JPH03213178A - 帯状体の塗装方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、例えば家電製品・内装建材として用いられる
、メタリック調またはバール調の塗装鋼板の塗装方法と
して好適な、リン片形状の顔料を含有した塗料を、例え
ば鋼板のような帯状体に塗装する際の、帯状体の塗装方
法に関する。

（従来の技術） 近年、その独特の意匠性の付与を狙って、特に家電製品
や内装建材においては、メタリック調やパール調の塗装
鋼板に対する需要が高まってきた。

例えば、冷蔵庫のドアや室内の壁材等は、比較的至近距
離において、かつ室内の蛍光燈照明下で使用されるため
に、その外観的な意匠性（塗膜の平滑性や美感等）に対
する要求が高まり、これらの需要に応えるためである。

ところで、顔料としてアルミニウム片を含むメタリック
ｌ塗料や、顔料としてマイカを含有させたパールＩＮ塗
料は、それぞれの顔料の形状がいずれもリン片形状であ
るために、塗膜中におけるこれらの顔料の配向角度によ
って、著しく明暗差を生じ易いことが知られている。例
えば、前述した家電製品や内装建材用の塗装鋼板は、そ
の製造工程ではストリップ状態において、−船釣には、
ロールコータ−を用いて塗装されるが、通常用いられる
ナチュラル・リバース塗装により前記のメタリック１ｉ
ｉｌ塗料やバール調塗料を塗布すると、ニップ通過後急
拡大の流れで発生する二次流動に起因して縦すし状に発
生するロール目に沿って、塗料中のリン片形状の顔料の
配向が生じてしまう。この顔料の配向は、塗料のレベリ
ング後にも消失せず、顔料の特定の配向性の消失、すな
わち水平配向化は完全には完了しない。したがって、塗
膜の完成後にも、塗膜の明暗差としてロール目が観察さ
れてしまい、外観品質の著しい劣化を招いてしまう。

このような問題を解決するため、従来は、第２図に示す
形状の塗装装置を用いてフルリバース方式の３０−ル塗
装が実施されていた。第２図において、鋼板５はバック
アンプロール４を周回しながら矢印方向に搬送されてい
る。そして、塗料光１０に貯えられた、リン片形状の顔
料を含有した塗料３中には、ピックアップロール１がそ
の一部を浸漬されて軸支されるとともに、前記ピックア
ップロールｌおよび鋼板５の双方に近接して、アプリケ
−クロール２が軸支されており、それぞれ矢印方向に回
転している。なお、９は、ピックアップロールＩの表面
における塗料の膜厚を調整するとともに、その表面にお
ける余分な塗料３を塗料光１０に回収するために矢印方
向に回転するようにして軸支されたミータリングロール
である。塗料３は、ピックアップロール１の回転により
ピックアップロールｌの表面に供給されて、ミータリン
グロール９により所定の膜厚に調整された後、ピックア
ップロール１の表面よりアプリケ−クロール２の表面に
転移され、最終的に鋼板５の表面に塗布されて、塗膜８
を鋼板５の表面に形成している。

しかし、この第２図に示すフルリバース方式の３０−ル
塗装では、ロールの操作条件にツブ押し付は力や各ロー
ルの周速度比等）により、得られる塗膜の外観品質は著
しく異なってしまう。したがって、必ずしも全てのメタ
リックｍｔｘ料やバール調塗料の塗装方法として、十分
満足し得る塗装方法であるとは言い難かった。

一方、ロールコータを用いた帯状体の塗装において、ロ
ール目が形成された、未乾燥のウェット塗膜の表面に、
フィルムやシートを覆せてスムーザとすることにより、
平滑な塗膜を得る技術が、特開昭５０−２２８３５号公
報および特開昭５４−８６４６号公報に、また、ロール
目が形成された未乾燥のウェット塗膜の表面に、加熱し
たスムージングバーを近接することにより、平滑な塗膜
を得る技術が特開昭６３−７８７５号公報に、それぞれ
提案されている。

（発明が解決しようとする課題） しかし、これらの技術は、塗膜表面の平滑性を同上させ
るためには確かに有効であったが、前述した、リン片形
状の顔料を含有した塗料に対しては、そのロール目の発
生を防止する効果は殆ど有していなかった。すなわち、 ■特開昭５０−２２８３５号公報や特開昭５４−８６４
６号公報により提案されたように、未乾燥塗膜上に単に
フィルムやシートを覆せるだけでは、リン片状の顔料の
水平配向化は、おそらく顔料に対する押圧力不足のため
に、期待できないこと、 ■また、特開昭６３−７８７５号公報により提案された
ように、加熱したスムージングバーを未乾燥のウェット
塗膜の表面に近接させる手段では、塗料のレベリング時
間（流動化して平滑化するための時間）を十分に確保す
ることができないため、リン片状の顔料の水平配向化は
やはり期待できないこと、さらに ■第２図に示す形状の塗装装置を用いる方法では、通常
の場合、それぞれのロールの周速比は、鋼板５の搬送速
度／アプリケータロール２の周速／ピックアップロール
１の周速−１／１．２　／１．４程度である。すなわち
、ロールの潤滑不足によるロールの損傷を防止するため
、鋼板５、アプリケータロール２、ビックアンプロール
１の順番に速［上昇させることにより充分に塗料を供給
する必要があるが、ピックアップロール１の周速は、鋼
板５の搬送速度より著しく大きくなるため、例えばピッ
クアップロール１の高速回転に起因して発生する気泡を
塗膜中に巻き込んでしまう等の塗装欠陥を生じ易いこと といった問題があった。

したがって、これらの技術によっては、リン片形状の顔
料を含有した塗料、例えばメタリック調塗料またはパー
ル調塗料を、ロールコータを用いて、例えば鋼板等の帯
状体に塗装する際に、ロール目を発生させずに塗装を行
うことは非常に困難だったのである。

ここに、本発明の目的とするところは、上記の課題を解
決することができる帯状体の塗装方法を提供することに
ある。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、上記課題を解決するため、種々検討を重
ねた。

なお、本出願人は先に、透明フィルムをリン片形状の顔
料を含有した紫外線硬化型塗料からなる未乾燥塗膜上に
覆せ、そのフィルムを介して紫外線を未乾燥塗膜に照射
することにより、亮鮮映性であってロール目のない、高
級な意匠性を有する塗装鋼板の製造方法を、特開平１−
２２８５７９号公報により提案した。しかし、この提案
は無溶剤型紫外線硬化塗料からなる乾燥塗膜にのみ適用
可能な技術であり、前述したメタリック調塗料やパール
調塗料のような、溶剤を含む通常の熱硬化型塗料には適
用できなかった。

そこで、さらに検討を重ねた結果、第２図に示す装置に
より実施されていた手段において、鋼板５の進行方向に
ついて、塗膜８を平滑化するために、例えばシート状の
塗膜平滑化部材６で鋼板５上に形成されたウエッｌ膜８
を覆い、更にシート状の塗膜平滑化部材の上から押圧す
るロールを少なくとも１個設けておくことにより、塗膜
８中に存在するリン片形状の顔料の水平配向化が可能と
なることを知見した。

この知見に基づいて、本発明者らはさらに検討を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。

ここに、本発明の要旨とするところは、リン片形状の顔
料を含有した塗料をロールコート法により帯状体に塗装
する方法であって、前記帯状体を塗装した後乾燥前のウ
ェット塗膜面を塗膜平滑化板状部材で覆い、更に前記塗
膜平滑化板状部材をその上から、少なくとも１個の加圧
用ロールにより押圧して前記ウェット塗膜面を前記塗膜
平滑化板状部材によりならしながら押圧することを特徴
とする帯状体の塗装方法である。

本発明において、「帯状体」とは、主にロールコータ法
における被塗物を意味し、具体的には、鋼板、ビニール
製シート等を含む。

また、本発明において、［塗膜平滑化板状部材Ｊとは、
前記帯状体の表面のウェット塗膜面に接することにより
、前記ウェット塗膜面をならしながら押圧することがで
きる部材をいい、具体的には第１図に示すように、帯状
体の進行方向について、帯状体の表面上に設けられたシ
ート体、例えば樹脂製あるいはゴム製のシート、さらに
はある程度の剛性を有する樹脂製板である。

本発明により、ウェット塗膜中のリン片形状の顔料のロ
ール目に沿った配向性を消失させることができ、ロール
目の発生を防止することが可能となる。

（作用） 以下、本発明を添付図面を参照しながら、詳述する。

第１図は、本発明を実施するために用いる装置の一例を
示す略式断面図である。この第１図に示す装置において
は、帯状体として綱板５を例にとって説明する。すなわ
ち、第１図に示す装置は、本発明を、前述したようなメ
タリック調またはバール劇の塗装鋼板の塗装に適用した
実施例である。

第１図において、帯状体である鋼板５は、バックアップ
ロール４の周りを周回しながら、矢印方向に搬送されて
いる。そして、塗料受１ｏに貯えられた、リン片形状の
顔料を含有した塗料３中には、ピックアップロールｌが
その一部を浸漬されるとともに、前記ピンクアップロー
ル１および鋼板５の双方に近接して、アプリケ−クロー
ル２が、それぞれ矢印方向に回転するようにして軸支さ
れている。

なお、第１回に示す装置においては、第２図に示す装置
において用いたミータリングロール９は、用いても用い
なくてもどちらでもよい。

塗料３は、ピンクアップロールｌの表面より伝達される
剪断応力によって持ち上げられて、ピックアップロール
１の表面よりアプリケータロール２の表面に転移され、
最終的に鋼板５の表面に塗布されている。

ここまでの構成は、第２図に示す塗装装置と同様である
が、本発明を実施するために用いる装置においては、第
１図に示すように、帯状体である鋼板５の進行方向に、
塗膜平滑化部材６の一例である樹脂製ないしはゴム製の
シート（以下、単に「シート」という。）が前記綱板５
の進行方向に前記鋼板５とは離間して設けられるととも
に前記シートを鋼板５へ押圧するための加圧用ロール７
が、少なくとも１個（第１図に示す実施例においては７
個）鋼板５の進行方向に並列して設置されている。なお
、本実施例においては、「塗膜平滑化部材」として、樹
脂製ないしはゴム製のシート以外にも、ある程度の剛性
を有する樹脂製板を用いることもできる。

次に、本発明を第１図に示す塗装装置の作動状況ととも
に詳述する。

第１図において、ハックアップロール４の周りを周回し
ながら搬送される鋼板５は、ピックアップロールｌを介
してアプリケ−クロール２の表面に送られてきた塗料３
を、第１図中のＡ点部、すなわち鋼板５とアプリケ−ク
ロール２との近接部において転移される。転移直後の塗
膜８は、第１回に示すように凹凸の激しい塗膜、すなわ
ち膜厚が不均一な塗膜であって、塗膜８中に存在するリ
ン片形状の顔料は、前述したロール目に沿って配向して
いる。

この後、さらに鋼板５がハックアップロール４によりＶ
中の矢印方向に搬送されると、塗膜８はまず、樹脂製な
いしはゴム製のシートが塗膜８の表面に接し、シートと
塗膜８との間ムこずり応力が発生し、塗膜８の凹凸は解
消されて平滑化される。

さらに、本発明においては、シートを塗膜８へ押圧する
ための加圧用ロール７が、鋼板５の進行方向に少なくと
も１個並列して設けられており、シートが塗膜８に加圧
力を与えて、塗膜８中に存在している、リン片形状の顔
料の特定の配向性を消失（水平配向化）させている。

すなわち、本発明においては、塗膜の平滑化およびリン
片形状の顔料の水平配向化を促進するために、単にシー
トを設けて塗膜を平滑化するだけではなく、さらに加圧
用ロール７を設けてシートを塗膜８へ押圧するのである
。

また、押圧手段として、少なくとも１個の加圧用ロール
７を介してシートの全体を押圧するのは、加圧時間を充
分に確保して、リン片形状の顔料の水平配向化を促進す
るためである。

さらに、加圧用ロール７は、複数段並列して、鋼板５の
搬送方向に設けておくことが好適である。

すなわち、加圧用ロール７が１個しか設置されない場合
には、加圧時間を充分に確保することができず、リン片
形状の顔料の水平配向化を促進することができない場合
もあるため、複数の加圧用ロールを用いてもよい。

加圧用ロール７の設置数、ロール径、さらには複数のロ
ールの設置間隔等については、適宜設定すればよ（、特
に制限を要するものではない。すなわち、本発明の効果
である、「塗膜の平滑化およびリン片形状の顔料の水平
配向化）を実現するために必要である、シートによる塗
膜８に対する加圧力および加圧時間は、塗膜８中に存在
するリン片形状の顔料の形状、大きさ、含有量、塗料の
未乾燥時の膜厚、塗料粘度、鋼板５の搬送速度、鋼板５
の進行方向についてのシートの長さ等の条件により影響
されるため、これらの条件を勘案して適宜設定すればよ
いからである。

なお、シートの材質は、樹脂製ないしはゴム製であるこ
とが、基材である鋼板５の表面に傷をつけることになる
ことを防止できるために好適である。

すなわち、本発明は、シートに代表される塗膜平滑化板
状部材６および少なくとも１個の加圧用ａ−ルアを用い
て、ウェット塗膜をならしながら押圧することの相乗効
果により、塗膜の平滑化およびリン片形状の顔料の水平
配向化を実現することにより、リン片形状の顔料を含有
した塗料、例えばメタリック調塗料またはパール調塗料
を、ロールコータを用いて、例えば鋼板等の帯状体に塗
装する際に、ロール目が発生しない塗膜を形成すること
が可能となるのである。

さらに、本発明を実施例を用いて詳述するが、これはあ
くまでも本発明の例示であり、これにより本発明が限定
されるものではない。

実施例 第１図に示す塗装装置を使用して、種々の条件で、ロー
ルコート法による塗装を行った。

アプリケ−クロール２は、ウレタンゴムライニング製の
ロールであり、そのロール径は３００　ｍｍであった。

ピックアップロールｌは硬質クロムメツキ製のロールで
あり、そのロール径は３００　ｍｍであった。また、バ
ックアンプロール４のロール径は５００　ｍｍであった
。

また、本実施例において用いた帯状体５は、メツキ付着
量が６０ｇ／ｍ”の溶融亜鉛メツキ鋼板であり、塗料３
は、パール顔料を含む高分子量ポリエステル系塗料を使
用した。粘度はシンナーの添加量を変更することによっ
て調整し、Ｂ型粘度計にて測定した。

さらに、塗膜平滑化部材６は、厚さが１００−の鏡面状
ＰＲ？フィルムを使用し、加圧用ロール７は、径が３０
ｍｍのロールを、鋼板５の進行方向についての塗膜平滑
化部材６の長さ１０ｃｍ当り１個の割合で、合計７個使
用した。

なお、第１表中の「シート長さＬ」は、ウェット塗膜を
介して綱板５に接している塗膜平滑化部材６の長さを、
また「荷重Ｍ」は全ての加圧用ロール７に加えた合計の
加圧力を示している。

このような条件下において、塗装を行って得たバールｔ
Ａ塗装鋼板（試料Ｎα１ないし試料Ｎ１１１２）につい
て、その塗膜の外観を下記基準により目視で評価した。

Ｏ：ロール目が発生していないもの Δ：　ロール目が若干発生したもの ×：　ロール目が顕著にしたもの また、比較例として、塗装条件、塗料条件等は全て前記
と同一であって、第１図に示す塗装装置ではなく、第２
図に示す装置を用いて、塗装を行った結果（試料Ｎα１
３〜Ｎα１７）を、併せて第１表中に示す。

なお、各ロールの周速比は、全て、Ｒａ　（バックアッ
プロール）／ＲＡ（アプリケ−クロール）／Ｒ２（ピン
クアップロール）／ＲＭ（ミータリングロール）＝　１
／１．１／１．３１０．１　とし、第１表中のラインス
ピードＶ　（ｃｌＩ／ｓ）は、Ｒ１を示す。各ロールの
回転方向は、第２図に示すとおりである。

（以下余白） 第 表 第１表から明らかなように、本発明にかかる試料は、ロ
ール目の発生がなく、良好な外観を呈するバール調塗装
鋼板が得られたことがわかる。

これに対して、比較例の試料は、ｔＦｉｌ板走行力走行
方向に桁すじの見える外観不良品となる。この１頃向は
、ラインスピードが大きく、ウェット膜厚が小さい場合
に大きい。ラインスピードの遅い試料Ｎｏ、１５に限っ
て外観が良好であった。本発明にかかる帯状体の塗装方
法はロール目の発生を防止するという観点から優れてい
ることがわかる。

（発明の効果） 以上、詳述したように、本発明により、リン片形状の顔
料を含有した塗料、例えばメタリック調塗料またはバー
ル調塗料を、ロールコータを用いて、例えば鋼板等の帯
状体に塗装する際に、ロール目が発生しない塗膜を形成
することができた。

かかる効果を有する本発明の意義は極めて著しい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明を実施する際に用いる塗装装置を示す
略式断面図； および 第２図は、従来の塗装装置を示す略式断面図である。 １：ビ・ンクアンブロール アプリケ−クロール 塗料（リン片状顔料入り） バックアップロール 帯状体 塗膜平滑化板状部材 加圧用ロール 塗膜 ミータリングロール 塗料受

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. リン片形状の顔料を含有した塗料をロールコート法によ
   り帯状体に塗装する方法であって、前記帯状体を塗装し
   た後乾燥前のウェット塗膜面を塗膜平滑化板状部材で覆
   い、更に前記塗膜平滑化板状部材をその上から、少なく
   とも１個の加圧用ロールにより押圧して前記ウェット塗
   膜面を前記塗膜平滑化板状部材によりならしながら押圧
   することを特徴とする帯状体の塗装方法。