JPH0320B2

JPH0320B2 -

Info

Publication number: JPH0320B2
Application number: JP59200182A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Yamaguchi
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1984-09-25
Filing date: 1984-09-25
Publication date: 1991-01-07
Also published as: JPS6178352A

Description

【発明の詳細な説明】

（技術分野）本発明は家畜のフンに係るハエの発生及び悪臭
に公害を防止するに有効な飼料添加物に関する。（従来技術）従来、養鶏、養豚等家畜の飼育においてフンに
発生するハエ及びフンの悪臭による公害に対して
は養鶏場、養豚場等飼育の場所を人家よりなるべ
く離れた場所につくるとか、フンを速かに密閉容
器に収納する等があるだけで、何れも不十分な対
策となり易く、家畜の飼育一般に所謂畜産公害が
やかましい問題となつている。本発明者は、この課題の解決の為に鋭意研究を
すゝめた結果、昭和59年４月群馬県太田市長手
183の土壌より分離したバチルススフエリカス
（Bacillus sphaericus）Ｔ−１菌の芽胞含有培養
液を家畜の飼料に添加して家畜を飼育することに
より、前記の畜産公害を解決し得ることを見出し
本発明に到達した。（発明の構成）本発明は「バチルススフエリカス（Bacillus
sphaericus））Ｔ−１菌の芽胞含有培養液よりな
り公害防止に有効な家畜用飼料添加物」である。本発明の目的は家畜飼育に伴うフンにハエが発
生して公害を生ずる問題及びそのフンの悪臭公害
を解決するにある。本発明に使用される前記のバチルススフエリ
カスＴ−１菌の菌学的諸性質は下記に示す通りで
ある。ａ形態１細胞の形及び大きさ：桿菌0.6〜１×15〜５
ミクロン２運動性：有（周毛）３胞子：円形、膨出（端立〜亜端立）４グラム染色：（＋）５抗酸性（−）ｂ生育状態１肉汁寒天平板培養：コロニーは緻密、膨択で
淡褐色を呈す、中央凸で周縁はＲ（粗）型であ
る。２肉汁寒天斜面培養：劃線に沿つて生育し、緻
密潤沢で淡褐色を呈す。３肉汁液体培養：良好な生育を呈し、後で少量
の沈澱を生ずる。４肉汁ゼラチン穿刺培養：穿刺に沿つて菌は生
育しない。ゼラチンは液化されない。５リトマスミルク：リトマスは脱色されミルク
はゆるく凝固する。ｃ生理学的性質１硝酸塩の還元：（−）２脱窒反応：（−）３ MRテスト：（−）４ VPテスト：（−）５インドールの生成：（−）６硫化水素の生成：（−）７デンプンの加水分解：（−）８クエン酸の利用（Koser培地：（−）９クエン酸の利用（Chistensen培地）：（−） 10 無機窒素源（硝酸塩及びアンモニウム塩）の
利用：（−） 11 色素の生成：（−） 12 ウレアーゼ：（＋） 13 オキシターゼ：（＋） 14 カタラーゼ：（＋） 15 生育の範囲： PH：5.7〜10.0 温度：15゜〜45℃ 16 酸素に対する態度：好気性 17 Ｏ−Ｆテスト：（−） 18 糖類からの酸およびガスの生成：検査すべき
すべての糖類から酸及びガスの生成は認められ
ない。ｄ記載すべきその他の性質１ 50℃での生育：（−）２ PH5.7での生育：（＋）３塩化ナトリウムの耐性：７％NaCl存在下で
生育せず４レシチナーゼ：（−）５ VPブロスのPH：アルカリ性8.0 上記の菌学的諸性質をBegeys Manual of
Determunative Bacteriology第８版に照らすと
本菌はバチルススフエリカスに属すると判断さ
れる。何故ならば、本菌は好気性で胞子をつくる
桿菌であるからBacillus属に属することは明らか
であり、前記のBegey′s Manual of
Determinative Bacteriology第８版のp.532の
Tabie15.1に依れば、本菌の胞子（芽胞）の形態
等及び本菌がグルコーースに作用する場合の産生
物から、本菌は該表（TABLE15.1）の17.B.
sphaericus又は18.B.pasteuriiの何れかに該当す
る。ところが、本菌のVPブロスのPHは前の通り
8.0であること等がB.pasheuriiの性質と異るので
本菌はB.sphaericusに属すると判断され、前述の
通りバチルススフエリカスＴ−１と命名され
た。なお、本菌は工業技術院微生物工業技術研究所
に寄託され、その番号は微工研菌寄第7820号
（FERMP−7820）である。このことは昭和59年
８月29日付59微寄文第1187号の受託証により本発
明者に通知されている。後に実施例を述べ本発明及びその効果について
は具体的に説明する。然しながら、本発明はこの
実施例により何ら制限されるものでないことは勿
論、本発明の家畜用飼料添加物の適用は養鶏用の
飼料に限定されるものではない。即ち、本発明の
家畜用飼料添加物は養鶏の場合と同様牛、ブタ、
羊、馬等一般家畜の飼料に用いて公害防止に有効
である。（発明の効果）既に述べたことの繰返しになるが、本発明は、
次に述べる実施例の試験結果から明らかな通り、
家畜飼育に伴う公害即ちフンに係るハエの発生及
びフンの悪臭を防止するに顕著な効果がある。実施例１バチルススフエリカスＴ−１を普通寒天培地
に斜面培養して保存菌株とした。この斜面培養か
ら一白金耳をヌトリエントブロス（肉汁）（PH＝
7.2）10mlに接種し、35℃で48時間培養した後、
上記のブロス200mlに移し同条件で培養し、この
培養液をさらに上記ブロス4000mlに移して35℃、
48時間通気培養を行つた。この時点で培養液の細
菌数は約10¹⁰／mlに増殖した。この培養液は芽胞を豊富に含有する本発明の家
畜用飼料添加物である。この培養液を市販の養鶏
用の配合飼料に重量で１％添加した飼料を試験区
の養の飼料として用い、上記の配合飼料のみを用
いた対照区と比較する養の飼育試験を行い、フン
よりのハエ（ウジ）の発生、養フンの臭い及び産
卵（産卵率及び一羽当りの採卵量）を調査した、
試験期間は昭和59年５月25日より同年７月８日迄
で、用いた養は各区共デカルブ（養の種名）100
羽づつで給飼量は一羽当り100ｇ／日の制限給飼
とした。結果は下記の(1)〜(3)の通りであつた。 (1) ハエ（ウジ）の発生第１表に記載の日に各区の１日分のフンをそれ
ぞれ混合し、その中から各区10gのフンを採取
し、これを加熱してウジの数を調べた、結果は第
１表の通りであつた。

【表】 (2) 鶏フンの臭いについて本発明者の研究室ならびに併設された養鶏工場
の従業員で構成された10名のパネル試験で判定し
た結果、対照区はアンモニア臭等の悪臭が著しか
つたが、試験区では認められなかつた。 (3) 産卵成積について第２表に示す如く試験区は対照区に比して産卵
率および１羽採卵量がすぐれていた。又、第３表に示す如く試験区の卵は対照区のも
のに比して粘度が高くすぐれており、他に異状は
認められなかつた。

【表】

Claims

【特許請求の範囲】

１バチリススフエリカス（Bacillus
sphaericus）Ｔ−１菌の芽胞含有培養液よりなる
公害防止に有効な家畜用飼料添加物。