JPH03247741A - 高靭性・高クリープ強度型の高Ｃｒ系耐熱鋼 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高い靭性を有する高強度耐熱鋼に関するもので
あり、特に、高温で長時間使用してもなお高い靭性を確
保しているフェライト系耐熱鋼に係わるものである。

〔従来の技術〕

高温高圧で長時間使用される圧力容器用鋼材として、高
価なステンレス肉盛溶接が不要で、且つクリープ強度が
高く、また安全性の点から、長時間使用しても高い靭性
をなお確保しているフェライト系耐熱鋼が強く要望され
ている。

この種の用途に供される鋼の例として、米国ＡＳＴＭ規
格のＡ３８１Ｇｒ、９Ｌ鋼やＷを添加して強度向上させ
た高Ｃｒ系鋼（文献、伊勢用ら：ＣＡＭＰ−ＩＳＩＪ　
ＶＯＬ、　２　（１９８９）−７７２）などがある。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、ＡＳＴＭ　　Ａ３８７　　Ｇｒ、９１鋼
は靭性に優れているが固溶強化が不十分でありクリープ
強度が低い。また、従来の固溶強化鋼は、Ｃ，Ｗ、　Ｍ
ｏの添加バランスが不適切なため、クリープ変形中に靭
性に悪影響を与える金属間化合物が多量に析出し、靭性
を著しく低下させるという重大な欠点を有する。

本発明は、従来鋼のかかる欠点に鑑み、高い靭性を有す
る高強度耐熱鋼、特に、高温で長時間使用してもなお高
い靭性を確保しているフェライト系耐熱鋼を提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明はこのような事情に鑑み創案されたもので、高Ｃ
ｒ系鋼中のＣ，Ｍｏ及び誓の添加量のバランスを適切化
して、特にクリープ変形中において複合型炭化物を優先
的に析出させ、靭性に有害な金属間化合物の析出を抑制
することによって、クリープ強度と同時に高い靭性を持
たせることに成功したものである。

本発明の要旨とするところは、重量比で、Ｃｒの添加量
がＣｒ：８〜１５％の範囲にあり、且つＭＯと智が、２
％≦Ｍｏ＋０．５Ｗ≦３％の関係を満足する条件におい
て、Ｃが、（Ｍｏ／８＋賀／１６）／２≦Ｃ≦０．３％
、を満足し、その他の合金元素が、Ｓｉ　：　０．０５
〜０．２％、Ｈｎ：　０．０５〜０．２％、Ｎｉ：１〜
２％、Ｖ　：　０．０５〜０．５％、Ｎｂ：０．０１〜
０．１５％、Ｎ：０．０１〜０．１％の範囲にあり、残
部Ｆｅ及び不可避的不純物からなることを特徴とする高
靭性・高クリープ強度型の高Ｃｒ系耐熱鋼にある。

（作　用〕 以下本発明の限定理由を説明する。

本発明では、高Ｃｒフェライｉ・鋼中のＣ，Ｍｏ及びＷ
の添加バランスを適切化して、ＣをＭ２３Ｃ６系もしく
はＭ６Ｃ系炭化物として析出させ、Ｆｅ、　Ｍｏ及びＷ
によって構成される金属間化合物の析出を抑制すること
がポイントである。

まずＣｒは耐食性と焼入れ性を確保する上で非常に重要
であるため最低８％必要であるが、１５％を超えるとオ
ーステナイト領域からの焼入れもしくは焼ならしができ
なくなり、高い靭性を有したフルテンサイ１−組織が得
られない。したがってＣｒ量は８〜１５％とする。

次にＭｏとＷは、十分な固溶強化によってクリープ強度
を確保するために、Ｍｏ　＋　０．５　Ｗ　（Ｍｏ当量
）にして最低２％が必要である。しかし、３％を超えて
添加すると、Ｃ量をコントロールしても金属間化合物の
多量析出をまぬがれないようになり靭性低下が起こる。

よって、ＭｏとＷは、２％≦Ｍｏ＋０．５−≦３％の関
係を満足するように添加されなければならない。

Ｃは、ＭｏとＷを十分に捕獲して炭化物として析出させ
るためには、（Ｍｏ／　８　＋Ｗ／　１６　）　／　２
≦Ｃを満足しなければならない。一方、０．３％を超え
て添加すると粗大炭化物の生成を招きかえって靭性を低
下させるうえ、焼入れ硬化性の上昇に起因した溶接性の
低下を招く。よって、Ｃの添加範囲は（Ｍｏ／　８　＋
ｗ／１６　）　／　２≦Ｃ≦０．３％とする。

次に、本発明鋼のその他の元素の添加範囲の限定理由を
説明する。

Ｓｔは脱酸材として重要であり最低０．０５％を必要と
する。しかし、靭性に対して悪影響を与えるものであり
、０．２％を超えて添加した場合の靭性低下が著しい。

したがってＳｉ量は０．０５〜０．２％とする。

Ｈｎは脱酸及び焼入れ性確保のため重要であり、最低０
．０５％を確保する必要があるが、０．２％を超えると
クリープ強度を低下させる。このためＨｎ量は０．０５
〜０．２％とする。

Ｎｉは重要なオーステナイト生成元素であり１％以上が
添加される。しかし２％を超えるとクリープ強度を著し
く低下させるため上限は２％とし、下限を１％とする。

■は炭窒化物として析出させて強度を確保する上で重要
であるため最低０．０５％必要であるが、０．５％を超
える添加は溶接性を著しく損なう。したがってＶ量は０
．０５〜０．５％とする。

ＮｂはＶ同様炭窒化物として析出して強度を確保するほ
か、結晶粒を微細化して初期靭性を与える元素としても
重要であるため最低０．０１％が必要であるが、０．１
５％を超えるとその効果は飽和してしまうだけではなく
溶接性の低下も招く。したかってＮｂ量は０．０１〜０
．１５％とする。

Ｎは基地中に固溶しても、また、窒化物として析出して
も著しいクリープ抵抗として寄与するため最低０．０１
％を必要とする。しかし、０．１％を超えて添加した場
合溶接性と靭性を同時に損なうようになる。したがって
Ｎ量は０．０１〜０．１％とする。

〔実施例〕

第１表に示す成分範囲の供試鋼を作製し、６５０°Ｃ１
１３ｋｇｆ／−の条件のクリープ破断試験を行った。ま
た、供試鋼に高温時効（６５０°Ｃ，１，０００時間）
を施した後、シャルピー衝撃試験を行った。

第１表に示す鋼のうちＮｏ、　１〜Ｎｏ、　４は本発明
の成分範囲の鋼であり、Ｎｏ、　５〜Ｎｏ、　１９は本
発明範囲外の比較鋼である。比較鋼Ｎｏ、　５及びＮｏ
、　６はＣｒ、Ｎｏ、７〜Ｎｏ、　９はＭｏ＋０．５Ｗ
の値が本発明の範囲外である。さらに供試ｍＮｏ、１０
〜Ｎｏ、　１２はＣが本発明範囲外である。また、Ｎｏ
、　１３はＳｔ、　Ｎｏ、　１４はＨｎ、、Ｎｏ。

１５及びＮｏ、　１６はＮｉ、、Ｎｏ、　１７はＶ、Ｎ
ｏ、１８ばＮｂ。

Ｎｏ、　１９はＮが、それぞれ本発明成分の範囲外であ
る。

比較鋼Ｎｏ、　５はＣｒ量が本発明範囲を下回るため焼
入れ性が低く、結果的にクリープ強度が低い。

方、Ｎｏ、　６はＣｒ量が高すぎるため焼もどしマルテ
ンサイトの他、多量のフェライトが含まれ、靭性が低い
。また、比較鋼Ｎｏ、　７はＭｏ当量（Ｍｏ＋０．５　
Ｗ）の値が下限の２％を下回っているためクリープ強度
が低く、一方、Ｎｏ、　８とＮｏ、　９は上限の３％を
上回るため金属間化合物の多量の析出をまねき靭性が著
しく低い。比較鋼Ｎｏ、　１０及びＮｏ、１１は、Ｃが
本発明の下限を下回っているため多量の金属間化合物が
生成し靭性が著しく低下している。比較ｔＲＮ。

１２は、Ｃが上限を超えて添加されているため多量の粗
大炭化物が析出し靭性が低い。さらに、比較鋼Ｎｏ、　
１３はＳｌが過剰であるため靭性が低い。また、比較鋼
Ｎｏ、１４はＨｎ、　Ｎｏ、　１５はＮｉがそれぞれ過
剰添加であるためクリープ強度が低い。一方、Ｎｏ。

１６はＮｉの添加が本発明成分範囲の下限を下回るため
焼きもどしマルテンサイト＋フェライトの顕著な２相化
が起こり靭性が低い。Ｎ０１７、Ｎ０１８及びＮｏ、　
１９はそれぞれＶ、Ｎｂ及びＮ添加量が不足しているた
めクリープ強度が低い。

これに対し、本発明鋼Ｎｏ、１〜Ｎｏ、　４はいずれも
十分なりリープ強度と靭性を有し、申し分無い特性が得
られている。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明は高Ｃｒ系耐熱鋼のＭｏ。

Ｗ及びＣの添加量のバランスを適切化することによって
、高い時効後靭性を備えた高クリープ強度鋼を提供する
ものであり、今後の産業界に果たす役割は極めて大きい
。

■

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 重量比で、Ｃｒの添加量が Ｃｒ：８〜１５％ の範囲にあり、且つ、ＭｏとＷが ２％≦Ｍｏ＋０．５Ｗ≦３％ の関係を満足する条件において、Ｃが、 （Ｍｏ／８＋Ｗ／１６）／２≦Ｃ≦０．３％、を満足し
   、その他の合金元素が、 Ｓｉ：０．０５〜０．２％、 Ｈｎ：０．０５〜０．２％、 Ｎｉ：１〜２％、 Ｖ：０．０５〜０．５％、 Ｎｂ：０．０１〜０．１５％、 Ｎ：０．０１〜０．１％、 の範囲にあり、残部Ｆｅ及び不可避的不純物からなるこ
   とを特徴とする高靭性・高クリープ強度型の高Ｃｒ系耐
   熱鋼。