JPH0320283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、フアーストフード店や屋台店などで
ジユース・ミルクセーキ・スープ等の飲み物の販
売に使用される耐水紙製やプラスチツク製の使い
捨てコツプにかぶせる嵌着蓋に関する。

〔従来の技術〕

コツプの開口周縁部に嵌まる嵌着縁を持つた蓋
をかぶせるコツプにおいて、蓋の一部に設けた小
蓋部を開くことにより、蓋全体を取らなくても内
容物が飲めるように、あるいは注ぎ出せるように
したものがある（たとえば実公昭59−31539号公
報）。

上記従来の嵌着蓋の小蓋部は、その小蓋部の両
側に、嵌着縁すなわち蓋の周縁部に達する破断線
を、且つ両破断線の内端間に屈折線を設け、両側
の破断線を外端側から破断し、屈折線を中心に小
蓋部を起こすことによつて飲み口を開ける構成で
ある。

そして、起こした小蓋部が倒られてきて飲み口
を塞がないように、小蓋部外端の嵌着縁の一部を
係止させ得る凹部を蓋の略中央に形成している。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の嵌着蓋の小蓋部は、開くとき破断線を上
記のように蓋の周縁部から中心に向かつて切断し
ていくけれども、立体的に成形されている蓋の嵌
着蓋に、適度の引つ張り破断強度（蓋を嵌めた
際、嵌着縁が裂けるのを防止できる程度）を持た
せている状態で小蓋部のための破断線を設けるこ
とは極めて困難で、裂き易くするために破断線の
延長上で蓋の最外周に切り込みを入れると、上記
引つ張り破断強度は低下してしまう。

そこで蓋の最外周における切り込みを小さくす
ると連続的な破断が起きにくくなり、破断方向が
正規の破断線から外れて予定外の方向に裂ける虞
があるもので、蓋に最適の破断線を工業的に設け
ることは難しい。

上記従来の嵌着蓋の小蓋部は、破断線で切つた
後、起こして蓋の中心側に折り曲げてその状態に
係止するものであるから、外側から切り始めるこ
とは必須の条件である。

更に、開き起こして蓋の中心側に折り曲げた小
蓋部を係止させるための凹部を蓋に加工しなけれ
ばならないので、前記の外側から切り始める破断
線を設けなければならない点と相まつて嵌着蓋の
製作を困難にしている。

本考案は、従来の小蓋部付嵌着蓋における上記
の問題点を解決することを目的に提案されたもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記の目的を達成するために、コツプ
の開口周縁部に嵌まる嵌着縁を持つた蓋におい
て、その嵌着縁の一部と共に天面の一部を抜き落
とし除去して飲み口用切り欠き部を形成する形状
に沿つて、蓋の天面にハーフカツトまたはミシ目
よる破断線を入れ、抜き落とし除去した小蓋片に
残存する嵌着縁の一部を、蓋の嵌着縁に対する嵌
合係止部としたものである。

〔作用〕

飲み物を入れたコツプに蓋を嵌着すると、コツ
プ内は略密閉状態に保たれる。

コツプの中の飲み物を飲むときは、蓋をしたま
まの状態で破断線に囲まれた小蓋片部を指で強く
押すと破断線が切れ、小蓋片を取り去ることがで
きて、蓋に飲み口または注ぎ口となる切り欠き部
が開く。

取り去つた小蓋片は、小蓋片に残つている嵌着
縁の一部を蓋の嵌着縁に重ねて押すことにより嵌
着縁相互が嵌まり合い、蓋の上面に重なつた状態
に係止される。

〔実施例〕

図において１は耐水紙製あるいはプラスチツク
製コツプ、１ａはそのコツプ１の開口周縁の玉縁
（カール部）、２は上記コツプの開口にかぶせる耐
水紙製あるはプラスチツク製の嵌着蓋、２ａはそ
の蓋２の天面、２ｂは上記コツプ１の玉縁１ａに
嵌まる蓋外周の嵌着縁、２ｃは、嵌着縁２ｂの一
部２b′を含めて天面２ａの一部２ｄを抜き落とし
て飲み口用切り欠き部２ｅを形成できるように、
天面２ａに予め入れたハーフカツトまたはミシン
目による破断線である。

図の実施例では、コツプ１の玉縁１ａすなわち
開口周縁とで略唇形の切り欠き部２ｅが形成され
るように、破断線２ｃを円弧状に入れてある。

コツプ１の中に飲み物を入れて蓋２を嵌着する
（第１図ｂ参照）。破断線２ｃで区画された天面２
ａの一部２ｄが抜き落とされない限り、コツプ１
の内部は十分密閉状態に保たれる。

コツプ１の中の飲み物を飲むときは、コツプ１
に蓋２を嵌着したままの状態において、破断線２
ｃで区画された天面２ａの一部ｄを、指で第１図
ｂの矢示のように蓋２の内側に向かつて強く押
す。そうすると破断線２ｃが切れて天面２ａの一
部２ｄが第１図ｃの矢示のように蓋２から分断さ
れる。その分断された部分２ｄすなわち小蓋片
は、コツプ１の玉縁１ａに嵌着縁２ｂの一部２
b′で係合しているのでコツプ１の中に落ち込むこ
とはない。

次いで分断された小蓋片２ｄを第１図ｃの２点
鎖線示２d′のように除去する。除去した小蓋片２
d′は、第１図ｄ，ｅ示すように、その小蓋片２
d′に残つてる嵌着縁２ｂの一部２b′がコツプ１に
嵌着している蓋２の嵌着縁２ｂに重なるようにし
て蓋２の上に載せ、上から押すことにより小蓋片
２d′の嵌着縁２b′を蓋２の嵌着縁２ｂに嵌めるも
ので、これにより除去した小蓋片２d′が蓋２に係
止されて、小蓋片２d′の散乱が防止される。

蓋２の上記小蓋片２d′が除去された跡に切り欠
き部２ｅが形成されるので、蓋をしたまま切り欠
き部２ｅにストローＳを差し込んで、あるいは直
接飲み口としてコツプ内の飲み物を飲むことがで
きる。またその飲み口を注ぎ口としてコツプ内の
飲み物を他に移すこともできる。

〔考案の効果〕

本考案は上記のように、コツプ開口周縁部に嵌
まる嵌着縁を持つた蓋において、その嵌着縁の一
部と共に天面の一部を抜き落とし除去して飲み口
用切り欠き部を形成するように、蓋の天面にハー
フカツトまたはミシン目による破断線を入れ、抜
き落とし除去した小蓋片に残存している嵌着縁の
一部を、蓋の嵌着縁に嵌合係止できるように構成
したから、小蓋片として除去する蓋の天面の一部
は、蓋の嵌着縁より内側を押し抜いて外側に向か
つて引つ張ることにより開く。従つて嵌着縁の部
分すなわち立体成形部分に設ける破断線は微小の
もので足り、場合によつては嵌着縁に破断線を設
けなくても、小蓋片を外側に向かつて引きちぎる
ようして除去することにより飲み口が得られるも
ので、コツプの開口周縁部に嵌まる蓋の嵌着縁に
所要強度の引つ張り破断強度を持たせることがで
きて、蓋の密閉を確実にする効果がある。

また、抜き落とし除去した小蓋片は、その小蓋
片に付いている嵌着縁の一部を利用して、これを
蓋の嵌着縁に嵌めることにより、蓋および小蓋片
に相互係止手段を特に設けなくても蓋に係止させ
ることができる。

上記蓋と小蓋片の相互係止手段を設ける必要が
ないこと、および嵌着縁の部分における破断線の
形成に特別留意する必要がないことは、嵌着縁の
成形加工に際して金型コストおよび後加工コスト
（破断線形成）を低減し、且つ量産効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案嵌着蓋の平面図、同図ｂはコ
ツプに嵌着した状態の蓋の縦断面図、同図ｃは小
蓋片を分断した状態を示す蓋の一部の縦断面図、
同図ｄは取り去つた小蓋片を蓋に係止した状態の
蓋の平面図、同図ｅは同上縦断面図。 １……コツプ、１ａ……開口周縁部、２……嵌
着蓋、２ａ……天面、２ｂ……嵌着縁、２b′……
嵌着縁の一部、２ｃ……破断線、２ｄ……天面の
一部（小蓋片）、２ｅ……切り欠き部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コツプの開口周縁部に嵌まる嵌着縁を持つた蓋
   において、その嵌着縁の一部と共に天面の一部を
   抜き落とし除去して飲み口用切り欠き部を形成す
   る形状に沿つて、蓋の天面にハーフカツトまたは
   ミシン目による破断線を入れ、抜き落とし除去し
   た小蓋片に残存する嵌着縁の一部を、蓋の嵌着縁
   に対する嵌合係止部としたことを特徴とするコツ
   プに対する嵌着蓋。