JPH032183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は構造が簡単で、ピアノ本体に安定に
固定し得るようにしたグランドピアノ用補助譜面
台に関する。

〔従来の技術〕

グランドピアノの譜面台はピアノ本体の上面に
配置されているため、視力の弱い人、背の低い小
供などが演奏する場合、譜面までの距離が遠すぎ
て見ずらく、演奏姿勢が悪くなるという問題があ
つた。そこで、このような問題を解決する手段と
して補助譜面台が使用されている。第４図はこの
種の補助譜面台の従来例を示すもので、１はピア
ノ本体、２はピアノ本体１上に配設された正規の
譜面台、３は補助譜面台である。

譜面台２は一般に第５図に示すように、前後方
向にスライド可能な左右一対の譜面台本体４，５
を前後一対の竿６，７によつて互いに連結し、竿
６に蝶番（図示せず）を介して譜面板８を前後方
向に回動自在に取付け、さらにこの譜面板８を適
宜角度で支持すべくその裏面に脚９を回動自在に
取付け、この脚９の下端を角度調整板１０に設け
た複数の係止部１１で係止するように構成されて
いる。

補助譜面台３はピアノ本体１の上面前端縁に引
掛けるようにして配置され、ピアノ本体１からの
落下を防止するため、ワイヤ，紐等の連結部材１
２によつて前記譜面台２に連結されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来の補助譜面台３
は、単にピアノ本体１に載置され、連結部材１２
によつて譜面台２に引掛けられているだけである
ため、安定性が著しく悪く、補助譜面台３にかか
る荷重によつて譜面台２が起き上つたり演奏時の
振動等によりずり落ちたり、前後に揺れ易いとい
う不都合があつた。また、補助譜面台２の使用時
にも正規の譜面台２を立てなければならず、その
セツト，収納操作が面倒で、体裁も悪いなどの不
都合があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係るグランドピアノ用補助譜面台は
上述したような問題を解決すべくなされたもの
で、支持部材と、この支持部材に着脱自在に取付
けられる補助譜面板とを備え、前記支持部材をピ
アノ本体の前框上に載置し、後端をピアノ本体に
配設された正規の譜面台の下方空間に差し込むよ
うにしたものである。

〔作用〕

この考案においては支持部材を前框上に載置
し、その後端を正規の譜面台の下方空間に差し込
んでいるので、支持部材がガタ付いたり落下した
りすることがなく、補助譜面板を安定且つ確実に
保持する。

〔実施例〕

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明する。

第１図はこの考案に係る補助譜面台を取付けた
状態を示す鍵盤部の断面図、第２図は補助譜面板
の斜視図である。これらの図において、補助譜面
台２０は、ピアノ本体１の前框２４上に載置され
る支持部材２１と、この支持部材２１に着脱自在
に取付けられる補助譜面板２２とで構成されてい
る。

前記支持部材２１は金属板またはプラスチツク
等によつて平板状に形成され、その前端部が上方
に折曲されかつ後方に適宜な角度θ（例75゜）で傾
斜することにより譜面板取付部２５を構成してい
る。譜面板取付部２５には左右一対の止めねじ２
６（第３図参照）が前面側より取付けられてお
り、これら止めねじ２６の頭部２６Ａと該取付部
２５の表面との間には適宜な隙間Ｇが設けられて
いる。また、支持部材２１の上面で前後方向中央
部には左右方向に長い凹溝２７が設けられ、この
凹溝２７部下面が前記前框２４上に載置され、後
端部がピアノ本体１に配設された規の譜面台２の
下方空間２８に差し込まれるように構成されてい
る。前記譜面台２は第５図に示した従来構造と全
く同一で、前記前框２４の上面より若干上方に配
置され、該譜面台２の下面とフレーム２９の上面
との間の空間が前記下方空間２８を形成してい
る。そして、支持部材２１の表裏面にはフエルト
等の緩衝部材３０，３１がそれぞれ貼着され、こ
れによつて前記前框２４の上面および譜面台２の
下面を傷つけないようにしている。

前記補助譜面板２２は、金属、プラスチツク等
によつて略Ｌ字状に折曲形成され、その背面には
前記一対の止めねじ２６に対応して一対の受箱３
３，３４が一体的に取付けられている。各受箱３
３，３４の背面には複数個、例えば４つのねじ挿
通孔３５がそれぞれ縦方向に適宜な間隔をおいて
設けられ、これら挿通孔３５のいずれか１つに前
記止めねじ２６の頭部２６が選択的に挿入される
ことにより、前記補助譜面板２２の支持部材２１
に対する取付け高さが４段階で変えられるように
構成されている。ねじ挿通孔３５は第３図に示す
ように受箱３５の背面側から見るとだるま形で、
受箱３５の内部側から見ると長孔形状をなすこと
により、該孔３５の内部上方部分に前記頭部２６
の背面が当接係合するねじ係止用段差部３６が設
けられ、これによつて止めねじ２６の抜けを防止
している。補助譜面板２２を支持部材２１から取
り外す場合は、該譜面台２２を譜面板取付部２５
に沿つて上方に持ち上げ、ねじ頭部２６とねじ係
止用段差部２６との係合を解除すればよい。

なお、譜面（図示せず）は補助譜面板２２の下
端水平部２２Ａ上に載置され、該譜面台２２に立
掛けられる。また、第１図中４３は棚板、４４は
鍵、４５は鍵盤蓋、１６は側板、４７は屋根前で
ある。

このような構成からなる補助譜面台２０におい
て、該譜面台２０の取付けに際しては先ず屋根前
４７を開いて支持部材２１を前框２４上に載置す
る。この時、支持部材２１の後端部は正規の譜面
台２の下方空間２８に差し込まれる。そして、支
持部材２１の譜面板取付部２５に補助譜面板２２
を取付けると、該支持部材２１は補助譜面台２２
の重量のためバランスを崩して第１図反時計方向
に回動し、前框２４から落ちようとする。しか
し、支持部材２１は後端が譜面台２の下面に当接
することで、前框２４から落ちたりガタ付いたり
することがなく、補助譜面板２２を安定に支持す
る。また、屋根前４７を閉じると、該屋根前４７
の前端部下面に一体的に取付けられている上口棒
４８が支持部材２１を上方から前框２４の上面に
押付けるため、補助譜面台２０をより安定かつ確
実に固定し得る。この時、上口棒４８の下端を凹
溝２７に嵌合させるようにすると、支持部材２
１、換言すれば補助譜面台２０の前後方向の位置
決めを行うことができる。

なお、補助譜面台２０の取付けに際してはあら
かじめ補助譜面板２２を支持部材２１に取付けた
後、この支持部材２１を前框２４上に配置するよ
うにしてもよいことは勿論である。

〔考案の効果〕

以上述べたようにこの考案に係るグランドピア
ノ用補助譜面台は、支持部材と、この支持部材に
着脱自在に取付けられる補助譜面板とからなり、
前記支持部材をピアノ本体の前框上に載置し、該
支持部材の後端部をピアノ本体に配設されている
正規の譜面台の下方空間に差し込むように構成し
たので、支持部材に補助譜面板を取付けると、支
持部材の後端部が前記譜面台の下面に圧接される
ため、支持部材が前框上から落ちたり揺れ動いた
りすることがなく、ピアノ本体に補助譜面台を安
定かつ確実にセツトし得る。また、セツトのため
の補助部品を用いたり、正規の譜面台を立てたり
する必要がないので、取扱いも簡単かつ容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る補助譜面台を取付けた
状態を示す鍵盤部の断面図、第２図は補助譜面板
の斜視図、第３図は支持部材に対する補助譜面板
の取付け構造を示す要部断面図、第４図は補助譜
面台の従来例を示す側面図、第５図は正規の譜面
台の斜視図である。 １……ピアノ本体、２……譜面台、２０……補
助譜面台、２１……支持部材、２２……補助譜面
板、２４……前框、２８……下方空間、４７……
屋根前。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 支持部材と、この支持部材に着脱自在に取付け
   られる補助譜面板とを備え、前記支持部材はピア
   ノ本体の前框上に載置されて後端部が該ピアノ本
   体に配設された正規の譜面台の下方空間に差し込
   まれることを特徴とするグランドピアノ用補助譜
   面台。