JPH0320024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （関連産業分野） 最近の全自動型鍛造プレスにおいては莫大な量
の製品が鍛造され、それに伴い鍛造時発生するス
ケールも多量になる。又金型潤滑に使用される液
状離型剤等も多く消費され、これ等が金型周辺に
堆積又は流れ出し、作業環境を悪化させるのみな
らず、ダイ交換時これの取除きや周辺の清掃に多
くの時間を費している。

本考案はプレス稼動中に発生するスケールや使
用済離型剤等の処理装置に関するものである。

（従来技術） 熱間鍛造プレスでは金型周辺に堆積するスケー
ルは、１日数回行われる型交換時に清掃してい
た。この際スケールがダイ交換装置のレール上に
落下したり、ベツドとボルスタの合せ面に落下
し、人力による清掃をしなければならなかつた。
このため折角金型交換を自動化してもこの清掃に
時間をとられて、金型交換時間全体が長くかゝつ
ているのが現状である。たとえば金型交換に要す
る時間が９分に対しスケール除去作業に要する時
間が５分で合計13分も使つていた。

（考案の解決しようとする問題点） 熱間鍛造プレスの段取替え時間にしめるダイホ
ルダーまわりのスケール清掃に要する時間を極力
短縮し、生産性を向上させることを目的とするも
のである。

（考案による問題点の解決手段） 下金型のダイホルダ上に下金型が中央部を貫通
すると共に、下金型側面からプレス前面と後面及
び両側面に向つて屋根状に傾斜したスケール受カ
バーをとりつけ、このスケール受カバーの前後に
スケールを受ける樋を設けた。又樋の両端にはベ
ツドハードプレートとプレスアツプライト間に、
たとえば水密のケース内で可動の無端のスチール
ベルトで構成されるスケールコンベヤを設置し、
このコンベヤの一端を機外に設けたスケールボツ
クス迄延長した。

（実施例） 図に基いて説明する。１はプレスアツプライ
ト、２，２′はベツドハードプレート３の両側に
設けるスケールコンベヤである。４は下金型のダ
イホルダ５上に設けたスケール受カバー、６，
６′はスケール受カバーの前後部に設けたスケー
ル排出用樋である。ダイホルダ５は金型交換の際
プレス機外の位置（第２図符号５′）まで引出さ
れるが、ダイホルダ５上に堆積したスケールや離
型剤、金型潤滑剤（液状のもの）がベツドハード
プレート３の上面やレール７の上面に落ちるので
引出したあとハードプレート３の上面やレール７
の上面の清掃を行う必要がある。

さて本考案においてはダイホルダ５上に下金型
１５が中央部を貫通するスケール受カバー４を設
け、飛散落下するスケールをこれで受けるように
し、さらに樋６，６′におとしこむようにした。
そしてこの樋６，６′の落とし口がコンベヤ２，
２′の上になるよう構成した。コンベヤ２，２′は
スケールを機外に運びスケールボツクス８，８′
の中にこれを集めるようになつている。ダイホル
ダ５とベツドハードプレート３はダイホルダ５の
方がαだけ大きくし（第３図）、スケールコンベ
ヤ２，２′上にスケールを落し易くしている。

スケールコンベヤ２，２′はダイホルダ５の移
動方向に平行に設けられ、ハードプレート３とプ
レスアツプライト１との間に第３図に示す如くＨ
の隙間を設け、この隙間にコンベヤ２が差し込ま
れている。コンベヤ２の構造はマグネツト式、ス
クリユー式、チエーン式等種々あり、どの型式を
採用してもよいので特定しない。、しかし液とス
ケールを運ぶ必要からスチールベルトを使用した
平ベルトコンベヤが好ましいのでこれについて説
明する。第４図において９はエンドレスのスチー
ルベルト、１０はスケールガイド、１１はベルト
受、１２，１３はケースで水密に作られ、ケース
１３上を液が流れるように若干勾配がつけられて
いる。１４，１４′は駆動モータである。１５は
下金型でスケール受カバー４はこの下金型１５に
合せて頂部に直径Ｄの切欠き１６を有している。

（作用） 下金型１５のダイホルダ５上の傾斜したスケー
ル受カバー４上にスケール類が落ちると、カバー
４の斜面を流下して、樋６，６′に流れ込む。樋
６，６′からさらにスケールコンベヤ２，２′上に
落ち込み、該スケールコンベヤによつてスケール
ボツクス８，８′に取出される。なおスケールコ
ンベヤ２，２′はプレス稼動中常時又は間欠的に
作動させるものとする。

なおスケール受カバー４上に落ちたスケールを
樋６，６′に、又樋６，６′からスケールコンベヤ
２，２′におとしこむ為には傾斜だけでは不十分
な場合がある。この時は最上部よりエヤーブロー
で流すか又は水をスプレー状に流すか、或いは又
スケール受カバー４に振動を与えて流す方法等が
考えられる。

（効果） 下金型のダイホルダ上に下金型が貫通するよう
プレス前面と後面及プレスの両側に向つて屋根状
に傾斜したスケール受カバーをとりつけ、このス
ケールカバーの前後にスケールカバーの前後方向
傾斜面上のスケールを受ける樋を設け、又樋の両
側にはベツドハードプレートとプレスアツプライ
ト間にスケールカバーの両側方向の傾斜面上のス
ケール及前記樋上に落下したスケールを受けるた
めのコンベヤを設置し、機外に設けたスケールボ
ツクスに向つて排出可能とした。

このようにスケール除去がスケール受カバー、
樋、コンベヤと自動的に除去されるようにしたの
で、清掃時間が不要となり、プレス稼動率を向上
させることができる。

スケールが自動的に排除されるので、作業環境
がよくなつた。

スケールを樋及コンベヤ式で除去するようにし
たので、離型剤の回収も可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図。第２図は同じく正面
図。第３図は第２図の矢視図。第４図は第３図
の矢視部精細図。 図において；１……プレスアツプライト、２，
２′……スケールコンベヤ、３……ベツドハード
プレート、４……スケール受カバー、５……ダイ
ホルダ、６，６′……樋、７……レール、８，
８′……スケールボツクス、９……スチールベル
ト、１０……スケールガイド、１１……ベルト
受、１２，１３……ケース、１４……駆動モー
タ、１５……下金型。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下金型からのダイホルダ上に下金型が中央部
   を貫通すると共に、下金型側面からプレス前面
   と後面及び両側面に向つて屋根状に傾斜したス
   ケール受カバーをとりつけ、該スケール受カバ
   ーの前後にスケールを受ける樋を設け、又樋の
   両端にはベツドハードプレートとプレスアツプ
   ライト間に、スケールコンベヤを設置し、該コ
   ンベヤの一端を機外に設けたスケールボツクス
   迄延長したことを特徴とする熱間鍛造プレスに
   おけるスケール処理装置。 (2) スケールコンベヤが水密のケースと該ケース
   内で可動のエンドレスのスチールベルトとで構
   成されることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲１項記載の熱間鍛造プレスにおけるスケー
   ル処理装置。