JPH0351230B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフアクシミリ装置等の感熱転写形プリ
ンタ装置に係り、特に印字部の構造に関する。

近年、フアクシミリ装置等に於いても印字品質
の向上及び印字の経時変化防止を目的として、発
熱素子を使用し感熱紙に直接印字を行う方法か
ら、感熱転写用フイルムを用い熱溶融性インクを
発熱素子で溶融して印字媒体（以下用紙と称す）
に転写する方法が用いられるようになつて来た。

又、一方シリアルプリンタ装置等に於いても印
字機構の簡略化等の目的から同様に上記感熱転写
方式が採用されるようになつて来た。

感熱転写用フイルムは、従来シリアルプリンタ
等に用いられて来たインクリボンに比して寿命が
短かく、この為交換が容易であることが要望され
ている。

〔従来の技術〕

第３図は本発明が適用される印字部の構成の一
例を示す側断面図である。

第３図に示す如く、印字部は矢印Ａ方向に回転
するプラテン１と、プラテン１にコイルばね２ａ
に依つて矢印Ｂ方向に押圧され、略プラテン１と
同長の発熱素子（以下サーマルヘツドと称す）３
とで構成されている。

プラテン１とサーマルヘツド３とのと当接部３
ａには用紙４と、用紙との略同幅の感熱転写用フ
イルム５が重畳して繰り込まされており、感熱転
写用フイルム５の方がサーマルヘツド３と当接す
るようになつている。

用紙４は図中右方に示すようにロール状に巻回
して収納されており、一方感熱転写用フイルム５
も同様にロール６に巻回して図中サーマルヘツド
３の右方に収納されている。

そして用紙４及び感熱転写用フイルム５は、プ
ラテン１とロール６の軸心及び、用紙４の巻き芯
の平行度ずれに依る送行中のしわの発生を防止す
る為コイルばね２ｂ，２ｃに依つて矢印Ｂ方向に
付勢されたテンシヨンローラ７ａ，７ｂに依つて
図示の如く張架されている。

斯かる状態で印字が行われるが、印字が終了し
てプラテン１とサーマルヘツド３との当接部３ａ
を通過した用紙４と感熱転写用フイルム５は、そ
の直後、相互を分離する為にプラテン１に所定の
間隙を介して設けられた分離ガイド板８に依つて
分離される。

分離された用紙４は分離ガイド板８に依つて所
定方向にガイドされ、カツタ９に依つてカツトさ
れた後外部に排出される。

一方分離された感熱転写用フイルム５は図中左
方に設けられた巻取りロール１０の矢印Ｃ方向の
回転に依つて巻き取られるようになつている。

この際、上記同様プラテン１と巻取りロール１
０の軸心の平行度ずれに依る感熱転写用フイルム
５の送行中のしわの発生を防止する為、コイルば
ね２ｄに依つて矢印Ｂ方向に付勢されたテンシヨ
ンローラ７ｃに依つて図示の如く張架されてい
る。

そして巻取りロール１０に依つて感熱転写用フ
イルム５が巻き取られ２点鎖線で示した如く大径
になつても、一定速度で巻き取られるように巻取
りロール１０には図示省略した滑り機構或いは、
駆動回転数を徐々に減少させる手段を設けて対応
している。

感熱転写用フイルム５を使い切り、新たに感熱
転写用フイルムを装着する場合には、感熱転写用
フイルム５を巻き取つた巻取りロール１０を取り
外し、感熱転写用フイルム５が巻き取られて空に
なつたロール６を新たに巻取りロールとして巻取
りロール１０の位置にセツトする。

然る後、新しい感熱転写用フイルム５を巻回し
たロールを前記ロール６の位置にセツトする。

そして感熱転写用フイルム５の先端部を引出
し、テンシヨンローラ７ｂを介してプラテン１と
サーマルヘツド３との当接部３ａに挿入する。

次にプラテン１を矢印Ａ方向に回転させ乍ら先
端部を分離ガイド板８の左方に引出し、テンシヨ
ンローラ７ｃを経て、上記した如く巻取りロール
となつたロール６に巻付ける。

〔発明が解決しようとする問題点〕

以上説明した如く、従来の感熱転写形プリンタ
装置は、感熱転写用フイルムの交換に熟練と、多
くの工数を要しユーザーに依る交換は困難を極
め、又、構造が複雑でスペースを要し装置の小形
化が難しく、その他装置の組立の際プラテン、サ
ーマルヘツド、分離ガイド板の正確な位置合わせ
の為に多大の工数を必要としてコストアツプの要
因となる等各種の問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点は、ロール状に巻回した感熱転写用
フイルム５を収納した収納部１４ａと、使用後の
感熱転写用フイルム５を巻き取つて収納する巻取
り部１４ｂと、巻取り部１４ｂの導入端部で感熱
転写用フイルム５と印字媒体４とを分離する分離
部１８と、収納部１４ａと巻取り部１４ｂとを連
結するフレーム１４ｃの下部の外方向に開口しプ
ラテン１の回転軸１ａと係合する位置決め用の欠
孔１７とを備えて成り印字媒体４に重ねてプラテ
ン１の法線方向から装着するカートリツジ１４
と、カートリツジ１４を押下して印字媒体に張力
を与えるべく付勢するばね手段２ｅ，２ｆと、カ
ートリツジ１４の収納部１４ａと巻取り部１４ｂ
との間に張架されて露出した感熱転写用フイルム
５を背面から印字媒体４を介してプラテン１に押
圧する発熱素子３とを備えて成る本発明の感熱転
写形プリンタ装置に依つて解決される。

〔作用〕

即ち、カートリツジ方式に依り感熱転写用フイ
ルムをワンタツチで装置に挿抜して交換可能とし
た為、交換が極めて容易になり、更に構造が簡単
になつて組立調整が不要となり、小形化が出来る
ようになる。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例を第１図及び第２図を参
照して説明する。

第１図は本発明に依る感熱転写形プリンタ装置
の印字部の構成の一例を示す側断面図、第２図ａ
はカートリツジの側断面図、同図ｂは同図ａのＤ
矢視図、同図ｃは同図ｂのＥ部拡大図である。

図に於いて、２ｅ，２ｆはコイルばね、１１，
１３は支点、１２は筐体、１２ａは蓋、１２ｂは
本体部、１４はカートリツジ、１４ａは収納部、
１４ｂは巻取り部、１５ａ，１５ｂはロール、１
６は摩擦部、１７は欠孔、１８ａ，１８ｂはギ
ヤ、１９は軸、２０は板ばね、２１は摩擦板、２
２は摩擦部材である。全図を通じて同一部分には
同一符号を付して示した。

第１図に示す如く、本発明に依る感熱転写形プ
リンタ装置の印字部は、筐体１２の本体部１２ｂ
に設けられ図示省略した駆動機構に依つて矢印Ｃ
方向に回転するプラテン１と、プラテン１の長手
方向と略同長で、コイルばね２ａに依つて矢印Ｇ
方向に付勢されてプラテン１に押圧されるサーマ
ルヘツド３とで構成される。

サーマルヘツド３は、本体部１２ｂに支点１１
で矢印Ｈ−Ｉの如く開閉自在に取付けられた蓋１
２ａに、支点１３で矢印Ｊ−Ｋ方向に回動自在に
取付けられている。

斯かる構成の印字部に用紙４と、用紙４と略同
幅の感熱転写用フイルム５を収納したカートリツ
ジ１４を装着して印字を行うが、カートリツジ１
４は第２図ａ〜ｃの如き構造をしている。

即ち、同図ａに示す如く一端に（図に於いては
右端）収納部１４ａを、他端部（図に於いては左
端）に巻取り部１４ｂを備え、同図ｂに示す如く
収納部１４ａと巻取り部１４ｂの両側部はフレー
ム１４ｃに依つて連結されている 収納部１４ａには同図ａに示す如く感熱転写用
フイルム５を巻回したロール１５ａが回転自在に
収納されており、巻取り部１４ｂには同図ｃに示
す如く一端に摩擦部１６を設け、該摩擦部１６に
圧接するギヤ１８ａを備えたロール１５ｂが上記
同様回転自在に取付けられている。

ロール１５ｂには、同図ａに示す如く感熱転写
用フイルム５の先端部が巻付けられており、ロー
ル１５ｂの矢印Ｆ方向の回転に依り感熱転写用フ
イルム５が収納部１４ａから引き出され巻き取ら
れるようになつている。

又、カートリツジ１４には同図ａに示す如く、
フレーム１４ｃの下部に外方に向いた欠孔１７が
設けられていて、第１図に示す如くプラテン１の
上部法線方向から回転軸１ａを係合し、カートリ
ツジ１４のプラテン１に対する用紙送行方向及び
上下方向の位置決めを行つている。

そして又、第２図ａに示す如く巻取り部１４ｂ
の下端部には内部に向かつて突出し、先端がエツ
ジに形成されている分離部１８を備えていて、分
離部１８を第１図に示す如く、印字時にサーマル
ヘツド３に依つて加熱されインクが溶解して転着
し付着状態となつた用紙４と感熱転写用フイルム
５の間に挿入して分離している。

斯かる構成の感熱転写形プリンタ装置を使用す
る場合には、第１図に示す如く先ず蓋１２ａを矢
印Ｈ方向に回動して開き、ロール状に巻回した用
紙４を本体部１２ｂに挿着する。

然る後、用紙４の先端をプラテン１の上部を通
過させ所定位置（例えばカツタ９の位置）迄引出
す。

次にカートリツジ１４は蓋１２ａに巻取り部１
４ｂが図に於いて左方になるように装着する。

カートリツジ１４を装着が済んだら、第１図に
示す如く蓋１２ａを矢印Ｉ方向に回動して閉じ
る。

その際自動的に第２図ｂに示す如くカートリツ
ジ１４に設けたギヤ１８ａは２点鎖線で示したプ
ラテン１のギヤ１８ｂと噛合し、且つカートリツ
ジ１４の欠孔１７がプラテン１の回転軸１ａに係
合する。

蓋１２ａには第１図に示す如く、ばね手段とし
てのコイルばね２ｅ，２ｆが設けられていてカー
トリツジ１４を矢印Ｌ方向に押圧し、その供給部
１４ａの下縁１４a′で用紙４を押圧して張力を付
与し、用紙４の皺や斜行を防止すると共に、不安
定な状態のカートリツジ１４を所定位置に安定さ
せる働きをしている。

斯くて第１図に示す如く、プラテン１が矢印ｃ
方向に回転すると、第２図ｂに示すプラテン１と
同軸のギヤ１８ｂも同方向に回転し、ギヤ１８ｂ
の回転に伴なつて、噛合したカートリツジ１４の
ギヤ１８ａと係合したロール１５ｂが第１図に示
す如く矢印Ｍ方向に回転する。

斯かる動作に依り、用紙４と感熱転写用フイル
ム５はプラテン１とサーマルヘツド３が当接する
部分３ａに重畳されて繰り込まれ、印字後用紙４
はカツター９に送られ、感熱転写用フイルム４は
カートリツジ１４の巻取り部１４ｂに巻取られ
る。

用紙４は所定長送られた後カツター９で切断さ
れて外部に排出される。

上記の際、用紙４と感熱転写用フイルム５は同
速度で送られる必要があり、この為カートリツジ
１４の巻取り部１４ｂには同図ｃに示す如き摩擦
部１６を設け対応している。

即ち、プラテン１とギヤ１８ａ，１８ｂを介し
て直結した構造であると、巻取り部１４ｂに於い
て巻取りが進み巻き径が大きくなるに従つて巻取
り速度が徐々に速くなる。

これを防止する為に、ギヤ１８ａの回転を摩擦
部１６を介して行うようにし、所定速度以上の巻
取りは摩擦部１６でストツプさせるようにしたも
のである。

以下に同図ｃに依つて摩擦部１６の構造を説明
すると、巻取り用のロール１５ｂは軸１９を介し
て回転自在にフレーム１４ｃに取付けられてい
る。

又、軸１９の端部には図示の如くギヤ１８ａが
固定されている。

ロール１５ｂの一端（図の上方）には凹部１５
b′が形成されていて、凹部１５b′には板ばね２０
を介してリング状の摩擦板２１が固定されてい
る。

そしてギヤ１８ａとは、例えばフエルト等で成
形したリング状の摩擦部材２２を介し、摩擦板２
１が板ばね２０で付勢されて圧接するようになつ
ている。

斯くてロール１５ｂの巻取り速度は上記摩擦部
１６でスリツプして自動的に調整され、感熱転写
用フイルム５の巻取りは用紙４の送行速度と同速
度となる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の感熱転写形プリ
ンタ装置を使用する事に依り、感熱転写用フイル
ムの交換がワンタツチで容易に行えるようになつ
て操作性が向上し、カートリツジの位置決めや印
字後の感熱転写用フイルムと印字媒体の分離が確
実に行え、更に印字媒体に対する張力の付与が行
え安定した送行や印字が行える他、構造が簡単に
なつて組立てが容易になり、小形化及び低価格化
が実現出来る等その効果は極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に依る感熱転写形プリンタ装置
の印字部の構成の一例を示す側断面図、第２図ａ
はカートリツジの側断面図、第２図ｂは同図ａの
Ｄ矢視図、第２図ｃは同図ｂのＥ部拡大図、第３
図は本発明が適用される印字部の構成の一例を示
す側断面図である。 図に於いて、１はプラテン、２ａ〜２ｆはコイ
ルばね、３はサーマルヘツド、４は用紙、５は感
熱転写用フイルム、９はカツター、１２は筐体、
１２ａは蓋、１２ｂは本体部、１４はカートリツ
ジ、１４ａは収納部、１４ｂは巻取り部、１５
ａ，１５ｂはロール、１６は摩擦部、１８ａ，１
８ｂはギヤである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 印字媒体４の幅寸法と略同幅の感熱転写用フ
   イルム５を介して前記印字媒体４に対向し、前記
   印字媒体４の送行方向に直交し且つ、前記印字媒
   体４の幅寸法と略同長の発熱素子３を備えて成る
   感熱転写形プリンタ装置であつて、 ロール状に巻回した前記感熱転写用フイルム５
   を収納した収納部１４ａと、使用後の該感熱転写
   用フイルム５を巻き取つて収納する巻取り部１４
   ｂと、該巻取り部１４ｂの導入端部で該感熱転写
   用フイルム５と前記印字媒体４とを分離する分離
   部１８と、前記収納部１４ａと前記巻取り部１４
   ｂとを連結するフレーム１４ｃの下部の外方向に
   開口しプラテン１の回転軸１ａと係合する位置決
   め用の欠孔１７とを備えて成り前記印字媒体４に
   重ねて前記プラテン１の法線方向から装着するカ
   ートリツジ１４と、 前記カートリツジ１４を押下して前記印字媒体
   ４に張力を与えるべく付勢するばね手段２ｅ，２
   ｆと、 前記カートリツジ１４の前記収納部１４ａと前
   記巻取り部１４ｂとの間に張架されて露出した前
   記感熱転写用フイルム５を背面から前記印字媒体
   ４を介して前記プラテン１に押圧する発熱素子３
   とを備えて成ることを特徴とする感熱転写形プリ
   ンタ装置。