JPH0321215Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、医療用、特に歯科治療用に供される
レーザー型ハンドピースに関する。

（従来の技術） 近時、医療分野にもレーザー光を利用する試み
がなされ、一部その実用化がなされている。実開
昭57−163253号は、主に非接触型歯科用ハンドピ
ースに適用した例を示すものであり、ここではレ
ーザー光生源からのレーザー光を本体の外部に付
設された操作装置（ノブ）により反射板を回転さ
せ、レーザー光を所望角度に屈曲させんとするも
のである。

（考案が解決しようとする問題点） 然し乍ら、上記公報に開示のハンドピースで
は、ノブが本体の外部に突出状に設けられている
為、歯科治療等の場合、狭い口腔内に挿入する
時、該ノブが邪魔になり、亦、ノブが反射板の軸
に直接連結されているので、これの操作は口腔内
で行うか、ヘツドを口腔外に取り出して行うしか
なく、そのため操作性が悪く、被照射部位へ正確
な照射が極めて難しく、更に非接触型である為レ
ーザー光発生用の出力を大とせざるを得ず、附帯
設備が大掛かりとなる、等の問題点があつた。

本考案は、上記問題点を解消すべくなされたも
ので、ハンドピース本体に套嵌された操作スリー
ブにより反射体の角度を変えるようにすると共に
接触治療用のプローブ等の保持部材を反射体と同
時に回転させ、しかも該保持部材の変角度を反射
体のそれの略２倍となるようにすることにより、
操作性を高め且つ精度の高い照射治療を確立する
と共に接触型レーザー治療を可能として関連設備
のコンパクト化を図らんとするものである。

（問題点を解決する為の手段） 上記目的を達成する為の本考案の構成を添付の
実施例図に基づき説明する。第１図は本考案装置
の一実施例を示す部分切欠縦断面図、第２図は第
１図の−線断面図、第３図は同実施例におけ
る動作状態を示す第１図と同様図、第４図は他の
実施例の第１図と同様図、第５図は第１図乃至第
４図における概略的機構線図、第６図は更に他の
実施例の第５図と同様図である。即ち、本考案の
レーザー型ハンドピースは、レーザー光発生源か
らハンドピース本体１を経たレーザー光線をヘツ
ド部２で屈曲させるようにしたレーザー型ハンド
ピースであつて、上記ヘツド部２に軸２１を介し
反射体保持部材３及び接触治療用プローブ等保持
部材４が軸着され、前記本体１の外周には該本体
１の軸線方向に沿つて進退自在とされた操作スリ
ーブ５が套嵌され且つ本体１に上記スリーブ４の
進退と連動して本体１の軸線方向に沿つて摺動す
るスライド部材６が具備され、該スライド部材６
の先端部は前記保持部材３，４の夫々に互いに個
別の連接点３１，４１を介して連接されて成り、
前記スリーブ５の進退操作によるスライド部材６
の摺動をして反射体保持部材３及びプローブ等保
持部材４を軸２１の廻りに回転させ且つプローブ
等保持部材４の変角度を反射体保持部材３のそれ
の略２倍となるようにしたことを要旨とするもの
である。

図はいずれもコントラアングル型ハンドピース
での適用例を示すものであり、反射体保持部材３
にはプリズム状の反射体３０が保持部材３の下部
に開口された照射口３００よりリングネジ３０１
により装着されている。亦、プローブ等保持部材
４は、長円錐形の接触治療用プローブ４０或は集
光レンズ（不図示）等を止めネジ４２，４３を介
して装着させるためのもので、該プローブ４０等
を上記反射体３０により屈曲されたレーザー光線
の光路に正しく配置させるものである。ヘツド部
２と操作スリーブ５との間に本体１の軸線に沿つ
て摺動するスライド部材６が内設され、該スライ
ド部材６の後端部には本体１の径方向に向く係止
用突子６２が固設され、この突子６２がスリーブ
５の内面に凹設された周溝５１に嵌挿係止されて
スリーブ５の進退に伴いスライド部材６が前後に
摺動する。スライド部材６の先端部は、後記の実
施例で示す如く夫々個別の連接点３１，４１を介
し反射体保持部材３及びプローブ等保持部材４に
連接され、該スライド部材６の摺動によりこれら
保持部材３，４が軸２１の廻りに、しかも保持部
材４の変角度が保持部材３のそれの略２倍になる
状態で回転するようになされている。スリーブ５
は、本体１（即ち、グリツプ部）の外周にネジ部
５０を介し套嵌螺装され、このネジ部５０に対す
る螺進・螺退により本体１の軸線方向に沿つて進
退可能とされているが、この進退自在な機能は図
例以外の他の手段によつて得ることも可能であ
る。

図中７は、レーザー光線を伝達するためのオプ
テイカルフアイバーであり、外皮７１に被われた
状態でレーザー光発生源（不図示）から本体１の
軸心と同軸部に導入され、その先端部がヘツド部
２において反射体３０に対面している。亦、８
は、歯科治療に必要な水・薬液等の作用媒体の注
出口であり、上記スライド部材６に固設されてそ
の摺動に伴い前後移動し、供給管路８１を経て供
給された上記作用媒体がこの注出口８より被治療
部位に向け噴出されるようになされている。

（作用） 上記構成のレーザー型ハンドピースにおいて、
操作スリーブ５を本体１の軸線方向に沿つて進退
させると、スライド部材６が同時に本体１の軸線
方向に沿つて前後に摺動する。スライド部材６の
先端部が連接点３１，４１を介し反射体保持部材
３及びプローブ等保持部材４に連接されているか
ら、このスライド部材６の摺動に伴い上記保持部
材３，４が軸２１の廻りに回転し、これによりレ
ーザー光線が所望角度に屈曲されることになる。
そしてこの時プローブ等保持部材４も同時に回転
し、しかも後記する如く上記連接点３１，４１と
軸２１との相対関係により、プローブ等保持部材
４の変角度が反射体保持部材のそれの略２倍とさ
れているから、プローブ４０等が反射体３０によ
り屈曲されたレーザー光線の光路に正しく配置さ
れることになる。何故なら、一定方向からの入射
光線を反射体により屈曲させる場合、反射光線の
角度は反射体の角度変化に伴いその２倍変化する
からである。第１図は、レーザー光線を略直角に
屈曲させる状態を示し、反射体３０がオプテイカ
ルフアイバー７の先端部に対し略45゜の角度で対
面し、プローブ４０等が本体１の軸心に略直交す
るように配置され、レーザー光線の反射光l₁は入
射光に対し略90゜の角度で導出されるようになさ
れている。この状態から、スリーブ５を後退させ
スライド部材６を後方に摺動させると、第３図の
如く反射体保持部材３及びプローブ等保持部材４
が軸２１の廻りに図面上反時計方向に回転し、こ
の時プローブ等保持部材４は反射体保持部材３の
略２倍の変角度をもつて回転する。従つて、レー
ザー光線の反射光l₂がプローブ等保持部材４に装
着された接触治療用プローブ４０中を伝わり、接
触治療等に供される。この場合、スライド部材６
を反対方向に摺動させても同様の動きを奏するこ
とは云うまでもない。

（実施例） 次に実施例を挙げ本考案を更に詳述する。

（実施例 １） 第１図乃至第３図では、本体１より延設された
支持アーム１１，１１に軸２１が軸支され、該軸
２１により反射体保持部材３及びプローブ等保持
部材４が回動自在に支持され、これらが実質的に
ヘツド部２に軸着されている。スライド部材６の
先端部には、その長手方向に直交する長孔若しく
はスリツト（図例ではスリツト）６１が形成さ
れ、また反射体保持部材３及びプローブ等保持部
材４には軸２１に平行なピン３１′，４１′が固設
されてこれらが前記連接点３１，４１とされ、上
記スリツト６１に嵌挿掛止されている。そしてこ
れらのピン３１′，４１′の軸２１からの距離は、
前者が後者の略２倍とされている。斯くして、第
５図に示す如くスライド部材６を後方に摺動させ
ると、ピン３１′，４１′はスリツト６１により規
制され、該スリツト６１の長手方向に摺動する状
態で軸２１を中心として反時計方向に回転する。
この時、レーザー光線の反射光l₁は、l₂の如く変
化するが、ピン４１′の回転角βはピン３１′の回
転角αの略２倍となるから、保持部材４に装着さ
れたプローブ４０等が上記反射光l₂の光路に略正
しく配置されることになる。スライド部材６を逆
方向に摺動させた場合でも同様に機能することは
上述の通りである。

（実施例 ２） 第４図は、軸２１を本体１に螺着されたヘツド
ハウジング２０に軸支させ、反射体保持部材３及
びプローブ等保持部材４をこのハウジング２０で
被うようにしたものである。上記第１の実施例で
は保持部材３，４等の保守点検がし易い半面、歯
科治療に応用する場合、これらが露出的である為
口腔に挿入した際に口腔壁を傷めないような表面
加工（角部のＲ加工等）が必要とされるが、本実
施例では、ハウジング２０により被われているか
らこれらの処置は特に必要とせず、また保持部材
３，４自体の損傷や汚染が著減される利点があ
る。その他の構成は第１の実施例と同様であるの
でここではその詳細な説明は割愛する。

（実施例 ３） 第６図は、更に他の実施例の概略的機構線図で
あり、本実施例は、上記連接点４１をプローブ等
保持部材４の上部に固設されたピン４１″とし、
一方反射体保持部材３の体心に沿つて設けられた
長孔３２に摺動自在に嵌挿された連結ピン３１″
を連接点３１とし、更に該ピン３１″と上記ピン
４１″及び３１″とヘツド部２に固設された支点２
２とを夫々等長のリンク３３，３４により連結す
ると共に、ピン３１″と軸２１及びピン４１″と軸
２１との距離を等しくし、ピン４１″をスライド
部材６の先端に形成された長孔若しくはスリツト
（図例ではスリツト）６１に嵌挿掛止させて成る
ものである。本実施例においては、スライド部材
６を第６図の如く後方に摺動させると、ピン４
１″が後方に引つ張られスリツト６１の規制下で
軸２１の廻りに回転し、これに伴いピン３１″も
スリツト３２内を摺動しながら軸２１の廻りに回
転し、これにより反射体保持部材３及びプローブ
等保持部材４が軸２１の廻りに協動回転する。こ
の時、ピン３１″は、ピン４１″、軸２１及び支点
２２で形成される二等辺三角形の中線上に常に存
することとなるので、ピン４１″の変角度βは、
ピン３１″の変角度αの２倍となる。従つてスリ
ーブ５の操作によりプローブ等保持部材４は反射
体保持部材３の２倍の角度で回転し、上記同様プ
ローブ４０等が反射光線の光路に常に正しく配置
されることになる。

尚、上記各実施例に限定されるものではなく、
本考案を逸脱しない限り他の変更が可能であるこ
とは云うまでもない。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案のレーザー型ハンドピース
は、ヘツド部２に軸着された反射体保持部材３の
角度をハンドピース本体１の外周に套嵌さた操作
スリーブ５を本体１の軸線方向に沿つて進退させ
ることによつて変え得るようにしたから、ヘツド
部２の外部には上記保持部材３の角度を変える為
の部材が何等突出せず、従つてこれを歯科用ハン
ドピースに応用した場合、狭い口腔内にも支障な
く出し入れが出来る。亦、治療中レーザー光線の
照射方向を変えたい場合でも、ヘツド部２から離
れた位置にあるスリーブ５を操作することにより
それが可能とされるから、歯科の治療の際その都
度口腔から出し入れする必要が無く、円滑且つ精
度の高い治療が約束される。更に、本考案では、
プローブ等保持部材４が上記反射体保持部材３の
回転と連動するよう具備され、しかも該保持部材
４に装着されたプローブ等が常にレーザー光線の
反射光の光路に正しく配置されるようになされて
いるから照射治療が可能とされ、レーザー光線の
特質が活かされると共に、少ない出力でそれが可
能とされ、附帯設備等のコンパクト化が図れる。

このように本考案のレーザー型ハンドピースは
特筆されるべき利点を有し、その実用性極めて大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例を示す部分切欠
縦断面図、第２図は第１図の−線断面図、第
３図は同実施例における動作状態を示す第１図と
同様図、第４図は他の実施例の第１図と同様図、
第５図は第１図乃至第４図における概略的機構線
図、第６図は更に他の実施例の第５図と同様図で
ある。 符号の説明、１……ハンドピース本体、２……
ヘツド部、２１……軸、２２……支点、３……反
射体保持部材、３１……連接点、３１′，３１″…
…ピン、３２……長孔若しくはスリツト、３３，
３４……リンク、４……プローブ等保持部材、４
１……連接点、４１′，４１″……ピン、５……操
作スリーブ、６……スライド部材、６１……長孔
若しくはスリツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ レーザー光発生源からハンドピース本体１を
   経たレーザー光線をヘツド部２で屈曲させるよ
   うにしたレーザー型ハンドピースであつて、上
   記ヘツド部２に軸２１を介し反射体保持部材３
   及び接触治療用プローブ等保持部材４が軸着さ
   れ、前記本体１の外周には該本体１の軸線方向
   に沿つて進退自在とされた操作スリーブ５が套
   嵌され且つ本体１に上記スリーブ４の進退と連
   動して本体１の軸線方向に沿つて摺動するスラ
   イド部材６が具備され、該スライド部材６の先
   端部は前記保持部材３，４の夫々に互いに個別
   の連接点３１，４１を介して連接されて成り、
   前記スリーブ５の進退操作によるスライド部材
   ６の摺動をして反射体保持部材３及びプローブ
   等保持部材４を軸２１の廻りに回転させ且つプ
   ローブ等保持部材４の変角度を反射体保持部材
   ３のそれの略２倍となるようにしたことを特徴
   とするレーザー型ハンドピース。 ２ 上記スライド部材６の先端に形成された長孔
   若しくはスリツト６１が、上記保持部材３，４
   に上記連接点３１，４１として固設されたピン
   ３１′，４１′が嵌装掛止され、該ピン３１′の
   軸２１からの距離がピン４１′のそれの略２倍
   とされている実用新案登録請求の範囲第１項記
   載のハンドピース。 ３ 上記連接点４１を保持部材４の上部に固設さ
   れたピン４１″とし、一方反射体保持部材３の
   体心に沿つて設けられた長孔３２に摺動自在に
   嵌挿された連結ピン３１″を連接点３１とし、
   該ピン３１″と上記ピン４１″及びピン３１″と
   ヘツド部２に固設された支点２２とを夫々等長
   のリンク３３，３４により連結すると共に、ピ
   ン３１″と軸２１及びピン４１″と軸２１との距
   離を等しくし、ピン４１″をスライド部材６の
   先端に形成された長孔若しくはスリツト６１に
   嵌挿掛止させて成る実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のハンドピース。