JPH0324013B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、テレビジヨン受像管内に取付けるに
適したゲツタ組立体に関するものである。

［従来技術］ 電子管の作製過程でのゲツタ材料の使用はよく
知られている。一般に使用されるゲツタ装置の構
造は、チヤネル内にゲツタ材料を収納した、環状
のＵ字形チヤネル容器から成る。ゲツタ装置は、
例えばカラーテレビジヨン受像管のような電子管
内に取付けられる。電子管が排気された後、管内
に残る残留ガスは、ゲツタ容器及び容器内のゲツ
タ材料を好適には誘導加熱により高温に加熱する
ことにより除去される。つまり、加熱に際して、
ゲツタ材料はフラツシユされ即ち蒸発せしめら
れ、そして蒸発したゲツタ材料は残留ガスと反応
或いはそれを吸収しそして残留ガスを低蒸気圧固
形物として取り除き、そして管の寿命全体を通し
て追加的に放出されるガスを吸収し続ける。

通常、ゲツタ材料は、例えばバリウム及びアル
ミニウムのような金属の混合物、好ましくは合金
を主体とする。反応性物質を与えるのはこの合金
のバリウム成分である。テレビジヨン受像管、特
にカラー受像管における残留ガスの吸収には比較
的多量の反応性物質即ちバリウムを必要とする。
例えば、３つの電子銃と金属シヤドウマスクを有
する25インチスクリーンカラー受像管は175〜
225mgのバリウムの発生量を必要とすることが見
出された。バリウム−アルミニウム粉末混合物は
約50％に至るアルミニウムを含んでいるから、フ
ラツシユ前の容器内のゲツタ粉末混合物の総量は
350〜450mgにもなりうる。カラーテレビ受像管
においては、発熱性ゲツタ粉末を使用することが
望ましいこともまた見出されている。発熱性ゲツ
タ粉末は、代表的に、バリウム−アルミニウム合
金乃至混合物とそれとほぼ等重量の粉状ニツケル
とから構成される。ニツケルは、加熱に際してア
ルミニウムと発熱反応を起こしてバリウム蒸発の
ための追加的な熱を供給する。この追加発生熱
は、フラツシユ時間を、30秒（吸熱型ゲツタに対
する代表的時間）から15〜20秒まで短縮する。

斯くして、カラーテレビジヨン受像管において
使用される代表的なチヤネル・リング型発熱性ゲ
ツタ組立体は、例えば加熱に際して約200mgのバ
リウムを発生せしめるべく25％バリウム−25％ア
ルミニウム−50％ニツケル発熱性合金を総量で
1000mgも含有する。ゲツタ容器自体は、例えば
約2.54cm外径×0.5cmチヤネル巾を有するリング
に成形されたＵ字形チヤネルから作製される。別
様には、外径を約1.5乃至２cmとしそしてチヤネ
ル巾を約0.5cmとすることも出来る。ゲツタ粉末
はチヤネル内に圧縮される。ゲツタ粉末のフラツ
シユは、バリウム或いは使用される任意のゲツタ
物質を蒸発するのに約1300℃水準の高温への加熱
を必要とする。この加熱の結果として、反応残渣
及びチヤネルリング形容器自体も高温に加熱され
る。この加熱は、残渣、即ち発熱性ゲツタにおけ
るアルミニウム粉末、上に示した３元合金の場合
のバリウム−ニツケル−アルミニウム粉末或いは
フラツシユされずに残つている物質の溶融或いは
焼結をもたらす。一般にステンレス鋼製の容器自
体がしばしばその融点近くの温度まで加熱されそ
して不適正に位置付けられた或いは成形されたゲ
ツタ組立体の場合ステンレス鋼製リングが溶融す
る恐れさえある。

ガラス壁電子管内での極めて高温となつたゲツ
タ容器の存在は、次の事実から理解されるような
重大な問題を引き起しうる： (1) 電子管、特にテレビジヨン受像管は一般にネ
ツク部を含み、そこに一つ以上の電子銃及び補
助機器が位置付けられていること、 (2) ほぼ扁平な映像スクリーンに終端する拡大バ
ルブ部が存在すること、及び (3) ネツク部とバルブ部とを繋ぐ漏斗状部が存在
すること。

これまでは、リング状ゲツタ容器は一般に電子
銃を位置付けるネツク部に取付けられたが、今で
は漏斗状部に或いはその近傍にゲツタ容器を取付
けるのが望ましいやり方となつている。ゲツタ容
器は子銃からスクリーンに向けて差し向けられる
電子流れの行路を遮つてはならず、また選択され
た部位での漏斗状部断面の直径はネツク部より僅
かに大きいだけであるから、ゲツタ容器を実際上
管壁に当接せしめることが必要である。これは、
ゲツタ容器をスプリング状金属ストリツプ支持
体、即ち「アンテナ」の端に取り付けることによ
り達成される。アンテナの他端は、管のネツク部
内で電子銃の壁に固着される。アンテナはゲツタ
容器を漏斗状部内で管壁に押し付けるよう偏倚さ
れ、以つて電子ビームに対する行路を邪摩しない
ように維持している。

また別の広く使用されているゲツタ組立体取付
け位置はアンードボタンの領域内である。通常、
ゲツタ組立体は小さなリーフバネに付設される。
リーフバネはアノードボタンに適当な手段により
付設される。リーフバネの弾性がゲツタ組立体を
管壁に押し付けている。

管のカラス壁と直接接触状態でのゲツタ組立体
のこの位置付けは、ゲツタ組立体がフラツシユ中
高温に誘導加熱されるとき、ガラスのクラツク割
れをもたらす恐れがあり、事実、しばしばガラス
割れ事故が起きた。テレビジヨン電像管はフラツ
シユ処理直前には大部分その組立を完成している
から、この時点での割れは大きな損失である。

加えて、ゲツタ組立体がゲツタ蒸気を適正に指
向されるように管内で適正に配向されていること
が重要である。フラツシユ処理中遭遇する高温が
支持バネ或いは他の金属部品を軟化せしめ、その
結果ゲツタ組立体の配向を変位せしめる恐れがあ
る。

高いバリウム発生量を有しそしてテレビジヨン
受像管の熱破損に対する保護を提供するゲツタ組
立体が、米国特許第3390758及び3381805号に記載
された。この保護手段は、低い熱伝導率を有しそ
して熱輻射を妨げるセラミツク支持材料から構成
された。

しかしながら、この保護手段を有するゲツタ組
立体は、保護手段が中央心穴を有する場合でも非
常に重く、多量の容器内部の材料の存在とあいま
つて、その結果管壁上にゲツタ組立体を然るべく
保持するのに使用されたバネ「アンテナ」は著し
く偏倚された緊張状態に置かれねばならない。こ
れは、例えば輸送中に生じる管の過剰の振動がゲ
ツタ組立体を管壁から瞬時的に離しそして弾発的
に元の位置に戻るに際して管壁或いはその内側コ
ーテイングを傷付ける激しい衝撃が発生するのを
防止するためである。

しかし、アンテナを著しく偏倚させることは、
電子銃と作用してそれを本来の位置からずらせる
危険性がある。

［発明が解決しようとする課題］ 接触状態にあるガラス壁の割れを誘発する危険
がなく且つフラツシユ処理中配向が変位すること
のない、軽量のゲツタ組立体を開発することであ
る。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、この課題を、 Ａ 蒸発性ゲツタ金属蒸気放出材料を担持するリ
ング状ホルダと、 Ｂ ホルダの底壁に付設される、前記ゲツタ金属
蒸気をはね返すデイスク状の反射要素であつ
て、その外縁に、 (i) 一つの縁辺が該外縁に付設される四辺形要
素と、該一つの縁辺に隣り合う２つの縁辺に
それぞれ一体に支持された第１及び第２補強
要素とからなり、該第１及び第２補強要素は
該四辺形要素に直交関係にあり且つホルダの
外壁と当接関係にあり、該四辺形要素と該第
１及び第２補強要素とはＵ字形をなし、そし
てその開放部がホルダの底壁とは反対の側に
面しているタブ部材、及び (ii) 前記タブ部材と直径方向反対側に位置づけ
られる支持部材にして、巾より大きな長さを
有する金属質ストリツプからなり、該ストリ
ツプはその長さ方向と直交する少なくとも２
つの線に沿つて曲げられてＵ字形に構成され
るともにストリツプの各端は丸みの付いた支
持脚を形成し、該Ｕ字形ストリツプの開放部
がホルダの底壁の側に面しそして該Ｕ字形ス
トリツプの一縁がホルダの外壁と接触状態に
ある支持部材 を一体に付設している反射要素と を包含するテレビジヨン受像管内に取付けるに適
したゲツタ組立体を提供することにより解決す
る。

［作用］ 本発明は、(i)一つの縁辺が該外縁に付設される
四辺形要素と、該一つの縁辺に隣り合う２つの縁
辺にそれぞれ一体に支持された第１及び第２補強
要素とからなり、該第１及び第２補強要素は該四
辺形要素に直交関係にあり且つホルダの外壁と当
接関係にあり、該四辺形要素と該第１及び第２補
強要素とはＵ字形をなし、そしてその開放部がホ
ルダの底壁とは反対の側に面しているタブ部材を
設けることによりタブ部材の剛性を増してゲツタ
組立体がゲツタ金属の蒸発のため誘導加熱により
加熱されるとき、タブが同時に加熱されて歪曲
し、それによりゲツタ装置がその適正位置から変
位するのを防止し、そして(ii)前記タブ部材と直径
方向反対側に位置づけられる支持部材にして、巾
より大きな長さを有する金属質ストリツプからな
り、該ストリツプはその長さ方向と直交する線に
沿つて曲げられてＵ字形に構成されるとともにス
トリツプの各端は丸みの付いた支持脚を形成し、
該Ｕ字形ストリツプの一縁がホルダの外壁と接触
状態にある支持部材を設けることによりガラス壁
と安定した最小限の支持を提供してガラス壁の割
れ誘発を防止する。

［実施例］ 第１〜３図を参照すると、外周壁１０４と底壁
１０６とを具備するホルダ１０２を含むゲツタ組
立体１００が示されている。ホルダ１０２は、粉
状ニツケルと混合状態にある圧縮粉状バリウム−
アルミニウム合金の塊１０８を担持する。ゲツタ
金属蒸気をはね返す実質上デイスク状の反射要素
１１０がホルダ１０２の底壁に付設される。反射
要素１１０の外縁１１２にタブ部材１１８の四辺
形要素１１６が一つの縁辺１１４において一体に
付設されている。この一つの縁辺１１４に隣り合
う四辺形要素の２つの縁辺１２０及び１２２は第
１及び第２補強要素１２４及び１２６をそれぞれ
支持している。第１及び第２補強要素１２４及び
１２６は、四辺形要素１１６に直交関係にあり且
つホルダ１０２の外壁１０４と当接関係にある。
タブ部材１１８はＵ字形断面をなし、そしてその
開放部がホルダ１０２の底壁１０６とは反対の側
に面している。

タブ部材１１８と直径方向反対側に、巾より大
きな長さを有する金属質ストリツプ１３０からな
る支持部材１２８が位置づけられる。ストリツプ
１３０は、反射要素１１０の外縁１１２に好まし
くは結合要素１２９によつて一体に付設されてい
る。ストリツプ１３０は、その長さ方向と直交す
る線１３２及び１３４に沿つて曲げられてＵ字形
に構成される。ストリツプ１３０は、一端１３６
において第１の丸みの付いた支持脚１３８を形成
しそして他端１４０において第２の丸みの付いた
支持脚１４２を形成する。Ｕ字形支持部材１２８
の開放部分１４４はホルダ１０２の底壁の側に面
しそしてＵ字形支持部材１２８の一縁１４６はホ
ルダの外壁１０４と接触状態にある。

使用において、ゲツタ組立体はそこに作用する
力がタブ部材及び支持部材とホルダの外壁との間
の当接関係を維持する位置に取付けられる。

［発明の効果］ ゲツタ組立体がゲツタ金属の蒸発をもたらすべ
く誘導加熱されるとき、ホルダ温度が約1000℃に
至つても支持脚の温度は約450℃の温度に達する
に過ぎないことが見出された。この温度はゲツタ
組立体が載置されているガラス壁の破損を誘発す
るに充分低い。また、ゲツタ組立体の加熱中の変
位も有効に防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のゲツタ組立体の上面図であ
り、第２図は第１図の２−2′線に沿う断面図であ
り、第３図は第１図の３−3′線に沿う断面図であ
る。 １０２……ホルダ、１０４……外壁、１０６……
底壁、１０８……蒸発性ゲツタ金属蒸気放出材
料、１１０……反射要素、１１８……タブ部材、
１１６……四辺形要素、１１４……一つの縁辺、
１２０，１２２……隣り合う２つの縁辺、１２
４，１２６……補強要素、１２８……支持部材、
１２９……結合要素、１３０……ストリツプ、１
３８，１４２……支持脚。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ Ａ 蒸発性ゲツタ金属蒸気放出材料を担持す
   るリング状ホルダと、 Ｂ ホルダの底壁に付設される、前記ゲツタ金属
   蒸気をはね返すデイスク状の反射要素であつ
   て、その外縁に、 (i) 一つの縁辺が該外縁に付設される四辺形要
   素と、該一つの縁辺に隣り合う２つの縁辺に
   それぞれ一体に支持された第１及び第２補強
   要素とからなり、該第１及び第２補強要素は
   該四辺形要素と直交関係にあり且つホルダの
   外壁と当接関係にあり、該四辺形要素と該第
   １及び第２補強要素とはＵ字形をなし、そし
   てその開放部がホルダの底壁とは反対の側に
   面しているタブ部材、及び (ii) 前記タブ部材と直径方向反対側に位置づけ
   られる支持部材にして、巾より大きな長さを
   有する金属質ストリツプからなり、該ストリ
   ツプはその長さ方向と直交する少なくとも２
   つの線に沿つて曲げられてＵ字形に構成され
   るとともにストリツプの各端は丸みの付いた
   支持脚を形成し、該Ｕ字形ストリツプの開放
   部がホルダの底壁の側に面してそして該Ｕ字
   形ストリツプの一縁がホルダの外壁と接触状
   態にある支持部材 を一体に付設している反射要素と を包含するテレビジヨン受像管内に取付けるに適
   したゲツタ組立体。 ２ 支持部材が結合要素によつて反射要素に一体
   に連結される特許請求の範囲第１項記載のゲツタ
   組立体。