JPH0323817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は回転電機のブラシ保持装置に関する。

〔従来技術〕

従来、この種の回転電機のブラシ保持装置は第
１図および第２図に示されるように構成されてい
た。

第１図および第２図において、１は直流電動機
のブラシホルダ（ブラシ保持装置）、２は整流子、
３は通しボルトであつて直流電動機の固定子およ
び機枠（共に図示せず）を互いに螺着するもので
筐体内部に挿通される通しボルト、４ａ，４ｂは
ブラシホルダ１の保持枠であつてプラス側は電気
絶縁性の合成樹脂板５を介して鉄板製の基板６に
対地絶縁する如く固着され且つマイナス側は直接
基板６にカシメ固着された保持枠、７ａ，７ｂは
プラス側の保持枠４ａ，４ｂと合成樹脂板５との
間で構成される収容空間に整流子２の方向へ摺動
可能に装着されるプラス側のブラシであつてリー
ド線８ａ，８ｂが入力用のリード線９に接続さ
れ、また通しボルト３に近接する側のブラシ７ｂ
のリード線（ピグテール）８ｂには通しボルト３
との間の短絡（又は接地）を防止する電気絶縁性
のチユーブ１０が被装されている。

マイナス側の保持枠４ａ（又は４ｂ）と基板６
との間には、マイナス側のブラシ１１，１１が装
着され、リード線１２，１２が基板６に電気接続
されている。１３ａ，１３ｂはブラシ７ａ，７ｂ
および１１を整流子２方向に押圧付勢するブラシ
バネ、１４はリード線９の端部に固着されるコネ
クタであつて、電源装置（例えばバツテリ）（図
示せず）に接続されている。１５は基板６に嶋目
加工後創設されたネジ孔であつてエンドブラケツ
ト（図示せず）に螺着される如くボルト（図示せ
ず）が螺着される。１６はリード線９をエンドブ
ラケツト（図示せず）から導出する部分に装着す
る電気絶縁性のグロメツトである。

従来のブラシ保持装置は、コネクタ１４に接続
された電源電圧がリード線９，８ａ，８ｂを介し
てプラス側のブラシ７ａ，７ｂに印加され、整流
子２を介して電機子が通電付勢され、マイナス側
のブラシ１１およびリード線１２を介して基板６
に電流が流出し、エンドブラケツトおよびボルト
３等の接地電導路を介して電流が接地される。

従来のブラシ保持装置は叙上の如く構成されて
いたため、リード線と通しボルト３とが接触し易
く、装置の電気絶縁性に対する信頼性が充分でな
い等の欠点があつた。

〔考案の概要〕

本考案は、叙上のような従来の回転電機のブラ
シ保持装置における欠点を改善する目的でなされ
たもので、その特徴はブラシホルダの保持枠に電
気絶縁壁を設けたことにある。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して
説明する。

第３図および第４図には本考案の一実施例に係
る回転電機のブラシ保持装置が示されている。

これら第３図および第４図に示された当該実施
例において、第１図および第２図に示された従来
のブラシ保持装置と同一および相当する部分は同
一の参照符号を付してその説明を省略する。本考
案の実施例を示す第３図および第４図において、
１８は熱硬化性合成樹脂材（例えばベークライ
ト）の一体成型材よりなる保持枠集合体即ちブラ
シケースであつて、鉄板製の基板１９と組み合わ
されてブラシホルダ１７を構成している。２０
ａ，２０ｂは各々プラス側のブラシであつて、前
述の組み合わせによつて構成された柱状の空間Ａ
にコイルスプリング２１と共に挿入装着され、整
流子２面上にコイルスプリング２１の押圧力で摺
接されている。

２２ａ，２２ｂは各々ブラシ２０ａ，２０ｂの
リード線であつて、第１図（又は第２図）の従来
装置同様にリード線９に接続されている。２３は
マイナス側のブラシ、２４は保持枠集合体１８に
一体的に構成された仕切壁であつて、通しボルト
３とリード線９との間に介在して互いに絶縁隔離
する機能を有している。２５は同じく仕切壁であ
つて、図示Ｂ部に通しボルト３が挿通された場合
の隔離壁を構成している。２６は電気絶縁性のス
ペーサである。これらの構成以外は第１図（又は
第２図）に示された従来のブラシ保持装置と同様
の構成である。

この実施例のブラシ保持装置によると、その構
成が非常に簡単になつて部品点数を低減すること
ができ、しかも通しボルト３とリード線２２ｂと
の短格（接地）事故を防止することができる。

なお、上述では詳述しなかつたが、比較的に振
動の大きなエンジンに装着されるスタータモータ
に適用すればより一層その効果が大である。

〔考案の効果〕

前述したように、本考案に係る回転電機のブラ
シ保持装置によれば、通しボルトとブラシ接続線
との絶縁を図る手段が合成樹脂製のブラシケース
と一体的に形成された仕切壁によつて構成されて
いるため、非常に簡単な構造で通しボルトとリー
ド線即ちブラシ接続線との短格を防止することが
でき、当該装置の電気絶縁性に対する信頼性を向
上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のブラシ保持装置を装着した直流
電動機の要部を示す平面図、第２図は第１図に示
されたブラシ保持装置の要部拡大図、第３図は本
考案の一実施例に係るブラシ保持装置を装着した
回転電機の要部を示す平面図、第４図は第３図の
−線に沿つて得た断面図である。 ２……整流子、３……通しボルト、９，１２，
２２ａ，２２ｂ……リード線、１７……ブラシホ
ルダ、１８……保持枠集合体、１９……基板、２
０ａ，２０ｂ，２３……ブラシ、２１……コイル
スプリング、２４，２５……仕切壁。なお、図中
同一符号は同一部分又は相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ブラシを摺動自在に保持する合成樹脂製のブ
   ラシケース、および該ブラシケース内に保持さ
   れたブラシを整流子側に付勢するブラシ加圧バ
   ネを備えてなる基板上に装着された回転電機の
   ブラシ保持装置において、該ブラシ保持装置の
   外縁部に挿通される導電性の通しボルトとブラ
   シ接続線との間を隔離する仕切壁を前記ブラシ
   ケースと一体的に形成したことを特徴とする回
   転電機のブラシ保持装置。 (2) 前記ブラシケースが熱硬化性合成樹脂材で前
   記仕切壁と一体モールド構成されていることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載の回転電機のブラシ保持装置。 (3) 前記回転電機の車輌のスタータモータである
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項又は第２項に記載の回転電機のブラシ保持装
   置。