JPH0323146Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、一定量のコーヒー粉末を封入したパ
ツクを使用する即席コーヒー煎れ具に関するもの
である。

（従来の技術） 従来、この種のものとしては、外筒の下端に、
底に透孔を有する突出部を設け、この突出部内
に、濾紙で形成したつば部を有する皿状体にコー
ヒー粉末を容入し、これを濾紙で封入したフイル
ターコーヒーパツクを嵌合するとともに、このつ
ば部を外筒の段部に対し、外筒に嵌挿する内筒の
底部の張出縁をもつて押圧するようにした簡易ド
リツプコーヒーメーカーが、実願昭57−86346号
（実開昭58−188727号）のマイクロフイルムによ
つて開示されている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の簡易ドリツプコーヒーメーカーにあつて
は、コーヒー粉末パツクが濾紙で形成されている
上に、パツクのつば部は、外筒の下端の突出部を
形成する直角方向の段部に載置されて内筒の底部
の張出縁で押圧され、パツクの皿状体の外周壁面
が、これを嵌合するものであるから、使用時にお
いて湯を注いだ場合、濾紙のパツクは湿潤して膨
張し、皿状体の外周壁面が外筒の突出部の内周壁
面に当接し、これがため、この周壁面におけるパ
ツクよりのコーヒーの抽出が不充分となるおそれ
があつた。

本考案は、上記のような点に鑑みて案出された
もので、その目的とするところは、コーヒー粉末
パツクのコーヒー煎れ具に対するセツトの安定
と、コーヒーの抽出に当り、パツクの容入部の外
周壁面よりの抽出効率の向上を図るにある。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本考案にあつ
て、コーヒー粉末パツクのシール部を、注入湯筒
における外方へ向けて下方に傾斜した段部に懸架
支持させることと、パツクの容入部の外周壁面
と、パツクの容入部を収納する注入湯筒の収納室
の内周壁面との間に間〓を設けることによつて問
題点の解決を図つている。

すなわち、本考案は、側壁が下底に向つて内側
に傾斜した容入部を有する剛性の不織布と、シー
ト状の不織布とにてコーヒー粉末を容入部に容入
シールしたパツクに対し、これの周縁シール部を
懸架すべき段部が、半径方向の外方に向けて下方
に傾斜するとともに、上記パツクのコーヒー粉末
の容入部の外側との間に間〓部を生ずる内側壁を
備えたパツクの収納室を有する注入湯筒と、この
注入湯筒内にあつて、その下端周縁が上記の段部
に係合して、懸架されたパツクの周縁シール部を
挟圧すつ押え具とから構成されている。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

本考案の即席コーヒー煎れ具は、コーヒー粉末
パツクＡをセツトする注入湯筒Ｂと押え筒Ｃとよ
り構成されている。

第２図に示すように、コーヒー粉末パツクＡ
は、側面が底面に向かつてテーパー状に形成され
た容入部１を有する剛性の不織布２に対し、容入
部１にコーヒー粉末３を入れて、通常のシート状
不織布４を重ね、その周縁部をシール５したもの
である。このシールには、ヒートシール、高周波
シール、超音波シール等が用いられる。この容入
部１が膨出しているものであるから、その周面は
広いものである。

ここに、剛性の不織布とは、例えばポリプロピ
レン、ポリエステル等の長繊維を熱エンボス加工
を施したもので、一般にはポリプロピレン、ポリ
エステル等の繊維の密度を高くするか、あるいは
繊維を太くすればよい。

注入湯筒Ｂは、合成樹脂の射出成形等で構成さ
れたもので、下方には、コーヒー粉末パツクＡの
周縁シール部５を懸架することができる半径方向
の外方へ向けて下方に傾斜した段部６があり、そ
の下方にはコーヒー粉末パツクの膨出容入部１と
ほぼ同じ形状のコーヒー粉末パツク収納室７が設
けられており、その下底８には抽出コーヒーの落
下流出用透孔７′が設けられている。なお、下底
８はコーヒー粉末パツクＡの容入部１が使用時に
垂れる場合には、中央部に支えの突出部があつた
方がよく、また垂れることがない場合には、下底
８がなくてもよい、また、上方の内壁面には、内
側に向うリブ１２が円周方向に等間隔に４ヶ所設
けられている。

上記の段部６は、この外第３図イ乃至ニに図示
されているように下方に傾斜している部分に、凹
凸の変化をもたせたものの方がよい。

押え筒Ｃは、注入湯筒Ｂと同様に合成樹脂で射
出成形されたもので、注入湯筒Ｂの内に嵌挿さ
れ、その下端周縁９はコーヒー粉末パツクＡの周
縁シール部５を介して注入湯筒Ｂの傾斜段部６に
密接し得る形状に形成されており、この下端周縁
９で注入湯筒Ｂの段部６に懸架したコーヒー粉末
パツクＡの周縁シール部５を段部６に対し当接す
るようになつている。また、上方の外壁面には、
外側に向うリブ１３が円周方向に等間隔に４ケ所
設けられている。そして、上記の注入湯筒Ｂのリ
ブ１２とこの押え筒Ｃのリブ１３とは、注入湯筒
Ｂ内に押え筒Ｃを嵌挿して押圧回動したとき、リ
ブ１３がリブ１２の下側に係合するような関係に
あり、このときコーヒー粉末パツクＡの周縁シー
ル部５は段部６に対して挟圧するようになり、ま
た、押え筒Ｃの上方の外側段部１０は、注入湯筒
Ｂの上端縁１１に当接する。

押え筒Ｃの下端周縁９は、第１図に示すものに
あつては注入湯筒Ｂの段部６の形状に対応した形
状となつている。

なお、Ｄは注入湯筒Ｂをその段部６の外側にお
いて放射状のリブ１４に載置懸架するカツプであ
り、Ｅは押え筒Ｃに被冠する蓋である。

以上のような構成の本考案の即席コーヒー煎れ
具を使用するには、第１図に示すように、コーヒ
ー粉末パツクＡをその周縁シール部５をもつて、
注入湯筒Ｂの段部６と押え筒Ｃの下端周縁９とに
挟持させた状態において、蓋Ｅを取外し、上方よ
り熱湯を押え筒Ｃ内に注ぐ。熱湯は、コーヒー粉
末パツクＡの上面のシート状不織布４より内部の
コーヒー粉末３に浸透し、コーヒー粉末３より抽
出されたコーヒーは、下方に膨出した容入部１の
広い周面より浸出して注入湯筒Ｂの収納室７の下
底８の透孔７′から落下流出し、下方のカツプＤ
に貯留される。

このとき、コーヒー粉末パツクＡの湿潤にて重
量が増して、全体を下方に引張る力が加わつて
も、周縁シール部５は下方に傾斜した段部６にお
いて支持されているから、周縁シール部５は移動
することなく、また、コーヒー粉末パツクＡの容
入部１の外周壁面と注入湯筒Ｂの収納室７の内周
壁面との間の間〓は保たれている。

（考案の効果） 本考案は、側壁が下底に向かつて内側に傾斜し
た容入部を有する剛性の不織布と、シート状の不
織布とにてコーヒー粉末を容入部に容入しシール
したコーヒー粉末パツクを、注入湯筒と押え筒と
によつてセツトして使用するものであるが、コー
ヒー粉末パツクをその周縁シール部をもつて、注
入湯筒の半径方向の外方に向けて下方に傾斜した
段部に懸架し、この周縁シールを押え具の下端周
縁をもつて押圧しセツトした場合、全体が剛性を
帯びたコーヒー粉末パツクは、その周縁シール部
が外側方向に引張られた状態で安定してセツトさ
れる。このことは、注入湯筒内に熱湯を注入して
コーヒー粉末パツクよりコーヒーを抽出するに際
し、パツクが湿潤して重量が増しても、これによ
りパツクの周縁シール部が内側に働くようなこと
はなく、これにより、パツクの容入部の外周壁面
と注入湯筒の収納室の内周壁面との間の間〓を狭
めることなく、コーヒーは、パツクの底面と相俟
つて外周面から抽出されるのでその効率は極めて
高いものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例にかかるもので、第１図
は使用状態にある一部を断面にした正面図、第２
図は、コーヒー粉末パツクの縦断で正面図、第３
図イ乃至ニはコーヒー粉末パツクの周縁シール部
を押圧挟持する部分が異なる場合の断面図であ
る。 符号、Ａ……コーヒー粉末パツク、Ｂ……注入
湯筒、Ｃ……押え筒、Ｄ……カツプ、Ｅ……蓋、
１……容入部、２……剛性不織布、３……コーヒ
ー粉末、４……シート状不織布、５……周縁シー
ル部、６……段部、７……収納室、７′……透孔、
８……下底、９……下端周縁、１０……外側段
部、１１……上端縁、１２，１３，１４……リ
ブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁が下底に向かつて内側に傾斜した容入部を
   有する剛性の不織布と、シート状の不織布とにて
   コーヒー粉末を容入部に容入しシールしたパツク
   に対し、これの周縁シール部を懸架すべき段部が
   半径方向の外方に向けて下方に傾斜するととも
   に、上記パツクのコーヒー粉末の容入部の側壁と
   の間に間〓部を生ずる側壁を備えたパツクの収納
   室を有する注入湯筒と、この注入湯筒内にあつ
   て、その下端周縁が上記の段部に係合して、懸架
   されたパツクの周縁シール部を挟圧する押え具と
   から構成された即席コーヒー煎れ具。