JPH0418517Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は即席コーヒー煎れ具に関するものであ
る。

［従来の技術］ 従来、サイフオンやパーコレータ等を使わない
即席コーヒー煎れ具として例えば実開昭53−
13990号公報に見られるように、上面で開放した
容器本体に底面が平坦な濾紙製のコーヒー粉末収
納部を設けて構成したものが知られている。

［考案が解決しようとする問題点］ しかしながら、コーヒー粉末収納部内には通常
湯を注いだ後に膨張することを見込んでコーヒー
粉末を収納容積の2/3程度しか入れないことから、
例えば輸送時等に揺られることでコーヒー粉末収
納部内のコーヒー粉末が偏つてしまい、存在しな
いところができ、使用に際して湯を注いだときコ
ーヒー粉末の存在しない部分は湯が素通し状にす
ばやく流下して、コーヒーのエツセンスを充分煎
出し得ないために、薄くて味のまずいコーヒーが
出来てしまうという欠点があつた。

［問題点を解決するための手段］ 上面を開放し、かつ底部に円形開口を設けて容
器本体を形成し、前記円形開口に皿状をなし上面
をシールして中にコーヒー粉末を収納してなる濾
紙製のコーヒー粉末収納部を設けたコーヒー煎れ
具において、コーヒー粉末収納部の底面に適宜大
きさからなり下方へ突出する有底筒状の凹穴所を
複数設けて構成する。

［作用］ 皿状をなすコーヒー粉末収納部の底面に設けた
複数の凹穴所によりそれが障壁となつて多少傾い
てもコーヒー粉末が片寄りにくく、しかも該複数
の凹穴所内には常にコーヒー粉末が収まつてお
り、更に注がれた湯は高さが最も低いこれらの凹
穴所を通つてその底面から落下することとなり、
コーヒーのエツセンスは十分に煎出される。さら
にまた、これらの凹穴所によつてコーヒー粉末収
納部の底面積が増大され、コーヒーの出来上がり
が早められる。

［実施例］ 図において１は上面で開放し下方に向つてやや
テーパー状をなす略円筒形をした容器体であり、
底部内側に縁部２を周設して残すことにより中央
部に広い面積の円形開口３が形成される。

４は皿状のコーヒー粉末収納部であり、容器体
１の底部の円形開口３に嵌合させる皿状の受け器
５の上端外周に鍔片６を周設し、底面７には適宜
大きさからなる平面円形状をなす有底筒状の凹穴
所８を等間隔に四個下面に突出させて形成してい
る。

９は受け器５の鍔片６の外径大に形成された濾
過蓋である。

受け器５及び濾過蓋９は夫々ポリエステル繊維
のスパンボンド不織布で形成した通水性を有する
ものであり、受け器５内にはカツプ一杯分のコー
ヒー粉末１０であつてその容量の約2/3程度に収
容させ、濾過蓋９を被せその周辺部を鍔片６にヒ
ートシールして封止させ、第２図に示すようにコ
ーヒー粉末収納部４の受け器５を容器体１の円形
開口３から下方に臨ませて嵌合させ、鍔片６を縁
部２に固着させる。

このように形成された本考案品の使用について
説明するに、第３図に断面にして示すようにコー
ヒーカツプＡの上端縁に容器体１の縁部２下面を
支承させて水平に載置し、濾過蓋９の上方から湯
を注げば、濾過蓋９を通過した湯でコーヒー粉末
収納部４の受け器５内のコーヒー粉末１０を浸し
てコーヒーのエツセンスを煎出しつつ、該受け器
５の底面７の最も低い個所である各凹穴所８に流
れてその底からコーヒーカツプＡ内へ滴下する。

本考案品ではコーヒー粉末収納部４に収容され
たコーヒー粉末１０はコーヒー粉末収納部４を傾
けたりしても各凹穴所８が障壁となつてコーヒー
粉末１０が片寄りにくく、しかも、各凹穴所８内
には常にコーヒー粉末１０が詰まつており、更に
流下する湯は高さの低い各凹穴所８に集まり、素
通りすることはなく、コーヒーのエツセンスを煎
出したものが各凹穴所８の底から滴下する。更に
また各凹穴所８によつて底面７の表面積が増大さ
れていることから、コーヒーの出来上りが早めら
れる。

また、第４図に示したものはコーヒー粉末収納
部４の受け器５の底面７に平面形状を前記実施例
の円形より変形させると共に、放射状に六個形成
した実施例であり、これによれば前記実施例のも
のよりコーヒーエツセンスの煎出率を高めて、し
かもコーヒーの出来上りをより早くすることがで
きる。また形状はこれらに限られるものではなく
他の種々の形状にしても十分目的は達せられる。

さらに、第５図に示したものは容器体１を方形
状の板紙を折曲げて造るようにし、かつ折畳み自
在とした実施例であり、正方形の板紙の中央部を
折線１１で正方形に折曲げて、折線１１内側の中
央に設けた円形開口３の周縁に舌片状の折曲片１
２を等間隔に四枚突設してなる。そして、各折線
１１の外側に形成される四側壁１３は夫々四隅角
の一部を三角形状に貼合することで第５図のよう
に有底の箱形を形成させ、さらに各貼合部１４を
中心にして各側壁１３に垂直折線１５と傾斜折線
１６を設けることで各側壁１３を起倒自在とし、
第６図のようにコンパクトに折畳めるようにして
いる。この実施例のものは使用に際して第７図に
示すように各折曲片１２を下面に折重ねコーヒー
カツプＡの上端縁に該各折曲片１２を当接した状
態で載置するようにしたものであり、受け器５と
コーヒーカツプＡの上端縁の間に空気の流通でき
る隙間を持たせることにより、湯を注いだときに
コーヒーカツプＡ内の膨張した空気が外へ逃げる
ことができず空気圧が増しコーヒー粉末１０をこ
した湯がコーヒーカツプＡ内に落下しなくなるこ
とを防いだものであり、このようにすれば注いだ
湯が途中でコーヒー粉末収納部４から溢出するこ
とがなく、何ら支障なく使用できる。

［考案の効果］ 以上に述べたように本考案の即席コーヒー煎れ
具は、コーヒー粉末収納部の受け器の底面に複数
の凹穴所を設けたものであるから、コーヒー粉末
が片寄りにくく、しかも該複数の凹穴所には常に
コーヒー粉末が詰ることとなつて注ぎ込まれた湯
は受け器の底面で最も低いこれらの凹穴所を通つ
てその底から滴下するから、湯の素通りを起こす
ことはなく、コーヒーエツセンスを十分に煎出さ
せるし、さらにはこれらの凹穴所を設けたことで
受け器の底面が拡大され、コーヒーの出来上りを
早くできるといつた利点がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例に係わるもので第１図は分
解斜視図、第２図は底面から見た斜視図、第３図
は使用状態を示す断面図、第４図及び第５図は
各々他の実施例を示す底面から見た斜視図、第６
図は第５図に示したものの折畳んだ状態を示す斜
視図、第７図は第５図に示したものの使用状態を
示す断面図である。 １……容器体、３……円形開口、４……コーヒ
ー粉末収納部、７……底面、８……凹穴所、１０
……コーヒー粉末。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面を開放し、かつ底部に円形開口を設けて容
   器体を形成し、前記円形開口に皿状をなし上面を
   シールして中にコーヒー粉末を収納してなる濾紙
   製のコーヒー粉末収納部を設けたコーヒー煎れ具
   において、コーヒー粉末収納部の底面に適宜大き
   さからなり下方へ突出する有底筒状の凹穴所を複
   数設けたことを特徴とする即席コーヒー煎れ具。