JPH03188367A - 炭素微小電極及びその製造方法 - Google Patents

炭素微小電極及びその製造方法

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JPH03188367A
JPH03188367A JP2001051A JP105190A JPH03188367A JP H03188367 A JPH03188367 A JP H03188367A JP 2001051 A JP2001051 A JP 2001051A JP 105190 A JP105190 A JP 105190A JP H03188367 A JPH03188367 A JP H03188367A
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wire
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金子 浩子
Masahiro Yamada
雅弘 山田
Seiji Shigematsu
重松 征史
Akira Negishi
明 根岸
Takamasa Kawakubo
川窪 隆昌
Yoshihisa Suda
吉久 須田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電気化学的検出器、環境分析用センサー、
および生体系や食品系等の無害、無毒性が厳しく要求さ
れる検出系のプローブ電極等に用いられるポルタンメト
リー用炭素微小電極及びその製造方法に関する。
詳しくは、電極材料として結晶性炭素微粉末と有機物粘
結材とを高度に分散複合させた組成物を、所望する細線
状に押出成形した後、不活性雰囲気中で高温度まで焼成
することにより、含まれる有機物粘結材を炭素化して得
られる純粋な複合炭素細線をそのまま、もしくはこれに
油を含浸させたものを作用電極として用い、その一端を
リード線に導通をとった後、他の一端の先端部を必要量
露出させる外は、炭素細線の全表面を絶縁物で被覆する
ことを特徴とする炭素微小電極、およびその製造方法に
関する。
〔従来の技術〕
分析化学に於て利用されている電気化学的手法にポルタ
ンメトリー(電圧電流法)がある。この電気化学的検出
器を用いた高速液体クロマトグラフィー等は、選択性が
非常に高く、高感度な測定が可能であるため、定量目的
成分が極微量でかつ多数の混合物を含む臨床生体試料や
、環境試料、などの分析に盛んに使われている。ところ
で、電気化学的検出器の作用電極として、どの様な電極
材料を選択するかは、測定物質の種類や定量の可否に大
きく影響する。従来、こうしたポルタンメトリー用作用
電極としては、水銀滴下電極、静止水銀電極、白金、金
、金アマルガム、銅、炭素(グラスライクカーボン、カ
ーボンファイバーカーボンペースト、パイログラファイ
ト、)等が検討されてきたが、これらの中で水銀電極が
ポーラログラフ用電極として、またグラスライクカーボ
ンが電気化学的検出器用電極の主流になってきた。しか
しながら、ポーラログラフ法では、水銀の毒性が安全性
の点で問題化し始めており、水銀に替わる毒性の無い電
位窓の広い良好な電極が求められている。またグラスラ
イクカーボンでも改良されるべき点が多い、すなわち電
流感度が低く、高い正電位で電解質を、介して電位がか
かると、電極表面の再現性が悪くなる。そのために適用
できる電位範囲は、+1.OV付近迄であった。また酸
化処理などの前処理の影響が大きく、測定の再現性に問
題があった。
こうした電気化学的検出器を用いて、生体系で特に細胞
レベルの生理学的情報をその場使用(Insitu )
で得ることが近年極めて重要になってきた。この為には
、電極を生体の目的細胞の近゛傍に配置するか、刺入し
て、その場で物理的、化学的、電気的、に刺激を与えて
神経細胞の応答や化学変化の経緯を測定できることが要
求され、細胞に対する毒性がなく、極めて細い(μm程
度)電極が必要とされている。従来、この種の電極とし
ては、細く引き延ばしたガラス毛細管内に塩化カリウム
水溶液のような導電性水溶液を満たした電極が、生理学
者達の間で多く使用されてきた。それを作成するための
装置(ガラス電極作成装置・プーラ−)も市販されてい
る。
しかし、この電極では、電気パルスによる刺激は伝えら
れても、電気化学的な情報が得られない。
その他にも生体系に電気を導通する目的には、強度的に
弱い金や白金を合金化して強化したものや、タングステ
ン等を細くした金属細線電極が使用されてきた。(特許
公報昭55−30381)白金電極では、水素発生電位
より負側で使用できない上に前処理も難しい。金電極は
、ハロゲン化イオンに対して弱い。
また、これらの電極は、金属を素材とするためイオンが
溶出し毒性があり生体系を害するが、これに替わる良好
な電極が無いため現在もその使用を余儀なくされている
更に、最近、炭素微小電極として炭素繊維の1本(直径
数μm程度)を用いたものが市販され始めたが、これは
発明者らの研究によると電気化学的特性のバラツキが多
く、データの再現性が得られず信頼性に欠ける。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、発明者らは、前記した電極材料の欠点を解決す
べく、即ち、 ■ 生体系に対して、電流、電圧の何れをも加えること
が出来る細胞規模の微小電極を作成すること。
■ 生体系に対して、毒性を持たないこと。
(もし、生体内に残存しても安全であること)また、食
品検査にも使用できること。
■ 生体及び食品などに刺して、極く微小(微量)部分
の電気化学的検出を可能とする機械的強度を具備するこ
と。
■ 電極特性のバラツキが少なく、データの再現性があ
り、信頼性のある計測を可能とすること。
■ 特殊な前処理を必要とせず、安定に電極反応を測定
できること。
■ 安価で、使い捨てが出来ること。
を目標として、炭素材料が電位窓が大きく、前処理も容
易であり、溶出せず毒性がない、等地の材料に無い極め
て優れた性質をもつことに着目して鋭意研究を重ね、前
記した電極等の問題点を改善した新複合炭素材料を用い
た微小電極の開発に成功した。
〔課題を解決するための手段〕
ポルタンメトリー用電極としての必要条件は、■ 電位
窓が大きく、ブランク電流が小さいこと。
■ 再現性が良く繰り返し使用が可能であること。
■ 電極反応活性があること。
■ 電極特性に固体差がないこと。
■ 不純物の含有が少ないこと。
■ 理論的解釈が可能であること。
■ 取扱いや前処理が容易であること。
等が挙げられるが、発明者らは、炭素の細棒がこれらの
条件を満たすか否かを確かめるために、厳格な品質管理
が成され、機械強度が高い複合炭素材料で作られるシャ
ープペンシルの芯(GRC;Graphite Ra1
nforcea+ent Carbon )を電極とし
て用いて試験を行った結果、従来の炭素材料と比べて同
等以上の特性を持つものであるとの知見が得られた。そ
こで、以前にシャープペンシルの芯をプローブ電極とし
て用いることを提案した。(特願昭63−078698
) この芯素材は、電極として良好な挙動を示す上、機械的
強度が大きいので電気化学的検出系、環境分析用センサ
ー、および無毒性を利用して食品検査や医療用検出系に
有効に使用しうろことを示した。しかし、シャープペン
シルの芯は、市販品(JIS指定)として直径0.2〜
1.01■の物が有るのみで、細胞レベルの検出系に適
応できる程に(100μm以下から数μm程度まで)細
いものは無い。
また、シャープペンシルの芯素材では、ここまで細くし
た場合に耐えられる程の機械的強度に乏しい。そこで、
筆記具としてでは無く微小電極としての特性を高めるべ
く素材調整を行い、電極の先端直径が100μm以下か
ら数μm迄の極細炭素線に成形加工する方法を見出した
また、この極細炭素線の一端をリード線に導通をとった
後、炭素細線の他端先端部を残して、その地金表面を絶
縁物で被覆して、炭素微小円盤電極及び炭素微小円柱電
極を作成し、本願微小電極の発明を完成させたものであ
る。
では、次に本願発明の中心となる極細炭素線の製造方法
について説明する。
即ち、基本的には結晶性炭素微粉末と有機物粘結材とを
高度に分散複合させた組成物を、所望する細線状に押出
成形した後、不活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で
高温度まで焼成することにより、含まれる有機物粘結材
を炭素化して得られる純粋な複合炭素細線を製造し、こ
れをそのまま用いるかもしくは、これに油を含浸させた
ものを作用電極として用いることである。
本願に言う、有機物粘結材は、不活性雰囲気中または非
酸化性雰囲気中で焼成すると有効に炭素化物を残す有機
物であって、具体的には、有機高分子物質及び、そのモ
ノマー・オリゴマー類、タール・ピッチ類、乾留ピッチ
類、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の初期重合体類、等の
内の一種または、二種以上の混合物である。
以下具体的に一例を挙げる。即ち、有機高分子物質の内
、天然高分子物質類としては、リグニン、セルロース、
トラガントガム、アラビアガム、天然ガム及びその誘導
体、糖類、キチン、キトサン等のごとき縮合多環芳香族
を分子の基本構造内に持つ化合物である。また、合成高
分子物質類としては、後述する熱可塑性樹脂および熱硬
化性樹脂以外の物質で、例えば、ナフタレンスルフォン
酸のホルマリン縮合物、ジニトロナフタレン、ピレン、
ピラントロン、ビオラントロン、ベンゾアントロン等か
ら誘導されるインダンスレン系建染染料及びその中間体
である。
熱可塑性樹脂類としては、ポリ塩化ビニル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、後塩素化ポリ塩化ビ
ニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、エチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、等
の通常の熱可塑性樹脂及びポリフェニレンオキサイド、
ポリパラキシレン、ポリスルフォン、ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリベンツイミダゾール、ポリオキサジ
アゾール、等の耐熱性熱可塑性樹脂がある。
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、
エポキシ樹脂、キシレン樹脂、コブナ樹脂、等が用いら
れ加熱により、流動すると共に、分子間架橋を生じ三次
元化して硬化し特別の炭素前駆体化処理を行うことなく
高い炭素残査収率を示すものが用いられる。
ピッチ類としては、石油ピッチ、コールタールピッチ、
アスファルト、及び、これらのピッチ類や合成樹脂など
の炭化水素化合物の乾留物(400℃以下の処理物)が
用いられる。
次に、本発明において有機物粘結材に複合して用いられ
る結晶性炭素微粉末について説明を加える。
発明者らの研究における知見によれば、電極反応を良好
に行わせるには、高度に発達した黒鉛の結晶端面が電極
面に垂直に整列するように組織配向した複合炭素材料を
作成することである。それ故、結晶性炭素微粉末として
は、黒鉛ウィスカ、高配向性気相分解黒鉛(HOP G
 :fllghly−0rfented Pyroly
tlc−Graphite ) 、キッシュ黒鉛、結晶
質天然黒鉛が好ましく用いられる。結晶質炭素微粉末の
粒度は、目的とする電極の直径に依っても異なるが、最
大径が数μm以下であることが好ましい。 また、結晶
性炭素微粉末の配合量も使用する有機物粘結材の種類及
び、目的とする電極の直径に依って異なるが、炭素化す
る前の有機物線状組成物(グリーン組成物)中20〜8
0重量%、好ましくは40〜60重量%であること。
さて、焼成前の結晶性炭素複合有機質細線(グリーン細
線)は、上記の天然高分子物質、合成高分子物質、熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂、ピッチ類等の内一種または、
二種以上を有機物粘結材としてこれに前記結晶性炭素微
粉末を目的に応じ適宜選択して配合し、ヘンシェルミキ
サー等で粉体分散を十分に行った後、必要に応じては可
塑剤、溶剤等を添加し、加圧ニーダ−または二本ロール
等の高度に剪断力が掛けられる混練機を用いて、十分に
混合分散を施す。然る後、ペレタイザーにより顆粒化し
、スクリュー式押出機により所望の直径に押出成形して
製造される。この際に特性改善の目的で、細線に延伸操
作が施されることが望ましい。
次に、この細線を真直性を維持させるために支持枠に固
定して、180℃に加熱されたエアー・オーブン中にて
、10時間処理してプリカーサ(炭素前駆体)線材とす
る。
更に、窒素ガス中で昇温速度を制御しつつ、1.000
℃迄徐々に加熱して炭素化を終了させた後自然放冷して
焼成を完了させることによって微小電極用炭素細線が得
られる。
目的により、要すれば更に、真空中又は、アルゴン気相
中で2,500℃迄加熱処理を施して全体を黒鉛質にす
ることも行われる。
こうして得られた微小電極用炭素細線は、そのままか或
いは、油含浸処理を施してから作用電極として用いる。
本発明の油含浸処理に用いられる油の種類は、動・植物
油、鉱油、シリコーン油等の油脂類、及びワックス類で
あり、含浸に適するよう室温かもしくは加熱下で低粘性
であるものが好ましい。また、油含浸の方法は、通常の
液体含浸方法が採用され、炭素細線を油中に浸漬し、常
圧下で加熱するか加圧、減圧等を繰り返すことに依って
行なわれる。
次に、前記した炭素細線もしくは油含浸された炭素細線
を用いて微小電極に加工する方法について説明する。
炭素細線の一端を導線に接合して導通を取った後、この
全表面を絶縁体で被覆してから、炭素細線の導線側でな
い他の一端を必要に応じて絶縁皮膜より突出させて外部
に露出させて完成させる。
絶縁に用いられる絶縁性の材料としては、ガラス、およ
びプラスチックス等が用いられるが、電解液中に浸漬し
て使用する場合には、テフロンやシリコン等の耐食性樹
脂材料で構成されることが好ましい。絶縁被覆の方法と
しては、プラスチックの場合には通常の塗工法が適用さ
れる。即ち、スプレー塗装、ディッピング塗装、静電塗
装、等が適している。
次に、ガラスによる被覆方法について説明する。
パイレックスガラス製の毛細管内に両端を銀ペーストに
よって導線に接合した炭素細線を嵌挿して挾持させ、該
パイレックスガラス製の毛細管の両端を、ガラス毛細管
製造用プーラ−の牽引端子に固定して、パイレックスガ
ラス製の毛細管の中央部を均一に加熱して可塑化させる
と同時にプーラ−を牽引することにより炭素細線を挾持
したままガラス皮膜が構築される。これを、中央部で切
断して炭素細線の一端を露出させて電極を完成させる。
〔実施例〕
以下、この発明を実施例をもって具体的に説明する。
(実施例1) 電極用炭素細線の材料として、後塩素化ポリ塩化ビニル
樹脂(日本カーバイト社製 T−742)40重量%、
高結晶性天然黒鉛微粉末(日本黒鉛社製 C35P−B
)60重量%、を加えた配合物100重量%に対して、
可塑剤としてジアリルフタレートモノマー25重量%を
添加してヘンシェルミキサーを用いて分散した後、表面
温度を120℃に保ったミキシング用二本ロールを用い
て十分に混線を繰り返し、黒鉛粒子が一次粒子状態に近
くなるまで続行して、メカノケミカル反応を誘起させた
シート状組成物を、ペレタイザーによってベレット化し
た成形用組成物を得た。このペレットをスクリュー型押
出機で直径80μmのダイを用いて、脱気を行いつつ成
形温度130℃で押し出し、4倍に延伸してこれを枠に
固定して180℃に加温されたエアーオーブン中゛にて
10時間空気酸化させて処理し、プリカーサとした。
次に、これを窒素ガス中で500℃迄を10℃/時、5
00〜1,000℃迄を50℃/時の昇温速度で昇温さ
せ、1,000℃で3時間保持した後自然放冷させて焼
成を完了させ、直径15μmの電極用炭素細線を得た。
次に、この炭素細線を10cmに切断し、この両端に銅
線を銀ペーストで接合した。これを、パイレックスガラ
ス製の毛細管(内径0.5鰭、外径1■m)内に挿入し
てから、このガラス管の両端をプーラ−の牽引端子に固
定する。ガラス管中央部の幅2cI11を加熱してこの
部分を可塑化させ、−気にプーラ−を作動させてガラス
管壁を炭素細線に密着させた。最後に、中央部で切断し
て炭素面を露出させて微小電極を完成した。
神経細胞より分泌される神経伝達物質であるカテコール
アミンの一種であるドーパミンは、大変酸化されやすく
不安定な物質である。この微小電極を用いてリンゲル液
中に溶解したドーパミンのサイクリックボルタンモグラ
ム(C,V曲線)と、その物質の経時変化を測定した例
を第1図A、 Hに示す。
ドーパミン(DA) 第1図Aにおいては、ジハイドロキノンであるドーパミ
ンが(1式)に従って酸化還元する変化に相当する2つ
の波が明瞭に観察された。また、Bでは、C0■曲線の
経時変化が観察され、ピークの高さで示されるドーパミ
ンの量が酸化還元反応を重ねるごとに減少してゆく様子
が明らかに検出された。
(実施例2) 電極用炭素細線の材料として、ポリ塩化ビニル・ポリ酢
酸ビニル共重合樹脂(日本ゼオン社製ML)25重量%
、フラン樹脂初期縮合物(日立化成社製 VF−302
)25重量%、キッシュ黒鉛)(光和精鉱社製 KH)
50重量%を加えた配合物100重量%に対して、可塑
剤としてジブチルフタレート25重量%を添加して実施
例1と同様にヘンシェルミキサーを用いて分散した後、
表面温度を70℃に保ったミキシング用二本ロールを用
いて十分に混練を繰り返し、黒鉛粒子が一次粒子状態に
近くなるまで続行して、メカノケミカル反応を誘起させ
たシート状組成物をペレタイザーによってペレット化し
た成形用組成物を得た。
このペレットを、スクリュー型押出機で直径150μm
のダイを用いて、脱気を行いつつ成形温度100℃で押
し出し、2倍に延伸してこれを枠に固定してから、18
0℃に加温されたエアーオーブン中にて10時間処理し
て完全硬化を行って、プリカーサとした。以降、実施例
1と同様に焼成処理して、直径50μmの電極用炭素細
線を得た。
次に、この炭素細線を長さ3cITlに切断し、その一
端を銀ペーストによって銅線に接合した後、他の端を1
關露出させたほかは総て室温硬化型シリコーン樹脂で被
覆して絶縁を施し、微小電極を完成させた。
この電極を用いて、ビタミンCを10倍量共存させて、
サイクリックボルタンモグラム(C,V曲線)を測定し
た。
即ち、実施例1に示したように、ドーパミンはリンゲル
液中で単独で存在すると、大変不安定であるため、保存
する場合には、当量以上のアスコルビン酸(ビタミンC
)と共存させておく。また、生体内でもビタミンCと共
存状態で存在していると言われている。従って、ドーパ
ミンの検出は、多量のビタミンC共存系で行う必要があ
る。
この結果を、第2図A、Bに示す。
Aは、リンゲル液中でのビタミンCのみのC1■曲線で
あり、Bは、同液中でビタミンCと共存したドーパミン
のC0■曲線である。ビタミンC共存下でも、ドーパミ
ンのジキノン部の酸化還元反応に相当する2つの還元波
と1つの酸化波が見られ、それらのうち、酸化波を利用
してドーパミンの定量が可能になった。
尚、このC6V曲線を利用する分析法の代わりに、更に
高感度分析法である微分パルスポルタンメトリー法でも
本発明による微小電極の使用が可能であった。
(実施例3) 実施例2によって得られた直径50μmの炭素細線を常
圧下140℃に加熱されたシリコーンオイル(KF−9
6信越化学社製)に浸漬し、6時間含浸処理を施した。
得られた油含有炭素細線を用い実施例2と同様に加工し
て微小電極として完成させた。この電極を用いて、1モ
ルKCl中でブランク電流の測定を行ない、更にフェロ
シアンイオンのレドックス反応を1モルKCl−1ミ一 リモルFe(CN)    系で行なった。結果のC−
■曲線を図3に示す。何れの場合でも油処理が施された
ものの方がS/N (シグナル/ノイズ)比が高く良好
な電極反応を示した。
〔発明の効果〕
以上、説明したように本発明に依れば、従来使用できな
かった生体内その湯側用(in 51tu )向けの炭
素微小電極を提供することが可能となった。
更に、油加工を施すことで、ブランク電流を減少させる
ことが出来S/N比の高い良好な電極とすることができ
る。
即ち、本発明による、炭素微小電極は、生理的に毒性が
無い。イオンの溶出が無い。細くても剛性や機械的強度
が高い。データーの再現性が良く、信頼性が高い。品質
管理が十分に行えるので、多量にしかも安価に供給する
ことが可能である。等の極めて優れた性能が発揮できる
ので、円盤状、円柱状、その他機々な計測用電極として
多用途に使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
(第1図A)実施例1において、生理的食塩水を主成分
とするリンゲル液中に10ミリモルのドーパミンを溶解
し、溶液中の酸素を除去(Arガス通気 5分間)後、
ドーパミンのサイクリックボルタンモグラムを500m
V/秒の掃引速度で測定したC1■曲線を示した。 (第1図B)AのC1■曲線測定後5分間“放置後Aと
同一掃引速度で測定したC0■曲線を連続して重ね書き
した結果をBに示す。サイクルを重ねる度に、ピーク電
流は減少し、ドーパミンの分解速度が推定できることを
示した。 (第2図A)実施例2において実施例1と同一のリンゲ
ル液中で測定した、10ミリモルのビタミンCのC,V
曲線である。 (第2図B)曲線(・・・)は、10ミリモルのビタミ
ンCのC1■曲線であり、曲線(−→は、ドーパミンの
量が2.8ミリモル量のものである。 (第3図A)は、1モルKCl中でのブランク電流の測
定を行ったものであり、 (第3図A)は、1モルKCl−1ミリモル− Fe(CN)    系でフェロシアンイオンのしドッ
クス反応を測定したものである。 第1図 リンゲル液中のドーパミン塩酸液 (10ミリモル)のC0■曲線 (A)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、結晶性炭素微粉末と有機物粘結材とを高度に分散複
    合させた組成物を、所望する細線状に押出成形した後、
    不活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で高温度まで焼
    成することにより、含まれる有機物粘結材を炭素化して
    得られる純粋な複合炭素細線をそのまま、もしくはこれ
    に油を含浸させたものを作用電極として用い、その一端
    をリード線に導通をとった後、他の一端の先端部を必要
    量露出させる外は、炭素細線の全表面を絶縁物で被覆す
    ることを特徴とする炭素微小電極。 2、結晶性炭素微粉末と有機物粘結材とを高度に分散複
    合させた組成物を、所望する細線状に押出成形した後、
    不活性雰囲気中または非酸化性雰囲気中で高温度まで焼
    成することにより、含まれる有機物粘結材を炭素化して
    得られる純粋な複合炭素細線そのまま、もしくはこれを
    油中に浸漬し、加熱または加圧、減圧を繰り返すことに
    依って油含浸処理が施されたものを作用電極として用い
    、その一端をリード線に導電性銀ペーストで接着して導
    通をとった後、他の一端の先端部を必要量露出させる外
    は、炭素細線の全表面を絶縁物で被覆することを特徴と
    する炭素微小電極の製造方法 3、前記の含浸に用いられる油は、動・植物油、鉱油、
    シリコーン油等の油脂類、及びワックス類の一種または
    二種以上であることを特徴とする請求項1に記載の炭素
    微小電極。 4、炭素細線の直径は、0.2mm以下1μm以上であ
    る請求項1に記載の炭素微小電極。 5、結晶性炭素微粉末が、黒鉛ウィスカ、HOPG(H
    ighlyOrientedPyrolyticGra
    phite)、キッシュ黒鉛、結晶質天然黒鉛である請
    求項1に記載の炭素微小電極。 6、有機物粘結材は、不活性雰囲気中または非酸化性雰
    囲気中で焼成すると炭素化物を残す有機物であって、具
    体的には、有機高分子物質及び、モノマー・オリゴマー
    類、タール・ピッチ類、乾留ピッチ類、熱可塑性樹脂、
    熱硬化性樹脂の初期重合体類、の一種または、二種以上
    の混合物である請求項1に記載の炭素微小電極。 7、焼成、炭素化は不活性雰囲気中または非酸化性雰囲
    気中で、通常500〜1500℃の温度に加熱処理し、
    要すれば更に不活性雰囲気中2000〜3000℃迄加
    熱を施して黒鉛化処理することからなる請求項2に記載
    の炭素微小電極の製造方法。 8、絶縁用被覆材料は、ガラス、酸化物、合成樹脂等の
    内、電気化学的に反応しないものを用いる請求項1に記
    載の炭素微小電極。
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