JPH032389Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、スポツト抵抗溶接について有害な分
流を防止すると共に、スポツト溶接に必要な治具
に設けられた管形取付部を嵌めて取付けることも
出来るスポツト抵抗溶接分流防止付チツプホルダ
ーに係るものである。

（従来の技術） スポツト抵抗溶接用のチツプホルダーは、導体
からなるもので、溶接作業中に被溶接物が接触す
ると、溶接電流が被溶接物全体に分流して溶接強
度を損なうのみならず、危険でもあり、その上チ
ツプホルダーの接触部分が溶損して肌を荒らす等
の欠点がある。このためチツプホルダーに被溶接
物が接触する恐れがあるときは、作業現場でホル
ダー外周に絶縁テープを巻きつけて使用してい
る。

また、実公昭58−36463号公報には、電極アー
ム（ホルダー）に嵌める電極チツプの外周に内周
面と下端とを絶縁被覆で被覆される金属筒体を嵌
挿したスポツト溶接用電触防止装置が開示されて
いるが、電極アーム（ホルダー）は耐久性が良
く、電極チツプは消耗品として取り扱はれるもの
であるから、この消耗品扱いされる電極チツプ毎
に前記の絶縁被覆が形成された金属筒体を嵌挿す
ればその数は膨大になる。また仮に前記の電極ア
ームを電極チツプと共に交換する構成である時も
その数が膨大になることに変わりはない。

（考案が解決しようとする問題点） 前記のようにチツプホルダーに絶縁テープが巻
きつけてあると、巻つけの太さが個々に異なつて
作業勝手が悪いだけでなく、溶接作業に必要とす
る治具を取付ける用具を溶接機の別の絶縁部に設
けて置かねばならず、使用上不便が多い。これが
ため消耗品であるチツプではなく、耐久性が良い
ホルダー自体を溶接電流分流防止が確実な構造に
するこが望ましい。

本考案はかかる点を解決の問題点とするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） 本考案のスポツト抵抗溶接分流防止付チツプホ
ルダーは前記の問題点を解決することを目的とす
るもので、具体的にはチツプホルダー１の端部外
周に熱硬化樹脂からなる絶縁管３を嵌合し、該絶
縁管３の外周にチツプホルダーと絶縁したステン
レス・スチール管７を嵌合固定すると共に、該ホ
ルダー１の端部中心に溶接用のチツプＰの基部を
交換自由に嵌合固定することを特徴とするもの
で、チツプホルダーを、溶接電流の損失、溶接作
業の危険性を防止する構造とし、さらに、規格化
された治具の取付けにも適するようにしたもので
ある。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示し、銅その他
の導電性金属からなるチツプホルダー１は端面に
公知のようにチツプＰを交換自由に嵌着するよう
にされており、該ホルダー１の先端部外周を少し
削つて円形断面の削径部２を形成し、、その削径
部２にチツプホルダー１と同じ外径の鍔４を形成
した熱硬化性樹脂からなる絶縁管３を嵌める。該
絶縁管３には第２図に示す軸方向の割り溝５を施
し、該割り溝５の両側を弾力部６，６として嵌め
易くする。絶縁管３の外周にはチツプホルダー１
と同じ外径のステンレス・スチール管７を嵌め
る。ステンレス・スチール管７は絶縁管３の外周
に対し焼き嵌め、さらに絶縁管３と共にチツプホ
ルダー１に嵌めて一体化する。

ステンレス・スチール管７には例へば被溶接物
の定規をなす定規板１１の取付け管１２を嵌め
る。

チツプホルダー１及びチツプＰには冷却水通路
を設けるものであるが、図面はこれを省略してあ
る。

（本考案の作用及び効果） 本考案は前記により明らかな構造になり、チツ
プホルダー１の電流分流を防止出来るのみでな
く、ステンレス・スチール管７の嵌着により外径
寸法を規格化して、規格化された治具の類の嵌め
込みによる取付けを簡易化できるもので、この構
造はチツプホルダーに特有であり、且つ溶接作業
現場の実状に良く合致させる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は
一部を縦断した正面図、第２図は同平面図、第３
図は治具の取付けを例示した一部切欠正面図、第
４図は本考案の使用態様を示した一部切欠正面図
である。 １……チツプホルダー、３……熱硬化性樹脂か
らなる絶縁管、７……ステンレス・スチール管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チツプホルダー１の端部外周に熱硬化樹脂から
   なる絶縁管３を嵌合し、該絶縁管３の外周にチツ
   プホルダーと絶縁したステンレス・スチール管７
   を嵌合固定すると共に、該ホルダー１の端部中心
   に溶接用のチツプＰの基部を交換自由に嵌合固定
   することを特徴とするスポツト抵抗溶接分流防止
   付チツプホルダー。