JPH0323864Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （従来技術） 従来、自動車の燃料タンクと注入口とを連通す
る燃料注入管は、自動車の衝突時にも破損しない
ように、その少なくとも一部分を蛇腹状の可撓管
で構成するのが一般的である。

ところで、上記蛇腹状可撓管を燃料注入管に用
いると、燃料注入時に燃料が蛇腹管の管壁に衝突
して泡立つたり、注入口側へ跳ね返つたりするた
め、この泡や跳ね返つた燃料が注入ガンの燃料検
出センサに接触して頻繁にオートストツプが作動
し、燃料を円滑に給油することができないという
欠点がある。

そこで、実開昭54−103411号公報に記載されて
いるように、蛇腹状可撓管の単位襞の長さを長短
交互にして注入方向に向つて小径となる長い単位
襞つまり注入燃料と衝突する単位襞の角度を小さ
くして燃料が流れやすくしたものがある。

しかしながら、上記蛇腹状可撓管では、燃料と
衝突する単位襞の角度を僅かに改善しただけであ
つて、上記蛇腹管の欠点を根本的に解決するもの
ではない。

（考案の目的） 本考案は、蛇腹状可撓管の特性を損なうことな
く簡単な構成でもつて直管と同程度に円滑に燃料
を注入できるような燃料注入装置を提供すること
を目的とする。

（考案の構成） 本考案の燃料注入装置は、自動車の燃料タンク
と注入口とを連通する燃料注入管の少なくとも一
部分を蛇腹状の可撓管で構成し、上記蛇腹状可撓
管の谷部の内面に沿つて谷部の内面から燃料注入
方向へ延びる案内片を一体形成したものである。

（考案の効果） 本考案においては、以上のように燃料タンクと
注入口とを連通する燃料注入管の少なくとも一部
分を蛇腹状可撓管で構成し、この蛇腹状可撓管の
谷部の内面に沿つて谷部の内面から燃料注入方向
へ延びる案内片を一体形成したので、可撓管の内
面の略全面に互つて上記案内片が臨み、直管と略
同程度に円滑な案内面となることから、注入燃料
が泡立つたり乱反射的に跳ね返つたりすることな
く円滑に流れることになる。

しかも、上記案内片は一端が蛇腹状可撓管の谷
部の内面に接続されているだけで、谷部と谷部と
を連結するものではないから、蛇腹状可撓管の特
性は少しも損なわれることはないばかりか、案内
片を谷部に一体形成するという極めて簡単な構成
なので容易かつ安価に実施することが出来る。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明す
る。

第１図に示すように、自動車の後部に設けられ
た燃料タンク１に燃料を供給するため、自動車ボ
デー２の側部外面に臨む注入開口３から燃料タン
ク１へ燃料注入管４が配設され、燃料注入管４の
上流端の注入口８にはキヤツプ９が着脱自在に装
着され、このキヤツプ９を取外しこの注入口８に
ガソリンスタンドの燃料注入ガンを挿入して燃料
が注入される。

上記燃料注入管４は、金属性の第１フイラーパ
イプ５と合成ゴム製の蛇腹状可撓管６（以下、蛇
腹管という）と金属性の第２フイラーパイプ７と
を直列接続してなり、第１フイラーパイプ５は自
動車ボデー２の注入開口３の底襞３ａに固着され
ると共に第２フイラーパイプ７の下流端は燃料タ
ンク１に接続されている。

燃料タンク１へ燃料を注入する際に、蛇腹管６
内で燃料が泡立つたり乱反射的に跳ね返つたりせ
ずに円滑に流れるように、上記蛇腹管６の内部に
は第２図に示すような案内片１０が設けられ、こ
の案内片１０で燃料の流れを案内するようになつ
ている。 即ち、上記蛇腹管６は基本的には環状
の山部１１と環状の谷部１２とを交互に配置して
連ねた構造で、上記各谷部１２の内面に沿つて各
谷部１２の内面のうち燃料注入方向下流側部分か
ら燃料注入方向へ延びる環状の案内片１０が一体
形成され、各案内片１０はその下流側の谷部１２
の近傍まで筒状に延び、谷部１２と谷部１２の間
を略全面的に塞ぐ状態になつている。

このようにして、蛇腹管６の最も内側の内周部
分には多数の同径の短円筒状の案内片１０が僅か
の隙間を空けて直列状に配置されることから、注
入燃料は案内片１０の内面で案内されて円滑に流
れることとなる。

尚、上記蛇腹管６は耐油性合成ゴム以外に耐油
性かつ可撓製の各種合成樹脂材料で構成してもよ
く、また蛇腹管６は螺旋状の蛇腹管６であつても
よく、燃料注入管４は全長に互つて蛇腹管６で構
成してもよい。

第３図の変形例に示した蛇腹管６においては、
各案内片１０Ａがその下流端の案内片１０Ａとラ
ツプする程度に長く形成される。

このように、案内片１０Ａを十分長く形成する
と、蛇腹管６を弯曲させた状態でも案内片１０Ａ
の先端縁と隣接の谷部１２との間に隙間が生じな
いので、注入燃料が直管と同様に円滑に流れるよ
うになる。

第４図の変形例に示した蛇腹管６においては、
蛇腹管６が角形の山部１１と谷部１２とを連ねた
構造で、この谷部１２の内面に沿つて案内片１０
Ｂが設けてある。

上記実施例の燃料注入装置によれば、燃料注入
管４の蛇腹管６の谷部１２の内面に沿つて燃料注
入方向に延びる案内片１０，１０Ａ，１０Ｂを設
けるという極めて簡単な構成で蛇腹管６の特性を
損なわずに円滑な流路を形成して、燃料の泡立ち
や乱反射的跳ね返りを防止することが出来るか
ら、燃料注入ガンのオートストツプの誤動作もな
く能率的に燃料を注入することが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
自動車ボデーに組込まれた燃料タンクと燃料注入
管の正面図、第２図は蛇腹状可撓管の部分縦断面
図、第３図及び第４図は各々変形例の第２図相当
図である。 １…燃料タンク、４……燃料注入管、５……第
１フイラーパイプ、６……蛇腹状可撓管（蛇腹
管）、７……第２フイラーパイプ、８……注入口、
１０，１０Ａ，１０Ｂ……案内片、１２……谷
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の燃料タンクと注入口とを連通する燃料
   注入管の少なくとも一部分を蛇腹状の可撓管で構
   成し、上記蛇腹状可撓管の谷部の内面に沿つて谷
   部の内面から燃料注入方向へ延びる案内片を一体
   形成したことを特徴とする燃料注入装置。