JPH0318892B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 (1) 産業上の利用分野 この発明は手術時に患者に装着する覆布に関す
るものである。

(2) 従来の技術 従来、病院において手術時に患者に装着する覆
布においては、ナイロン、レイヨンの様な化学繊
維と綿繊維とをあや織りして防水、静電防止処理
を施した１枚の布に円孔や長孔を開孔したり、あ
るいは下方より中央位置まで切開部を設けた覆布
が用いられている。

(3) 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記手術用覆布においては、円
孔の径は50mm、100mm程度の固定した特定の大き
さであるため、手術部位に適応した覆布の孔の調
整を成し得ず、また、長孔においても、長孔を開
いてピンで止めたりしなければならず、この調整
に手間を要するとともに円孔や長孔、切開部を設
けた７乃至８組の覆布を用意しなければならなか
つた。

本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は綿繊維100％で防水加工
した上部布、下部布、左右布の４組を組み合わせ
て中央部の手術用孔の形状を手術部位に合わせて
自由に調整し得る手術用覆布を提供することにあ
る。

発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は綿繊維で
平織りすると共に防水、静電防止処理を施した方
形状の上部布１、下部布２、左布３ａ、右布３ｂ
を形成し、これら上下左右布には着脱係止具４
ａ，４ｂをそれぞれ付設し、これらの着脱係止具
により前記上下布及び左右布をそれぞれ対向する
ように対置させて相互に着脱自在に係止させつつ
中央部に手術用孔６を開孔させて成る手術用覆布
７から構成される。

(2) 作 用 本発明に係る手術用覆布によれば、着脱係止具
を付設した４組の上下左右布を形成し、この着脱
係止具により前記上下布及び左右布をそれぞれ対
向するように対置させて相互に着脱自在に係止さ
せながら、略中央部に手術用孔を開孔させもので
ある。

したがつて、上下左右布をそれぞれ上下左右そ
の他任意方向にスライドさせつつ手術用孔の開孔
幅の調整を自由に行なえる。

(3) 実施例 以下、添付図面に基づき、本発明の好適な実施
例について説明する。

図は本発明の実施例を示しており、第１図乃至
第８図において、手術用覆布７は、上下部布１，
２、及び左右布３ａ，３ｂを含む。図において、
綿繊維で平織りすると共に、防水、静電防止処理
を施した方形状の上部布１、下部布２、左布、３
ａ、右布３ｂが形成されている。

上部布１の下端縁の上面並びに下部布２の上端
縁の上面には着脱係止具としての第１ベルベツト
フアスナー４ａが１条又は２条付設され、また、
左布３ａの右側縁の下面と右布３ｂの左側縁の下
面とに上下部布１，２の第１ベルベツトフアスナ
ー４ａに係着する同第２ベルベツトフアスナー４
ｂが付設されている。

前記左布３ａと右布３ｂとの上面にポケツト５
が設けられている。

そして、第１及び第２ベルベツトフアスナー４
ａ，４ｂにより前記上下布１，２及び左右布３
ａ，３ｂをそれぞれ対向するように対置させて相
互に着脱自在に係止させつつ中央部に手術用孔６
を開孔させるものである。

本実施例においては、上部布１と下部布２とを
上下対向に配置し、それらの上面側に左右布３
ａ，３ｂを一部重ねる様に載着して着脱係止具で
係止する。これによつて、手術部位の位置や患部
の大きさに応じて簡単、迅速かつ任意に手術用孔
６を開孔設定出来る。

なお、図中８は手術台、９は患者を示す。

第９図におけるこの手術用覆布７の使用状態の
説明図において、手術台８に寝かせた患者９の手
術部位を中心として上方に上部布１を、下方に下
部布２を載せ、該上部布１と下部布２とにおいて
手術部位の左側に左布３ａを、手術部位の右側に
右布３ｂを載着し、上下部布１，２と左右布３
ａ，３ｂとを相互に付設した第１ベルベツトフア
スナー４ａと第２ベルベツトフアスナー４ｂとで
係止して患者９の手術部位に手術用孔６を設ける
こととなる。

本発明においては、着脱係止具を付設した４組
の上下左右布１，２，３ａ，３ｂを略中央位置等
に手術用孔６が開孔できれば良く、ベルベツトフ
アスナー４ａ，４ｂは各布の縁部に限らず他の任
意位置に取り付けても良く、また、所望の複数条
形成しても良い。また、実施例とは逆に左右布の
上面側に上下布を載着形成する事としても良い。

発明の効果 以上説明したように、本発明に係る手術用覆布
によれば、着脱係止具を付設した４組の上下左右
布を形成し、この着脱係止具により前記上下布及
び左右布をそれぞれ対向するように対置させて相
互に着脱自在に係止させつつ中央部に手術用孔を
開孔させて成ることとしたので、上下左右布をそ
れぞれ上下左右等にスライドさせつつ手術用孔の
開孔幅の調整を自由に行なえる。

特に、手術中に取り出した汚物や流動物は左右
布のポケツトに収容出来、また、布は綿繊維100
％を平織した布地であるため、使用中に微毛の毛
羽立ちもなく、手術部位の無菌性をも保持し得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る手術用覆布の実施例平面
図、第２図は、同実施例に係る上部布の平面図、
第３図は、同下部布の平面図、第４図は、同左布
の平面図、第５図は、同右布の平面図、第６図
は、同右布の平面図、第７図は、その底面図、第
８図は、第４図Ａ−Ａ線一部拡大断面図、第９図
は、使用状態の平面図、である。 １……上部布、２……下部布、３ａ……左布、
３ｂ……右布、４ａ，４ｂ……ベルベツトフアス
ナー、５……ポケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 綿繊維で平織りすると共に防水、静電防止処
   理を施した方形状の上部布、下部布、左布、右布
   を形成し、 これら上下左右布にはそれぞれ着脱係止具を付
   設し、 これらの着脱係止具により前記上下布及び左右
   布をそれぞれ対向するように対置させて相互に着
   脱自在に係止させつつ中央部に手術用孔を開孔さ
   せて成る手術用覆布。