JPH03248331A - 磁気転写方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、マスター媒体上に記録された記録信号をスレ
ーブ媒体上に磁気的に転写する磁気転写方法に関するも
のである。

〔発明の概要〕

本発明は、マスター媒体の記録信号をスレーブ媒体に転
写する磁気転写方法において、柱状構造の傾斜方向が互
いに逆方向とされた金属磁性薄膜の多層膜からなる磁気
記録媒体をマスター媒体とし、大方晶系フェライト粉末
を磁性粉とする磁気記録媒体をスレーブ媒体とすること
により、優れた転写再生出力を確保し、同時にエラーレ
ートの低減を図ろうとするものである。

〔従来の技術〕

例えばビデオ信号やオーディオ信号等が記録された磁気
記録媒体を複製する方法としては、あらかじめ記録がな
されたマスター媒体にスレーブ媒体を磁性層同士が密着
するように重ね合わせ、この状態で外部からバイアス磁
界を与えてマスター媒体上の磁気的記録をスレーブ媒体
に転写するいわゆる接触方式の磁気転写方法が知られて
いる。

そして、このような磁気転写方式においては、これまで
マスター媒体として長手方向保磁力が２０００　（Ｏｅ
）程度の金属磁性粉系塗布テープ（いわゆるメタルテー
プ）等が、スレーブ媒体として長手方向保磁力が７００
　（Ｏｅ）程度の酸化鉄系塗布型テープ（Ｃｏ被被着−
Ｆｅｚｅｓテープ）等が使用されている。

例えば、メタルテープをマスター媒体とし、ＣＯ被着７
−Ｆｅ、０３テープをスレーブ媒体とする組み合わせは
、既にビデオテープにおける。

いわゆるソフトテープの量産に応用されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上述のような磁気転写技術は、様々な磁気記録の分野へ
応用が可能であり、いわゆる８ミリＶＴＲやデジタルオ
ーディオテープレコーダ等のような高密度記録が要求さ
れるシステムにおいても、例えばソフトテープの複製等
に応用されるようになってきている。

しかしながら、本発明者等が実験を重ねたところ、８ミ
リビデオテープやデジタルオーディオチーブ等のような
高密度記録媒体の磁気転写に適用しようとした場合、メ
タルテープとＣＯ被着ＴＦｅｚＯ＊テープの組み合わせ
では、特に短波長領域における転写出力が不十分である
ことがわかってきた。

転写出力に関しては、スレーブ媒体を）＜リウムフェラ
イト塗布型テープとすることである程度の改善が見られ
るが、未だ十分とは言えない。

そこで、金属磁性薄膜を磁性層とする。いわゆる蒸着テ
ープをマスター媒体として使用することが考えられるが
、一般に蒸着テープにおいては磁性層が斜め蒸着され柱
状構造が一方向に傾斜していることから、特にデジタル
信号を転写する場合に位相ズレ等によるエラーレートの
増加が問題となる。

そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑みて提案された
もので、転写再生出力に優れ、しかもエラーレートの少
ない磁気転写を実現し得る磁気転写方法を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上述の目的を達成するために、本発明の磁気転写方法は
、非磁性支持体上に金属磁性薄膜が複数層形成され、隣
接する金属磁性薄膜の柱状構造の傾斜方向が互いに逆方
向とされてなる磁気記録媒体をマスター媒体とし、非磁
性支持体上に六方晶系フェライト粉末を磁性粉とする磁
性塗膜が形成されてなる磁気記録媒体をスレーブ媒体と
することを特徴とするものである。

本発明において、マスター媒体として用いられる磁気記
録媒体は、第１図に示すように、非磁性支持体（１）上
に複数層の金属磁性薄膜（２）　、　（３）が形成され
てなるものである。

前記金属磁性薄膜（２）　、　（３）は、Ｃｏ、Ｎｉ。

Ｆｅ、あるいはこれらの合金等を複数回に亘って真空蒸
着することにより形成されるもので、本例では２層構造
をとっている。ここで、各金属磁性ＦＲＭ　（２）　、
　（３）は、それぞれ金属磁性材料を蒸着する際に藤気
流の入射方向が高入射角〔非磁性支持体（１）の法線方
向に対する角度〕側から低入射角側へと移行することに
よって図中模式的に示すようその柱状構造が傾斜してい
るが、金属磁性薄膜（２）の柱状構造の傾斜方向と金属
磁性薄膜（３）の柱状構造の傾斜方向とが互いに逆方向
となるように設定されている。

このように金属磁性薄膜（２）の柱状構造の傾斜方向と
金属磁性薄膜（３）の柱状構造の傾斜方向とを互いに逆
方向とすることで、非対称性が改善され、位相ズレが解
消されてエラーレートが低く抑えられる。

なお、第１図に示すマスター媒体は、金属磁性薄膜が２
層形成された２層媒体の例であるが、これに限らず３層
以上の多層媒体であってもよく、この場合には隣接する
金属磁性薄膜の柱状構造の傾斜方向が互いに逆向きとな
っていればよい。

上述のマスター媒体においては、転写に際してマスター
媒の記録信号が消去されないように保磁力Ｈｃが高い（
スレーブ媒体の２倍程度）ことが必要で、また転写出力
を高くするために磁束密度Ｂｍも高いことが必要である
。かかる観点から、マスター媒体の保磁力Ｈｃは１４０
０　（Ｏｅ）以上、磁束密度Ｂｍは４５００（Ｇ）以上
であることが好ましい。マスター媒体の保磁力Ｈｃが１
４００（Ｏｅ）未満であると、転写バイアス磁界の長手
方向成分の影響によってマスター媒体が減磁してしまう
。また、磁束密度Ｂｍが４５００（Ｇ）未満であると、
転写出力を確保することが難しい。したがって、金属磁
性薄膜を構成する金属磁性材料としては、Ｃｏを８０〜
１００原子％含有する金属磁性材料が好適である。

一方、スレーブ媒体としては、大方晶系フェライト磁性
粉末を使用した塗布型の磁気記録媒体が使用される。

スレーブ媒体の磁性粉として使用される六方晶系フェラ
イト磁性粉末は、一般式 ％式％（１） 〔但し、式中ＭはＢａ、Ｓｒ、Ｃａのうち少なくとも一
種を表し、またｎは５〜６である。〕で表される六方晶
系フェライトの微粒子である。

この場合、保磁力を制御するために、Ｃｏ、Ｔ１Ｎｉ、
Ｍｎ、Ｃｕ、Ｚｎ、Ｉｎ、Ｇｅ、Ｎｂのうち少なくとも
一種を添加し、上記六方晶系フェライトを構成するＦｅ
の一部をこれら元素で置き換えてもよい。例えば、（１
）式中のＭがＢａであるマグネトブランバイト型バリウ
ムフェライトにおいて、上記元素によりＦｅの一部を置
き換えた場合には、その組成は一般式 ％式％（２） 〔但し、式中ＸはＣｏ、　Ｔｉ、　Ｎｉ、　Ｍｎ、　Ｃ
ｕＺｎ、Ｉｎ、Ｇｅ、Ｎｂのうち少なくとも一種を表し
、ｍは０〜０．２、ｎは５〜６である。〕で表される。

上述のような大方晶系フェライトにおいては、その平均
粒径は０．１μｍ以下の微粒子であることが好ましく、
特に平均粒径０．０５〜０．０７μｍ程度の微粒子であ
ることが好ましい。

六方晶系フェライト磁性粉は、樹脂結合剤や有機溶剤と
ともに混練され、磁性塗料に調製された後、非磁性支持
体上に塗布されて磁性層とされる。

ここで、樹脂結合剤や有機溶剤としては、通常の塗布型
の磁気記録媒体の分野で使用されるものがいずれも使用
でき、また必要に応じて潤滑剤、研磨剤５分散剤５帯電
防止剤等を磁性塗料中に添加してもよい。

これらマスター媒体とスレーブ媒体を用いて磁気転写を
行うわけであるが、磁気転写の手法は如何なるものであ
ってもよく、例えば転写装置としてはローラ圧着方式の
ものやエアー圧着方式のもの等が使用される。

〔作用〕

マスター媒体として金属磁性薄膜を磁性層とする蒸着テ
ープを用い、スレーブ媒体として大方晶系フェライト粉
末を磁性粉とするバリウムフェライト塗布型テープを用
いることで、短波長領域でも高い転写再生出力が確保さ
れ、８ミリビデオテープやデジタルオーディオテープ等
に記録された信号も効率的に磁気転写される。

また、マスター媒体が複数層の金属磁性薄膜から構成さ
れるとともに、隣接する金属磁性薄膜の柱状構造の傾斜
方向が互いに逆方向とされているので、マスター媒体に
おける非対称性が解消され、位相ズレ等によるエラーレ
ートが低減される。

〔実施例〕

以下、本発明を具体的な実験結果に基づいて説明する。

１１１汁上 本実験例では、マスター媒体の構造によってエラーレー
トがどの程度相違するかを調べた。

先ず、厚さ１０μｍのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムを非磁性支持体（１）とし、第１図に示すように当
該非磁性支持体（１）上に第１の金属磁性薄膜（２）及
び第２の金属磁性薄膜（３）を成膜してサンプルテープ
を作成した。このサンプルテープにおいては、第１の金
属磁性薄膜（２）と第２の金属磁性薄膜（３）の柱状構
造の傾斜方向は逆方向である。

なお、第１の金属磁性薄膜（２）と第２の金属磁性薄膜
（３）は、いずれもＣｏを酸素中で真空蒸着することに
より形成し、各真空蒸着における入射角は４５°〜９０
°とした。また、第１の金属磁性薄膜（２）と第２の金
属磁性薄膜（３）を合わせた膜厚は２０００人である。

一方、非磁性支持体（１）には、これら金属磁性薄膜（
２）　、　（３）の成膜前に下塗り層を形成し、また金
属磁性薄膜（２）、（３）とは反対側の面にバックコー
ト層を形成した。

以上により作成されたサンプルテープを実施例１とする
が、比較のため、第２図に示すように非磁性支持体（１
１）上に第１の金属磁性薄膜（１２）と第２の金属磁性
薄膜（１３）が成膜されこれら金属磁性薄膜（１２）　
、　（１３）の柱状構造の傾斜方向が同一であるサンプ
ルテープ（比較例１）及び第３図に示すように非磁性支
持体（２１）上に単層の金属磁性薄膜（２２）が成膜さ
れたサンプルテープ（比較例２）を作成した。なお、こ
れら各比較例のサンプルテープにおいても、金属磁性薄
膜全体の膜厚は２０００人である。

これら各サンプルテープをＲ−ＤＡＴシステムにおける
磁気転写の際のマスターテープとして用い、スレーブテ
ープにおけるブロック・エラレート（Ｂ、Ｅ、Ｒ，）を
測定した。測定に際して使用したスレーブテープは下記
の通りである。

スレーブテープ 塗布型バリウムフェライ 磁性層の膜厚：３．０μｍ 磁性塗料の組成 トテープ その結果、逆２層構造を有する実施例１ではブロック・
エラー・レートがｌＸｌ０−３であったのに対して、比
較例１では２Ｘ１０−”、比較例２ではｌＸｌ０−”で
あり、明らかに有意差が認められ亥Ｕλ 本実験例では、マスターテープの磁気特性の転写出力へ
の影響について検討した。

各サンプルテープ（試料ａ〜試料Ｃ）の作成方法につい
ては、先の実験例１における実施例１と同様であるが、
各金属磁性薄膜の組成を変えて面内方向での保磁力Ｈｃ
及び磁束密度Ｂｍを調整した。なお、試料ｄは比較例に
相当するものであり、金属磁性粉末を磁性粉末とする塗
布型のメタルテープである。

各サンプルテープの特性並びにこれをマスターテープと
して用いたときのスレーブ媒体の転写出力（初回及び１
００回目）を第１表に示す。

転写出力の測定は、サンプルテープを８ｍ幅としてビデ
オ信号の転写について行ったが、磁界転写条件やマスタ
ーテープ記録条件は次の通りであ磁界転写条件 転写速度　　　：　４ｍ／秒 転写方式　　　：　エアー圧着方式 転写ドラム　　：　軟磁性鉄 バイアスヘッド：　ギヤツブ長ｇ＝１２０μｍフェライ
トヘッド バイアス周波数：　　２００に七 バイアス電流　：　　１．８Ａ、。

マスターテープ記録条件 相対速度　　　：　　３．１１３ｍ／秒キャリア周波数
：　　４．７Ｍセ ヘッドギャップ：　　０．２５μｍ ヘッドの種類　：　センダストスパッタフェライトヘッ
ド トラック輻　　：　２０μｍ 記録電流　　　：　各マスターテープの４．７　ＭＨｚ
におけ、る最適記録電流 第１表 第１表を見ると、マスターテープの保磁力Ｈｃや磁束密
度Ｂｍが高いほど転写出力が高く、効率的な転写が行わ
れていることがわかる。また、メタルテープ（試料ｄ）
では、保磁力Ｈｃは高いものの磁束密度Ｂｍの値が小さ
く、転写出力は試料すや試料Ｃに比べると大きく下回っ
ている。なお、前記転写出力は、メタルテープに自己録
再した場合を基準（ＯｄＢ）とする相対値であるが、電
磁変換特性がメタルテープで自己録再した場合に比べて
３ｄＢ以上低下する（すなわち、第１表中の転写出力が
一３ｄＢ以下、）とＳ／Ｎが大幅に劣化し、例えばソフ
トテープとしては使いものにならない。

〔発明の効果〕

以上の説明からも明らかなように、本発明においては、
マスター媒体を蒸着テープとし、金属磁性薄膜を多層構
造とするとともに隣接する金属磁性薄膜の柱状構造の傾
斜方向を互いに逆方向としているので、短波長領域につ
いても優れた転写再生出力を達成することができ、また
エラーレートも低減することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で使用されるマスター媒体の構成例を示
す要部概略断面図である。 第２図は金属磁性薄膜の柱状構造の傾斜方向が同じであ
る２層媒体の構成例を示す要部概略断面図であり、第３
図は金属磁性薄膜が単層とされたマスター媒体の構成例
を示す要部概略断面図である。 １・・・・・非磁性支持体 ２．３・・・金属磁性薄膜

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 非磁性支持体上に金属磁性薄膜が複数層形成され、隣接
   する金属磁性薄膜の柱状構造の傾斜方向が互いに逆方向
   とされてなる磁気記録媒体をマスター媒体とし、 非磁性支持体上に六方晶系フェライト粉末を磁性粉とす
   る磁性塗膜が形成されてなる磁気記録媒体をスレーブ媒
   体とすることを特徴とする磁気転写方法。