、シアン、マゼンタ、およびイエローの４色
の各全面記録を行ない、ブラツク部分について
はブラツク用ビジユアル、シアン部分について
はシアン用レツド、マゼンタ部分についてはマ
ゼンタ用グリーン、イエロー部分についてはイ
エロー用ブルーの各SPIフイルターを使用して
反射濃度計（マクベス社製RD915）により測
定した反射光学濃度の合計値で示した。 (2) 解像度（ドツト径）：同上プリンターを使用
してテストパターン記録を行ない、顕微鏡で直
接測定したドツト径のタテ・ヨコの平均値を
5μ単位で示した。 (3) 色ズレ（色差）：紫（シアン−マゼンタ）、赤
（マゼンタ−イエロー）、および緑（イエローシ
アン）の３複合色について測定した。即ち同上
プリンターを使用して例えば紫については先ず
シアン、マゼンタの順に重ねて全面記録を行な
う。次いで順序を逆にして全面記録を行ない、
この２つの紫色記録面の色差△Ｅを色差計（日
本電色工業(株)製、Z80測色色差計）で測定し
た。赤および緑についても同様の手順で色差の
測定を行い、各△Ｅの合計値で試料の色ズレの
大きさを表わした。 実施例 １ 顔料として合成シリカ（徳山曹達(株)製、トクシ
ールＵ）の15％スラリー567部に、バインダーと
して完全ケン化ポリビニルアルコール（クラレ(株)
製、PVA117）の10％水溶液150部、を混合した
水を加えて固型分濃度10％の塗料を調製した。こ
の塗料1000部に対して、それぞれ次の水溶性シリ
コーン化合物及びシリコーンエマルジヨンを５部
（純分）加え良く撹拌混合した。 PA：シリコーン・エチレングリコール共重合体
（トーレシリコーン(株)製、SH3746） PB：アラニン−ポリヂメチルヒドロキシシロキ
サン化合物（重合度10） EA：ポリジメチルシロキサンエマルジヨン（ト
ーレシリコーン(株)製、SH7036） EB：ポリジメチル・エポキシシロキサンエマル
ジヨン（同、SM8701） EC：ポリアミノアルキルシロキサンエマルジヨ
ン（同、SM8702） 支持体は、フリーネス350mlのLBKP80部およ
びフリーネス400mlのNBKP20部から成る原料パ
ルプに、軽質炭酸カルシウム粉体（白石工業(株)
製、PC）を20部添加し、長網マシンで硫酸アル
ミニウム無添加で抄造した、米坪60ｇ／m²の上質
系中性無サイズ紙を用いた。この支持体上に前記
の各混合塗料を塗布量が約５ｇ／m²になるように
ワイヤーバーで塗布した。更にこれらの紙のベツ
ク平滑度が90〜140秒になるようにテストカレン
ダー（ユリロール社製）に線圧0.6〜８Kgで１回
通してインクジエツト記録用紙を得た。 尚、前述のPBは特開昭52−3023号公報に従つ
て次のように作成した。先ず、４つ口フラスコに
β−アラニン９部と下記構造式〔〕のジオルガ
ノポリシロキサン12部を加え、塩化水素ガスを吹
き込みながら加熱し、３時間120℃で反応させた。
このものを0.1規定苛性ソーダ溶液で中和した後
トルエンで抽出し、更に減圧下に120℃でトルエ
ンを除去したところ透明な抽状物としてアラニン
−ポリジメチルヒドロキシシロキサンを得た。 比較例 １ シリコーンのみ無添加の混合塗料を塗布した他
は実施例１と同様にして、比較用インクジエツト
記録用紙を得た。 表−１によれば、シリコーンエマルジヨン、水
溶性シリコーン化合物を含有させた実施例１の各
記録用紙は、比較例１に比べ色ズレが顕著に改善
されており、ドツト径は小さくなり解像度も良く
なつている。 実施例 ２ 顔料として実施例１で用いたのと同じ合成シリ
カ粉体50部と重質炭酸カルシウム粉体（丸尾カル
シウム(株)製、スーパー1500）35部を混合し、撹拌
しながら水を加えて15％の分散液を調製した。こ
の分散液各250部に、バインダーとして実施例１
で用いた10％PVA水溶液66部と10％酸化澱粉
（王子コーンスターチ(株)製、王子エースＢ）、水溶
液66部をそれぞれ混合し、更に実施例１で用いた
PB：アラニン−ポリジメチルヒドロキシシロキ
サン化合物を各々2.2部（純分）添加し、良く撹
拌して塗料を作成した。他は実施例１と同様にし
てインクジエツト記録用紙を作成した。 比較例 ２ バインダーとして実施例２の酸化澱粉を用い、
水溶性シリコーン化合物を加えずに、その他は実
施例１と同様の手順で比較用インクジエツト記録
用紙を作成した。 実施例２及び比較例２の評価結果は表−１に示
した通り、アラニン−ポリジメチルヒドロキシシ
ロキサン化合物を添加したものは色ズレ、解像度
とも改善されていた。 実施例 ３ 水溶性シリコーン化合物として実施例１で用い
たPA：シリコーン・エチレングリコール共重合
体と、エマルジヨンとしてEC：ポリアミノアル
キルシロキサンエマルジヨンを用いて実施例１と
同様の配合、手順で作成した塗料を約12ｇ／m²塗
布してインクジエツト記録用紙を作成した。 比較例 ３ シリコーン化合物或いはエマルジヨンを添加せ
ずに実施例１と同様に作成した塗料を11.8ｇ／m²
と多量に塗布して比較用試料とした。 評価結果は表−１に示す通り、実施例３におい
ては、色ズレ及び解像度とも改善されているが、
画像濃度の変化はなかつた。 実施例 ４ 実施例１で用いたシリカ及びPVAの水溶液を
固形分で70部及び15部に相当するよう秤取混合し
たものに、耐水化剤としてDDAC：ジメチルジ
アリルアンモニウムクロライド重合物（日東紡(株)
製、パスＨ−10L）15部（純分）とシリコーン・
エチレングリコール共重合体（実施例１のPA）
を５部（純分）をよく混合し、実施例１で作成し
た支持体にワイヤーバーで塗布・乾燥し、塗布量
4.5ｇ／m²の記録用紙を作成した。 比較例 ４ 実施例４に於てシリコーン・エチレングリコー
ル共重合体を添加せずに塗料を作成し、塗布量
4.3ｇ／m²のものを作成し、比較用試料とした。 結果は表−１に示した通り、実施例４の記録紙
は色ズレに於て顕著な改善がみられ、画像濃度、
解像度も改善されている。この記録画像は極めて
耐水性に優れ、室温で24時間水中浸漬後も、充分
判読可能であつた。 実施例 ５ 顔料として微粒軽質炭酸カルシウム（白石工業
(株)製、PX）の14％水分散液620部に、バインダー
として実施例２で用いたものと同じ酸化澱粉（水
溶液）130部を混合し、更に実施例２で用いた
PB：アラニン−ポリジメチルヒドロキシシロキ
サン化合物を５部（純分）添加し、実施例１と同
様の手順で作成した塗料を使用して塗布量6.0
ｇ／m²の記録用紙を作成した。 比較例 ５ 実施例５において水溶性シリコーン化合物
（PB）を添加せずに塗料を作成し、塗布量5.7
ｇ／m²のものを比較用試験片とした。 結果は表１に示した通り色ズレおよび解像度と
もに可成の改善が見られる。 実施例 ６ 実施例１で用いた合成シリカ分散液553部と、
PVA水溶液170部を混合し、これにシリコーン・
エチレングリコール共重合体（PA）をそれぞれ
純分で２部、６部、10部を添加し、塗布量6.5〜
6.8ｇ／m²の紙を試験に供した。 結果は表−１に示す通りで、比較例１と比べる
といずれも改善されているといえる。シリコー
ン・エチレングリコール共重合体が増えるに従つ
て色ズレは改善されるが、ドツト径はむしろ大き
くなり解像力が低下してくる傾向を示している。

【表】

【表】 発明の効果 以上の説明から明らかなように、顔料と水溶性
高分子バインダーからなる系に、水溶性シリコー
ン化合物又はシリコーンエマルジヨンを含有させ
たインクジエツト記録用紙は色ズレが少なくな
り、解像度が向上する。又、塗布量が少ない程顕
著な効果を示すので、10ｇ／m²以下、５ｇ／m²程
度の塗布量で実用可能なインクジエツト記録用紙
が得られる。10ｇ／m²以下の塗布量は通常のオン
マシンコーテイングによつても十分強度のある塗
工層が得られるため、操業性の大幅な向上が実現
可能となる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 支持体に(a)顔料と水溶性高分子バインダー並
   びに(b)シリコーンエマルジヨン又は水溶性シリコ
   ーン化合物を、(a)、(b)を１液で同時に或いは２液
   で積層状に塗布又は含浸してなるインクジエツト
   記録用紙。 ２ 顔料が合成シリカであり水溶性高分子バイン
   ダーがポリビニルアルコールであることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載のインクジエツト
   記録用紙。 ３ (a)、(b)を１液で同時に塗布し、且つ固型分塗
   布量が10ｇ／m²以下であることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項または第２項記載のインクジエ
   ツト記録用紙。 ４ 支持体に合成シリカ、水溶性高分子バインダ
   ー、ジメチルアンモニウムクロライド重合物、並
   びにシリコーンエマルジヨン又は水溶性シリコー
   ン化合物を塗布又は含浸してなるインクジエツト
   記録用紙。