JPH0321145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車などの電気配線に使用する電
気接続箱の水抜き構造に関する。

〔従来の技術〕

ジヤンクシヨンボツクスやリレーボツクスなど
の電気接続箱は、一般に第３図のような構成を有
する。

すなわち、１は表裏両面にブスバー回路２を配
設したブスバー回路板、３はこれを収容する箱本
体、４は図示しないリレー等を接続するコネクタ
５を設けた表カバー、６は防水カバーであつて、
回路板１は通常多段に積層され、各層のブスバー
より上方向に直立したタブ端子７は上記コネクタ
５内に突出する。

ここで、箱本体３と最下層のブスバー（回路）
２との当り面である底壁３ａは平面であり、収容
時に両面が密着する。

従つて、当り面３ａに水（水蒸気）が浸入する
と、表面張力のために水がたまりやすい。また、
一旦水がたまると、その抜け口がないためにブス
バー間にリーク電流が生じるおそれがある。とく
に、自動車のエンジンルームでは、雨水が飛び込
んだり、大きな温度変化によつて結露が生じるた
めに、上記のような事態が起こりこやすい。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、上記の問題点に鑑み、内部に
水（水蒸気）が浸入したり、水がたまつても、こ
れを直ちに外部に排出し、電流リークのおそれが
ない電気接続箱を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の電気接続箱は、ブスバー回路板などの
配線板を積層して箱本体に収容してなる電気接続
箱において、前記箱本体の最下層の配線板との当
り面に連続または独立した多数の凹凸を設けて水
抜き溝を形成し、該凹部に開孔を設けたことを特
徴とする。

〔作用〕

本考案によれば、箱本体の最下層の配線板また
はブスバー回路との当り面に浸入した水は、電気
接続箱の取付時における傾きや車の走行中に生じ
る振動などによつて上記水抜き溝に流入して集め
られ、そこから外部に排水されるから、箱内に水
がたまつたままの状態になつたり、リーク電流が
生じるおそれがほとんどなくなる。

〔実施例〕

第１図は本考案の一実施例を示し、最下層の配
線板（第３図参照）との当り面である底壁３ａ
に、多数の連続した凹凸である複数条の水抜き溝
８を全面にわたつて等間隔に設け、各溝８に外部
と連通する開孔９を設けたものである。従つて、
電気接続箱内に浸入した水や結露により生じた水
は、内部にたまることなく、水抜き溝８及び開孔
９を通して直ちに排出される。開孔９は箱内の水
を抜き外部からの浸入を防ぐうえから、Ｌ字形、
Ｓ字形などに屈曲させて設けるのが好ましい。

なお、複数の水抜き溝８は断面矩形波状に形成
されているが、波形断面にすることによつて、配
線板との接触面積を小さくし、水が浸入したとき
の滞留をなくし、速やかに排出することができ
る。

第２図は他の実施例を示し、底壁３ａ上にブス
バー回路２（ないし配線板）を支え、かつ水が流
れるに十分な隙間を確保できる多数のピン１０、
すなわち多数の独立した凹凸を設け、底壁３ａと
側壁３ｂとの間に数カ所の開孔９を設けたもので
ある。この場合にも、水の滞留はなく、迅速に排
出される。

以上は配線板としてブスバー回路板を使用した
例について説明したが、プリント基板などの場合
にも同様に適用できる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、電気接続箱の箱本体と最下層
の配線板との当り面に水がたまることがないか
ら、リーク電流が生じにくくなる。したがつて、
自動車のエンジンルームのような水が浸入しやす
い場所での使用に好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す要部の斜視
図、第２図は本考案の他の実施例を示す要部の斜
視図、第３図は従来の電気接続箱を示す分離した
状態の斜視図である。 １……ブスバー回路板、２……ブスバー回路、
３……箱本体、３ａ……当り面（底壁）、８……
水抜き溝、９……開孔、１０……ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブスバー回路板などの配線板を積層して箱本体
   に収容してなる電気接続箱において、前記箱本体
   の最下層の配線板またはブスバー回路との当り面
   に連続または独立した多数の凹凸を設けて水抜き
   溝を形成し、該凹部に開孔を設けたことを特徴と
   する電気接続箱。