JPH0322897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、変流器に関するものであり、とり
わけ、一次コイルと二次コイルとを鎖交させてな
る変流器に関するのである。

〔従来技術〕

従来のこの種の変流器は、第１図に示すよう
に、メガネ部１ａを有する高電流の高電流の同軸
構造である一次コイル１にリング状の分割鉄心２
を鎖交させるべく、分割鉄心２が２分割されてお
り、外周に鉄心締付バンド４を設け、その上に二
次コイル３を巻線し、一次コイルと鎖交後はバン
ド締付ボルト５の締付により、リング状にし、二
次コイル接続子６にて二次コイルを結線してい
た。

こゝで、変流器の誤差は励磁電流によつて大半
は決まり、この励磁電流は鉄心の磁気抵抗が大き
いほど多く流れ、これが鉄損となり無効電流とな
る。しかるに、この磁気抵抗は、鉄心の透磁率
（材質）と鉄心のギヤツプによつて大きく左右さ
れる。その中でもギヤツプによる特性変化の要素
は大変大きいため、従来のものにあつては、鉄心
締付バンド４、およびバンド締付ボルト５を強固
なものにしか分割面の面圧を上げ、かつ、分割鉄
心２の分割面は研磨し、面精度を上げ、できるだ
けギヤツプができないような構造にしていた。し
かし、いかにかかる努力を払つても、分割された
鉄心２のギヤツプを零にすることは不可能であ
り、かつ、分割面の錆、および組立時の面合せの
精度等により、どうしても特性低下はさけられ
ず、品質的にも、作業的にも問題があつた。さら
に、分割面の合せ面の磁気抵抗を下げるべく、鉄
心締付バンド４を強固なものにするため、および
鉄心分割面の面精度を上げるため高価になるとい
う欠点があつた。

〔考案の概要〕

本考案は、上記のような従来の変流器における
欠点を除去することを目的としてなされたもの
で、高電流側の一次コイルを分割し、二次側の鉄
心を分割することなく一次コイルと鎖交させ、そ
の後、一次コイル分割面を結合片にて連結するこ
とにより一次コイルと二次コイルを鎖交させてな
る変流器を提供するものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案を、その一実施例を示す第２図
に基いて説明する。図において、高電流の一次コ
イル１は、そのメガネ部１ａに切欠き部１ｂが形
成されている。この切欠き部１ｂに挿着して一次
コイル１を連結するための結合片１１、分割され
ていないリング状の鉄心１２、鉄心１２に巻回さ
れた二次コイル３で構成されている。また、切欠
き部１ｂは二次コイル３を巻回した鉄心１２が通
過できる大きさに形成されている。

次にその組立順序について説明する。一次コイ
ル１のメガネ部１ａの切欠き部１ｂから、分割さ
れていない鉄心１２に二次コイル３を巻線した二
次コイルを、一次コイル１のメガネ部１ａに挿入
し、その後結合片１１で一次コイルメガネ部１ａ
の切欠き部１ｂを結合させ、一次コイルと二次コ
イルを鎖交させる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案によれば、低電流側の
二次コイルの鉄心を分割なしのリング鉄心とし一
次コイルとの鎖交は、一次コイルのメガネ部の切
欠部１ｂから二次コイルを挿入できるように構成
したので、鉄心にギヤツプがなくなり、磁気抵抗
が低くなり、励磁電流も少なくなるため、二次側
の特性改善が計れ、かつ、組立作業による品質の
バラツキも解消される。また、分割面の錆等によ
る特性低下のおそれも皆無となり、高品質なもの
が得られる。さらに鉄心締付バンド、鉄心分割面
の研磨の廃止等により安価となし得る効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のものの正面図、第２図はこの考
案の一実施例の正面図である。 １……一次コイル、１ａ……メガネ部、１ｂ…
…切欠き部、３……二次コイル、１１……結合
片、１２……鉄心。なお、各図中、同一符号は同
一又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同軸状の一次コイルのメガネ部にリング状に鉄
   心を有する二次コイルを鎖交させてなり一次高電
   流を二次低電流に電流変成する変流器において、
   前記メガネ部に形成され前記二次コイルが通過し
   うる切欠部と、この切欠き部に挿着されて前記メ
   ガネ部を閉じる結合片を備えてなることを特徴と
   する変流器。