JPH031965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はアコーデオンドアの折りたたみ保持装
置の改良に関する。

［従来の技術］ アコーデオンドアを閉めたとき、端枠は、通
常、建物の柱等にロツクされるが、アコーデオン
ドアを開けるためにそのロツクを外すと自動的に
又は軽い力でアコーデオンドアが開くものが好ま
れる。又、アコーデオンドアを開き切つたとき、
スプリングバツクでアコーデオンドアは戻ろうと
するので、開口を広くするためには、折りたたみ
保持装置が必要である。このロツクを外すとアコ
ーデオンドアが軽く開き、開き切るとアコーデオ
ンドアがそのまま折りたたまれた状態でロツクさ
れる装置として、うず巻きばねと磁石を用いたも
のが公知である。その装置はアコーデオンドアの
一方の端枠に固定端が、他方の端枠に自由端がそ
れぞれ係止めされたうず巻きばねと、同じく一方
の端枠に固定された永久磁石と、他方の端枠に固
定された強磁性体を備え、伸張したアコーデオン
ドアのロツクを外すと、うず巻きばねの弾力で自
動的にアコーデオンドアが開き、折りたたむと、
両端枠の強磁性体と永久磁石が磁力で結合してア
コーデオンドアを折りたたんだ状態に保持する。

［考案が解決しようとする問題点］ しかし、上記装置は、磁石を支持するうず巻き
ばねが屈曲自在で磁石の引かれる方向に伸張する
ため、アコーデオンドアを折りたたんだ状態から
伸ばすときに、たとえ端枠を斜めにして磁石結合
を離そうとしても、常に磁石同志を吸着面に垂直
に引いて引き離すことになるので、折りたたんだ
状態からアコーデオンドアを閉めるときにかなり
の力が必要であるという問題があつた。

本考案は上記問題点を解決しようとするもので
あり、その目的とするところは、アコーデオンド
アのロツクを外すと軽く開き、折りたたむと自動
的にその状態を保持する装置であつて、折りたた
んだ状態からアコーデオンドアを伸ばすときも軽
い力で操作できるものを提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 前記目的を達成するため本考案の特徴とする手
段はアコーデオンドアの両端部をコイルばねで連
結し、そのコイルばねの内側にアコーデオンドア
が折りたたまれたときに、両端枠を一体に磁力で
結合する磁石装置を配置したことにあり、その磁
石装置は両端枠と蝶番骨組に支持されたコイルば
ねの案内部材とその中に挿入された剛体の磁石を
含む連結体からなる。

［作用］ 案内部材のコイルばねは、うず巻きばねと同様
の全長が数倍に伸張しても弾発力がそれ程大きく
ならないように設定することが可能であるから、
アコーデオンドアを弾発力で軽く開くようにして
も、逆に閉めるときにその弾発力が支障になるよ
うなことはない。

アコーデオンドアを折りたたむと、コイルばね
の内部に置かれた磁石装置により、両端枠が磁力
で一体に結合してスプリングバツクを防止するの
で、アコーデオンドアは折りたたまれた状態に保
持される。少し、斜めに端枠を引くと連結体は剛
体のため磁石を引き離す力は回転力となり比較的
弱い力でこの磁石結合を解離することができるか
ら、折りたたまれたアコーデオンドアを伸ばすと
きの操作が重くなることはない。

［考案の効果］ 上記の通り、本考案の装置はアコーデオンドア
のロツクを外すと、コイルばねの弾力で自動的に
又は軽い力でアコーデオンドアが開き、折りたた
まれると、又、アコーデオンドアの両端枠は磁石
装置によつて折りたたまれた状態に保持される。
この折りたたんだ状態から再び伸ばしてアコーデ
オンドアを閉めるとき、端枠を少し斜めに引く
と、磁石を含む連結体は剛体のため、磁石の吸着
面同志が相対的に回転して磁石結合を離脱するか
ら、比較的小さな力でアコーデオンドアを折りた
たんだ状態から伸ばしてアコーデオンドアを閉め
ることができるという従来のものにはない格別の
効果を有する。

［実施例］ 本考案の装置を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第３図に示すように、アコーデオンドアの本体
１０は、柱４０，４０間の鴨居４２等に固定され
たレール１１にランナ１２を介して伸縮自在につ
るされる。本体１０は上中下三組の蝶番骨組１４
と、各蝶番骨組を垂直方向に連結するワイヤ１６
と、両側の端枠１７，１８と、表裏に添着された
幕体１９，２０を備えるが、これらは従来のもの
と同じである。両側枠１７，１８にコイルばね２
２からなる案内部材２１の両端が係止され、その
内部には磁石装置３０が収納される。

第４図に示すように、端枠１８の把手を引いて
アコーデオンドアを閉めると、案内部材２１のコ
イルばね２２は本体１０と共に伸張する。

第１図に示すように、案内部材２１はコイルば
ね２２と、両側の端枠１７，１８に固定されたケ
ース２３，２４と、蝶番骨組１４にピン止めされ
た環状の支持部材２５からなり、磁石装置３０は
ケース２３，２４に収納された永久磁石３１，３
２と、コイルばね２２の内部に挿入された連結体
３４と、その連結体の両端に設けられた強磁性体
３５，３６からなる。コイルばね２２は両端部が
ケース２３，２４に係止され、中間部は支持部材
２５に支持される。アコーデオンドアが折りたた
まれたとき、両端の強磁性体３５，３６と永久磁
石３１，３２が接着し、磁力によつて両端枠１
７，１８と連結体３４は一体に結合固定する。

第２図に示すように、環状の支持部材２５は蝶
番骨組１４の中央上面に軸止めされ、その支持部
材２５の内部をコイルばね２２が貫通し、そのコ
イルばねの内部に連結体３４が挿入される。蝶番
骨組１４はワイヤ１６を介して上下の同じ蝶番骨
組に連結される。蝶番骨組の外側に表裏の幕体１
９，２０が設けられ、その幕体はアコーデオン状
に曲折する。

第４図に示すように、本体１０を伸張させてア
コーデオンドアを閉めたとき、コイルばね２２の
中の連結体３４と両端枠１７，１８は相互に分離
することができるが、第３図に示すように、アコ
ーデオンドアを開けて本体１０を折りたたむと、
第１図に示すように、両側の永久磁石３１，３２
と強磁性体３５，３６が接着して磁力で結合する
から、両端枠１７，１８と連結体３４は一体に結
合し、本体１０を折りたたんだ状態に保持する。
したがつて、スプリングバツクで本体１０が戻
り、アコーデオンドアの開口が挟くなることはな
い。

図示していないが、アコーデオンドアを閉めた
とき、通常、移動側の端枠は柱にロツクされる。
そのロツクを外すと、アコーデオンドアはコイル
ばね２２の弾発力で自動的に又は極く軽い力で開
く。この弾発力はコイルばねの巻数やワイヤ径を
適当に設定してその長さが数倍伸びてもアコーデ
オンドアを閉じるときの妨げにならない程度にす
る。

アコーデオンドアの開閉操作によつては幕体１
９，２０が曲折動揺してコイルばね２２に接触す
ることもあるが、コイルばね２２の外周は滑らか
であり、幕体の内面に接触しても幕体を損傷する
ことはない。又、幕体が動揺しても連結体に直接
当たることはないから、連結体によつて幕体が突
き破られるおそれは全くない。

折りたたまれたアコーデオンドアを再び伸ばし
て間仕切りを閉めるとき、端枠１８を少し傾ける
と磁石３２と強磁性体３６の吸着面同志は相対的
に回転して磁石結合を離脱する。この回転モーメ
ントによる磁石結合の離脱は吸着面同志を平行に
離脱する場合よりも小さな力でよいから、折りた
たまれた状態からアコーデオンドアを伸ばすため
に必要な力は小さくてもよい。したがつて、アコ
ーデオンドアは閉めるときも軽快である。

実施例は連結体に強磁性体を端枠に永久磁石を
設けたが、連結体に永久磁石を端枠に強磁性体を
設けてもよい。又、連結体と両側の端枠を独立に
設ける代りに連結体の一端を一方の端枠に固定
し、連結体の他端とその他端に接する端枠のみに
強磁性体と永久磁石を設けてもよい。

第５図に示すように、蝶番骨組に取付けられる
支持部材２５と案内部材のコイルばね２２の間に
合成樹脂製の吸音効果のあるスリーブ２９を介在
させると、支持部材２５とコイルばね２２の間の
摺動に伴う音の発生を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置を備えたアコーデオンド
アの要部を示す断面図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図及び第４図は第１図のア
コーデオンドアの部分切欠き正面図で、第３図は
折りたたまれた状態を第４図は伸張した状態をそ
れぞれ示す。第５図は他の実施例の支持部材と案
内部材を示す斜視図である。 図において、符号１４は蝶番骨組、１９，２０
は幕体、２１は案内部材、２２はコイルばね、２
５は支持部材、２９は吸音スリーブ、３０は磁石
装置、３１，３２は永久磁石、３４は連結体、３
５，３６は強磁性体をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 蝶番骨組を介して表裏に幕体を伸縮自在に張
   設してなるアコーデオンドアにおいて、前記蝶
   番骨組上に取付けられた単数又は複数個の環状
   の支持部材と、前記支持部材に通されて両側の
   端枠に係止されたコイルばねを含む案内部材
   と、前記案内部材の内部に配設された剛性の連
   結体と、前記連結体の両側又は片側に設けられ
   た磁石装置からなり、前記磁石装置は前記アコ
   ーデオンドアが折りたたまれたときに前記連結
   体とその両側の前記端枠を磁力により一体に結
   合させることを特徴とするアコーデオンドア折
   りたたみ保持装置。 ２ 磁石装置は連結体の両端に設けられた強磁性
   体と、アコーデオンドアが折りたたまれたとき
   に前記強磁性体に接する端枠の部分に設けられ
   た永久磁石からなることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のアコーデオンドア
   折りたたみ保持装置。 ３ 磁石装置は連結体の両端に設けられた永久磁
   石と、アコーデオンドアが折りたたまれたとき
   に前記永久磁石に接する端枠の部分に設けられ
   た強磁性体からなることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のアコーデオンドア
   折りたたみ保持装置。 ４ 磁石装置は両側の端枠の一方に一端が固定さ
   れた連結体の他端に設けられた強磁性体又は永
   久磁石と、前記他端に接する他方の端枠の部分
   に設けられた永久磁石又は強磁性体からなるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載のアコーデオンドア折りたたみ保持装置。 ５ 蝶番骨組に取付けられた支持部材とコイルば
   ねの間に吸音スリーブが介在することを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のアコ
   ーデオンドア折りたたみ保持装置。