JPH03168355A

JPH03168355A - 燃料噴射ポンプ

Info

Publication number: JPH03168355A
Application number: JP1307617A
Authority: JP
Inventors: Yoshiki Ishimoto; 石本　省寄
Original assignee: Zexel Corp
Current assignee: Bosch Corp
Priority date: 1989-11-29
Filing date: 1989-11-29
Publication date: 1991-07-22
Also published as: US5071324A; DE4038101A1

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］この発明は、高圧化に対応することができる燃料噴射ポ
ンプに関する。

［従来の技術］一般に、燃料噴射ポンプにおいては、軽量化という要請
からポンプ本体をアルミニウムで形成している。ところ
が、特に高圧ポンプにおいては、高圧をシールするため
に外ねじ山つきニップルによってデリバリバルブを緊締
する力を大きくする必要がある。その力がポンプ本体に
作用しない構造とするためにバレルはフランジ付きバレ
ルとして構成されている。

すなわち、バレルは、その一端部と他端部とにそれぞれ
シリンダ孔とデリバリバルブ装着孔とが同軸に形或され
るとともに、これらシリンダ孔とデリバリバルブ装着孔
との間に環状のシート面が形成されており、シリンダ孔
にはプランジャが摺動自在に設けられ、デリバリバルブ
装着孔には、デリバリバルブがその一端面をシート面に
押圧接触させた状態で螺合固定されている。この場合、
バレルはプランジャの高速摺動によって早斯に摩耗しな
いよう、その硬度がＨＲｃ６０あるいはそれ以上になさ
れている。

なお、シリンダ孔の内部でプランジャとデリバリバルブ
との間の空間が燃料加圧室とされ、この燃料加圧室内の
燃料をプランジャで加圧し、その加圧された燃料をデリ
バリバルブを介して燃料噴射ノズルに圧送するようにな
っている。

ところで、上記のようなバレルを有する燃料噴射ポンプ
においては、デリバリバルブをシート面に押圧接触させ
ることにより、燃料加圧室内において加圧された燃料が
デリバリバルブ装着孔とデリバリバルブとの間を通って
外部に漏出するのを防止し、これによって燃料加圧室内
の燃料の高圧化を達成している。したがって、デリバリ
バルブとシート而とについては、燃料の漏出を防止する
ために、シリンダ孔を囲むようにして全周に亙って接触
させる必要がある。ところが、シート面は、バレルの内
部に形成されているため、研削によって平面度およびデ
リバリバルブ装着孔に対する直角度を高精度にするのが
非常に困難であった。このため、デリバリバルブとシー
ト面との間の一部に僅かの隙間が生じ、そこから燃料が
漏出し、燃料を高圧に加圧することが困難になることが
あった。

そこで、従来の燃料噴射ポンプにおいては、シート面と
デリバリバルブとの間に銅合金製のガスケットを介在さ
せていた。銅合金製のガスケットは比較的柔らかいので
、シート面の平面度および直角度の精度が若干低くとも
、ガスケットが弾性変形することにより、シート面とガ
スヶ，２トおよびデリバリバルブとガスケットとがシリ
ンダ孔の周方向の全周に亙って接触することになり、し
たがって燃料加圧室から燃料が漏出するのを防止するこ
とができ、燃料の高圧化を達成することができる。

［発明が解決しようとする課題］しかしながら、ガスケットを用いた従来の燃料噴射ポン
プにおいては、燃料のより一層の高圧化という要望に対
応することができないという問題があった。

すなわち、燃料のより一層の高圧化を達成するためには
、燃料の漏出を防止するために、デリバリバルブをガス
ケットを介してシート面により強力に押圧接触させる必
要がある。ところが、そのようにすると、ガスケットが
塑性変形する。したがって、デリバリバルブとシート面
とを強力に接触させることができず、最悪の場合にはガ
スケットが内圧によって破壊するおそれがある。このた
め、燃料の高圧化という要望に対応することができなか
ったのである。

ナオ、ハレルの硬度を低＜すれば、バレルのシート面が
ガスケットを兼ねることができ、したがって、ガスケッ
トが不要になるとも考えたが、こノヨウニスると、バレ
ルの強度および耐摩耗性が著しく低下してしまい、実際
の使用に耐えられないものとなってしまう。

また、特開昭５８−２０４９６３号公報には、この発明
と目的が異なるが、バレルのうちのシリンダ孔が形或さ
れた部分の硬度をＨＲＣ６０以上とし、シート面の硬度
をＨＲＣ４５〜６０とする点が記載されている。しかし
、シート面の硬度をＨＲＣ４５〜６０としたのでは、シ
ート面にガスケットの機能を兼ねさせることは不可能で
あり、燃料の漏出という問題を解決することができなか
った。

この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ガス
ケットを用いることなく燃料加圧室から燃料が漏出する
のを防止することができ、したがって燃料の高圧化を達
戊することができる燃料噴射ポンプを提供することを目
的とする。

［課題を解決するための手段］この発明は、上記の目的を達成するために、バレルの母
材の硬度をＨｖ３００〜４００にし、シリンダ孔の内周
部にその硬度が母材の硬度よりも高くなるよう表面硬化
処理を施し、シート面をバレル自体の硬度とほぼ同一に
したことを特徴とするものである。

［作用］シート面の硬度がＨＶ３００〜４００であるので、デリ
バリバルブをバレルのデリバリバルブ装着孔に螺合させ
て強く締め付け、シート面に押圧接触させると、仮にシ
ート面の平面度およびデリバリバルブ装着孔に対する直
角度が低い場合にはシート面がデリバリバルブの接触面
に沿うように変形する。したがって、デリバリバルブと
シート面とは、ほぼ全体に亙って密に接触することにな
り、それらの間から燃料が漏出することが防止される。

また、プランジャが摺接するシリンダ孔の内周部を表面
硬化処理しているので、バレルが早期に摩耗することも
ない。

［実施例］以下、この発明の一実施例について第ｌ図および第２図
を参照して説明する。なお、第１図はこの発明に係るバ
レルの拡大縦断面図であり、第２図はそのバレルが用い
られた燃料噴射ポンプの縦断面図である。

この発明は、バレルの各部の硬度を特定した点に特徴が
あり、バレルの形状、燃料噴射ポンプの全体構造は従来
のものと同様である。そこで、まず燃料噴射ポンプの全
体構造を第２図に基づいて簡単に説明すると、図中符号
１は、アルミニウム等からなるポンプ本体であり、その
内部には、上端面から下端面まで貫通する貫通孔２が形
成されている。この貫通孔２の上側部分がバレル装看孔
３とされている。このバレル装着孔３には、バレル４の
下端部が挿入され、ポンプ本体１に緊締されたスタツド
５ａとナット５ｂとによってポンプ本体ｌに固定されて
いる。

バレル４は、第ｌ図に示すように筒状をなすもので、そ
の内部には、下端面から上方へ向かって延びるシリンダ
孔６′ｈク形戊されるとともに、上端面から下方へ向か
って延びるデリバリバルブ装着孔７がシリンダ孔６と同
軸に形或されている。デリバリパルブ装着孔７は、シリ
ンダ孔６よりも大径に形或されており、デリバリバルブ
装着孔７とシリンダ孔６との間には、両者の半径差の分
だけの幅を有する環状のシート面８が形成されている。

このシート面８は、デリバリバルブ装着孔７と直交する
ように形或されている。

上記シリンダ孔６には、プランジャ９が摺動自在に設け
られており、デリバリバルブ装着孔７にはデリバリバル
ブ１０が設けられている。そして、プランジャ９とデリ
バリバルブ１０との間のシリンダ孔６の内部が燃料加圧
室ｌ１とされている。

プランジャ９は、カム軸ｌ２の回転に追随して往復動ず
るようになっており、プランジャ９が往動（上動）して
吸排孔１３を遮蔽すると、燃料加圧室１１内の燃料が加
圧される。加圧された燃料は、デリバリバルブＩＯを介
して燃料噴射ノズル（図示せず）に圧送され、そこから
エンジンの燃焼室に噴射される。プランジャ９がさらに
往動して、そのリードｌ４が吸排孔ｌ３と対向すると、
実質的な燃料加圧が終了し、燃料噴射が終了する。逆に
、プランジャ９が復動（下動）すると、継手ｌ５を介し
て燃料通路１６に供給された燃料が吸排孔１３を介して
燃料加圧室１１内に導入される。

なお、フントロールラック１７を第２図の紙面と直交す
る方向に移動させると、プランジャ９がコントロールス
リーブ１８を介して回動せしめられる。その結果、リー
ドｌ４の吸俳孔ｌ３に対する対向箇所が変わり、これに
よって燃料噴射量が調節されるようになっている。

上記デリバリバルブ１０は、デリバリバルブ本体１０ａ
とデリバリバルブシ一トｌｏｂとを備えている。デリバ
リバルブシ一トｌＯｂは、シート面８に載置されており
、デリバリバルブ本体１０ａは、デリバリバルブ装着孔
７のねじ孔７ａに螺合せしめられている。そして、デリ
バリバルブ本体１０ａを締め付けて、デリバリバルブシ
一トｌｏｂをシート面８に押圧接触させることにより、
デリバリバルブシ一ト１０ｂとシート面８との接触面間
から燃料が漏出するのを防止するようになっている。

上記のように、この燃料噴射ポンプは、デリバリバルブ
シート１０ｂとシート面８との間にガスケットが介装さ
れていない。したがって、シート面８の硬度が高く、か
つ平面度およびデリバリバルブ装着孔７との直角度が悪
いと、デリバリバルブシ一ト１０ｂとシート面８との間
の一部に極めて僅かの隙間が生じ、そこから燃料が漏出
して燃料加圧室内の燃料の圧力を高圧にすることが困難
になる。

そこで、この燃料噴射ポンプにおいては、バレル４をＳ
ＣＭ４１５等の鋼によって形成し、その各部を次のよう
な硬度としている。

すなわち、バレル４はその母材の硬度がＨＶ３００〜４
００になるように調質熱処理されており、シート面８も
同一の硬度になされている。シート面８を含むバレル４
の母材の硬度をＨＶ３００〜４００にすると、デリバリ
バルブシートｌＯｂをシート面８に強力に押し付けた場
合には、バレル４のシート面８およびその近傍部分が弾
性変形し、シート面８とデリバリバルブシ一トｌＯｂと
が全周に亙って液密に接触する。したがって、燃料加圧
室１１内の燃料がシート面８とデリバリバルブシ一ト１
０ｂとの間から漏出することがなく、よって燃料加圧室
１１内の燃料を高圧にすることができる。

なお、バレル４の母材の硬度をＨＶ４００より高くする
と、シート面８とデリバリバルブシートｔｏｂとの接触
圧に対する母材の弾性変形量が小さくなるため、シート
面８とデリバリバルブシ一ト１０ｂとをシーＩ・面８の
全周に亙って接触させることが困難になる。一方、ＨＶ
３００より低くした場合には、燃料の漏出防止はなし得
るものの、バレル４の強度が低下し、保形性が損なわれ
てしまう。

また、バレル４の母材の硬度をＨＶ３００〜４００１こ
すると、プランジャ９が摺接するシリンダ孔６の内周面
が早期に摩耗してしまう。勿論、母材の硬度を高くすれ
ば早期摩耗を防止することができるが、そのようにする
と、上記のように燃料の漏出防止という効果が失われて
しまう。そこで、この燃料噴射ポンプにおいては、シリ
ンダ孔６の内周部を浸炭処理してその表面硬度を母材の
硬度よりも高いものとしている。この場合には、表面硬
度をＨＶ７５０　〜８５０とし、深さ０．５ｍｍにおけ
る硬度をＨＶ５　１　０程度にしている。したがって、
シリンダ孔６の内周面がプランジャ９の摺接によって早
期に摩耗す・るのを防止することができる。

さらに、この実施例においては、シリンダ孔６の内周部
のみならず、バレル４の強度を高めるとともに、ポンプ
本体１およびコントロールスリーブ１８との接触箇所の
早期摩耗を防止するために、シリンダ孔６の内周部と同
様の浸炭処理をバレル４の外面部全体に亙って施してい
る。

なお、この発明の上記の実施例に限定されるものでなく
、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であ
る。

例えば、上記の実施例においては、デリバリバルブ本体
１０ａとデリバリバルブンート１０ｂとを別体にしてい
るが、それらを一体に形成してもよい。

また、デリバリバルブシ一ト１０ｂの下面を平面状に形
或しているが、下面の幅方向における中央部を環状に突
出させ、その突出部をシート面８に押圧接触させるよう
にしてもよい。

さらに、シリンダ孔６の内周部およびバレル４の外面の
表面硬化処理については、浸炭処理に代えて窒化処理を
採用してもよい。

［発明の効果コ以上説明したように、この発明の燃料噴射ポンプによれ
ば、シート面をバレルの母材の硬度と同一のＨＶ３００
〜４００とし、シリンダ孔の内周部に表面硬化処理を施
しているから、ガスケットを用いることなく、デリバリ
バルブとシート面との間の液密性を向上させて、それら
の間から燃料が漏出するのを防止することができ、これ
によって燃料の高圧化を達成することができ、しかもシ
リンダ孔の内周面が早期に摩耗してバレルの寿命が低下
するのを防止することができる等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの発明の一実施例を示すもので
、第ｌ図はバレルの縦断面図、第２図は燃料噴射ポンプ
の縦断面図である。ｌ・・・ポンプ本体、３・・・バレル装着孔、４・・・
バレル、６・・・シリンダ孔、７・・・デリバリバルブ
装着孔、８・・・シート面、９・・・プランジャ、１０
・・・デリバリバルブ。

Claims

【特許請求の範囲】

バレル装着孔を有するポンプ本体と、内部に、軸線方向
の一端面から他端面側へ向かって延びるシリンダ孔、こ
のシリンダ孔より大径で、かつシリンダ孔と軸線を一致
させて他端面から一端面側へ向かって延びるデリバリバ
ルブ装着孔、およびこれらシリンダ孔とデリバリバルブ
装着孔との間に位置するシート面がそれぞれ形成され、
前記シリンダ孔が形成された一端部外周を前記バレル装
着孔に嵌合させた状態で前記ポンプ本体に固定されるバ
レルと、このバレルのシリンダ孔に摺動自在に設けられ
たプランジャと、前記バレルのデリバリバルブ装着孔に
螺合され、一端面を前記シート面に押圧接触させた状態
で前記バレルに固定されるデリバリバルブとを備えた燃
料噴射ポンプにおいて、前記バレルの母材の硬度をＨＶ
３００〜４００にし、前記シリンダ孔の内周部にその硬
度が母材の硬度よりも高くなるよう表面硬化処理を施し
、前記シート面を前記バレル自体の硬度とほぼ同一にし
たことを特徴とする燃料噴射ポンプ。