JPH0318233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、油絵具を使用して絵を描いている際
に、筆先に残つた絵具を拭き取るためのシートに
関する。

〔従来技術〕

油絵具を使用して絵を描く場合、異なる色をキ
ヤンバスに塗ろうとするとき、絵筆に付着してい
る前の色絵具を完全に取り除く必要がある。

これは、筆先から絵具をきれいに除かないと、
前の色が残つているために、濁つた配色になるか
らである。

また、絵を完成した後で、絵筆を洗つて保管す
るような場合にも、筆に絵具が残つたままにして
おくと筆先が固まり筆自体の傷みが早いので、絵
筆に残つている油絵具を完全に落とす必要があ
る。そして、筆をいつもきれいな状態で保つた
め、数日おきに石鹸水で洗う必要がある。

このため、筆先に残つている油絵具は、解き油
や布等を使用して除去していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、筆先に残つた油絵具を簡単な方
法により取り除くことは、これまで提案されてい
なかつた。たとえば、布を使用してその油絵具を
拭き取る場合、完全に油絵具をぬぐいさることは
難しく、また指先等が汚れがちであつた。また、
解き油を使用して残留した油絵具を取り除く場合
には、別途解ひ油用の器具を用意しなければなら
ず、その取扱いが面倒であつた。さらに、石鹸水
等で筆先を数多く洗うとき、その筆先が傷みがち
であつた。

本考案の油絵具吸取り用シートは、上記の問題
を解消し、油絵具をきれいに拭き取ることができ
るシートを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の油絵具吸取り用シートは、その目的を
達成するために、多数の微細な空間を形成する親
油性の捲縮繊維からなる不織布の裏面に油不透過
性のフイルムを貼り合わせたことを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示した実施例により、本考案の特
徴を説明する。

第１図は本実施例の油絵具吸取り用シートの構
造を示す断面図、第２図はそのシートに使用する
不織布の繊維の形状を示す図である。

第１図に示すごとく、このシート１は長方形の
不織布２の裏面にフイルム３を貼着した構造にな
つている。不織布２としては、油吸着材として通
常使用されているポリスチレン、ポリウレタン、
レーヨン、ナイロン等が使用され、特に親油性が
最も高いポリプロピレン、ポリエチレンが好適な
材料である。また、シート裏面に貼着しているフ
イルム３は、油が浸透しないビニル樹脂繊維等の
材料を用いる。

また、不織布２を構成している繊維は、第２図
に示すように螺旋状をなしている。これは、繊維
間の空隙の小さい整然とした平面的な並び方のも
のより、アトランダムで立体的なものの方が吸着
性が良いためである。

すなわち、本例の油絵具吸取り用シートにあつ
ては、親油性の繊維が捲縮状態で油不透過性のフ
イルムに貼り付けられている。このため、その親
油性の繊維間に無数の空間ができ、この空間が筆
先から拭き取つた油絵具を保持する作用をもつ。

本考案の絵具吸い取り用シートの使用状態を第
３図に示す。

油絵具を使用して、解き油で洗つた後の筆先を
シートに何度かこすりつけることによつて、油絵
具を拭き取る。

本シートは長期間使用可能であるが、絵具や油
を吸着する力が落ちて使用に耐えなくなつたとき
は、焼却して処分する。

〔考案の効果〕

以上に説明したように、本考案の油絵具吸取り
用シートは、絵具、油の吸着力が大きく、筆洗い
の筆先から油を簡単に且つきれいに拭き取ること
ができる。

そして、筆に絵具や油が残らず、筆先が固まら
ないので、筆自体が長持ちする。また、筆先に異
色の絵具が混ざりにくいので、鮮明な色を出すこ
とができる。しかも、不織布の裏にフイルムを貼
つているので、油の浸透により台を汚すことがな
く、長時間使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る絵具吸い取り用シートの
構造を示す断面図、第２図は本考案のシートに使
用する不織布の繊維の形状を示す図、第３図は使
用状態を示す図である。 １：シート、２：不織布、３：フイルム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数の微細な空間を形成する親油性の捲縮繊維
   からなる不織布の裏面に油不透過性のフイルムを
   貼り合わせたことを特徴とする油絵具吸取り用シ
   ート。