JPH0319377Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案の液体ベツトは、人体を液体の浮力で浮
かして使用するストレス解消用のベツトに関する
ものである。

＜従来の技術＞ 従来のストレス解消用のベツトとしては、カプ
セルの中に液体を入れ、そこに人を入れて浮か
べ、あたかも宇宙をさまよつている感じを与える
ものがあつた。

又、類似したものとして袋の中に水を封入し、
ベツトマツトとした水ベツトと呼ばれるものがあ
つた。

前者のカプセルの中に液体を入れたものは、全
く体に当たつているところがないため、体が流れ
ていく感じがして不安感を与えるものであつた。
又、水の中に入つて使用するものであるため、長
時間使用すると体がふやけてしまうという課題が
あつた。

後者の水ベツトは体を浮かして使用するもので
はないため、普通のベツトとそうかわりなくスト
レスの解消にはならないものであつた。

一方、実開昭59−183234号公報に水クツシヨン
部を備えた水槽形寝台が提案されている。

このものは、上方が開放された箱体と、この箱
体の上下略中央部に液密上に取りつけられ箱体底
板との間に空間部を形成する防水シートとを備
え、そして、この空間部に温水を注入することに
よつて防水シート上に人が寝て使用できるように
し、あるいは防水シート上から温水を注入するこ
とによつて防水シートを箱体底板及び側板側に押
圧し、通常の浴槽として使用可能としたものであ
る。

しかしながら、このものにおいては防水シート
上に寝て使用する際、例えば仰向きに寝た場合に
体が防水シートに背中等の下面になる部分にしか
触れることができず、防水シートと接触している
面積が少なくなつてしまう。この結果、上述のカ
プセルの中に液体を入れたものと同様に、返つて
使用する者に不安定感を与えてしまうことになる
という課題を有する。

又、防水シート上から温水を注入して使用する
場合は、通常の浴槽と全く変わりがなく何の特徴
もないものになつてしまい、ストレス解消用とし
ての効果を発揮することができないという課題を
有する。

＜本考案が解決しようとする課題＞ 本考案は以上の実情に鑑み提案されたもので、
その目的とするところは使用者に使用に際して安
心感を与えてストレス解消用に使用できる液体ベ
ツトを提供することにある。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は以下の特徴を有する液体ベツトを提供
することにより上記課題を解決する。

本考案の液体ベツトは、上方が開放された箱体
と、この箱体内に収納される液体と、この液体の
全表面を覆うことのできる防水シートとから構成
される。

箱体は、内部に人が寝て入れる程度の大きさの
ものからなり、壁面に防水シートを係止する係止
部を有する。

液体は、少なくとも水より比重の重いものから
なる。

防水シートは、箱体の係止部に係脱自在に係止
する複数の係止部を備えてなる。

そして、これらの防水シートの係止部全部を箱
体に係止することにより液体の全表面を防水シー
トにて覆い防水シート上に人が寝て使用できるよ
うにする。

また、係止部の一部を箱体から係止解除するこ
とにより液体の一部の表面から防水シートを除去
し、防水シート下方の液体中に人が入ることがで
きるようにしたものである。

＜作用＞ 本考案においては、箱体と防水シートとの係脱
自在に係止するため、防水シートの複数の係止部
全部を箱体に係止することにより液体の全表面を
覆つて防水シート上に人が寝て使用できるように
し、係止部の一部を箱体から係止解除することに
より液体の一部の表面から防水シートを除去し、
防水シート下方の液体中に人が入ることができる
ようにすることができる。

そして、その際、箱体内の液体を、少なくとも
水より比重の重いものを使用して水より大きな浮
力を与えるものとするため、防水シート上に寝て
使用する場合は、体の重さによつて液体中に侵漬
した防水シートを液体の浮力によつて上方に押し
上げることができる。これにより、体の周囲の防
水シートを上方に押し上げ、体を布団のように包
むことができる。

一方、液体中に入つて使用する場合は、液体の
浮力によつて体を十分浮かせることができるとと
もに、液体表面を覆つている防水シートで浮いた
体を上方から覆つて当接状態にすることができ
る。これにより、体が前後左右に移動するのを防
止することができる。

又、液体中に入つて使用する場合にも液体表面
の大部分を防水シートで上方から覆うことがで
き、液体の温度が下がるのを防止することができ
る。

＜実施例＞ 第１図は本考案の一実施例である液体ベツトの
使用状態を示す斜視図であり、第２図は第１図の
液体ベツトの別の使用状態を示す斜視図である。

以下に図面を参照して、この考案の好適な実施
例を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施
例に記載されている構成部品の寸法、形状、材
質、その相対配置などは、特に特定的な記載がな
いかぎりは、この考案の範囲をそれらのみに限定
する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎな
い。

本考案の液体ベツトは、箱体である本体１０
と、液体２０と、防水シート３０よりなつてい
る。

本体１０は人が寝て入れるだけの大きさの箱体
であり、上方が開放されており、液体２０を貯蔵
する役目をしている。

そして、本体１０の四側面には防水シート３０
を係脱自在に係止する係止具１１……１１を備
え、底部の頭と対応する位置には浅底部１２を設
けている。

液体２０は、水よりも比重の重いものからな
る。この実施例では食塩を10％前後入れた温水を
使用しているが、この濃度のものに限らず、ある
いは食塩とともに薬剤を混入させたものでも良
い。

防水シート３０は、本体１０の中に入れた液体
２０の表面を密着して覆つており、防水シート３
０の四辺は伸縮性を有する部材（例えばゴム・ス
プリング）を介して係止具３１……３１とつなが
れてる。

その係止具３１と本体１０とは係脱可能に係止
されている。

防水シート３０の材質は、体に密着するように
軟質の伸縮性を有する極薄手ものが最適である
が、防水性を有するものであれば、それに限るも
のではない。

尚、係止具１１，３１は市場に有るものより適
宜選択すれば良い。

次に使用方法について説明する。

第１図は着衣のまま防水シート３０上に寝て使
用している例を示しており、防水シート３０は本
体１０の四側面に係止されている。

そうすると、人体は防水シート３０に包まれた
状態で液体２０中に浮くので水に濡れることなし
に使用することが出来る。

そして、防水シート３０にて布団のように体が
包まれると共に、本体１０の浅底部１２が体に触
れているため、体が流されてしまうという不安感
を与える事なしに使用することができる。

第２図は、頭の部分の防水シート３０の係止具
３１を本体１０の係止具１１より外し、液体２０
中に入つて使用した例を示している。

液体２０中に入つて体が浮いていても、頭以外
の部分を防水シート３０が掛け布団のように覆
い、頭は本体１０の浅底部１２に触れ枕のように
なつているので安心感を与える事ができる。

以上が使用方法及び構造であるが、上記構造に
加え、液体２０を循環する循環装置を設けても良
いし、液体２０を温めてヒーターを設けても良
い。

本実施例では、本体１０の一部に浅底部１２を
設けた例を示したが、同一深さとしても良いし、
体に相当する部分のみを深くしたものとしても良
い。又、本体１０を組み立て式とし、持ち運びに
便利なようにしてもよい。

防水シート３０の四辺の伸縮性を有する部材の
代わりに、重りを使用して伸縮性をもたせるよう
にしてもよい。

又、第３図に示すように防水シート３０の端部
周囲をＣ型パツキン３１′で本体１０に挟持させ
るようにしてもよいし、防水シート３０と液体２
０の表面との密着を良くするために、本体１０の
側面と防水シート３０の任意の一端をゴム等の伸
縮性部材３２で結んでも良い。

同じく第３図に示すように、防水シート３０に
ビニールフアスナー３３をＵ字型に設け、そこを
開けて液体２０中に入れるようにしても良い。

＜考案の効果＞ 本考案の液体ベツトは、常に体が液体ベツトの
一部に触れているので、不安感を与えることなし
に使用することが出来るだけでなく、着衣のまま
でも使用することの出来る液体ベツトを提供する
ものであり、ストレス解消に使用するだけでなく
病人の床ずれ防止、リユウマチ・関節炎のシツプ
等の医療用にも使用できるものである。

又、液体中に薬剤を入れ、その中に浸かれば皮
膚病等の治療にも使用することができる。

更なる効果としては、液体の表面を防水シート
で覆つているため、液体の温度が下がりにくいと
いう効果も合わせ有している。

以上、実施例で述べたように本考案は、防水シ
ート上に寝て使用可能とするとともに、液体中に
入つて使用することができる。

そして、その際、防水シート上に寝て使用する
場合は、液体中に侵漬した防水シートを液体の浮
力によつて上方に押し上げることができ、体の周
囲の防水シートを上方に押し上げ、体を布団のよ
うに包むことができる。

これにより、使用する者に安心感を与えること
ができ、ストレス解消用に適したものにすること
ができる。

一方、液体中に入つて使用する場合は、液体の
浮力によつて体を十分浮かせることができととも
に、浮いた体を防水シートで上方から覆つて当接
状態にすることができ、体が前後左右に移動する
のを防止することができる。

従つて、この場合にも使用する者に流されるよ
うな不安感を与えることなく安心感を与えつつ使
用することができ、ストレス解消用に適したもの
にすることができる。

又、液体中に入つて使用する場合にも液体表面
の大部分を防水シートで上方から覆うことがで
き、液体に温度が下がるのを防止することができ
る。

以上、本考案はストレス解消用として有用且つ
実用的な液体ベツトを提供しえたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例である液体ベツトの
使用状態を示す斜視図であり、第２図は第１図の
液体ベツトの別の使用状態を示す斜視図である。
第３図は別の実施例を示す横断面斜視図である。 １０……本体、１２……浅底部、２０……液
体、３０……防水シート。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 上方が開放された箱体１０と、この箱体１０
   内に収納される液体２０と、この液体２０の全
   表面を覆うことのできる防水シート３０とから
   構成され、 箱体１０が、内部に人が寝て入れる程度の大
   きさのものからなり、壁面に防水シート３０を
   係止する係止部１１……１１を有し、 液体２０が、少なくとも水より比重の重いも
   のからなり、 防水シート３０が、箱体１０の係止部１１…
   …１１に係脱自在に係止する複数の係止部３１
   ……３１を備えてなり、 これらの防水シート３０の係止部３１……３
   １全部を箱体１０に係止することにより液体２
   ０の全表面を防水シート３０にて覆い防水シー
   ト３０上に人が寝て使用できるようにし、 係止部３１……３１の一部を箱体１０から係
   止解除することにより液体２０の一部の表面か
   ら防水シート３０を除去し、防水シート３０下
   方の液体２０中に人が入ることができるように
   したものであることを特徴とする液体ベツト。 ２ 箱体１０が、底の浅い部分１２を有してな
   り、この底の浅い部分１２によつて使用時に枕
   の役目を果たすようにしたものであることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   液体ベツト。