JPH0322381Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主として公共用男子便所の小便器
に自動的に洗浄水を流すための制御を行う洗浄制
御装置の特に一次水圧の変動に影響されることな
く二次水圧を一定とすることのできる洗浄制御装
置に関する。

洗浄が必要なときだけ便器に洗浄水を供給する
ような制御を行うことは、節水の面からきわめて
重要である。一方、衛生面からみれば、使用後に
は必らず洗浄水が供給されることが望まれる。

このような要求に対応するものとして、いくつ
かの自動洗浄方式がすでに提案されている。最も
一般的なものは自動サイホン方式と呼ばれるもの
で、この方式では、高い位置に設けられたタンク
（ハイタンク）に水を小流量で連続的に供給し、
ハイタンク内の水位が所定の高さに達したときに
自動サイホンが作動して洗浄水を流すという動作
が繰り返される。しかし水は常に供給されるので
洗浄の周期はほぼ一定であり、ほとんど使用され
ない時間帯でも洗浄が行われるため、節水の面か
らは充分なものとはいえない。節水の効果を向上
させるために、人体感知器、ドアースイツチある
いは照明スイツチなどからの信号で便器の使用を
検出し、この検出時から一定時間だけハイタンク
に水を供給する方式も考えられている。この場合
には、不使用時には洗浄水は流れないが、検出時
から自動サイホンの作動時まで水を供給する動作
はタイマによつて時間の要素だけで制御されるの
で、階床の差や時間帯などに起因する水圧の変動
があると、タイマの設定時間内にハイタンクに供
給される水の量が変化し、必要量以上の水を流し
たり、あるいは水位が自動サイホンの作動レベル
に達しないために洗浄水が流れないということが
起りやすい。

この考案の目的は、自動サイホンを備えたハイ
タンクに、便器の使用が検出されるごとに、供給
側の一次水圧に関係なく常に二次水圧を一定に保
つてハイタンクに供給することにより使用ごとに
必要最小量の洗浄水を確実に便器に供給できるよ
うにした便器洗浄制御装置を提供することであ
る。

以下にこの考案の一実施例について図面を参照
して説明する。第１図において、ハイタンク１に
水を供給するための給水系路２に、常時は開に保
たれている手動止水弁３に加えて、第２図に示す
主弁１５、レギユレータ機構２６、移動弁２０、
電磁プランジヤー２５、電磁ポンプ２７を有する
電磁駆動バルブ６が設けられている。この電磁駆
動バルブ６は便器７の一つの使用が適当な感知器
８によつて検出されたときに、コントローラ９か
らの信号を電磁プランジヤー２５が受けて主弁１
５が開くよう駆動され、これによつて給水系路２
を通してハイタンク１に水が供給される。ハイタ
ンク１には通常の自動サイホン（図示せず）が設
けてあり、ハイタンク１内の水位がこの自動サイ
ホンの動作水位に達すると、ハイタンク１内の水
が洗浄水系路１０を通つて各便器７に供給される
ようになつている。そののちコントローラ９から
電磁駆動バルブ６に開指令の信号が送出される
が、この信号は電磁プランジヤー２５に対する閉
信号と、電磁ポンプに対しチヤンバー２１の水圧
を上昇可能とさせる所定のタイミングで説定され
たポンプ駆動用の信号との両信号が送出される。
この信号により主弁１５が閉動作し、ハイタンク
１への給水が停止する。ここでコントローラ９に
おける閉指令の信号タイミング設定値はハイタン
ク１内の水位を自動サイホンの動作水位まで上昇
させるのに必要な時間より長めの時間に選ばれて
おり、したがつて電磁駆動バルブ６が開いている
間に必らず自動サイホンが動作し、その直後に電
磁駆動バルブ６は閉じられる。そしてこの動作は
給水系路２に作用している給水側の水圧の変動に
は全く影響されない。

第２図に電磁駆動バルブ６の具体的な構造の一
例を示す。この電磁駆動バルブ６は入口ポート１
１および出口ポート１２を有するハウジング１３
と、この入口ポート１１から出口ポート１２に至
る流路１４に設けられた主弁１５とを有する。こ
の主弁１５は流路１４と出口ポート１２との間に
設けられた弁ポートを開閉するよう移動可能であ
る。

そして主弁１５の開閉動作はこの主弁１５と同
一体を成すダイヤフラム１９と、主弁１５の頭部
に軸が係止される移動弁２０とによつて行なわれ
る。図は主弁１５が閉じられた状態を示してい
る。上記移動弁２０の上側にはハウジング１３で
包囲され、主弁１５の二次側に電磁ポンプ２７ま
たは電磁プランジヤー２５を介して連通するため
の穴を有するチヤンバー２１が設けられており、
このチヤンバー２１は電磁プランジヤー２５の励
磁によつて主弁１５と二次側と連通されて移動弁
２０の上下面に対し二次水圧P₂が加圧される。
また非励磁状態にはオンオフ弁２４が電磁プラン
ジヤー２５に有するバネにより押し下げられ、主
弁１５の二次側とチヤンバー２１間が閉止され
る。電磁ポンプ２７は上記オンオフ弁が閉じてい
る時に、コントローラからの駆動パルスによつて
主弁の二次側からの水をポンプし、チヤンバー２
１の水圧を加圧するよう働き、移動弁２０を押し
下げる方向に作用させる。一方、レギユレータ機
構２６は主弁１５と共に同軸に固定され、上下移
動可能なダイヤフラム１９と、このダイヤフラム
１９の上側にかかる二次水圧に対向して逆方向に
作用する付勢バネ１８と、上記二次水圧を所望の
値となるよう調圧するための調節ネジ１７とから
構成される。

次に上記構成からなる本考案の便器洗浄制御装
置の作用について説明する。まず、第１図に示す
感知器８により便器７の使用が感知された時、コ
ントローラ９から電磁プランジヤー２５に開指令
の信号が所定時間送出され、電磁プランジヤー２
５は励磁状態となつてオンオフ弁が押し上げられ
ることによりチヤンバー２１と二次水圧P₂側と
が連通する。この連通により移動弁２０の上下
夫々の面に対する水圧が二次水圧P₂となる。従
つてその時まで加圧され、主弁１５の閉方向に押
圧されていた移動弁２０はチヤンバー２１が水圧
低下されてその上下面の水圧が二次水圧P₂で等
しくなり、上下移動可能な状態となる。一方、レ
ギユレータ機構２６のダイヤフラム１９は調節ネ
ジ１７により設定された二次水圧、すなわちバネ
力Ｆより出口ポート側の二次水圧P₂が小さい場
合に主弁１５を連動して押し上げ、ポートを開放
する方向に働く。この場合、二次水圧P₂がバネ
力Ｆに対し非常に小ない場合主弁１５のポートを
大きく開放し、わずかに小さい場合は狭く開放す
る。このようにレギユレータ機構２６は定圧弁と
しての機能として働く。また上記ポートの開放に
より出口ポート１２を介してハイタンク１に給水
される。ハイタンク１では電磁駆動バルブ６から
給水されることにより水位が上昇し、所定の水位
に達すると図示しない自動サイホンがハイタンク
１内の洗浄水を洗浄水系路１０を介して便器７へ
流すように作用する。

ここで、電磁駆動バルブ６は所定時間後、コン
トローラ９から電磁プランジヤー２５に対し閉指
令の信号が送出されると、オンオフ弁２４が押し
下げられチヤンバー２１と二次水圧P₂側との連
通が断たれる。コントローラ９はその後、電磁ポ
ンプ２７に対して所定の時間で交流のパルスを送
ることによりチエツキ弁２８がポンプ活動し、主
弁１５の二次側からチヤンバー２１に対して水を
吐出してチヤンバー２１内を加圧する。この加圧
により移動弁２０は主弁１５を強制的に押し下げ
主弁１５のポートを閉じる。すなわち、電磁ポン
プ２７と、チヤンバー２１を介して移動弁２０と
主弁１５の作用により止水弁の機能として働く。
従つて、電磁駆動バルブ６は感知器８が作動する
度に１サイクルの動作を繰り返してハイタンク１
に給水し、自動サイホンの働きによつて使用され
た便器７を確実に洗浄する。

以上のようにこの考案によれば、便器の使用が
感知されたときに、二次水圧を一定値に保つよう
形成されている電圧駆動バルブを所定タイミング
で駆動させるよう構成したので、給水側の水圧の
変動の影響を受けることなくハイタンクに一定量
の水を自動的に供給することができ、常に安定し
た洗浄動作が行なわれ、また余分の水を流すこと
がなく節水に対しても非常に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による便器洗浄制
御装置の構成を示すブロツク図、第２図は同装置
の電磁駆動バルブの具体例を示す縦断面図であ
る。 １……ハイタンク、２……給水系路、６……電
磁駆動バルブ、７……便器、８……感知器、９…
…コントローラ、１０……洗浄水系路、１１……
入口ポート、１２……出口ポート、１３……ハウ
ジング、１４……流路、１５……主弁、１７……
調節ネジ、１８……付勢バネ、１９……ダイヤフ
ラム、２０……移動弁、２１……チヤンバー、２
４……オンオフ弁、２５……電磁プランジヤー、
２６……レギユレータ機構、２７……電磁ポン
プ、２８……チエツキ弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器に洗浄水として供給される水を収容するた
   めのハイタンクと、このハイタンク内の水位が所
   定の高さに達したときにハイタンク内の水を上記
   便器に自動的に流す自動サイホンと、上記ハイタ
   ンクに水を供給する給水系路に設けた電磁駆動バ
   ルブと、上記便器の使用を感知する感知器と、こ
   の感知器が便器の使用を感知したときに上記電磁
   駆動バルブを動作させるコントローラとを備え上
   記電磁駆動バルブは、入口ポートおよび出口ポー
   ト間に形成された水の流路を開閉する主弁と、こ
   の主弁と一体となり二次水圧とこの二次水圧とは
   逆方向に作用するバネ力により均衡させて二次水
   圧を設定値となるよう上記主弁の開閉動作にフイ
   ードバツクさせるレギユレータ機構と、上記主弁
   の上側に係止して上記主弁の閉位置と開位置との
   間で移動可能な移動弁と、上記移動弁の上側でハ
   ウジングで包囲されたチヤンバーに対し上記主弁
   二次側からの連通が上記コントローラからの信号
   により開閉可能に設けられた電磁プランジヤー
   と、この電磁プランジヤーの閉止時に上記チヤン
   バーに対し上記主弁二次側からから水を吐出して
   チヤンバー内の水圧を加圧する電磁ポンプとから
   構成されている便器洗浄制御装置。