JPH0317707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はサポート部を有するシートのパツド材
に関し、更に詳細に説明すると、シートフレーム
に取付けられたパツド材を、該パツド材の裏面側
の一側部に近接して配設したエアサポートマツト
によりシートの外方に膨出させ得るようになされ
たサポート部を有するシートのパツド材に関す
る。

〔従来の技術〕

従来より、シートの側部にサイドサポート部を
設け、シートクツシヨンの前方部分にサイサポー
ト部を設け、更にはシートバツクの腰椎部に対応
する部分にランバーサポート部を設け、これらを
シートの外方に調節自在に膨出させ得るようにし
て着座者の体格や好み等に対処し得るようになさ
れている。そしてこれらのサポート部の膨出手段
としてエアサポートマツトを用いるもの、または
カム機構等を用いて押圧板を前進または後進させ
るものが知られている（実開昭57−186563号）。

また、実開昭60−4263号公報にはエアマツト上
面付近のパツドにコの字状のスリツトを形成し、
エアマツトの膨出に従つてスリツトで分割された
可動部が内側に傾くと共に、この可動部の上面を
側端部が固定されたワツデイングパツドが滑るこ
とによりサポート部の膨出量を増大させるシート
装置の構成が示されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、従来のサポート部、例えば、第４図
に示す如く、シートクツシヨン１のサイサポート
部２においては、シートフレーム３に取付けられ
たシートスプリング４上にサポーター５を介して
パツド材６が載置され、このサポーター５とパツ
ド材６との間にエアサポートマツト７が挿入さ
れ、パツド材６の外周が表皮材８で被覆された構
成となつている。そしてエアサポートマツト７が
図示しない操作機構により膨張し得るようになさ
れている。エアサポートマツト７を反復して膨張
させた場合に、第５図に示す如く、パツド材６が
反復して矢印ａで示す上方向に押圧され、且つパ
ツド材６の前端部が表皮材８で位置規制されてい
るので、パツド材６のエアサポートマツト７の外
周縁の前方部分に対応する部分に亀裂６ａが発生
し、パツド材６が分断される虞れを有していた。

また、実開昭60−4263号公報に示されるシート
装置においては、エアマツトを膨出させた場合、
ワツデイングパツドの中心側端部と可動部との間
に段差が生じ座感が悪化する虞れを有するもので
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上述せる問題点に鑑みてなされたもの
で、その特徴とする所は、パツド材の裏面側に溝
部が形成され、該溝部がパツド材の裏面側の一側
部に沿う溝部と、該溝部の両端部より隣接するパ
ツド材の他側部に沿う方向に夫々延びる溝部とに
より前記パツド材の裏面側の一側部と対向する他
側部側より見て略逆Ｕ字状に形成され、且つ該溝
部が前記エアサポートマツトの押圧面の外周縁と
対向する位置に有底状態で形成されている事を特
徴とする。

〔作用〕

本考案に依れば、溝部がエアサポートマツトの
押圧面の外周縁と対向する位置に非貫通状態で、
即ち有底状態で形成されているので、表皮材に皺
や段差を生じさせる虞れがなく、またサポート部
が膨張してパツド材が押圧された場合にパツド材
が容易に変形し得るので、サポート部を十分に作
用させて膨出させる事が出来、更にサポート部の
パツド材の外周縁に近接する位置に局部的な応力
集中が発生せず、パツド材に亀裂を発生させる事
がないものである。

〔実施例〕

以下本考案に係るサポート部を有するシートの
パツド材の一実施例を図面を参照して詳述する。

第１図乃至第３図には本考案を車両のシートの
シートクツシヨンに適用した場合の一実施例の概
略が夫々示されており、このシートクツシヨン１
１はシートフレーム１３に張設されたＳ字ばね等
からなるシートスプリング１４と、シートスプリ
ング１４の上部に載置されたサポーター１５と、
サポーター１５の上部及びシートフレーム１３の
外側部に取付けられたパツド材１６とを備えると
共に、シートクツシヨン１１の前側部に近接する
位置でサポーター１５とパツト材１６との間に挿
入され、着座者の大腿部の高さを調節するサイサ
ポート部１２としてのエアサポートマツト１７と
を備えている。エアサポートマツト１７には図示
しない操作機構によりエアが注入され、且つ排出
し得るようになされている。尚符号１８は表皮材
である。

第２図に示す如く、パツド材１６の裏面側に溝
部２１が形成され、この溝部２１はパツド材１６
の裏面側の前側部に沿う溝部２１ａと、該溝部２
１ａの両端部より隣接するパツド材１６の両側部
に沿う方向に夫々延びる溝部２１ｂとにより前記
パツド材１６の裏面側の前側部と対向する後方側
より見て略逆Ｕ字状に形成され、且つ該溝部２１
が前記エアサポートマツト１７の押圧面の外周縁
と対向する位置に有底状態で形成されている。
尚、溝部２１ｂはパツド材１６の前側部に向かつ
て徐々に深溝となるように両側部の溝部２１ｂが
傾斜して形成されている。尚更に、溝部２１の形
状は図示のものに限定されるものではなく、例え
ば、シートバツクのランバーサポート部に適用す
る場合に四角形状に溝部２１を形成することも可
能である。

そして前記溝部２１は、第１図及び第３図から
明らかな如く、サイサポート部１２のエアサポー
トマツト１７の押圧面の外周縁の前側及び両側に
近接するパツド材１６の裏面側に有底状態で形成
されているものである。

以上が本考案に係るサポート部を有するシート
のパツド材の一実施例の構成であるが、斯る構成
に依れば、サポート部１２のエアサポートマツト
１７にエアを注入して、第３図に示す如く、シー
トの外方に膨出させた場合に、溝部２１の内側即
ちエアサポートマツト１７の外周縁の前側及び両
側に近接する部分のパツド材１６が容易に変形し
得るので、エアサポートマツト１７の押圧力によ
る局部的な応力集中が避けられ、エアサポートマ
ツト１７を十分に膨出させてサイサポート作用を
向上させる事が出来る。

〔効果〕

本考案に依れば、パツド材に局部的な応力集中
が発生しないのでサポート部の膨出によりパツド
材に亀裂を生じさせたり、表皮材に皺を発生させ
る虞れがなく、パツド材の耐久性が向上し、然も
シート形状がくずれる虞れがなく、然もパツド材
に段差のない状態でサポート部の膨出量を増大さ
せる事が出来、また溝部の形状，深さ等の変化に
より所望とするサポート形状を得る事が出来る等
実用上の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案に係るサポート部を
有するシートのパツド材をシートクツシヨンのサ
イサポート部に適用した場合の一実施例の概略を
夫々示すもので、第１図はシートクツシヨンの側
断面説明図、第２図はパツド材の背面斜視図、第
３図はエアサポートマツトを膨出させた状態のシ
ートクツシヨンの側断面説明図、第４図及び第５
図は従来のシートクツシヨンの側断面説明図であ
る。 図中、１１…シートクツシヨン、１２…サポー
ト部、１３…シートフレーム、１４…シートスプ
リング、１６…パツド材、１７…エアサポートマ
ツト、２１，２１ａ，２１ｂ…溝部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートフレームに取付けられたパツド材を、該
   パツド材の裏面側の一側部に近接して配設したエ
   アサポートマツトによりシートの外方に膨出させ
   得るようになされたサポート部を有するシートの
   パツド材において、前記パツド材の裏面側に溝部
   が形成され、該溝部がパツド材の裏面側の一側部
   に沿う溝部と、該溝部の両端部より隣接するパツ
   ド材の他側部に沿う方向に夫々延びる溝部とによ
   り前記パツド材の裏面側の一側部と対向する他側
   部側より見て略逆Ｕ字状に形成され、且つ該溝部
   が前記エアサポートマツトの押圧面の外周縁と対
   向する位置に有底状態で形成されている事を特徴
   とするサポート部を有するシートのパツド材。