JPH0319965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、米・麦等の穀粒中に混入する小石を
除去する石抜選別機に関する。

〔従来の技術〕

一般に石抜選別機は、その前工程には精穀機
を、後工程には穀粒中に混入した砕粒を選別除去
するロータリー・シフター等を設け、更に計量・
包装行程へと関連的に連結配置して使用されるの
であるが、前記精穀機の穀粒排出口は比較的低い
位置にあり、石抜選別機の穀粒供給口を低位置に
する必要がある一方、次工程を考慮すると石抜選
別機の穀粒排出口は高位置とする必要がある。そ
こで、別に設けた揚穀機の供給口へ石抜選別機の
穀粒排出口を連絡して使用するため、例えば実公
昭56−21492号公報に示すように（第３図参照）、
穀粒排出口の高さを可及的に低位置とし、もつて
石抜選別機全体の機高を低くするとともに前記排
出口に連絡する横送りのスクリユー・コンベアを
設けていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、この種の石抜選別機は、多孔壁選別
盤に糠やほこりが付着して選別性能を劣化させる
ため、運転時中に該選別盤を点検するとともにた
びたび取り外して除糠する必要がある。例えば実
公昭55−30631号、実公昭55−35093号公報に見ら
れるように（第４図参照）、選別盤の装着除脱を
容易とするために選別盤の選別枠と振動機枠との
接触部に係合用マグネツト片等を対設して着脱容
易とし、選別枠に装脱用把手杆を設け、更に、石
抜選別機の穀粒排出口側の側壁に、選別盤の点検
及び選別枠の装着除脱のための開口と扉とを設け
ているので、穀粒排出口側に揚穀機を設置する場
合、扉側には開閉操作・点検作業等を行うために
空間を確保しなければならず、揚穀機はこの空間
を避けて設ける必要がある。前記の穀粒排出口側
に設けたスクリユー・コンベアも、扉側に障害物
となる揚穀機を設けることのないよう工夫された
ものであつたが、機械の配置に制約を受け、更に
装置全体の設置面積を増大させていた。

本考案はこれらの点にかんがみ、機高を低下す
るとともに、高位置からの穀粒排出を可能として
関連装置との連絡を合理化し、全体的な設置面積
を狭少化し得る石抜選別機を提供することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

前記課題を解決するため本考案の石抜選別機
は、上部に穀粒供給口を設けた選別箱体の内部
に、斜め上下に傾斜して前後に振動する多孔壁選
別盤の選別枠を装架し、該選別枠の下部に前記選
別盤の多孔壁を通して通風する風車箱を装着し、
前記選別盤の前部高位置に土砂粒排出口を、前記
選別盤の後部低位置に穀粒排出口を各々設け、該
穀粒排出口と、前記選別箱体の穀粒排出口側に設
けた点検用開口を開閉する扉に一体的に設けた揚
穀機の供給口と、を連絡した構成を有する。

〔考案の作用〕

穀粒供給口から投入される米粒等は多孔壁選別
盤上に落下して振動と通風作用とにより、比重の
大きい小石が傾斜上方側に揺り寄せられて土砂粒
排出口から排出され、米粒は傾斜下方側に流下し
て穀粒排出口から流出するのであるが、穀粒排出
口は、この穀粒排出口側の選別箱体の側壁に開口
した点検用開口を開閉する扉に一体に設けた揚穀
機の供給口に連絡してあるので、穀粒排出口から
排出される米粒は、直ちに揚穀機によつて揚送さ
れ、高位置から吐出されることになる。また、上
記揚穀機が、選別箱体の点検用開口に設けた扉に
一体に添設してあるので、扉を開けると同時に揚
穀機も扉と一体に取り外されことになる。

〔考案の実施例〕

符号１は石抜選別機の全体を示し、上部に穀粒
供給口２を設けた選別箱体３の内部に、多孔壁選
別盤４を前上がりに傾架して配設し、該多孔壁選
別盤４の前方揺上側に衝立壁５〜７を設けて選別
枠８を形成し、該選別枠８の前記衝立壁５に土砂
粒排出口９を設けるとともに、該枠８の後方に穀
粒排出口１０を設ける。前記多孔壁選別盤４の下
部に設けた風車箱１１内に多孔壁選別盤４の多孔
壁を介して通風する風車１２を配設し、前記選別
枠８を前後斜め上下に振動して大比重の土砂粒を
前方揺上側の土砂粒排出口９から排出し、小比重
の穀粒を穀粒排出口１０に排出するよう形成す
る。

選別箱体３の穀粒排出口１０側の側壁に開閉自
在な扉１４を有した点検用開口１３を設け、該扉
１４には穀粒排出口１０に連絡するホツパー１５
を設け、ホツパー１５下部を、前記扉１４に添設
する揚穀機１６の供給口１７に連絡してある。揚
穀機１６は上部に駆動用電動機１８を設け、複数
のバケツト１９…を配したベルト２０を上下の調
車２１，２２に懸回してある。２３は揚穀機上部
の排出樋、２４は扉１４に設けた透明な点検窓で
ある。

次に、上記実施例の作用について説明する。穀
粒供給口２から多孔壁選別盤４上に小石の混入し
た米粒等を供給すると、いわゆる比重選別作用に
よつて大比重の土砂粒が前方高側に揺上げられて
濃縮され、小石だけが土砂粒排出口９から機外に
排出され後方の低側の穀粒排出口１０から米粒が
排出されて選別が行われる。排出口１０から排出
された米粒はホツパー１５に流下し、供給口１７
から揚穀機１６内に流入するとともに、バケツト
１９ですくい上げられて上方へ移送され、高位置
の排出樋２３から次工程へ送穀される。また、揚
穀機１６は開閉自在な扉に添設されているので、
選別盤４を穀粒排出側から点検・清掃のため除脱
する場合には、扉と一体に移動され、その作業を
容易にすることができる。

なお、揚穀機はバケツトエレベータ以外の手段
（スロワー、スクリユー・コンベアなど）を含む
ものである。

〔考案の効果〕

このように本考案の石抜選別機は、多孔壁選別
盤の穀粒排出口に連絡する揚穀機を選別箱体の前
記穀粒排出側に設けた点検用開口を開閉する扉に
一体的に設けたので、揚穀機によつて高位置から
排出することができるものであり、関連装置との
連絡を合理化できるとともに、多孔壁選別盤を点
検・清掃する際は、扉と共に揚穀機をも一体に移
動させるので点検・清掃が容易に行えるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す石抜機の側断面
図、第２図はその斜視図であり、第３図、第４図
は共に従来例を示す斜視図である。 １……石抜選別機、２……穀粒供給口、３……
選別箱体、４……多孔壁選別盤、５，６，７……
衝立壁、８……選別枠、９……土砂粒排出口、１
０……穀粒排出口、１１……風車箱、１２……風
車、１３……点検用開口、１４……扉、１５……
ホツパー、１６……揚穀機、１７……供給口、１
８……駆動用電動機、１９……バケツト、２０…
…ベルト、２１，２２……調車、２３……排出
樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に穀粒供給口を設けた選別箱体の内部に、
   斜め上下に傾斜して前後に振動する多孔壁選別盤
   の選別枠を装架し、該選別枠の下部に前記選別盤
   の多孔壁を通して通風する風車箱を装着し、前記
   選別盤の前部高位置に土砂粒排出口を、前記選別
   盤の後部低位置に穀粒排出口を各々設け、該穀粒
   排出口と、前記選別箱体の穀粒排出口側に設けた
   点検用開口を開閉する扉に一体的に設けた揚穀機
   の供給口と、を連絡したことを特徴とする石抜選
   別機。