JPH032489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばボツクス柱のような重量物
を、90゜回転し他に受け渡しする装置に関する。

〔従来の技術〕

従来この種の重量物回転装置は、シリンダの機
能から、複動ラムを用いるか、あるいは単動ラム
を２本併用する手段が一般的である。この場合に
は、比較的長いストロークのラムが必要となり、
設備が大型化されるなどの問題点がある。

〔考案の目的〕

本考案は、このような実情に鑑みなされたもの
で、簡単な面も合理的手段、詳しくは、回転物の
状態にかかわらず、常にシリンダに対して圧縮の
力が作用する機構を採用し、比較的短いストロー
クの単動ラム１本で重量物の回転が行える装置に
より、従来技術の問題点を安易に解決せんとする
ものである。

〔問題点を解決するための手段〕

従来技術の問題点を解決する本考案の重量物の
回転装置は、機枠に軸架された軸１の一側方向
に、この軸の軸線方向と直交し、常時は水平状態
を保つ第１回転アームの一端を軸支せしめ、該第
１回転アームの中途部に上記軸１と平行な軸３を
設けるとともに、この軸３に単動ラムの一端を連
結し、一方、上記軸１の他側方向に、この軸の軸
線方向と直交し、常時は水平状態にある第２回転
アームの一端部を回動可能に軸着するとともに、
該第２回転アームを軸支点より斜め下向きに延長
せしめ、この第２回転アームの下向き延長部端
と、上記単動ラムを軸着した軸３とを、クランク
軸にて連結されたクランクアームの両端部を各別
に軸着させ、該クランクアームのクランク軸を、
傾斜した固定ガイドバーにスライド可能に支持さ
せたことを特徴とするものである。

〔実施例〕

図は本考案の目的を達成するための一実例を示
し、第１図は装置の斜視図、第２図は同上側面図
である。

１は、重量物搬送体（図示略）の搬送端などに
設けた機枠（図示略）に軸架した軸で、この軸１
は、例えば上記搬送体の搬送方向と平行である。
該軸１の一側方向には、この軸１の軸線方向と直
交し、常時は水平状態を保ち、重量物を最初に受
け入れる第１回転アーム２の一端を軸支せしめ
る。この第１回転アーム２は強度上、図で示すよ
うに平面形状がコ字形に形成されている。上記第
１回転アーム２の中途部に上記軸１と平行な軸３
を設けるとともに、この軸３に単動ラム４の一端
を回動可能に連着する。また、上記軸１の他側方
向、詳しくは、第１回転アーム２の取付け方向と
反対方向に、軸１の軸線方向と直交し、常時は水
平状態にある第２回転アーム５の一端部を回動可
能に軸着するとともに、該第２回転アーム５を軸
支点より斜め下向きに延長し、延長部５ａを形成
する。

そして、この延長部５ａ端と、上記単動ラム４
を軸着した軸３とを、クランク軸６にて連結され
たクランクアーム７ａ，７ｂの両端を各別に軸着
し、更に、このクランクアーム７ａ，７ｂのクラ
ンク軸６の上端を上記軸１に連結し、下端を床面
（図示略）に固定した傾斜せる固定ガイドバー８
の下面にスライド可能に当接せしめ、クランク軸
６の浮上りを防止するようにしたものである。尚
上記固定ガイドバー８の上端は軸１に連結するこ
となく機枠に連結することなく機枠に連結しても
よい。

また、第２図に示すように、回転時に重量物の
支持が第１回転アームより第２回転アームに移行
するように、第１回転アーム２が単動ラム４の作
用で45゜以上回動したとき、上記軸１の軸心を通
る垂直平面と、第１及び第２回転アーム２，５の
上面とのなく角θ1，θ2が、θ1＜θ2，（θ1＋θ2＝
90゜）となるようにクランクアーム７ａ，７ｂの
長さ関係、固定ガイドバー８の傾斜角度を調節す
るものである。尚図中９はボツクス柱などの重量
物である。

〔作用〕

第１図の状態、即ち、水平状態にある第１回転
アーム２上に、搬送体から重量物９が搬入供給さ
れたのち、操作スイツチのONにより単動ラム４
に絞り弁を介して油圧が注入され、第１回転アー
ム２を軸１を中心として上方に回動する。この回
動は、軸３、クランクアーム７ａ，７ｂおよび固
定ガイドバー８を介して第２回転アーム５の延長
部５ａに伝達され、第１回転アーム２の回動より
若干遅そい速度で第２回転アーム５が上向きに連
動し、第１回転アーム２が45゜を超えたときの角
度θ1が、第２回転アーム５の角度θ2より小さいた
め、重量物の荷重は第２回転アーム５に移換され
る。従つてこの第２回転アーム５には重量物９の
荷重による下向き回動力が作用し、この力がクラ
ンクアーム７ａ，７ｂおよび固定ガイドバー８を
介して第１回転アーム２にも下向き回動力が支え
られ、単動ラム４には圧縮力が作用する。

次に、絞り弁を介して油圧を排出すると、第
１、第２回転アーム２，５は第１図の状態に戻
り、重量物９は90゜回転される。そしてこの重量
物９は他の搬送体上に移換され、他の作業上程な
どに搬送される。

従つて、本考案によれば、重量物９が第１回転
アーム２上にある間は、軸３を介して単動ラム４
には圧縮力が作用し、重量物９が第２回転アーム
５に移つた場合には、第２回転アーム延長部５
ａ、クランクアーム７ａ、クランク軸６、固定ガ
イドバー８、クランクアーム７ｂ、軸３を介して
単動ラム４には同様に圧縮力が作用する。よつ
て、比較的短いストロークの単動ラム４１本で重
量物９の90゜回転が可能となる。

〔効果〕

上述のように本考案によれば、重量物の状態に
かかわらず、常にシリンダに対して圧縮の力が作
用することができ、単動ラム１本で重量物の90゜
回転がなし得られる。また、実質的には約45゜の
回転機能をもつて、重量物を90゜回転させること
ができ、比較的短いストロークのシリンダーが使
用できるなど実用上の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は側面図である。 １……軸、２……第１回転アーム、３……軸、
４……単動ラム、５……第２回転アーム、６……
クランク軸、７ａ，７ｂ……クランクアーム、８
……固定ガイドバー、９……重量物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 機枠に軸架された軸１の一側方向に、この
   軸の軸線方向と直交し、常時は水平状態を保つ
   第１回転アームの一端を軸支せしめ、 (b) 該第１回転アームの中途部に上記軸１と平行
   な軸３を設けるとともに、この軸３に単動ラム
   の一端を連結し、 (c) 一方、上記軸１の他側方向に、この軸の軸線
   方向と直交し、常時は水平状態にある第２回転
   アームの一端部を回動可能に軸着するととも
   に、該第２回転アームを軸支点より斜め下向き
   に延長せしめ、 (d) この第２回転アームの下向き延長部端と、４
   記単動ラムを軸着した軸３とを、クランク軸に
   て連結されたクランクアームの両端部を各別に
   軸着させ、 (e) 該クランクアームのクランク軸を、傾斜した
   固定ガイドバーにスライド可能に支持させた ことを特徴とする重量物の回転装置。