JPH03240980A - 金属ロール表面の加工方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ 本発明は、自動車用の内、外板のようにプレス加工、塗
装処理を施される金属薄板又は建材、家具、電化製品等
に用いられる金属薄板を製造するための金属ロールの製
造方法及びその装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来からスキンパス圧延用ロールの表面にいわゆるショ
ツトブラスト法で凹凸を付与して粗面化してダルロール
とし、このダルロールを用いてスキンバス圧延すること
により鋼板の表面に凹凸を転写し、得られた鋼板をプレ
ス加工の材料として用いていた。

このようなダルロールは製造原理（ショツトブラスト法
）に起因する当然の結果として表面にランダムな凹凸が
付与されている。したがって、このようなダルロールを
用いて圧延した鋼板は、ランダムな凹凸が転写されてお
り１表面粗度のばらつきが大きく、塗装後の鮮映性に劣
るなどの問題が生じていた。

これに対し、特公昭６２−１１９２２号公報、特開昭６
２−１６８６０２号公報等にはレーザビームをパルス状
にロール表面に昭射し、一定ピンチでロール表面に凹凸
を付与する比較的高出力のレーザダル方式が開示されて
いる。この方〆去によればブライドロールに任意の間隔
で規０目的な凹凸を付与することができるため、このフ
ライトロールを用いてスキンバス圧延した材料には平坦
な部分と凹凸の部分とが規則正しく転写されている。し
たがって、粗度のばらつきが小さくなるとか、その平坦
部では光の乱反射を生しないため鮮映性が向上する等の
利点がある。このレーザダル方式ではレーザビームによ
ってロール表面を直接溶融させるため、レーザ発振器は
ｌｋＷ以上の高出力の６のが要求され、例えば炭酸ガス
レーザなどが用いられている。

一方、前記レーザダル方式に代り比較的エネルギーの小
さいレーザ源を用い、微細で自由度の高いロール表面加
工を行う方昧が特願昭６３−９８２９６号に示されてい
る。この方法はフライトロール表面に薄い樹脂状の塗膜
を形成させ、その表面に例えばＹＡＧレーザ等短波長の
エネルギビームを甲射させて前記塗膜を蒸発させる、い
わゆるレーザマーキング方式のものである。レーザ開封
後ロール表面をエツチングすると、塗膜の蒸発部のみが
食刻され、ロール表面に所定の凹凸を形成することがで
きる。この方法によれば、直接照射によるレーザダル方
式で用いている炭酸ガスレーザのような高出力レーザに
比べ、ビーム径を５分の１以下に小さく絞ることができ
、かつ電気的な照射タイミングの制御が可能であるため
、微細で自由度の高い凹凸を形成することができる。

例えばロール表面に任意の形状の模様を食刻することな
ども可能である。但しこのレーザーマーキング方式の加
工穴ｌ去はレーザダル方式に比べてロール面への塗膜処
理工程、エツチング工程が必要であり、１本のロールの
処理時間が長い。

［発明が解決しようとする課題１ 以上述べたようにレーザを用いて金属ロール表面を加工
する方法においても、各方法により得失があり、昨今の
鋼板に対する多岐にわたるニーズを考慮すると、レーザ
ダル方式とレーザマーキング方式とを使い分ける必要が
でてきた。

すなわち高出力のレーザダル方式は、−数的な自動車用
材料をスキンバス圧延するロールの製造に用いられ、低
出力でビーム径の小さいレーザマーキング方式はプレス
加工性、鮮映性などが一層強く要求されるような部分の
自動車用材料とか、凹凸で模様を付与したエンボス鋼板
などを圧延するロールの製造に用いられる。

一方、微細な凹凸部と粗大な凹凸部とを入り混ぜて配置
した金属薄板がプレス加工用に開発されている。基本的
にはこれらの凹凸を有する材料を得るためのスキンパス
圧延用ロールはレーザマーキング方式によって処理する
ことが可能ではあるが、先述の加工時間を考慮すると、
レーザダル方式とレーザマーキング方式とを同一回転装
置を用いて同時に行うことが最適である。

本発明はこのような観点から従来技術のそれぞれの特徴
を生かし、欠点を解消した加工方法及びその装置を開発
したものである。

〔課題を解決するための手段Ｊ 本発明は、金属ロールを回転させ、このロール表面に対
し、出力及び周波数の異なる複数のレーザビームをそれ
ぞれ単独又は同時に照射することを特徴とする金属ロー
ル表面の加工方法を提供するものである。

上記方法発明を実施する本発明の装置は、金属ロールを
支持して回転させる回転装置と、この金属ロール表面の
円周方向の異なる位置に設置された、異なる出力を有す
る複数のレーザ発振器と、前記金属ロールの回転数に応
じこれらの発振器からのレーザビームの出力周波数を制
御する制御装置と、前記金属ロールの軸方向に沿って移
動可能な各レーザ照射部とから構成されている。

〔作用１ 本発明方法によれば、高出力レーザによる直接レーザダ
ル加工と、ＹＡＧレーザ等による微細な模様のレーザー
マーキング加工とを任意に重畳させた金属ロール表面加
工を達成することができる。

本発明の装置は、上記方法を好適に実施することができ
る。また本発明装置はレーザダル方式またはレーザマー
キング方式の加工をそれぞれ単独に実廁すること６可能
である。

［実施例ｊ 第１図に本発明の実施例装置を例示する。回転装置ｌに
よって所定の回転を与えられているロル２に対し、左右
にそれぞれ配置されたレーザダル方式の装置３及びレー
ザマーキング装置４により構成される。

レーザダル装置３では、炭酸ガスレーザ発振器５により
発生したレーザビームは図中の矢印１６の方向に向い、
反射ミラー６で方向を変換されてロール２の表面に到達
するが、途中でメカニカルチョッパ７によってビームが
切断されパルス状にロール表面に明射される。メカニカ
ルチョッパ７はチョッパ回転モータ８に駆動されて回転
する。

メカニカルチョッパ７の回転数の制御によって呻射周波
数が決定される。レーザ発振器５を除く照射部は回転し
ているロール２の軸方向に沿って移動し、ロール２面に
ヘリカル状にビームを照射する。

レーザダル装置３にロール２をはさんで対向して設置さ
れたレーザマーキング装置４について次に説明する。

ＹＡＧレーザ発振装置９から図示していないＱスイッチ
によって一定周波数のレーザビームを発生し、このレー
ザビームは光路の途中で分光器１０によって複数のビー
ムに分光される。分光された各ビームは集光対物レンズ
１１によってビーム同志が隣接するように集光されロー
ル２の表面にｑ射される。このとき、ビーム明射のオン
／オフはＹＡＧレーザ発振装置９内のＱスイッチによっ
て行われる（−次変調される）が１分光後に各ビームに
対応したＱスイッチ１２によって各ビーム独自にオン／
オフが行われる（２次変調）。これらの変調により任意
の模様付けが可能となる。

次に制御機構について述べる。

ロータリエンコーダ１５によって検出されたロール２の
回転数ならびにロール円周方向の位置はレーザダル制御
部１３及びレーザマーキング制御部１４に伝送される。

レーザダル制御部１３によって主にメカニカルチョッパ
回転モータ８の回転数が制御される。

方、レーザマーキング制御部１４によってＹＡＧレーザ
発振器内のＱスイッチ（図示せず）、分光後のＱスイッ
チ１２のオン／オフが制御される。

以上述べた同一回転装置に２つの異なるレーザ加工装置
を設置することにより、出力及び周波数の異なる複数の
レーザビームを金属ロール表面に同時に、又はそれぞれ
単独に照射することができる。またロールのハンドリン
グが単純になるとともに製品需要に応じ任意のタル形状
をタイムリーに付与することができる０本発明の装置は
、レーザダル装置とレーザマーキング装置とをそれぞれ
単独に設置した場合に比べ、設備投資費用が少なくてす
み、設置面積の節約、回転装置の共有により、設備の稼
動率の向上に寄与する。

次に兼用設備によって得られる製造上のメリットについ
て述べる。先ずレーザマーキング装置の処理速度の向上
が挙げられる。先述のようにレーザマーキング装置はビ
ームエネルギーにまりロル表層の樹脂皮膜を蒸発除去す
るのが主たる加工であるが、その際周波数を高くすると
必然的に１パルス当たりのエネルギーが小さくなり、皮
膜を蒸発させることができない場合がある。この問題は
皮膜を薄くシたり、加熱すれば解決できるが、均一性の
点から皮膜厚は約５μｍが限界である。

第１表にレーザマーキング装置の周波数を変化させて皮
膜の除去状態を調べた結果を示す。第１表に示すように
周波数が５０ｋＨｚを超すと、前記の理由により加工が
十分できない。第１表中の実施Ｎ０９５は対向するレー
ザタル装置のレーザにより予熱したもので、メカニカル
チョッパ７を停止させ、スポット径３００ｕｍの連続ビ
ームを照射するようにした。ロール軸方向への移動はレ
ーザタル、レーザマーキング装置とも９０ｕｍ／ロール
回転にした。

レーザダルによる予熱により８０ｋＨｚのレーザマーキ
ングが可能になり、ロール１本の処理時間も従来の４割
向上した。

次にレーザマーキング装置の出力を増加させた場合の加
工方法について述べる。出力を大きくするとレーザダル
装置による加工原理と同様にロル表面を直接溶融させ凹
凸を形成することができ樹脂皮膜は不要である。

６００ｍｍφのロールをｌｏｏｒｐｍで回転させながら
、レーザダル装置とレーザマーキング装置の両方で加工
した。レーザダル装置ではロール円周方向及び軸方向に
２５０μｍピッチで照射されるようにメカニカルチョッ
パ、レーザの軸方向移動を調整し、約２００ｕｍのビー
ム径とした。

レーザマーキング装置はロール円周方向、軸方向それぞ
れに６３ｕピツチで照射されるようにした。ビーム径は
４０μｍφである。

加工後のロール表面の円周方向の断面を第２図に模式的
に示す。大きく盛り土がった部分２１はレーザダル装置
で加工されたちのであり、盛上りとピッチの小さい凹凸
２２はレーザマーキング装置で加工されたものである。

このロールを用いてスキンパス圧延するとピッチが大で
広くかつ深い凹みと、ピッチが小で狭くかつ浅い凹みが
混在する表面の金属薄板を得ることができる。

第２図はロール表面の模式図、第３図にその金属薄板の
断面図を模式的に示す６大きく凹んだ部位２３は第２図
に示したロール表面の大きな凸部２１で圧延されたもの
で、小さな凹み部２４は同第２図の部位２２で圧延され
たものである。

プレス加工時には潤滑油が使用されるのが一般的である
が、その際金属薄板表面の前記凹部に潤滑油が封入され
、プレス金型と材料間の摩擦係数μを低減させ、良好な
プレス加工性を発揮する。

またプレス加工時に生じた金属粉等を凹部で捕捉し、か
しり等のトラブルを防止する機能ちある。

大きな凹部はダイ肩丸味部等のような比較的きびしいプ
レス条件における摩擦係数を低減させる効果があり、逆
に小さな凹部は面圧の小さいダイフェース面等で摩擦係
数を減少させる。したがって、自動車部品のように１枚
のパネルの各部位でプレス加工の難易度が異なるものに
対しては第３図に示す凹凸形状の金属薄板が適する。

鮮映性については第３図に示すような、光の乱反射のな
い平坦部２５が多い方が良いが、これは２４に相当する
ロール面の凹部を小さくすることによってコントロール
することができる。すなわち本発明方法のうち小出力側
のレーザ出力を調整すればよい。

〔発明の効果］ いずれにしても本発明による方法によれば、プレス性や
鮮映性のニーズに応じた金属薄板を製造するスキンパス
ロールを短時間に製造することが可能になった。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の装置を示す平面図、第２図は
本発明方法による加工を受けたロール断面を模式的に示
す断面図、第３図は本発明による装置で得られたロール
でスキンパス圧延された金属薄板の模式的断面図である
。 ｌ−・−ロール回転装置 ２・・・ロール ３・・・レーザダル装置 ４・・・レーザマーキング装置 ５・・−レーザダル用レーザ発振器 ６・・・反射ミラ ７・・−メカニカルチョッパ ８・・・メカニカルチョッパ回転用モータ９・・−レー
ザマーキング用し−ザ発原器ＩＯ・・−分光ミラ １１・・・集光レンズ １２・・・Ｑスイッチ １３・・−レーザダル用制御部 １４−−・レーザマーキング用制御部 １５・・・ロータリーエンコーダ ２１・・・レーザダル方式によって生じたロール面の凸
部 ２２・・・レーザマーキング方式によって生じたロール
面の凸部 ２３・・−金属薄板面の大きな凹部 ２４・・−金属薄板面の小さな凹部 ２５・・−金属薄板面の平坦部 川崎製鉄株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　金属ロールを回転させ、該ロール表面に対し、出力
   及び周波数の異なる複数のレーザ ビームをそれぞれ単独又は同時に照射することを特徴と
   する金属ロール表面の加工方法。 ２　金属ロールを支持して回転させる回転装置と、該金
   属ロール表面の円周方向の異なる位置に設置された、異
   なる出力を有する複数のレーザ発振器と、前記金属ロー
   ルの回転数に応じこれらの発振器からのレーザビームの
   出力周波数を制御する制御装置と、前記金属 ロール軸方向に沿って移動可能なそれぞれのレーザ照射
   部とを備えたことを特徴とする金属ロール表面の加工装
   置。