JPH0321805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、鉛又は鉛合金等の金属の溶湯を所定
幅の帯状、杆状等の鋳造圧延条を製造する装置に
関する。

従来此種装置は、第１図及び第２図示のよう
に、冷却圧延用の間隙通路ａを存して上下に配し
た１対の冷却圧延ロールｂ，ｂの１側周面にこれ
ら周面形状と一致した円弧状凹面の先端当接面ｄ
をもつ所定幅のチヤンネル状溶湯供給ノズルＤを
その先端部でこれらロール周面に当接して設けた
ものであるが、溶湯を矢印方向からこれらロール
ｂ，ｂ間に送り、そのロールｂ，ｂ面で冷却凝固
すると共に該凝固物を圧延して所定長さの条を連
続的に製造するものであるが、該ノズルＤの先端
当接面ｄ先方で溶湯金属がその通路ａで凝固する
までに側方に洩出しがちであると共にその結果製
出される条は、その両側縁に欠落のあるものとし
て得られ好ましくない。本考案は、かゝる欠点を
解消し、溶湯の洩れを防止し、所定幅の両側縁に
欠陥のない良好な成形条を得ることができる連続
鋳造圧延装置を提供するもので、冷却圧延用間隙
通路を存して、上下に配設した１対の冷却圧延ロ
ールと、これに先端部を当接した溶湯供給ノズル
とを備えた連続鋳造圧延装置において、該溶湯供
給ノズルの先端部に、該冷却圧延用間隙通路の両
側面を閉塞し且つこれら各ロールの両側面に当接
する延長側壁を設け、各該延長側壁の内面に凝固
前の溶湯通路内に突出する突条を設けて成る。第
３図乃至第５図に本考案実施の１例を示し、１，
１は冷却圧延用間隙通路２を存して上下に配設し
た１対の冷却圧延ロールを示す。各該ロール１
は、従来と同じ軸方向の幅Ｈを有するものであ
り、その中間部が所定の冷却凝固圧延成形する条
に相当する幅h350mm、直径500mmの大径部１ａ
と、その両側に夫々大径部１ａより小さい幅50
mm、直径400mmの小径部１ｂとに構成した。そし
て該１対の冷却圧延ロール１，１をロールハウジ
ング（図示せず）にセツトされた減速機を経て直
流電動機により所定速度で回転出来るようにする
と共に、両冷却圧延ロール１，１の大径部１ａ間
の冷却圧延用間隙通路２をロールハウジングの通
路間隙の調整スクリユウにより間隙を１mmに調整
し、その対向ロール１，１の小径部１ｂ，１ｂ間
に、後記する溶湯供給ノズル３の先端部に設けた
所定幅の１対の延長側壁４，４を挿入し得る空隙
５，５が形成されるようにした。

該溶湯供給ノズル３は、例えば、Al₂O₃材から
なる厚さ25mm、内法幅350mmの断面略コ字状のチ
ヤンネル状とし、その先端部の底壁３ａの端面３
ｂは下部ロール１の周面部１ｄに当接するための
これと同形の円弧状凹面に形成すると共に、その
両側壁３ｃ，３ｃはその先端部に厚さ25mm、高さ
50mmの延長側壁４，４を一体に形成した。そして
両延長側壁４，４間に前記ロール１の大径部１ａ
と実質上同一の幅ｄを存し、前方のロール１，１
の各両側の小径部１ｂ，１ｂ間の空間５，５内に
夫々延び、そのロール１，１間の少許の冷却圧延
用間隙通路２の両側を閉塞すると共にこれを跨
ぎ、対向ロール１，１の各ロール１の両側面１
ｃ，１ｃに当接するようにして配設した。かくし
て、溶湯供給ノズル３の延長側壁４，４の両側壁
３ｃ間の距離も350mmとなる。また、延長側壁４
は底壁３ａの先端の上下１対の冷却圧延ロール１
の下ロールに当接する端面３ｂから更に、その前
方50mmまで突き出ており上下１対の冷却圧延ロー
ルの大径部１ａの側面１ｃと小径部１ｂにより形
成される垂直段差部即ち空隙５に挿入されて水平
に固定される。

更に、溶湯供給ノズル３の両側壁３ｃ，３ｃの
内面よりその両延長側壁４，４の両内面にかけ、
そのノズル３の底壁３ａの先端先方の下部ロール
１の冷却凝固用面１ｄの両側縁上面に及び、上部
ロール１との間の間隙通路２の最小間隙部の手前
で終わる、凝固前の溶湯通路７内に突出する高さ
10mm、幅１mmの長手の突条８，８を一体に形成
し、各突条８の先端を上下１対の冷却圧延ロール
１の間隙通路２最小間隙部（最下部）の手前20mm
となるようにした。

以上のように構成された本考案装置を用い、厚
さ１mm、幅350mmのPb−2.6％Sb合金条を20m/mi
ｎの鋳造速度で８時間連続鋳造し、得られた合金
条の両側縁を調べたところ、側縁の欠落部分は見
当たらず、極めて良好な冷却凝固圧延成形条が得
られた。

尚、本考案においてロール１、ノズル３、延長
側壁４、突条８等の各寸法は前記実施例寸法に限
定されるものではない。

また、前記対向する１対の延長側壁４，４およ
び突条８，８は、ノズル３の両側壁３ｃ，３ｃか
ら１本に延びるもので構成する他、別個に、金属
で作成し、両側壁３ｃ，３ｃに取り付けるように
して構成してもよい。

また、前記各圧延ロール１の小径部１ｂは、省
略することができ、この場合は、従来に比し全体
として幅をとらない連続鋳造圧延装置を提供する
ことが出来る。

図中、６はノズル３の底壁上面に貼着被覆した
無孔の断熱性保温膜を示す。

本考案によれば、溶湯供給ノズル３をその先端
部の両側に、上下の冷却圧延ロール１，１間の冷
却圧延用間隙通路２の両側を閉塞すると共にその
各ロール１の両側面に当接する延長側壁４，４を
設けたので、ノズル３内を流れる供給溶湯は、そ
の先端部よりロール１，１間に放出され、その冷
却圧延用通路２を介して冷却凝固を受ける間、溶
湯が両側から洩出することなく、その延長両側壁
４，４に対応する所定の幅ｄで且つ両側縁に従来
のような欠陥を生ずることなく良好な圧延成形条
を得ることができ、また、両延長側壁４，４の
夫々の内面に、凝固前の溶湯通路７内に突出する
突条８，８を設けたので、装置の振動等により、
横ゆれしても、溶湯の凝固寸前で洩出することが
防止され、欠陥のない良好な圧延成形条を得るこ
とを更に保証する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の１部截断側面図、第２図は
上部ロールを除いた１部の上面図、第３図は本考
案実施の１例の側面図、第４図はその正面図、第
５図は、その上部ロールを除いた１部の上面図を
示す。 １……冷却圧延ロール、１ｃ……ロール側面、
２……間隙通路、３……溶湯供給ノズル、４……
延長側壁、７……溶湯通路、８……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷却圧延用間隙通路を存して上下に配設した１
   対の冷却圧延ロールと、これに先端部を当接した
   溶湯供給ノズルとを備えた連続鋳造圧延装置にお
   いて、該溶湯供給ノズルの先端部に、該冷却圧延
   用間隙通路の両側面を閉塞し且つこれら各ロール
   の両側面に当接する延長側壁を設け、各該延長側
   壁の内面に凝固前の溶湯通路内に突出する突条を
   設けて成る連続鋳造圧延装置。