JPH032175Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、サツカー、ラクビー、陸上競技、人
工芝用野球靴等の靴底の着脱自在とした運動靴用
スタツドに関するものである。

（従来の技術） 従来、サツカー、ラクビー、陸上競技、人工芝
用野球靴等の運動靴用スタツド（以下単にスタツ
ドと記す）には、軽量で、衝撃吸収性に優れた合
成樹脂製のものが、主に使用されている。

そして、靴底に着脱自在の運動靴用スタツドに
おいては、金属製の取付ボルトの頭部を包むよう
に、該頭部に略円錐台形のスタツドを、ポリウレ
タンにより一体的に形成したものが使用されてい
る。

この場合、ポリウレタンが金属に接着しにくい
ため、靴底と一体成形したポリウレタン製のスタ
ツドより、耐久性に劣るものであつた。

そこで、接着強度を向上させるために、取付ボ
ルトの形状を複雑にして、ポリウレタンとの接着
面積を増大したものが開発されたが、できたスタ
ツドが重くなり、十分満足のゆくものでなかつ
た。

（考案が解決しようとする問題点） 軽量で、耐摩耗性及び耐久性を兼ね備えた運動
靴用スタツドを提供する点にある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の運動靴用スタツドは、以下の様な構成
である。

上部に雄螺子部３を有する基杆部４を、複数の
透孔１を穿設した円盤状の座部２中央に突設し、
この座部２の中央から基杆部４までに縦孔５を穿
設した金属製の取付杆ａを形成し、 取付杆ａの座部２を包む膨出部６と、取付杆ａ
の縦孔５に充填した充填部７とからなるポリカー
ボネート製の内成形体ｂを一体的に形成し、 内成形体ｂの膨出部６の全体及び取付杆ａの基
杆部４を包み、底面中央から突出した取付杆ａの
周囲に凹陥部８を設けた略円錐台形のポリウレタ
ン製の外成形体Ｃを形成したものである。

（実施例） 本考案に係る運動靴用スタツドは、第１図に示
すように、金属製に取付杆ａの座部２をポリカー
ボネート製の内成形体ｂで包み、この内成形体ｂ
及び取付杆ａの基杆部４をポリウレタン製の外成
形体Ｃで略円錐台形状に包んだものである。

取付杆ａは、鉄、ステンレス、アルミニウム等
の金属製で、第２図及び第３図に示すように、複
数の透孔１を穿設した円盤状の座部２の中央に、
上部に雄螺子部３を有する基杆部４を突設し、こ
の座部２の中央から基杆部４までに縦孔５を穿設
したものである。

内成形体ｂは、ポリカーボネート製で、第４図
に示したように、取付杆ａの透孔１を充填し、取
付杆ａの座部２を包む膨出部６と、取付杆ａの縦
孔５に充填された充填部７とを一体的に形成した
ものである。

外成形体Ｃは、ポリウレタン製で、第１図に示
したように、内成形体ｂの膨出部６の全体及び取
付杆ａの基杆部４を包む略円錐台形で、底面中央
から突出した取付杆ａの周囲に凹陥部８を設けた
ものである。

次に本考案に係る運動靴用スタツドの製造方法
について説明する。

予め製造した取付杆ａを内成形体ｂの金型内に
配し、ポリカーボネートを注入固化して、第４図
に示したように、取付杆ａの座部２を包み、取付
杆ａの縦孔５に充填した内成形体ｂを、取付杆ａ
と一体的に形成する。

この内成形体ｂと一体化した取付杆ａを、外成
形体Ｃ用の金型内に配し、ポリウレタンを注入固
化して、第１図に示したように、内成形体ｂの膨
出部６の全体及び取付杆ａの基杆部４を包む略円
錐台形の外成形体Ｃを一体的に形成し、外成形体
Ｃの底面中央から取付杆ａの雄螺子部３が突出し
たスタツドとするものである。

ここで、金属製の取付杆ａの縦孔５を設け、ポ
リカーボネートを充填しているため、できたスタ
ツドが、より軽量にできるばかりでなく、内成形
体ｂが、より強固に取付杆ａを一体化できる。

外成形体Ｃの底面中央に凹陥部８を設けている
ため、当該スタツドを靴底に螺着したとき、外成
形体Ｃの底面が吸盤のような働きをして、緩みに
くく、靴底に強固に螺着でき、かつ、スタツドの
衝撃吸収性をより高めるものである。

なお、前記実施例では、取付杆ａの座部２の中
央から基杆部４までに縦孔５を穿設した例で説明
したが、座部２、基杆部４及び雄螺子部３を縦に
貫通する縦孔５としてもよく、また、軽量金属製
の取付杆ａを使用する場合等において、この縦孔
５を省略した取付杆ａとしてもよい。

前記実施例では、取付杆ａの座部２を円盤状と
した例で説明したが、該座部２の形状は、特に限
定するものではない。

前記実施例では、取付杆ａの座部２を包む膨出
部６からなる内成形体ｂの例で説明したが、取付
杆ａの座部２と基杆部４とを覆うようにして、内
成形体ｂを形成してもよい。

前記実施例では、略円錐台形の外成形体Ｃとし
た例で説明したが、外成形体Ｃの形状は、特に限
定するものではない。

前記実施例では、外成形体Ｃの底面に凹陥部８
を設けた例で説明したが、この凹陥部８を省略し
てもよい。

前記実施例では、取付杆ａの透孔１にポリカー
ボネートを充填した内成形体ｂを包む外成形体Ｃ
を形成した例で説明したが、これは、取付杆ａ、
内成形体ｂ及び外成形体Ｃをより強固に一体化す
るためであり、取付杆ａの座部２の周縁に多数の
縦溝や網目状態を刻設し、内成形体ｂの膨出部６
の周縁に多数の縦溝や網目状溝を設けて、該透孔
１を省略してもよい。

（考案の作用効果） 本考案に係る運動靴用スタツドは、前記の様な
構成で、金属製の取付杆ａの座部２をポリカーボ
ネート製の内成形体ｂで包み、この内成形体ｂ及
び取付杆ａの基杆部４を、ポリウレタン製の外成
形体Ｃで包んでいるため、金属に強固に接着する
ポリカーボネート製の内成形体ｂを介して、ポリ
カーボネートに強固に接着するポリウレタン製の
外成形体Ｃが、金属製の取付杆ａに強固に一体化
でき、簡単な構造の取付杆ａを使用でき、軽量な
ものである。

本考案に係る運動靴用スタツドは、前記の様な
構成で、金属製の取付杆ａの座部２をポリカーボ
ネート製の内成形体ｂで包み、この内成形体ｂ及
び取付杆ａの基杆部４をポリウレタン製の外成形
体Ｃで包み、ポリウレタン製の外成形体Ｃが金属
製の取付杆ａに強固に一体化できるため、ポリウ
レタンの持つ特性が十二分に発揮でき、耐摩耗性
及び耐久性に優れたものである。

本考案に係る運動靴用スタツドは、前記の様な
構成で、金属製の取付杆ａの座部２をポリカーボ
ネート製の内成形体ｂで包み、この内成形体ｂ及
び取付杆ａの基杆部４をポリウレタン製の外成形
体Ｃで包んでいるため、衝撃吸収性に優れ、靴に
使用した場合に突き上げ感のないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る運動靴用スタツドの一部
切欠断面を含む正面図、第２図は本考案に係る取
付杆の一部切欠断面を含む正面図、第３図は同取
付杆の底面図、第４図は本考案に係る取付杆に内
成形体を形成した状態における一部切欠断面を含
む正面図である。 ａ……取付杆、ｂ……内成形体、ｃ……外成形
体、１……透孔、２……座部、３……雄螺子部、
４……基杆部、５……縦孔、６……膨出部、７…
…充填部、８……凹陥部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に雄螺子部３を有する基杆部４を座部２の
   中央に突設した金属製の取付杆ａを形成し、この
   取付杆ａの座部２を包んだポリカーボネート製の
   内成形体ｂと、取付杆ａの基杆部４とをポリウレ
   タン製の外成形体Ｃで包み、取付杆ａに、内成形
   体ｂを介して、外成形体Ｃを一体的に形成した運
   動靴用スタツド。