JPH0316367Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の技術分野〉 本考案は諸々物品の自動販売機、ゲーム機、現
金自動支払機、両替機等に適用するタンブラー錠
に関する。

〈考案の背景〉 従来、デイスクタンブラー錠としては、デイス
クが往復動するタイプと回動するタイプがある。
前記往復タイプの錠は、内筒中へ筒軸方向に等間
隔を設けて複数のデイスクが配備され、各デイス
クは、それぞれ面内に鍵孔、端部に係合凸部を具
えて内筒との間にスプリングを介装し、係合凸部
を外筒の凹溝に係合しており、鍵を挿入したと
き、各デイスクの係合凸部が一斉に内筒内に退壁
して、内、外筒間のロツクを解放する。ところ
が、かかる錠は、デイスク毎にスプリングを設け
ているため、組立て分解に手数を要すと共に、ス
プリングによつてデイスク間隔が制限されるた
め、鍵違いを殖やすにはデイスク数を増大せねば
ならず、従つて、それだけ錠の軸長が長くなる。
しかも、内、外筒間のロツク状態は、外筒に対す
る各デイスクの係合凸部の係合によるため、鍵孔
に棒材を挿入して無理に回すと、デイスクが破壊
し、以後、円滑な施錠、解錠がなされない。ま
た、前記の回動型は、内筒、外筒間に、外筒に対
し内筒を固定または解放するサイドバーを配備
し、内筒中へ多数の回転デイスクを装填して各デ
イスクが鍵操作にて設定量宛回動すると、デイス
ク外周の凹部が一列に揃い、これにサイドバーが
係合して内筒の回動が許される。ところが、斯る
錠は、デイスクには、中央部を半径中心とする円
弧溝の鍵孔が形成され、この鍵孔の円弧長さをデ
イスク毎に違えており、従つて、デイスクの製
作、組立てに手数を要し、しかも、各デイスクは
長短鍵孔の一端が一列に揃うとサイドバーが外れ
るため、針金等によるピツキングの虞れがある。

〈考案の目的〉 本考案は、上記各種錠の特徴構造を組合わせる
ことによつて、小型錠にして莫大な鍵違い数を設
定でき、且つ、特に複数のデイスクに簡単な手段
を施こすことにより、ピツキングを完全に防止し
た新規なタンブラー錠を提供することを目的とす
る。

〈考案の構成および効果〉 上記の目的を達成するため、本考案では、外筒
と内筒との間にサイドバーを設け、内筒中へ、鍵
孔と直交方向に往復動してサイドバーを係脱作動
する複数のデイスクを装填すると共に、内筒のデ
イスク摺動面と各デイスクとの間にデイスクの摺
動抵抗を減少させるころがり軸受を介装してな
る。上記の構成によると、本考案では、内筒中の
各デイスクは、それぞれ摺動面に対し自由に往復
摺動する状態にあり、従つて、針金等によるピツ
キングを完全に防止した実用上の効果を奏する。

〈実施例の説明〉 第１図は本考案に係るタンブラー錠を示す。上
記タンブラー錠の外筒１は後面が開口した円筒状
をなし、フエースプレート１１には鍵幅に合わせ
た円形鍵孔１２を開設すると共に、内面にはサイ
ドバーの係合溝１３が筒軸方向に沿つて形成さ
れ、この外筒１中にガードプレート２および内筒
３を嵌挿している。

ガードプレート２は、内筒３の端面とフエース
プレート１１の内面との間に設けられ、面内には
鍵の最大幅および最大厚みに応じたスリツト状の
鍵孔２１を開設している。

内筒３は、第２図乃至第４図に示す如く、筒軸
方向に沿い且つ直径方向に連通したデイスク装填
部３１および該装填部３１に直交連通してサイド
バー装填部３２を形成すると共に、内筒３の後端
には取付軸３３を設けて外筒１から突出し、ロツ
ク杆３４を軸固定している。前記サイドバー装填
部３２にはサイドバー４が、またデイスク装填部
３１には筒軸方向に積層して複数のデイスク５が
装填されている。該サイドバー４は、その一端縁
が外筒の係合溝１３に係合しているとき、他端縁
が持上げデイスク５ａに支持されてロツク状態が
保たれ、また、各デイスク５，５ａが挿入された
鍵溝によつて設定量宛摺動したとき、上縁の凹部
５１が一列に揃い、これにサイドバー４の端縁が
係合して他端縁が係合溝１３から離脱し、外筒
１、内筒３間の固定が解放する。

各デイスク５はサイドバー４の軸方向と直交方
向に往復動するもので、面内には、鍵軸断面に適
合した形状の鍵孔５２が穿設され、上辺には、凹
部５１の両側にサイドバーの凹凸面４１と対称な
鋸歯状凹凸部５３を形成して、デイスク５とサイ
ドバー４の動作精度を上げている。支持デイスク
５ａは積層デイスクの両側に配備され、上辺にロ
ツク時のサイドバー支持部５４およびロツク解除
時の傾斜部５５を形成している。内筒３における
サイドバー摺動面３５と各デイスク５との間に本
考案の特徴をなすころがり軸受６を設けて、摺動
面に対する各デイスク５の摺動抵抗を小となし、
鍵操作によるデイスク動作の円滑化および針金等
により各デイスクを設定位置に定位することを阻
止している。

上記のころがり軸受６は、各デイスク５下部の
数個所に円周の一部が下端面にかかつた円形孔５
６を側面より穿設し、各円形孔５６に対し、適合
する球体６１を回転自由に装填して、球体６１の
一部をデイスク５の下端面に臨出させると共に、
円形孔５６の開口面は、隣接デイスク５間に介装
するリテーナ７或いは隣接デイスク５の側面にて
閉成する。この場合、隣接デイスク５の円形孔５
６は交互に位置をずらせることは勿論である。
尚、図面には示していないが、実施に際しては、
デイスク摺動面に対し、筒軸方向に沿つて複数条
のころ軸を回転自由に配設し、該ころ軸上へデイ
スクを支持してころ軸受を構成するも可い。この
場合、ころ軸は、デイスクの解錠時において逆方
向に摺動するデイスク位置にて切断し、軸端を衝
合する。

上記錠に使用する鍵８は、第６図に示す如く、
板状鍵片８１の表面に一定幅、深さを有し鍵片方
向に波状、傾斜、直線状等、任意形状に連続した
デイスク作動溝８２が一条、或いは、両側辺に互
いに対称形状をなして２条設けられ、デイスク５
の鍵孔５２に挿入したとき、鍵孔５２内に突設し
たガイド５７に対し作動溝８２が摺動することに
より、各デイスク５はその波形に応じて摺動し、
定位置まで挿入したとき（第３図）、各デイスク
５の凹部５１が一列に揃い、サイドバー４を受け
入れる。従つて、各デイスク５のサイドバー４の
係合する凹部５１の位置は、対応する鍵８の作動
溝８２との関係において決定される。

然して、ロツク状態では第１図、第２図に示す
如く、サイドバー４は、持上げデイスク５ａ，５
ａの支持部５４に支持され、上端縁を外筒１の係
合溝１３に係合してロツク状態を保ち、サイドバ
ー４の下端は各デイスク５から浮上している。こ
のとき、各デイスク５は、内筒３の摺動面３５に
対し球体６１にて支持されているため、ころ軸受
の作用により、外力を受けたとき自由に往復摺動
し、従つて、針金等によるピツキングに際し、各
デイスク５を設定位置に止めることが不可能とな
り、ピツキングを確実に防止できる。

今、解錠に際して鍵８を挿入するとき、各デイ
スク５は、鍵孔５２のガイド５７が次々と作動溝
８２に係合することによつて鍵８挿入方向と直交
方向に摺動し、鍵８の挿入端において、各デイス
ク５の凹部５１がサイドバー４に対応して一列に
揃い、サイドバー４を係合し、内筒３、外筒１間
が解放される。次いで、鍵操作によりデイスク
５、内筒３を軸回転することによつてロツク杆３
４の施錠、解錠を実現する。

尚、サイドバー４に対し、デイスク５の位置が
ずれている場合、サイドバー４の凹凸面４１の端
がデイスク５の凹凸部５３に係合し、鍵作動溝８
２とガイド５７の位置関係のずれによつてサイド
バー４の下降が阻止される。従つて、多数デイス
ク５の全部が鍵作動溝８２により規定位置に定位
したときにおいてのみサイドバー４が作動し、精
度をたかめている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る錠の縦断面図、第２図は
第１図中Ａ−Ａ線に沿う断面図、第３図は第２図
の作動状況を示す断面図、第４図は内筒の斜視
図、第５図は鍵とデイスク群との関係を示す斜視
図、第６図は鍵の斜視図、第７図は第６図中Ｂ−
Ｂ線に沿う断面図である。 １……外筒、３……内筒、３１……デイスク装
填部、３２……サイドバー装填部、３５……デイ
スク摺動面、４……サイドバー、５……デイス
ク、５１……凹部、６……ころがり軸受、６１…
…球体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 外筒と内筒との間に、外筒に対し内筒を固定
   或いは解放するサイドバーおよび、内筒中へ、
   鍵の挿入により鍵孔に対し直交方向に往復動し
   て前記サイドバーを係脱動作する複数のデイス
   クが装填されたタンブラー錠において、内筒中
   には平坦なデイスク摺動面を形成し、該摺動面
   と各デイスクとの間に、各デイスクの摺動抵抗
   を減少させるころがり軸受を介装してなるタン
   ブラー錠。 (2) ころがり軸受は、各デイスクにそれぞれ複数
   配設された球体である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のタンブラー錠。 (3) ころがり軸受は、内筒のデイスク摺動面に直
   交して配備された複数条のころ軸である実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のタンブラー錠。