JPH0322B2 - - Google Patents

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JPH0322B2
JPH0322B2 JP61256498A JP25649886A JPH0322B2 JP H0322 B2 JPH0322 B2 JP H0322B2 JP 61256498 A JP61256498 A JP 61256498A JP 25649886 A JP25649886 A JP 25649886A JP H0322 B2 JPH0322 B2 JP H0322B2
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JP
Japan
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liquid
container
seasoning
soup
carbon dioxide
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JP61256498A
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JPS62175151A (ja
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Toyoichi Shinkai
Tsuneo Ito
Takashi Kurihashi
Hideharu Kawai
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Ninben Co Ltd
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Ninben Co Ltd
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Publication of JPS62175151A publication Critical patent/JPS62175151A/ja
Publication of JPH0322B2 publication Critical patent/JPH0322B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明の容器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体
スープは、一種又は二種以上の動物性エキス分
と、一種又は二種以上の植物性エキス分のいずれ
か一方又は双方と、標準状態において少なくとも
2Kg/cm2以上の圧力を生じる量の二酸化炭素とを
含む液体が容器内に充填密封され、その後、その
充填密封容器が60〜100℃に加熱されてなるもの
であり、従来のだし液や液体のスープストツク或
はこれらを用いた各種液体調味料が液体スープと
同様に使用されるものである。 (従来技術) 各種の動物性原料又は植物性原料から液体調味
料や液体スープを得るには従来は次のようにして
いた。 イ それらの原料を生(なま)のまま、又は一旦
加工した後、普通の水や調味液に加熱しながら
或は加熱せずに浸漬し、そのエキス分を抽出
し、濾過するなどして、だし液や液体のスープ
ストツクあるいは調味だし液や調味された液体
のスープストツクとする。これらはそれ自体が
既に液体調味料や液体スープでありそのまま使
用される場合もある。 ロ イの液体調味料や液体のスープストツクを基
本調味液とし、これに他の調味料や香辛料など
の各種食品材を添加したり、濃度を調整したり
して、更に各種の液体調味料や液体スープとす
る。 ハ イの基本調味液及びロの液体調味料や液体ス
ープを一旦加工して濃縮液、ペースト、顆粒、
粉末などとし、これに水や各種食品材を添加し
て液体調味料や液体スープとする。 ニ 上記した原料を少くとも最終的に乾燥加工
し、それを粉砕した粉末をそのまま各種の調味
液に添加し、混合分散するなどして液体調味料
や液体スープとする。 ホ このようにして得られる液体調味料や液体ス
ープを液体のまま長期保存するには加熱殺菌す
ると同時に、一定の温度で無菌的に清潔な容器
に入れて密封するか、あるいは容器に入れて密
封した後、容器ごと加熱殺菌して仕上げてい
る。 (従来技術の問題点) しかし、上記した従来の液体調味料や液体スー
プには次のような問題があつた。 イ 原料である各種の食用動物や食用植物及びこ
れらの加工品はその風味が元来非常に不安定で
あるものが多いことにもよるが、液体調味料や
液体スープとした場合には特にその溶存酸素と
温度の影響を受けて、容易に酸化や褐変し、そ
の風味が非常に変化したものとなる。 ロ 単なるだし液や液体のスープストツクは原料
から由来するエキス分のみを可溶性固形分とし
ており、しかもその濃度が低く、水分活性値の
高いものが多いので、このようなものは、その
風味が著しく低下し易、液体のままでは無菌状
態を保持しなければ容易に腐販してしまう。 ハ 単なるだし液や液体スープストツクを濃縮し
たものは濃縮度合が高くなるにしたがつて可溶
性固形分の増加や水分活性値の低下は進むが、
少なくとも可溶性固形分が40%以上になるよう
に濃縮しないと保在性の効果はあまり期待でき
ない。しかも濃縮するにつれて風味の低下は加
速度的となり、可溶性固形分を60%以上とした
ものはもはや液体調味料や液体スープとは言い
難い。 ニ 調味だし液や調味された液体のスープストツ
クのように調味されたものは、原料に由来する
エキス分の外に、調味料や香辛料などの各種食
品材をも成分として含んでいるため、これらの
食品材の種類や量によつて当然その液体調味料
や液体スープの風味の変化や保存性が異なる。 普通、塩類、酸類、糖類、アルコール類をは
じめ、これらを多く含有する食品材は風味の変
化防止にはあまり寄与しないが微生物の抑止効
果が上るので保存性を賦与するための添加され
る場合が多い、しかしこれらの食品材を保存性
が得られるほどの量を添加すると、どうしても
その食品材の呈香味性が強まつて原料の特徴あ
る風味が打ち消される。このため液体調味料や
液体スープとしての汎用性が狭くなり、一回の
使用量もおのずと限定され、しかも風味が次第
に劣化することは避けられなかつた。 ホ これら従来の各種の液体調味料や液体スープ
を液体のまま長期保存する場合の加熱殺菌とそ
の後の処理においては、その水分活性値の比較
的高いものはどうしても高温(100℃以上)加
熱と同時に無菌的な処理を必要とするので、そ
の加熱温度そのものによる影響や加熱と溶存酸
素による相剰作用の影響が著しく、酸化や褐変
が大きく進行し、特有の風味が失われるばかり
ではなく、液体調味料や液体スープの種類や組
成によつては異味異臭を生ずることもある。一
方、その水分活性値の比較的低いものは低温
(100℃以下)加熱でよいが、やはり加熱と溶存
酸素の相剰作用等による酸化や褐変は避けられ
ず、その風味が劣化する。尚、これら従来のも
のは経時的にも酸化や褐変が進行し易く、その
風味の劣化は大きいものであつた。 (発明の目的) 本発明の目的は上記の諸問題を解決した容器入
り炭酸液体調味料又は炭酸液体スープを提供する
ことにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明のうち特許請求の範囲第1項に記載の容
器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体スープは、各
種の食用動物の一種または二種以上の動物性エキ
ス分と、各種の食用植物の一種または二種以上の
植物性エキス分のいずれか一方又は双方と、標準
状態において少なくとも2Kg/cm2以上の圧力を生
じる量の二酸化炭素とを含む液体が容器内に充填
密封され、その後、その充填密封容器が60〜100
℃に加熱されてなることを特徴とするものであ
る。 尚、本発明で言う動物性エキス分とは、魚貝
類、甲殻類、軟体類、畜肉類、家きん類をはじめ
とする各種の食用動物の肉、骨、腱、内蔵、鰭な
どの各部位を、又その植物性エキス分とは各種の
食用の海藻類、きのこ類、野菜類、穀類の各部位
を、夫々必要に応じて生(なま)のまま、或は一
旦加工したものを適宜に俗択して原料とし、これ
らの原料から常法により抽出して得られるエキス
分を言うものである。 本発明者らは各種の動物性エキス分及び植物性
エキス分のうち、少なくともその一種を用いてな
る液体調味料や液体スープに関して、種々試験、
研究した結果、これらに二酸化炭素を含有させる
ことにより、次のような知見を得て、本発明を完
成させたものである。 1 液体調味料や液体スープに二酸化炭素を含有
させて容器に充填すると、その溶存酸素が駆逐
され、しかも二酸化炭素の含有量が多い程溶存
酸素が減少する。 また、安定した効果を得るためにはその液体
調味料や液体スープの組成によつても異なる
が、標準状態(20℃、1気圧)において容器内
に少なくとも2.0Kg/cm2以上の圧力を生じる量
の二酸化炭素を含有させることが必要である。
このようにすることにより酸化や褐変による風
味の劣化が非常に少なく、又PHの値が低下して
より酸性側に移行するため、少なくとも芽胞を
形成する耐熱性菌の増殖が防止される。しかも
本発明で用いるエキス分の多くはその風味が酸
性側では安定であることからすると更に効果的
となる。 更に、二酸化炭素を含有させた液体調味料や
液体スープを、容器に充填して密封したまま60
℃〜100℃に加熱殺菌すると非耐熱性菌が死滅
する。 2 二酸化炭素は弱酸性物質であるから、他の酸
類を使用した場合と異り、液体調味料や液体ス
ープに比較的多量に溶解して含有させても、そ
の風味を阻害するおそれは少なく、そのまま用
いても味覚上の刺激は非常におだやかである。
特に加熱料理に用いる場合には加熱により、そ
の殆んどが容易に気化してそのPHの値が二酸化
炭素を溶解させて含有させる前の状態に近づく
と同時に酸味も減少するから誠に好都合とな
る。 3 液体調味料や液体スープを品質的にも衝生的
にも確実に安定した状態に保持するには、その
液体調味料や液体スープの組成によつても異な
るが、先ず標準状態(20℃、1気圧)において
容器内に少なくとも2.0Kg/cm2以上の圧力を生
じる量の二酸化炭素を含有させ、容器に充填し
て密封し、芽胞を形成する耐熱性菌の増殖を防
止する必要がある。ついで、この充填密封した
容器をそのまま加熱殺菌(60〜100℃)するこ
とにより非耐熱性菌を死滅させる必要がある。
それ故、本発明で使用される容器はある程度の
耐圧性と性熱性を備えたものでなければならな
い。 4 水分活性値の高い例えば0.94以上の液体調味
料や液体スープについては最終製品が標準状態
(20℃、1気圧)において、その容器内の圧力
が少なくとも2.0Kg/cm2以上、好ましくは2.5
Kg/cm2以上となるように二酸化炭素の含有量を
調整してから容器を密封すると、たとえ僅かな
微生物の汚染があつたとしても少なくとも芽胞
を形成する耐熱性菌(100℃以上)の増殖を防
止でき、その後、その充填密封容器を低温(60
〜100℃)加熱殺菌すれば残りの非耐熱(100℃
以下)性菌を死滅させることができるので、従
来のように高温(100℃以上)加熱殺菌を必要
としないから、それによる風味の劣化もなく、
また一種の製造工程を無菌的に行わなくとも保
存性があり、しかも風味良好な製品を得ること
が可能となつた。一方、水分活性値の低い、例
えば0.94以下の液体調味料や液体スープは既に
耐熱性菌に対する耐性を有するものが多く、そ
のようなものは最終製品としたときに、標準状
態においてその容器内に少なくとも2.0Kg/cm2
以上の圧力を生じるように二酸化炭素の含有量
を調整してから容器を密封し、その後、その充
填密封容器を低温加熱殺菌すれば、従来の二酸
化炭素を含有しないまま、或は二酸化炭素の含
有量が2.0Kg/cm2以下の圧力で低温加熱殺菌し
たものと比較し、風味の劣化がなく保存性のあ
る製品とすることが可能となつた。 5 しかしながら、二酸化炭素の上記のような効
用は用いる液体調味料や液体スープの可溶性固
形分が20%以下の場合に顕著であり、20%以上
のものでは同一条件下での二酸化炭素の溶解量
が減少し、その効果も次第に低下する。また二
酸化炭素を含有させる前の液体調味料や液体ス
ープに、元来不溶の成分であり、しかも二酸化
炭素を吸収し難い物質が存在すると、その内部
への二酸化炭素の浸透が遅く、その効用が低下
する。 (実施例) 本発明の炭酸液体調味料は炭酸液体スープを得
るためには例えば次のようにする。 動物性エキス分の原料としては例えば海産食用
動物ではカツオ、ソウダカツオ、マグロ、サバ、
アジ、イワシ、トビウオ、イカナゴ、サケ、マ
ス、タラ、タイ等の魚類、アサリ、ホタテガイ、
赤ガイ、アワビ等の貝類、サクラエビ、シバエ
ビ、アカエビ、タラバガニ、毛ガニ、ズワイガニ
等の甲殻類、スルメイカ、ヤリイカ、タコ等の軟
体類、ナマコ、サメ、エイの軟骨やヒレ、各種の
鯨類やサメ類等であり、陸産食用動物では例えば
牛、豚、羊、山羊、馬、うさぎ、にわとり、七面
鳥等の各種鳥獣類等である。これらは生(なま)
のまま又はこれらを凍結、塩漬、加熱、脱水、乾
燥(素乾、塩乾、煮乾、燻乾、焙乾等)などによ
り一旦加工した後原料とする。加工品の例として
は例えば急肉や畜肉などの素干品、煮干品、塩干
品、節類、燻製などがある。 更に植物性エキス分の原料としては例えばマコ
ンプ、リシリコンプ、ミツイシコンプ、ホソメコ
ンプ、ナガコンプ、アマノリ、アオノリ、ワカメ
等の海藻類、しいたけ、シメジ、エノキダケ、マ
ツタケ、マツシユルーム、ナメコ等のきのこ類、
ハクサイ、ニンジン、ダイコン、ジヤガイモ、キ
ヤベツ、ホウレンソウ、トマト、モヤシ、タマネ
ギ、ニンニク等の野菜類、ダイズ、アズキ、トウ
モロコシ、ムギ、コメ等の穀類などであり、これ
らも生(なま)のまま又は加工(塩漬、乾繰、加
熱などにより)したものを原料とする。 これらの原料をそのまま或は切削、切断、破砕
又は紛砕等により小片化或いは又、脱塩するなど
した後、これらを単独に、或は複数組合せてその
エキス分を抽出し、少なくともこのエキス分を含
む調味素材を得てそれを使用する。このような調
味素材としては次のようなものがある。 前記した原料を水や調味液に浸漬して抽出した
だし液や液体のスープストツク或は調味だし液や
調味された液体のスープストツク。 これらのだし液や液体のスープストツクは調味
だし液や調味料された液体のスープストツクを基
本調味液として、これらに他の調味料や香辛料な
どの各種の食品材を添加したり配合したりした各
種の液体調味料や液体スープ。 これらの基本調味液或は各種の液体調味料や液
体スープを更に加工して濃縮液、ペースト、顆
粒、粉末などの液体、半固形又は固形にしたも
の。 要するに本発明では、上記した動物性又は植物
性エキス分のうち少なくとも一種又は二種以上の
エキス分を含むものであればどのような組成のも
のでも調味素材として使用できる。しかし水に不
活性であり、しかも二酸化炭素を吸収し難い物質
は二酸化炭素の浸透が悪いので、このような物質
を含む調味素材を用いた場合には製品の風味の変
化や保存性の低下の防止効果が損なわれるので、
できる限りそのような物質を除去した調味素材を
用いることが望ましい。 従つて動物性又は/及び植物性原料から抽出し
て得たエキス分を含む基本調味液やこの基本調味
液に各種の食品材を添加したり、配合したりした
液体調味料や液体スープに不溶性であり、しかも
二酸化炭素を吸収し難い物質が含まれる場合に
は、濾過、分配あるいは遠心分離するなどして除
去した後使用するとよい。 同様に濃縮液、ペースト、顆粒、粉末などに加
工されているものを用いる場合も、それらにこの
ような物質が含まれているときは、水や淡い濃度
の調味液を加えて除去し易い濃度の水溶液にして
からそれを濾過、分配あるいは猿心分離するなど
して除去した後使用するとよい。 本発明ではこのようにして得られた調味素材を
用いるのでるが、これらの調味素材は予じめ目的
とする最終製品の品質や濃度の液体調味料又は液
体スープに調整した後、二酸化炭素と共に容器に
収容するか、あるいは調味素材が濃厚液、濃縮
液、ペースト、顆粒、粉末などの場合は最終製品
の濃度とするに必要な量とそれに対応する水量と
を二酸化炭素と共に容器に収容するようにしても
よい。この場合調味素材や水は予じめ殺菌した
り、減圧して含有空気を除去したり、二酸化炭素
は除菌し、容器も殺菌したものを用いるのが望ま
しい。 特に一連の製造工程を無菌的に行う場合にはこ
れらの殺菌や除菌は完全なものとすることは言う
までもない。 なお、調味素材を用いて最終製品としての炭酸
液体調味料又は炭酸液体スープとする際、その濃
度、いわゆる可溶性固形分が20%以上の場合には
その組成によつても多少異なるが、二酸化炭素の
溶解量が減少するので、その効用を低下するか
ら、可溶性固形分が20%以下となるようにその濃
度を調整することが望ましい。 調味素材と二酸化炭素を容器に収容し、炭酸液
体調味料又は炭酸液体スープとするには例えば次
のようにする。 (1) 既に品質や濃度が調整された液体の調味素材
はこれに二酸化炭素を溶解させた後、容器に収
容してもよく、あるいはこの液体の調味素材を
先に容器に収容し、その後に二酸化炭素を容器
に送入するようにしてもよい。 (2) 使用する二酸化炭素はガス状又は液状又は固
形のいづれのものでもよいが、品質や濃度など
を調整した液体の調味素材に二酸化炭素を溶解
させてから容器に詰める場合はガス状や液状の
ものが好ましく、またこの調味素材を先に容器
に収容しその後に二酸化炭素を送入する場合は
固形状のものが好ましい。 (3) 固形状の二酸化炭素を容器に送入した後に、
品質や濃度などを調整した液体の調味素材を容
器に収容するようにしてもよい。 (4) 濃厚液や濃縮液などの液体又はペーストの半
固形又は顆粒や粉末などの固形である濃厚な調
味素材はこれを容器に収容し、その容器に二酸
化炭素を溶解させた水(炭酸水)を送入すると
か、これらの液体又は半固形又は固形の調味素
材と固形状の二酸化炭素を容器に送入してから
水を収容するなどしてもよい。 いずれの場合も調味素材、炭酸水、水の量を予
じめ調整して、目的する品質や濃度となるように
する。 このように、本発明では調味素材を最終的に液
体調味料や液体スープとし、これに二酸化炭素を
溶解させて含ませるものであるが、上記したよう
な製造工程よつても多少異なるが、用いる調味素
材、水又は容器を好ましくは0〜+5℃程度に冷
却したり、送入する二酸化炭素の圧力により溶存
酸素や系内の空気を除去しつつ行なうとよい。 又、含有させる二酸化炭素の量は用いる液体調
味料や液体スープの組成、品質によつて異なり、
水分活性値の比較的高い、例えば0.94以上のもの
は最終製品としたときに標準状態(20℃、1気
圧)において容器内の圧力が少なくとも2.0Kg/
cm2以上、好ましくは2.5Kg/cm2以上となるように
調整してから容器を密封する。また水分活性値の
低い、例えば0.94以下のものは標準状態において
容器内に少なくとも2.0Kg/cm2以上の圧力が生じ
るように調整してから容器を密封する。 なお、用いる液体調味料や液体スープの種類、
品質、組成によつては二酸化炭素を溶解させて含
有させると、可溶性固形分の一部が澱などとして
析出する液体があるが、このような不溶性の固形
物は二酸化炭素を含有させてからのものであるか
ら品質的には特に問題となるものではないが、こ
のようなことが生ずる液体調味料や液体スープを
用いる場合にはこれらに予め二酸化炭素を含有さ
せて静置し、澱などとして析出させた後濾過する
とか、分配するとか、或は遠心分離するとかの前
処理を行なつてから、改めて必要量の二酸化炭素
を含有させるようにするとよい。 又、容器内に収容する炭酸液体調味料や炭酸液
体スープの量は一般に行なわれているように一定
のヘツドスペースを有するようにして密封すると
よい。 次いで、容器に充填密封した後、その充填密封
容器を加熱殺菌する。この加熱殺菌に当つてはそ
の炭酸液体調味料や炭酸液体スープの種類や組成
によつて、その温度は多少異なるが60〜100℃に
て加熱殺菌する。 なお、本発明で用いる容器は通気性がないもの
か、あつても非常に少ないものであり、しかも内
圧や殺菌などの加熱に耐えられるものであればど
のような材質のものでもよく、例えばガラス瓶、
合成樹脂瓶、陶磁瓶、金属缶等がある。 〔実験例) 以下に本発明の実験例を示す。これらの実験例
で使用された菌類はいずれも次の菌株である。 好気性芽胞菌:Bacillus subtilis(IAM−12118) B.coagulans(IAM−115)、 B.licheniformis(IAM−13417) 嫌気性芽胞菌:Clostridium sporogenes(IAM−
19235) 大腸菌:Escheichia coli(IAM−12119) 乳酸菌:Lactobacillus plantarum(IFO−3070)、 Streptococcus faecium(IAM−1262) 酵母菌:Sacharomyces rouxii(IFO−0494,
0517) また、各実験例における各表中の+、±,−は菌
の変化を示すものであり、+は増菌、±は変化な
し、−は減少を示す。 また各表中の、内圧0Kg/cm2の試料は、ドライ
アイスを添加していない対照品である。 なお、各実験例の結果は乳酸菌、酵母菌の接種
サンプルが25℃、その他の菌類の接種サンプルが
30℃、夫々恒温器内放置、90日後のものである。 容器内の内容物が鰹節だし液の場合 〈鰹節だし液の調製〉 鰹節削節1.2Kgと水とから13.3の鰹節だし液
を採取し、そのだし液に塩分を添加して塩分を約
0.5%に調整した後、よく冷却してから濾過した
鰹節だし液とした。 鰹節だし液の分析値 可溶性固形分:1.71% Brix:1.57% 塩分:0.45% PH:5.88 Aw:0.93 〈試料の調製〉 上記のように調整された鰹節だし液に各種微生
物を接種し、同だし液を内容積220mlのガラス瓶
に200ml充填し、所定量のドライアイスを投入し
て密封し、瓶内の圧力を上記の表の内圧のように
調整した。更に密封したガラス瓶は同瓶内の中心
温度を80℃として16分間加熱し、その後、冷却し
た。この試料における各種菌類の発育状況は次表
の通りであつた。 〈各種菌類の発育状況〉
【表】
【表】 容器内の内容物が昆布だし液の場合 〈昆布だし液の調製〉 昆布砕片1.2Kgと水とから13.3の昆布だし液
を採取し、そのだし液をよく冷却しから濾過し、
昆布だし液とした。 昆布だし液の分析値 可溶性固形分:3・76% Brix:2.6% 塩分:0.85% PH:5.80 Aw:0.93 〈試料の調製〉 上記のように調整された昆布だし液に各種微生
物を接種し、そのだし液を内容積220mlのガラス
瓶に200ml充填し、所定量のドライアイスを投入
して密封し、瓶内の圧力を次表のように調整し
た。更に密封したガラス瓶は、同瓶内の中心温度
を80℃にして16分間加熱した後、冷却した。この
試料にける各種菌類の発育状況は次表の通りであ
つた。 〈各種菌類の発育状況〉
【表】 容器内の内容物がめんつゆの場合 〈めんつゆの調製〉 めんつゆを常法により調製し試料とした。 めんつゆの分析値 可溶性固形分:15.5% 塩分:3.57% PH:5.26 Aw:0.96 めんつゆの材料 饗油、鰹節、砂糖、食塩 〈試料の調製〉 上記の様に調整されためんつゆに各種微生物を
接種し、それを鰹節だしの場合と同様にして実験
を行なつた。この試料における各種菌類の発育状
況は次表の通りであつた。 〈各種菌類の発育状況〉
【表】 容器内の内容物がスープの場合 〈スープの調製〉 市販のコンソメスープ(味の素株式会社製の乾
燥スープ・コンソメ)を使用方法通り調製してス
ープを得た。 スープの分折値 可溶性固形分:2.0% 塩分:0.7% PH:5.3 Aw:0.96 原材料 食塩、乳糖、砂糖、化学調味料、食用植物油
脂、たんぱく加水分解物、颱油、肉エキス、香辛
料、酸味料、カラメル、オニオンエキス 〈試料の調製〉 上記のように調整されたスープに各種微生物を
接種し、それを鰹節だしの場合と同様にして実験
を行なつた。この試料における各種菌類の発育状
況は次表の通りであつた。 〈各種菌類の発育状況〉
【表】 (発明の効果) 本発明の容器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体
スープは前記実験例から明らかなように次のよう
な各種効果がある。 (1) 従来の動物性又は/及び植物性のエキス分を
含む各種の液体調味料や液体スープと異なり、
これらのエキス分を含む液体に標準状態(20
℃、1気圧)において、容器内に少なくとも2
Kg/cm2以上の圧力を生じる量の二酸化炭素を含
有させて溶存酸素を十分に駆逐し、容器を密封
するため酸化や褐変による風味の劣化がなく、
しかも容器内圧力とPHの低下との相乗作用によ
り、芽胞を形成する耐熱性菌の増殖が防止され
る。その後、この充填密封された容器を60〜
100℃で加熱するので、非耐熱性菌をも死滅さ
せることができる。従つて、品質的にも衛生的
にも保存性の高い液体調味料や液体スープとな
る。その故、従来のように高温(100℃以上、)
加熱殺菌によらなくとも、また一連の製造工程
を無菌的に処理しなくとも微生物的な影響のな
い炭酸液体調味料又は炭酸液体スープが得ら
れ、製造が非常に容易になる。しかも高温
(100℃以上)加熱することによる風味の劣化も
防止される。 (2) 特許請求の範囲第5項に記載のように、動に
可溶性固形分が20℃以下のものは二酸化炭素の
溶解量を高めることができるので、塩類、酸
類、糖類、アルコール類をはじめ、これらを多
く含有する保存性賦与効果の高い食品材を添加
しなくとも、保存性を確保することができる。
従つてこれらの食品材の品香味性により原料の
風味が打ち消されるといつた阻害もなく、特徴
あるその風味を十分に生かすことができ、その
汎用性も広いものとなる。このように可溶性固
形分が少なく、水分活性値の高い液体調味料や
液体スープの場合には本発明の効果が一層著し
く、しかもある程度、塩類、酸類、糖類、アル
コール類を添加したものにあつても、その保存
性の向上と風味の劣化防止に効果的であること
はいうまでもない。 (3) 炭酸液体調味料又は炭酸液体スープとしての
使用に当つては、そのままでも二酸化炭素によ
る味覚上の酸味はおだやかであり、しかも他の
酸類とは異なり加熱する料理に用いた場合には
容易に気化し、二酸化炭素に由来する酸味が減
少するので、各種の動物性又は/及び植物性の
エキス分の風味が更に生かされるといつた、従
来にない特徴を具備した液体調味料や液体スー
プとなる。 (4) 更に炭酸液体調味料又は炭酸液体スープして
の使用に際して容器を開封し、その炭酸液体調
味料や炭酸液体スープの全部又は一部をその容
器内に使い残した場合でも、特に強い振動や加
熱を加えない限り冷蔵庫内などに静置すれば、
溶解している二酸化炭素の散逸速度は非常に遅
いので、従来の二酸化炭素を含まない液体調味
料や液体スープに比較してはるかに保存性の高
いものとなる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一種または二種以上の動物性エキス分と、一
    種または二種以上の植物性エキス分のいずれか一
    方又は双方と、標準状態において少なくとも2
    Kg/cm2以上の圧力を生じる量の二酸化炭素とを含
    む液体が容器内に充填密封され、その後、その充
    填密封容器が60〜100℃に加熱されてなることを
    特徴とする容器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体
    スープ。 2 動物性エキス分が食用動物のエキス分であ
    り、植物性エキス分が食用の海藻類、きのこ類、
    野菜類及び穀類のエキス分である特許請求の範囲
    第1項記載の容器入り炭酸液体調味料又は炭酸液
    体スープ。 3 動物性エキス分が魚貝肉や畜肉などの素干
    品、煮干品、塩干品、節類、燻製品などの加工品
    のエキス分である特許請求の範囲第1項記載の容
    器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体スープ。 4 植物性エキス分が海藻類、きのこ類、野菜類
    及び穀類の乾燥品などの加工品のエキス分である
    特許請求の範囲第1項記載の容器入り炭酸液体調
    味料又は炭酸液体スープ。 5 可溶性固形分が20%以下になるようにした特
    許請求の範囲第1項または第2項または第3項ま
    たは第4項記載の容器入り炭酸液体調味料又は炭
    酸液体スープ。 6 ガス状又は液体又は固形状の二酸化炭素を使
    用してなる特許請求の範囲第1項または第2項ま
    たは第3項または第4項または第5項記載の容器
    入り炭酸液体調味料又は炭酸液体スープ。
JP61256498A 1985-10-29 1986-10-28 容器入り炭酸液体調味料又は炭酸液体スープ Granted JPS62175151A (ja)

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