JPH0321671B2 - - Google Patents
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- JPH0321671B2 JPH0321671B2 JP61068787A JP6878786A JPH0321671B2 JP H0321671 B2 JPH0321671 B2 JP H0321671B2 JP 61068787 A JP61068787 A JP 61068787A JP 6878786 A JP6878786 A JP 6878786A JP H0321671 B2 JPH0321671 B2 JP H0321671B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- strength
- carbon fibers
- volume
- water vapor
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- Reinforced Plastic Materials (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Inorganic Fibers (AREA)
- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高強度炭素繊維の製造方法に関し、
さらに詳しくは、炭素繊維を特殊な雰囲気下で処
理することによつて、より強度の高い炭素繊維を
製造する方法に関する。 一般に、炭素繊維は比強度、比弾性率等の機械
的特性に優れており、そのため、この炭素繊維を
強化材とした炭素繊維強化複合材料(以下、
「CFRP」と略称する)は、航空機の構造材をは
じめ、宇宙開発機器、自動車部品およびスポーツ
用品にまで広く利用されつつある。そして、近年
特に、航空機、宇宙開発機器に関しては、より軽
量で、しかも、より高強度のCFRPが要求されて
いる。 CFRPの強度は、複合則に従つて変化すること
が一般的に知られている。即ち、CFRPの強度
は、これを構成する成分の強度に、それぞれの体
積分率を乗じたものの和となる。そのため、
CFRPを製造する場合、このCFRP中に含有され
る炭素繊維の体積が同一であれば、強度の高い炭
素繊維を用いたCFRPの方が、より強度が高くな
る。従つて、より高強度のCFRPを得るために、
このCFRP用の炭素繊維そのものの高強度化が、
以前にも増して、ますます要求されている。 〔従来の技術〕 上述のような高強度CFRPを従来からある汎用
タイプの炭素繊維(引張強度300Kg/mm2)を用い
て製造することは困難であり、より一層高強度の
炭素繊維を使用する必要がある。 航空機産業をはじめとする各産業分野からの、
このような要請に対して、炭素繊維の高強度化の
ための研究が現在活発に行われており、すでにい
くつかの方法が提案されている。 例えば、特開昭58−214534号、特開昭59−
137512号によれば、炭素繊維製造用プリカーサー
の製造条件や得られたプリカーサーの焼成条件を
最適な範囲に特定する事によつて、およそ460〜
480Kg/mm2の引張強度を有する炭素繊維が得られ
ている。 また、特開昭58−214527号によれば、引張強度
がおよそ420〜450Kg/mm2である特定の炭素繊維を
原料に用いて、さらに二段階の表面処理を施すこ
とによつて、490Kg/mm2以上の引張強度を有する
炭素繊維が得られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のように、従来技術では、通常の炭素化工
程までの処理で発現する引張強度は、およそ460
〜480Kg/mm2が限界であり、前述の特開昭58−
214527号に記載されているように、490Kg/mm2以
上の引張強度を有する炭素繊維を得るためには、
得られた炭素繊維を68%の濃硝酸中、120℃で45
分間、または、硝酸中で45分間という長い処理時
間を要し、さらには用いた硝酸を除去するため
に、水洗工程を設けねばならず、製造プロセスが
複雑になり、コスト的にも不利をまぬがれなかつ
た。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、炭素繊維の高強度化の方策につ
いて、鋭意研究を重ねた結果、比較的簡単に、し
かも短時間の処理によつて、高強度、特に500
Kg/mm2以上の引張強度を有する高強度炭素繊維が
得られる手法を見出し、本発明に至つた。 即ち、本発明は、炭素繊維をハロゲン化水素ガ
ス及び水蒸気を含有する雰囲気中で、少くとも
1000℃以上の温度で加熱処理することを特徴とす
る高強度炭素繊維の製造方法を提供する。 本発明に用いる炭素繊維は特に限定されるもの
ではなく、例えば、プリカーサーを原料として、
これを酸化処理して耐炎化繊維とし、その後少く
とも800℃以上の温度にて製造された炭素繊維等
を用いることができる。特に、引張強度が500
Kg/mm2以上の高強度炭素繊維を製造するには、原
料炭素繊維としては、引張強度が400〜450Kg/mm2
のものを使用することが好ましい。 プリカーサーとしては、アクリロニトリル系合
成繊維、石油・石炭系ピツチから得られた繊維、
レーヨンなどのセルロース系繊維、フエノール樹
脂系繊維などの炭素繊維の製造に常用されるもの
を用いることができる。中でも、少くとも90重量
%のアクリロニトリル単位を含有するアクリロニ
トリル系共重合体から、周知の方法によつて製造
された繊維が好ましい。特に、単糸繊度0.5〜1.5
デニール、単糸本数1000〜30000本の繊維束が好
ましい。不純物や欠陥が少なく、緻密な構造を有
し、かつ高配向度の繊維束は特に好ましい。 耐炎化繊維としては、上述のような、プリカー
サーを空気で代表される酸化性雰囲気中で熱風循
環炉または/および加熱ローラーを用いて、200
〜400℃、好ましくは240℃〜350℃で所定の時間
熱処理することによつて得ることができる。 本発明で用いられる炭素繊維は、例えば前記耐
炎化繊維を非酸化性雰囲気中、800〜1800℃、好
ましくは、1200〜1500℃の温度で炭素化処理する
ことによつて得られる。また、前記耐炎化繊維の
炭素化工程を、酸化性のガスを含む雰囲気中で行
うことにより得られる繊維表面が気相酸化された
炭素繊維や、一旦炭素化工程を経た未酸化処理炭
素繊維を酸化性のガス中で酸化処理する気相酸化
や電気分解反応を用いた電解酸化、さらには、酸
化剤を含んだ溶液を用いた液相酸化によつて表面
酸化処理された炭素繊維を用いてもよい。また、
炭化水素ガスを原料として気相中で生成した気相
成長法炭素繊維を用いることもできる。 本発明に於ける加熱処理温度は、1000℃以上、
好ましくは、1300℃〜1400℃である。本発明が目
的とする強度の向上は、1000℃以上の加熱処理温
度で発現し、特に1300℃〜1400℃では、原料であ
る炭素繊維内部の炭素質組成が変質することな
く、均質なものが得られる。また、上述の加熱温
度に於ける処理時間は10秒以上が好ましく、特に
20〜100秒が好ましい。10秒以上の場合には、引
張強度の向上効果が充分認められ、また、100秒
以内の場合には、原料である炭素繊維の重量減少
が必常に少なく、最高の引張強度が得られる。 雰囲気ガスとしてのハロゲン化水素ガスとして
は、フツ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガ
ス等のハロゲン化水素ガス、または炭素繊維の加
熱処理温度で熱分解により、前述のハロゲン化水
素を生成する様なハロゲン化合物を加熱処理系に
添加することにより、発生するハロゲン化水素を
用いてもよいが、実用上、塩化水素ガスの使用が
好ましい。 また、水蒸気は、加熱された水より発生するも
のであつても良いし、超音波によつて、微小な粒
状水分として気体中に分散されたものであつても
良いが、加熱によつて水より発生したガス状の水
を用いる方が好ましい。さらにまた、雰囲気ガス
に於て、ハロゲン化水素ガス及び水蒸気に加え
て、希釈剤として、他のガスを用いることができ
る。希釈剤としては、二酸化炭素ガス、窒素ガ
ス、アルゴンガス等で代表される不活性ガスが好
ましい。 水蒸気の量としては、雰囲気中に占める水蒸気
濃度が0.1容量%以上であることが好ましく、特
に1〜10容量%であることがより好ましい。水蒸
気濃度が0.1容量%以上の場合には、本発明の目
的である高強度化の効果がよく発揮され、また10
容量%以下の場合には、加熱装置内およびそこに
至る配管内部における水の凝集が少なく、安定し
た操業ができる。また、該水蒸気と該ハロゲン化
水素ガスの割合としては、水蒸気に対するハロゲ
ン化水素ガスの容量比が0.1以上であることが好
ましく、さらに該容量比が1.0〜4.0の場合は、よ
り好ましい。該容量比が0.1以上の場合、本発明
の目的とする高強度化が、特に充分に発現され
る。 〔発明の効果〕 本発明方法によつて得られる炭素繊維の引張強
度は、本発明方法を施す以前の原料炭素繊維と比
べて、かなりの向上が認められ、特に、条件を最
適化することによつて、引張強度が500Kg/mm2以
上の高強度炭素繊維を得ることができる。さら
に、本発明方法では、比較的容易に、しかも、短
時間の処理によつて引張強度の向上効果が発現
し、しかも重量減少率も小さい。 また、本発明の方法を、未表面酸化処理の炭素
繊維について実施すると、比表面積が向上し、ま
た光電子分光分析装置(ESCA)による表面の構
成原子の割合の測定から、該高強度炭素繊維表面
の酸素原子数が原料炭素繊維表面の酸素原子数と
比べて増加したことが認められた。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例について具体的に説明す
る。 実施例 1 アクリロニトリル系合成繊維(単糸デニール
1.3d、フイラメント数6000)を空気中240℃にお
いて40分間、さらに260℃において20分間加熱し
て耐炎化繊維を得、さらに非酸化性雰囲気中、最
高処理温度1350℃で炭素化して、引張強度434
Kg/mm2、TEX420g/1000m、CFRPでの層間せ
ん断強度9.7Kg/mm2の炭素繊維を得た。なお:
ESCAによる炭素繊維表面のO/C値は0.07であ
つた。 この炭素繊維を用い、水蒸気濃度が0.9容量%、
塩化水素ガスが1.0容量%、窒素ガスが98.1容量
%からなる雰囲気中、1350℃にて40秒間加熱処理
を行い、高強度炭素繊維を得た。 得られた高強度炭素繊維を用い、JIS−R−
7601−5・3・2に記載の方法に準じてストラン
ドを作製し、引張強度及びTEXを測定した。結
果を第1表に示す。また、該高強度炭素繊維の層
間せん断強度は11.6Kg/mm2、ESCAによるO/C
値は0.14であつた。 実施例 2 実施例1において、水蒸気濃度を4.3容量%、
塩化水素ガスを1.0容量%、窒素ガスを94.7容量
%とした以外は全て同様な処理を行ない、同様に
して、ストランドを作製した。物性測定の結果は
第1表に示す。 比較例 1 実施例1において、雰囲気ガスを窒素のみとし
た以外は、全く同様な処理を行ない、ストランド
の物性測定を行なつた。結果を第1表に示す。 比較例 2 実施例1において、雰囲気ガスを水蒸気濃度
0.9容量%、窒素ガス99.1容量%とした以外は、
全て同様な処理を行ない、同様にして、ストラン
ド強度を測定した。結果は第1表に示す。 比較例 3 実施例1において、雰囲気ガスを塩化水素ガス
1.0容量%、窒素ガス99.0容量%とした以外は、
全て同様な処理を行ない、同様にして、ストラン
ドの物性測定を行なつた。結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1において、雰囲気ガスを、水蒸気濃度
0.9容量%、臭化水素ガス1.0容量%、窒素ガス
98.1容量%とした以外は全て、同様な処理を行な
い、同様にして、ストランド物性を測定した。結
果を第1表に示す。 実施例 4 アクリロニトリル系合成繊維より得られた耐炎
化繊維を酸化性雰囲気中、最高処理温度1350℃で
炭素化と同時に繊維表面を酸化処理して、引張強
度460Kg/mm2、TEX406g/1000mの炭素繊維を
得た。この炭素繊維を用い加熱処理温度1300℃と
した以外は、全て実施例1と同様な処理を行な
い、同様にして、ストランドを作製した。ストラ
ンドの物性測定の結果は第1表に示す。 比較例 4〜6 特開昭60−47033号公報の実施例1〜3の方法
を追試した。それぞれの方法における処理条件お
よび結果を第1表に示す。
さらに詳しくは、炭素繊維を特殊な雰囲気下で処
理することによつて、より強度の高い炭素繊維を
製造する方法に関する。 一般に、炭素繊維は比強度、比弾性率等の機械
的特性に優れており、そのため、この炭素繊維を
強化材とした炭素繊維強化複合材料(以下、
「CFRP」と略称する)は、航空機の構造材をは
じめ、宇宙開発機器、自動車部品およびスポーツ
用品にまで広く利用されつつある。そして、近年
特に、航空機、宇宙開発機器に関しては、より軽
量で、しかも、より高強度のCFRPが要求されて
いる。 CFRPの強度は、複合則に従つて変化すること
が一般的に知られている。即ち、CFRPの強度
は、これを構成する成分の強度に、それぞれの体
積分率を乗じたものの和となる。そのため、
CFRPを製造する場合、このCFRP中に含有され
る炭素繊維の体積が同一であれば、強度の高い炭
素繊維を用いたCFRPの方が、より強度が高くな
る。従つて、より高強度のCFRPを得るために、
このCFRP用の炭素繊維そのものの高強度化が、
以前にも増して、ますます要求されている。 〔従来の技術〕 上述のような高強度CFRPを従来からある汎用
タイプの炭素繊維(引張強度300Kg/mm2)を用い
て製造することは困難であり、より一層高強度の
炭素繊維を使用する必要がある。 航空機産業をはじめとする各産業分野からの、
このような要請に対して、炭素繊維の高強度化の
ための研究が現在活発に行われており、すでにい
くつかの方法が提案されている。 例えば、特開昭58−214534号、特開昭59−
137512号によれば、炭素繊維製造用プリカーサー
の製造条件や得られたプリカーサーの焼成条件を
最適な範囲に特定する事によつて、およそ460〜
480Kg/mm2の引張強度を有する炭素繊維が得られ
ている。 また、特開昭58−214527号によれば、引張強度
がおよそ420〜450Kg/mm2である特定の炭素繊維を
原料に用いて、さらに二段階の表面処理を施すこ
とによつて、490Kg/mm2以上の引張強度を有する
炭素繊維が得られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述のように、従来技術では、通常の炭素化工
程までの処理で発現する引張強度は、およそ460
〜480Kg/mm2が限界であり、前述の特開昭58−
214527号に記載されているように、490Kg/mm2以
上の引張強度を有する炭素繊維を得るためには、
得られた炭素繊維を68%の濃硝酸中、120℃で45
分間、または、硝酸中で45分間という長い処理時
間を要し、さらには用いた硝酸を除去するため
に、水洗工程を設けねばならず、製造プロセスが
複雑になり、コスト的にも不利をまぬがれなかつ
た。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、炭素繊維の高強度化の方策につ
いて、鋭意研究を重ねた結果、比較的簡単に、し
かも短時間の処理によつて、高強度、特に500
Kg/mm2以上の引張強度を有する高強度炭素繊維が
得られる手法を見出し、本発明に至つた。 即ち、本発明は、炭素繊維をハロゲン化水素ガ
ス及び水蒸気を含有する雰囲気中で、少くとも
1000℃以上の温度で加熱処理することを特徴とす
る高強度炭素繊維の製造方法を提供する。 本発明に用いる炭素繊維は特に限定されるもの
ではなく、例えば、プリカーサーを原料として、
これを酸化処理して耐炎化繊維とし、その後少く
とも800℃以上の温度にて製造された炭素繊維等
を用いることができる。特に、引張強度が500
Kg/mm2以上の高強度炭素繊維を製造するには、原
料炭素繊維としては、引張強度が400〜450Kg/mm2
のものを使用することが好ましい。 プリカーサーとしては、アクリロニトリル系合
成繊維、石油・石炭系ピツチから得られた繊維、
レーヨンなどのセルロース系繊維、フエノール樹
脂系繊維などの炭素繊維の製造に常用されるもの
を用いることができる。中でも、少くとも90重量
%のアクリロニトリル単位を含有するアクリロニ
トリル系共重合体から、周知の方法によつて製造
された繊維が好ましい。特に、単糸繊度0.5〜1.5
デニール、単糸本数1000〜30000本の繊維束が好
ましい。不純物や欠陥が少なく、緻密な構造を有
し、かつ高配向度の繊維束は特に好ましい。 耐炎化繊維としては、上述のような、プリカー
サーを空気で代表される酸化性雰囲気中で熱風循
環炉または/および加熱ローラーを用いて、200
〜400℃、好ましくは240℃〜350℃で所定の時間
熱処理することによつて得ることができる。 本発明で用いられる炭素繊維は、例えば前記耐
炎化繊維を非酸化性雰囲気中、800〜1800℃、好
ましくは、1200〜1500℃の温度で炭素化処理する
ことによつて得られる。また、前記耐炎化繊維の
炭素化工程を、酸化性のガスを含む雰囲気中で行
うことにより得られる繊維表面が気相酸化された
炭素繊維や、一旦炭素化工程を経た未酸化処理炭
素繊維を酸化性のガス中で酸化処理する気相酸化
や電気分解反応を用いた電解酸化、さらには、酸
化剤を含んだ溶液を用いた液相酸化によつて表面
酸化処理された炭素繊維を用いてもよい。また、
炭化水素ガスを原料として気相中で生成した気相
成長法炭素繊維を用いることもできる。 本発明に於ける加熱処理温度は、1000℃以上、
好ましくは、1300℃〜1400℃である。本発明が目
的とする強度の向上は、1000℃以上の加熱処理温
度で発現し、特に1300℃〜1400℃では、原料であ
る炭素繊維内部の炭素質組成が変質することな
く、均質なものが得られる。また、上述の加熱温
度に於ける処理時間は10秒以上が好ましく、特に
20〜100秒が好ましい。10秒以上の場合には、引
張強度の向上効果が充分認められ、また、100秒
以内の場合には、原料である炭素繊維の重量減少
が必常に少なく、最高の引張強度が得られる。 雰囲気ガスとしてのハロゲン化水素ガスとして
は、フツ化水素ガス、塩化水素ガス、臭化水素ガ
ス等のハロゲン化水素ガス、または炭素繊維の加
熱処理温度で熱分解により、前述のハロゲン化水
素を生成する様なハロゲン化合物を加熱処理系に
添加することにより、発生するハロゲン化水素を
用いてもよいが、実用上、塩化水素ガスの使用が
好ましい。 また、水蒸気は、加熱された水より発生するも
のであつても良いし、超音波によつて、微小な粒
状水分として気体中に分散されたものであつても
良いが、加熱によつて水より発生したガス状の水
を用いる方が好ましい。さらにまた、雰囲気ガス
に於て、ハロゲン化水素ガス及び水蒸気に加え
て、希釈剤として、他のガスを用いることができ
る。希釈剤としては、二酸化炭素ガス、窒素ガ
ス、アルゴンガス等で代表される不活性ガスが好
ましい。 水蒸気の量としては、雰囲気中に占める水蒸気
濃度が0.1容量%以上であることが好ましく、特
に1〜10容量%であることがより好ましい。水蒸
気濃度が0.1容量%以上の場合には、本発明の目
的である高強度化の効果がよく発揮され、また10
容量%以下の場合には、加熱装置内およびそこに
至る配管内部における水の凝集が少なく、安定し
た操業ができる。また、該水蒸気と該ハロゲン化
水素ガスの割合としては、水蒸気に対するハロゲ
ン化水素ガスの容量比が0.1以上であることが好
ましく、さらに該容量比が1.0〜4.0の場合は、よ
り好ましい。該容量比が0.1以上の場合、本発明
の目的とする高強度化が、特に充分に発現され
る。 〔発明の効果〕 本発明方法によつて得られる炭素繊維の引張強
度は、本発明方法を施す以前の原料炭素繊維と比
べて、かなりの向上が認められ、特に、条件を最
適化することによつて、引張強度が500Kg/mm2以
上の高強度炭素繊維を得ることができる。さら
に、本発明方法では、比較的容易に、しかも、短
時間の処理によつて引張強度の向上効果が発現
し、しかも重量減少率も小さい。 また、本発明の方法を、未表面酸化処理の炭素
繊維について実施すると、比表面積が向上し、ま
た光電子分光分析装置(ESCA)による表面の構
成原子の割合の測定から、該高強度炭素繊維表面
の酸素原子数が原料炭素繊維表面の酸素原子数と
比べて増加したことが認められた。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例について具体的に説明す
る。 実施例 1 アクリロニトリル系合成繊維(単糸デニール
1.3d、フイラメント数6000)を空気中240℃にお
いて40分間、さらに260℃において20分間加熱し
て耐炎化繊維を得、さらに非酸化性雰囲気中、最
高処理温度1350℃で炭素化して、引張強度434
Kg/mm2、TEX420g/1000m、CFRPでの層間せ
ん断強度9.7Kg/mm2の炭素繊維を得た。なお:
ESCAによる炭素繊維表面のO/C値は0.07であ
つた。 この炭素繊維を用い、水蒸気濃度が0.9容量%、
塩化水素ガスが1.0容量%、窒素ガスが98.1容量
%からなる雰囲気中、1350℃にて40秒間加熱処理
を行い、高強度炭素繊維を得た。 得られた高強度炭素繊維を用い、JIS−R−
7601−5・3・2に記載の方法に準じてストラン
ドを作製し、引張強度及びTEXを測定した。結
果を第1表に示す。また、該高強度炭素繊維の層
間せん断強度は11.6Kg/mm2、ESCAによるO/C
値は0.14であつた。 実施例 2 実施例1において、水蒸気濃度を4.3容量%、
塩化水素ガスを1.0容量%、窒素ガスを94.7容量
%とした以外は全て同様な処理を行ない、同様に
して、ストランドを作製した。物性測定の結果は
第1表に示す。 比較例 1 実施例1において、雰囲気ガスを窒素のみとし
た以外は、全く同様な処理を行ない、ストランド
の物性測定を行なつた。結果を第1表に示す。 比較例 2 実施例1において、雰囲気ガスを水蒸気濃度
0.9容量%、窒素ガス99.1容量%とした以外は、
全て同様な処理を行ない、同様にして、ストラン
ド強度を測定した。結果は第1表に示す。 比較例 3 実施例1において、雰囲気ガスを塩化水素ガス
1.0容量%、窒素ガス99.0容量%とした以外は、
全て同様な処理を行ない、同様にして、ストラン
ドの物性測定を行なつた。結果を第1表に示す。 実施例 3 実施例1において、雰囲気ガスを、水蒸気濃度
0.9容量%、臭化水素ガス1.0容量%、窒素ガス
98.1容量%とした以外は全て、同様な処理を行な
い、同様にして、ストランド物性を測定した。結
果を第1表に示す。 実施例 4 アクリロニトリル系合成繊維より得られた耐炎
化繊維を酸化性雰囲気中、最高処理温度1350℃で
炭素化と同時に繊維表面を酸化処理して、引張強
度460Kg/mm2、TEX406g/1000mの炭素繊維を
得た。この炭素繊維を用い加熱処理温度1300℃と
した以外は、全て実施例1と同様な処理を行な
い、同様にして、ストランドを作製した。ストラ
ンドの物性測定の結果は第1表に示す。 比較例 4〜6 特開昭60−47033号公報の実施例1〜3の方法
を追試した。それぞれの方法における処理条件お
よび結果を第1表に示す。
【表】
【表】
上記表において、B.E.T.法による比表面積と
は、次式で示される吸着式によつて算出される比
表面積の値を指す。 X/V・(1−X)=1/Vm・C+C−1/Vm・C・
X ここで、 C=exp{EAD−EL/R・T} X=P/Po P:気体の圧力、Po:飽和蒸気圧。 EAD:吸着熱、EL:気化熱、 R:気体定数、T:絶対温度、 V:吸着ガス量、Vm:表面が一分子層でおお
われたときの吸着ガス量。 測定は液体窒素で冷却しながら行い、吸着ガス
としてはクリプトンを用いた。
は、次式で示される吸着式によつて算出される比
表面積の値を指す。 X/V・(1−X)=1/Vm・C+C−1/Vm・C・
X ここで、 C=exp{EAD−EL/R・T} X=P/Po P:気体の圧力、Po:飽和蒸気圧。 EAD:吸着熱、EL:気化熱、 R:気体定数、T:絶対温度、 V:吸着ガス量、Vm:表面が一分子層でおお
われたときの吸着ガス量。 測定は液体窒素で冷却しながら行い、吸着ガス
としてはクリプトンを用いた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素繊維をハロゲン化水素ガス及び水蒸気を
含有する雰囲気中で、少くとも1000℃以上の温度
で加熱処理することを特徴とする高強度炭素繊維
の製造方法。 2 雰囲気中の水蒸気濃度が0.1容量%以上であ
り、且つ、水蒸気に対するハロゲン化水素ガスの
容量比が0.1以上である特許請求の範囲第1項記
載の高強度炭素繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6878786A JPS62231072A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 高強度炭素繊維を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6878786A JPS62231072A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 高強度炭素繊維を製造する方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62231072A JPS62231072A (ja) | 1987-10-09 |
| JPH0321671B2 true JPH0321671B2 (ja) | 1991-03-25 |
Family
ID=13383779
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6878786A Granted JPS62231072A (ja) | 1986-03-28 | 1986-03-28 | 高強度炭素繊維を製造する方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62231072A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR2631334A1 (fr) * | 1988-05-10 | 1989-11-17 | Rhone Poulenc Chimie | Procede de traitement de fibres ceramiques, a base de silicium, d'azote et/ou de carbone pour en ameliorer les caracteristiques de surface |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5253092A (en) * | 1975-10-28 | 1977-04-28 | Nippon Carbon Co Ltd | Surface treatment of carbon fiber |
| JPS6047033A (ja) * | 1983-08-25 | 1985-03-14 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 高強度炭素繊維の表面処理方法 |
-
1986
- 1986-03-28 JP JP6878786A patent/JPS62231072A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62231072A (ja) | 1987-10-09 |
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