JPH0318192Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、互いに対接するサーマルヘツドとプ
ラテンとの間にサーマル転写用インクシートと記
録用紙とを重畳的に挿入し、サーマルヘツドの発
熱パターンに応じた模様でインクシートのインク
を記録用紙に転写記録するサーマル転写記録装置
に関する。

(ロ) 従来の技術 この種の装置では、サーマル転写用インクシー
トはロール状のシート供給源から引出され、サー
マルヘツドとプラテンとの間を送られた後、シー
ト巻取体に巻取られる。従つてシート供給源の残
量がなくなると、インクシート移送系より残つて
いるインクシートを除去し、シート供給源を新た
なものと交換し、かつそれより引き出したインク
シートをインクシート移送系にセツトする必要が
ある。

特開昭59−64369号公報は、斯る点に鑑み、サ
ーマル転写用インクシートの交換を容易ならしめ
んとするもので、基本的にはサーマルヘツドとプ
ラテンとを分離可能となして、分離状態でのサー
マル転写用インクシートの交換を容易になす具体
的構造を提供するものである。

第３図は斯る従来例を示す概略的側面図であ
る。インクシートロール１から繰り出されるイン
クシート２は、ガイドローラ３を経てサーマルヘ
ツド４とプラテン５との対接間を通り、更に給送
ローラ６と圧接ローラ７との対接間を通過した
後、ガイドローラ８を経て巻取ロール９に巻取ら
れる。

記録紙ロール１０から繰り出された記録紙１１
は、ガイドローラ１２を経てサーマルヘツド４と
プラテン５との対接間に案内され、この間をプラ
テン５の回転に伴なつてインクシート２と共に移
動し、排出口１３から排出される。

上記の各部品は、一対の固定側板１４及びこれ
ら固定側板の若干内側にこれらと平行に配された
一対の可動側板１５に取着されている。一対の可
動側板１５は軸１６により回動可能となされてい
る。なお、一対の固定側板１４及び一対の可動側
板１５は、夫々一方のみが図示されている。

一対の固定側板１４に支持されているのは、イ
ンクシートロール１、ガイドローラ３、給送ロー
ラ６、ガイドローラ８及び巻取ロール９のインク
シート移送系、サーマルヘツド４、記録紙ロール
１０、ガイドローラ１２である。

一対の可動側板１５に支持されているのは、プ
ラテン５、圧接ローラ７である。

インクシート２を交換する際は、一対の可動側
板１５を軸１６を支点として開状態（図中に破線
で示す状態）となすことによつて、インクシート
２が露出し、従つて、交換を容易に行なうことが
できる。

インクシートを交換した後は、一対の可動側板
１５を閉状態にもどすことによつて、プラテン５
及び圧接ローラ７が、夫々サーマルヘツド４及び
給送ローラ６と当接することになり、熱転写記録
可能となる。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ところで、インクシートの交換時にインクシー
トにたるみが発生すると、これはインクシートの
しわ発生の要因となる。斯るインクシートのしわ
は、熱転写記録不良を生ぜしめる。

しかし乍ら、上述の如く従来例において、イン
クシートの交換時のインクシートたるみ防止は考
慮されていない。

本考案の目的は、インクシートの交換時のたる
みを防止し、良好な熱転写記録を可能となすこと
にある。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は、固定部、該固定部に設けられたサー
マルヘツド、及び熱転写用インクシート巻き取り
部を含む熱転写用インクシート移送系、上記固定
部に設けられた軸を支点として回動可能な可動
部、該可動部に設けられたプラテンを備え、上記
可動部が定位置にある時上記サーマルヘツドとプ
ラテントが圧接するように構成された熱転写記録
装置であつて、上記可動部を上記サーマルヘツド
とプラテントが離間した位置から上記定位値まで
回動せしめる時、上記軸も連動して回動するよう
にすると共に、上記軸の回動力を上記インクシー
ト巻き取り部に伝達する伝達部を設け、インクシ
ート巻き取り部を回動してインクシートを巻き取
るようにしたことを特徴とする。

(ホ) 作用 本考案によれば、一対の可動側板を開状態とし
てインクシートを交換した後に一対の可動側板を
回動する時インクシート移送系を動作せしめるこ
とによつて、インクシートのたるみを防止する。

(ヘ) 実施例 第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す概
略的側面図及び要部正面断面図である。なお、第
３図と同一部分には同一番号を付して説明を省略
する。

軸１６は一対の可動側板１５の回動と連動し、
一対の固定側板１４に軸支されており、一方の先
端にプーリ１７が固着されている。一端に一方向
クラツチ１８を介してプーリ１９が固着された回
転軸２０は、一方の固定側板１４に回動自在に支
持されている。そして、両プーリ１７，１９間に
ベルト２１が張架されている。なお、一方向クラ
ツチ１８はプーリ１９の反時計方向の回転のみを
回転軸２０に伝達するものである。

第１回転板２２は一方の固定側板１４の内側に
おいて回転軸２０に固着されている。第２回転板
２４はゴム、フエルト等からなる摩擦リング２３
を挟んで回転軸２０に回動自在に支持されてい
る。ホルダー２５は回転軸２０に挿入されると共
に基部２５ａに設けられた長孔２５ｂが第２回転
板２４の基部２４ａに植設されたピン２４ｂに係
合しており、従つて第２回転板２４と連動し、更
に軸２０方向に進退自在とされている。また、第
２回転板２４とホルダー２５との間に配挿された
ばね２６により、第２回転板２４は第１回転板２
２に摩擦リング２３を介して圧接され、ホルダー
２５は右方向へ付勢される。他方の固定側板１４
には、ホルダー２７が回動自在に支持されてお
り、このホルダー２７は図示しない駆動装置によ
り回動せしめられる。

そして、両ホルダー２５，２７間に中空の巻取
ロール９が挟持され、ホルダー２７が回転するこ
とによつて使用済のインクシート２が巻取られ
る。なお、ホルダー２５をばね２６の作用に抗し
て左方向へ後退させることにより巻取ロール９を
簡単に装脱することができる。

斯る構成において、インクシートロール１もし
くは記録紙ロール１０を交換すべく、一対の可動
側板１５を開状態（第３図の破線状態）とする。
この時、軸１６及びプーリ１７は時計方向（第１
図）に回転し、この回転力はベルト２１を介して
プーリ１９に伝達される。しかし乍ら、一方向ク
ラツチ１８の作用により、斯る回転力は回転軸２
０に伝達されない。

そして、この状態において、インクシートロー
ル１もしくは記録紙ロール１０を装着し、夫々繰
り出したインクシート２及び記録紙１１を所定の
移送路に配置する。

斯る配置後、一対の可動側板１５の閉動作を行
なうと、軸１６及びプーリ１７は反時計方向（第
１図）に回転し、この回転力はベルト２１を介し
てプーリ１９に伝達される。更に斯る回転力は回
転軸２０に伝達され、従つて、第１回転板２２が
反時計方向に回転する。この第１回転板２２の回
転力は、摩擦リング２３を介して第２回転板２４
に伝達され、更にホルダー２５に伝達される。従
つて、インクシート２が巻取ロール９に巻取られ
ることになり、インクシート２はインクシートロ
ール１と巻取ロール９の間で緊張状態となり、こ
の状態でプラテン５がサーマルヘツド４に押圧さ
れる。

従つて、インクシート２のたるみがなくなり、
しわの発生が防止される。

ここで、インクシートロール１にバツクテンシ
ヨンを付与し、これよりインクシート２を引き出
すに要する力に比して、摩擦リング２３が有する
第１回転板２２の回転力を第２回転板２４に伝達
する力を小さく設定することによつて、インクシ
ート２が緊張状態となつた後は、摩擦リング２３
がすべりを起こすこととなり、第１回転板２２の
回転力は第２回転板２４に付与されず、従つて必
要以上にインクシート２が巻取ロール９に巻取ら
れることはない。

(ト) 考案の効果 本考案によれば、インクシートロールもしくは
記録紙ロールの装着後等に可動側板を閉状態とす
る際に、インクシートを巻取るので、インクシー
トのたるみを除去することができ、インクシート
のしわ発生を防止し、良好な熱転写記録を行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示す概
略的側面図及び要部正面断面図、第３図は従来例
を示す概略的側面図である。 １……インクシートロール、２……インクシー
ト、９……巻取ロール、１５……可動側板、１６
……軸、２２……第１回転板、２４……第２回転
板、２５……ホルダー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定部、該固定部に設けられたサーマルヘツ
   ド、及び熱転写用インクシート巻き取り部を含む
   熱転写用インクシート移送系、上記固定部に設け
   られた軸を支点として回動可能な可動部、該可動
   部に設けられたプラテンを備え、上記可動部が定
   位値にある時上記サーマルヘツドとプラテントが
   圧接するように構成された熱転写記録装置であつ
   て、上記可動部を上記サーマルヘツドとプラテン
   トが離間した位置から上記定位値まで回動せしめ
   る時、上記軸も連動して回動するようにすると共
   に上記軸の回動力を上記インクシート巻き取り部
   に伝達する伝達部を設け、インクシート巻き取り
   部を回動してインクシートを巻き取ることを特徴
   とする熱転写装置。