JPH0321235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔利用される技術分野〕 この考案は主として寝たきり老人、その他家庭
で療養中の患者を入浴させるための簡易浴槽に関
し、殊に通常のベツト上で用いるための浴槽に関
する。

〔従来技術及び問題点〕

従来この種のものとしては、この出願人会社は
先に実開昭60−132727号公開公報において既に発
表している。

この公知のものにおいて、床や、畳の上に敷か
れた蒲団や、マツトレス上において使用でき、優
れた効果を発揮できるが、ベツト上においては使
い難い。即ち通常のベツトにおいては枕元側には
必ず、起立板、棚、飾棚などがあり、浴槽の支持
棒を支える脚部材を置く場所がなく、マツトレス
上に載置したのでは不安定となる。また足元側に
おいても同様にマツトレス上に載置しなければな
らないし、ベツトの型式においては、足元側には
棚も起立板もないものがあり、浴槽を支える脚部
材がベツト上から落下し、浴槽中の湯がこぼれベ
ツトや床を水浸しにし、患者にも無用な衝撃を与
えるおそれがあり、ベツト上での使用には問題が
あつた。

〔解決すべき問題点〕 この考案の目的は、前記公知のものの欠点を解
決し、ベツトと別体で、前記支持棒と直接乃至間
接に結合しそれぞれ前記ベツトを横断方向に跨架
する全体型としてある一対の脚部材を利用する
ことにより、ベツト上において柔軟膜製の横臥型
浴槽袋の底部を安定良く支持し、浴槽袋内で横臥
している患者、老人などを入浴出来るようにする
ことにある。

〔問題点を解決すべき手段〕

前記問題点を解決するために、この考案は、両
側上縁がそれぞれスリーブ部としてある柔軟膜製
の横臥型浴槽袋と、これらスリーブ部に挿入で
き、これら両端が前記浴槽袋の前後に突出できる
長さを持つ一対の支持棒と、これら一対の支持棒
の両端部を支え、前記浴槽袋の底部をその深さ相
当にベツト上で保持する一対の脚部材とを備えて
いる簡易浴槽において、 前記一対の脚部材は前記ベツトと別体で、前記
支持棒と直接乃至間接に結合しそれぞれ前記ベツ
トを横断方向に跨架する全体型としてあり、各
脚部材の両側の平行部である脚片の長さは略前記
ベツトの高さと前記浴槽袋の深さとの和に等しく
してあり、これら脚部材における脚片の下端はベ
ツトサイドの床面に当接するものとしてあること
を特徴とする簡易浴槽としてある。

〔使用方法及び作用〕

先ずベツト上の患者をベツトの片側に寝返りさ
せて寄せる。次にベツト上の中央に浴槽袋の長い
側縁が患者の身長方向と一致するよう敷き、再び
患者を寝返させて元に戻し、浴槽袋中に患者を入
れる。

而して浴槽袋のスリーブ部に一対の支持棒を挿
入し、支持棒の両端部をそれぞれ浴槽袋の前後に
突出させる。予め支持棒が取付けられているもの
はそのまゝとする。

次に枕元側及び足元側の脚部材を前記一対の支
持棒と不動に結合することによつて、前記脚部材
は、ベツトを横断方向にそれぞれ跨架し、前記浴
槽袋は患者を入れたまゝ、ベツト上において支持
される。

この際、各脚部材における脚片の下端はベツト
サイドの床面に当接し、起立する。

入浴後は、適宜の方法により排水後、組立時と
は逆の手順で分解し、患者をベツト上に戻す。

〔効果〕

叙上のように構成し作用を為すものにおいては
前記ベツトと別体の前記一対の脚部材を前記柔軟
膜製の横臥型浴槽袋のスリーブ部に挿入された一
対の支持棒両端部に直接乃至間接にベツト上で結
合することにより、ベツトの幅が多少異なるもの
でも、その前記一対の脚部材の位置をずらすこと
で、前記横臥型浴槽袋を安定良くベツト上に支持
することが出来る。

更に、前記一対の脚部材がそれぞれ前記ベツト
を横断方向に跨架し一対の支持棒両端部に直接乃
至間接にベツト上で結合する際に、これら脚部材
における脚片の下端はベツトサイドの床面に当接
し、各脚部材の両側の平行部である脚片の長さは
略前記ベツトの高さと前記浴槽袋の深さとの和に
等しくしてあるため、ベツト上において前記横臥
型浴槽袋の底部を所定の深さで支持することが出
来る。

よつて、ベツト上に横臥し、自力では入浴でき
ない患者の入浴が非力な付添者、看護者において
も容易にできる。

〔実施例〕

今この考案の理解を容易にするため、図示の代
表的な実施例に基づいて説明する。

実施例 １ Ａは浴槽袋であり、患者が横臥した状態で入浴
できる形状をしており、その長辺の両側縁はスリ
ーブ部１１ａ，１１ｂがほゞ全長に亘り形成して
あり、浴槽袋Ａ自体は、織布、不織布、網を中心
とし、この両面より、非透水性の合成樹脂被膜を
サンドイツチ状に挾んで一体化した柔軟な生地よ
り形成してある。

１２は一対の丈夫な支持棒であり、通常は水に
よつて腐蝕しないステンレスパイプ、アルミニユ
ウムパイプなどよりなり、それぞれ一体の長尺物
でもよいが、２乃至３本の短かいパイプを順次接
続分解できるものでもよい。

Ｂは型をした一対の脚部材であり、両側の平
行部２０の長さは、略ベツトＣの高さと前記浴槽
袋Ａの深さとの和に等しくしてあり、中間の水平
部２１の長さは使用されるベツト幅より長くして
ある。一般にはセミダブル幅のベツトよりも若干
長くしてある。

また前記水平部２１の中央部には、前記浴槽袋
Ａの幅Ｗ相当間隔をおいて、この水平部２１及び
平行部２０とは直角方向に、支持棒受短パイプ２
２ａ，２２ｂが固着してあり、前記支持棒１２の
何れの端でも挿入できる寸法としてある。また支
持棒受短パイプ２２ａ，２２ｂにはそれぞれ押ね
じ２３ａ，２３ｂが装備してある。

また前記脚部材Ｂの両側の平行部２０の両端に
は、この軸方向に移動し、任意位置に固定できる
沓２５ａ，２５ｂがそれぞれ設けてある。

沓２５ａ，２５ｂの高さ可変機構は、第４図に
示すように、沓２５ａ，２５ｂと一体の垂直軸２
６に直径方向の孔２７を数個階層的に穿設してお
き、平行部２０の端部近傍にも同様に直径方向に
孔２８を穿設しておき、孔２７及び２８に直径方
向に嵌挿できるピン２９をそれぞれ設けておき、
孔２７の位置を任意に選択することによつて沓２
５ａ，２５ｂの高さを調節できるようにしてあ
る。

また第５図に示す沓２５ａ，２５ｂの上下動可
変機構は、沓２５ａ，２５ｂと一体のねじ棒３０
を平行部２０の両端に固着した雌ねじ部３１に螺
合させて構成している。

実施例１の効果 この態様の効果は本件考案の効果の外、それぞ
れの支持棒１２の端を前記支持棒受短パイプ２２
ａ，２２ｂに挿入することによつて、２本の支持
棒１２と一対の脚部材Ｂは一体化し、一対の脚部
材Ｂはベツトを跨架した状態で安定する。

また脚部材Ｂの平行部２０は上下動する沓２５
ａ，２５ｂが設けてあるから、ベツトの高さや、
マツトレスの厚さに応じ、支持棒１２の高さを上
下に調節し、浴槽袋Ａの深さがベツト上に充分に
保持されるよう調節できる。

実施例 ２ 第６図に示すものであつて、実施例１に示され
たスリーブ部１１ａ，１１ｂに通された一対の支
持棒１２は、予め前記浴槽袋Ａの幅に相当する長
さの一対の桟パイプ１４によつて、連結一体化さ
れて、浴槽袋Ａは、これら一対の支持棒１２と一
対の桟パイプ１４によつて雖かも担架状に支持さ
れている。

また脚部材Ｂはこの態様においては直角に屈曲
させた４本の脚棒３５よりなりこれらの一端を前
記桟パイプ１４の端部に、それぞれこれらの軸周
りに回転不能に接続離反自在に設けてあり、例え
ば第６図に示すように、桟パイプ１４に脚棒３５
をそれぞれ挿入し、これらの嵌合部において、両
部材を直径方向に貫通する止ぴん３６をそれぞれ
挿入して、両部材が軸線周りに回動せず、軸方向
にも抜去しないようにしてある。

このように桟パイプ１４と一対の脚棒３５によ
つて、ベツトＣを跨架し、浴槽袋ＡをベツトＣ上
において所定深さを保持するように支持する。

実施例２の効果 浴槽袋Ａに一対の支持棒１２及び桟パイプ１４
が取付けられているから、特にこれらを組立解体
を要さず丈夫であるが、患者を寝返りさせて浴槽
袋Ａに出し入れするときは、患者が乗越える一方
の支持棒１２上に適宜のクツシヨン材を置いて行
う。

その他実施例１と同一符号のところは同一の構
成部材であり、同様の作用効果を奏する。

実施例 ３ 第７図に示すもので、脚部材Ｂのみが実施例１
と異なるもので、この態様の脚部材Ｂは、これの
みによつて、ベツトＣを横断方向に跨架し、かつ
自立できるよう、型の脚部材Ｂの両側の平行部
２０の下端は、前記平行部２０及び水平部２１の
双方に直角な方向に折屈して、基部３７を形成
し、水平部２１には一対の支持棒１２の両端部を
受ける受部３８が浴槽袋Ａの幅相当の間隔をおい
て設けてある。

この脚部材Ｂの平行部２０にも、第４図に示す
ように高さ可変機構を設けても、何らこの考案と
しては変りがない。

実施例３の効果 この態様においては一対の脚部材Ｂが自立型で
あるから、これらをベツトＣの枕元側及び足元側
に跨架させ、而して他の態様同様に浴槽袋Ａに患
者を入れた後、その支持棒１２を脚部材Ｂの水平
部２１の受部３８に掛合させるだけで、浴槽袋Ａ
を所定位置にセツトでき、組立解体作業が著しく
簡素化され、かつ部品数も少なく管理が容易であ
る。

図示の各態様はそれぞれ一例を示したものに過
ぎず、ベツトＣ上に浴槽袋Ａが設置でき、その脚
部材Ｂがオーバーベツトタイプのものであれば、
特に限定はない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係るそれぞれ実施例を示すも
ので、第１図はベツト上に組み立てた状態の実施
例１の斜視図、第２図は第１図の脚部材のみの斜
視図、第３図は支持棒と脚部材の結合部を示す縦
断側面図、第４図は沓部分の一部縦断側面図、第
５図は沓部分の他の態様を示す一部縦断側面図、
第６図は実施例２の分解斜視図、第７図は実施例
３の脚部材の斜視図である。 図中主な符号、Ａ……浴槽袋、Ｂ……脚部材、
１１ａ，１１ｂ……スリーブ部、１２……支持
棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 両側上縁がそれぞれスリーブ部としてある柔
   軟膜製の横臥型浴槽袋と、これらスリーブ部に
   挿入でき、これら両端が前記浴槽袋の前後に突
   出できる長さを持つ一対の支持棒と、これら一
   対の支持棒の両端部を支え、前記浴槽袋の底部
   をその深さ相当にベツト上で保持する一対の脚
   部材とを備えている簡易浴槽において、 前記一対の脚部材は前記ベツトと別体で、前
   記支持棒と直接乃至間接に結合しそれぞれ前記
   ベツトを横断方向に跨架する全体型としてあ
   り、各脚部材の両側の平行部である脚片の長さ
   は略前記ベツトの高さと前記浴槽袋の深さとの
   和に等しくしてあり、これら脚部材における脚
   片の下端はベツトサイドの床面に当接するもの
   としてあることを特徴とする簡易浴槽。 ２ 前記一対の脚部材の脚片はそれぞれ、高さ調
   整機構付きのものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の簡易浴槽。 ３ 前記各脚部材は、前記一対の支持棒を結合し
   た浴槽袋の短辺方向の桟杆部に対し、それぞれ
   挿入結合及び抜去自在に設けたものであること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の簡易浴槽。