JPH0318055B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶融状態の素材をシート状に成形する
際に用い、かつ組立自在としてジヤケツトの清掃
が容易に行えるプレスローラに関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、ゴム・プラスチツクその他の物品で溶融
状態にある素材を一定厚のシート状に整形製造す
る際、その溶融素材の硬化に必要な冷却もしくは
加熱を行いつつ二本のローラ間、あるいは一本の
ローラと他の物体との間にて素材を押し出し、シ
ート状としている。このプレスローラとしては第
５図に示す構造のものが汎用されている。この公
知プレスローラは内筒１と外筒２とを同心的に内
外に嵌合し、かつこの内筒内に軸３を貫通し、こ
の内外筒の両端部に側板４を配設し、この側板４
を内筒１、外筒２の端部内周面と、また軸３の外
周面と溶接している。しかもこの内外筒と軸、及
び側板はそれぞれ異質の材料を用いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

内外筒内のジヤケツトは溶接にて水漏れを防ぐ
ようになしているため、この溶接にて外筒に歪み
が生じ、精度の点に問題がある。またプレスロー
ラの表面硬度を上げるため焼き入れ、クロームメ
ツキ等の処理を行うが、溶接して一体とした後で
あるため製作行程が複雑で、価格も高く納期が長
くなる。さらに使用時ジヤケツト内部等に水垢が
付着したり錆が発生し、堆積して冷却除去する
が、内外筒は側板と一体に溶接されているので、
ジヤケツト内の清掃には困難をきたすものとなつ
ており、また外筒に異物を噛み込ませ傷をつけた
り、へこませた場合、プレスローラは一体となつ
ているため全体を交換する必要がある。完成され
たプレスローラは水圧試験を行うがこの時水漏れ
を発見してもその補修に手数を要するものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕 内筒の外周に所望の空間をおいて外筒を嵌合す
るとともにこの内外筒の両端部に側板を嵌め、こ
の外筒は必要に応じて外表面の硬度を上げるため
焼き入れ、メツキ等の処理が施され、かつ外筒と
側板との間には水漏防止用のパツキンが介在され
るとともに柄板の軸孔内には軸を貫通されるが、
この軸と側板間にも水漏れ防止用のパツキンが介
在され、かつ固定具と側板軸孔間に設けて軸と側
板との固定を固定を行う。これにより溶接をなく
しＯリングと固定具等によりプレスローラを解体
自在に組み立てるようになしているため溶接によ
る熱の歪みがなく精度の歪みがなく精度の高いも
のとなるとともに外筒を組み立て前に表面硬度向
上等の処理が行えるものである。

〔実施例〕

以下本発明を図面に示す実施例にもとづいて説
明する。

図において１は所要の径と長さを有する内筒、
２はこの内筒外にジヤケツト５を形成するように
嵌合したる外筒で、この内外筒１，２の端部に側
板４を嵌合する。この側板４はその外周面を段付
とし、内筒１を嵌合する断面４１と外筒２を嵌合
する断面４２とを形成し、かつこの大径の断面４
２には一本または二本、もしくはそそれ以上の凹
溝４３を形成し、この凹溝４３内にＯリング６を
嵌合せしめる。したがつて内筒１はその端部内面
に側板の断面４１を直接嵌合するが、外筒２はそ
の端部内面を中央部内面径より少し大径となるよ
う研削し、側板嵌合面２１を形成し、この段付の
側板嵌合面２１にて側板４の位置決めを行うとと
もにＯリングを介して断面４２に嵌合されるため
水漏れを防止できる。

なお内筒の外周にはコイルを設けて内外筒間に
形成されるジヤケツトに螺旋状の流路を形成す
る。また側板４の内部には軸３を貫通する軸孔４
４を穿孔するとともにこの軸と側板軸孔と水漏れ
を防止するため軸側にＯリング７を設けるかまた
は軸孔４４の内周面に凹溝を形成してＯリング７
を嵌合支持することもあり、さらにはの側板軸孔
４４と軸３間にはキーＫまたはリング状楔形をし
た締付具８等の固定具を設ける。この締結具８は
例えば株式会社産機製の商品名「クランプエレメ
ント」を設け、軸３と側板４とを固定する。この
締結具８は軸３に挿通するリング状の本体８１と
この本体外周のテーパ面上に嵌合される外リング
８２と本体８１側に設けられ、外リング８２と螺
合されたボルト８３とよりなり、このボルト８３
をゆるめた状態で締結具８を軸と側板軸孔間へ嵌
挿し、軸上所定位置でボルト８３を締結すると外
リング８２は本体のテーパ面上を摺動し、これに
より外リングは外周方向へ、本体は内周方向へそ
れぞれ移動するようになつて軸と軸孔間にあたか
も楔を打つた如くなつて確固に固定されるもので
ある。

上述の如くして軸と側板との固定を行うが、側
板と外筒との固定は第２図に示す如く側板４の外
側面に突片９１を有するストツパー９をボルト１
０にて締結するとともにこの突片９１を外筒端縁
に設けた切欠２２内に係止し、これにより側板に
対し、外筒が妄りに回動しないようになすもの
で、このストツパー９は図示では２箇所とした
が、１箇所あるいは３箇所以上とすることも可能
である。

なお軸３には図示省略したが流体の流入路と排
出路が従来の同じようにして形成され、その供給
口Ｉ、排出口Ｏが内筒内に位置するようにして穿
設される。そして第１図の実施例の如く軸の片端
側より冷却水等の供給排出を行う方式と、軸一端
側より供給し、多端柄へ排出する第４図に示す如
き方式のいずれかを採用する。

第４図に示すものは側板４と軸３をキーＫを用
いて固定する方式を示す異なりたる実施例で、こ
れは軸３にキー溝３２を設け、この軸３と側板４
間にキーＫを嵌合して側板を軸上に嵌合し、かつ
軸外周に、Ｏリング、Ｏリング押え金具１１、ベ
アリングワツシヤ１３を順次はめ、さらに軸外周
に設けたネジにベアリングナツト１２を螺合する
ことによりＯリングを押圧し、側板との水漏れを
防止するとともに側板を軸断面側に押圧して固定
するものである。

〔発明の効果〕

本発明による時は外筒・側板・軸ともに機械加
工のみで溶接をなくしているため溶接による歪み
が生じることがなく外筒の表面硬度を上げる場合
でも焼鈍作業が省略できる。また外筒・側板・軸
間の水漏れ防止はＯリングにて行い、しかも締結
具を用いて組み立てているため、ジヤケツト内等
の錆が発生した場合でも内筒・外筒・側板を解体
できるので分解清掃が簡易で、確実に行えるとと
もに内筒・外筒のメツキ処理も簡単に行える。ま
た外筒に万一傷が生じた時、異物の噛み込み等に
よつてへこみが生じた場合でも外筒のみの交換で
よく、経済的でメンテナンスも簡単である。さら
には各部品を別々に製作し、単に組み立てるのみ
で製品となるため短期間で納入することができ、
かつ製品も安価となる。

以上の如く数々の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明プレスローラの縦断正面図、第
２図はその側面図、第３図は要部の拡大図、第４
図は異なりたる実施例図、第５図は公知例の説明
図である。 １は内筒、２は外筒、２１は側板嵌合面、２２
は切欠、３は軸、４は側板、４１，４２は断面、
４３は凹溝、４４は軸孔、５はジヤケツト、６，
７はＯリング、８は締結具、９はストツパー、Ｋ
はキー、１１はＯリング押え具、１２はベアリン
グナツト、１３はベアリングワツシヤ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ジヤケツトを形成する内外筒を互いに同心的
   に嵌合し、この外筒の両端部内面に水漏防止用の
   Ｏリングを介して側板を嵌合し、この内外筒を貫
   通して側板軸孔に挿通される軸と側板軸孔との間
   にＯリングと固定具とを設け、この固定具にて軸
   に対し、側板を脱着自在に固定するとともに側板
   の外筒面に固定し、外筒の端面を押圧し、抜止め
   となるストツパーを設けた組立自在とするプレス
   ローラ。