JPH0315900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は螺旋補強ホースを目的の接続口に接
続する接続構造に関する。

（従来技術） 従来における螺旋補強ホースの接続構造は、接
続側端に鍔部を形成したホースニツプルのホース
差込部に螺旋補強ホースを嵌合し、該ホース嵌合
部の外周に緊締部材を介して嵌装した被嵌ナツト
を目的の接続口に螺合して接続している。

上記接続構造は、被嵌ナツトを接続口に対して
螺合して締付ける際に同ナツトがホースニツプル
に対してホース長手方向へ摺動する。これによつ
て同被嵌ナツトとホース外周との間介在させた略
筒状の緊締部材を小径に絞り、補強ホースの嵌合
部材をホースニツプルに対して外周より締付るも
のである。

しかし、螺旋補強ホースはホース本体に比較的
硬質な補強線材を螺旋状に巻回してホースの潰れ
を防止したものである。従つて、径方向に働く荷
重に強く、ホースの嵌合部分を緊締部材によつて
外周から締付けても該嵌合部分をホースニツプル
のホース差込部外周面に対して強く密着させるこ
とができず、接続部分のシール性が十分に確保さ
れているとは云えなかつた。

また、前記緊締部材は一体成型された筒状のも
のである為、該部材を予めホースに挿着しておく
必要があると共に、該部材をホースニツプルを嵌
合されて径が膨張したホース先端に工具等を用い
て強制的に押し込んで嵌合させなければならず、
それゆえ接続作業に手間がかかりると共に、緊締
部材を押し込む際に同部材によつてホースを傷付
ける虞れがあつた。

（技術的課題） 本考案の技術的課題は、螺旋補強ホースの接続
構造において、ホースニツプルのホース差込部外
周面に対する螺旋補強ホースの密着性と抜け止め
力とを増大すると共に、緊締部材の組付を容易に
成すことである。

（技術的課題を解決する為の手段） 本考案が前記した技術的課題を解決する為に講
ずる手段は、接続側端に鍔部を形成したホースニ
ツプルのホース差込部を先細状に成形すると共
に、該差込部周面に所定の螺旋補強ホースの螺旋
ピツチと同ピツチの螺旋突条を突設し、該ホース
差込部に螺旋補強ホースを嵌合し、このホース嵌
合部外周に複数の円弧片を連結して成る合成樹脂
製の緊締部材を巻回して締め付け、同部材側縁同
士を熱溶着して接合し、上記緊締部材及びホース
ニツプルの外周に被嵌ナツトを嵌装し、該被嵌ナ
ツトを目的の接続口に螺合したものである。

（作用） 以上の手段によれば、ホースニツプルのホース
差込部に嵌合された螺旋補強ホースにおける補強
線材間の谷部に沿つて、ホース差込部周面に突設
した螺旋突条が密着する。

上記したホース嵌合部外周に緊締部材を巻回し
て締付け、その側縁部同士を熱溶着して接合する
と、この緊締部材は前記した螺旋補強ホースの谷
部を螺旋突条に対して圧着させ、ホースニツプル
の螺旋突条とホースの補強線材とが螺合するねじ
山の様に係合する。

また、被嵌ナツトを接続口外周に螺合すると、
ホースニツプルの鍔部側口が上記接続口に押圧さ
れて接続される。

（効果） 本考案は以上の如きものであるから、以下に列
記する如き効果を奏する。

緊締部材の緊締力によつて螺旋補強ホースに
おける谷部をホースニツプルの螺旋突条に対し
て圧着しているので、同ホース嵌合部のシール
性が高められると共に、上記螺旋突条とホース
の補強線材とを螺合するねじ山の如く係合せし
めているので、ホースの抜け止めが確実であ
る。

ホースニツプルに嵌合した螺旋補強ホースの
外周に緊締部材を巻回して締付け、その側縁同
士を熱溶着して接合しているので、緊締部材の
組み付け時において、緊締部材を予めホースに
挿着したり組み付け箇所に工具等で押し込む必
要がなくなり、この組み付け作業における手間
が省けるとともに作業の機械化が可能となる。
さらに、緊締部材によつてホースを破損する虞
れが無くなるとともにその組み付け箇所に確実
に組み付けが出来、よつて組み付け作業の作業
性及び製品の信頼性を向上することができる。

ホースニツプルのホース差込部を先細状にし
ているので、このホース差込部に嵌合が可能で
ある範囲の数種類の内径の螺旋補強ホースに用
いることができる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

螺旋補強ホースａを目的の接続口ｂに接続せし
める接続構造Ａは、螺旋補強ホースａを嵌合する
ホースニツプル１と、螺旋補強ホースａの嵌合部
外周に巻回する緊締部材３、及び接続口ｂに螺合
する被嵌ナツト４から構成されている。

ホースニツプル１は合成樹脂等を用いて筒状に
成形し、接続側端縁に鍔部１ｂを周設すると共
に、外周面を他端へ向けて先細状に形成し、ホー
ス差込部１ａを構成してある。

また、上記ホース差込部１ａには後述する螺旋
補強ホースａの螺旋ピツチと略同じピツチの螺旋
突条２が突設せしめてある。

螺旋補強ホースａは多くの種類があるが、ホー
ス本体に対し補強線材a₁を螺旋状に巻回して固着
した基本構成であり、所定の螺旋ピツチで巻回さ
れた補強線材a₁の間には谷部a₂が形成される。

螺旋補強ホースａをホースニツプル１のホース
差込部１ａに嵌合するには、螺旋補強ホースａの
口を差込部１ａの端部に嵌合し、ねじ込みながら
同差込部１ａの基端まで嵌合し、差込部１の螺旋
突条２を同螺旋補強ホースａの谷部a₂に沿つて密
着させる。

上記した様に、ホースニツプル１のホース差込
部１ａの外周径を先細状に形成することによつ
て、上記した螺旋補強ホースａよりも内径が一周
り小さい、若しくは一周り大きいホースを嵌合す
ることが可能となる。

螺旋補強ホースａの嵌合部外周に嵌着する緊締
部材３は、第３図にて示す様に半円弧状に湾曲形
成した円弧片３ａ，３a′の一側辺同士を折曲可能
に連結すると共に、同片３ａ，３a′の残る側辺に
沿つて相互に嵌合する凹溝３ｂと凸片３b′とを形
成してある。

上記緊締部材３の円周長は、前記螺旋補強ホー
スａの嵌合部外周に巻回して締付け際に、同部材
３の凹溝３ｂと凸片３b′とが嵌合される様に設定
する。

緊締部材３を締付けて凹溝３ｂと凸溝３ｂと凸
片３b′とを嵌合したならば、付き合つた状態の側
辺同士を超音波振動による熱によつて熱溶着して
接合する。緊締部材３の締付によつて螺旋補強ホ
ースａの嵌合部は外周から締付けられ、谷部a₂が
差込部１ａの螺旋突条２に対して圧着されると共
に、螺旋突条２と螺旋補強ホースａの補強線材a₁
とが螺合するねじ山の如く係合する。

而して、螺旋補強ホースａ嵌合部のシール性は
螺旋補強ホースａの谷部a₂が螺旋突条２に対して
圧着されることにより十分に確保され、また、螺
旋突条２と補強線材a₁との係合によつて螺旋補強
ホースａの抜止めが確実に成されるものである。

尚、上記緊締部材３は複数の円弧片を折曲げ自
在に連結して構成するものであり、円弧片の数は
３枚若しくは４枚以上であつてもよい。

ホースニツプル１及び緊締部材３の外周には予
め螺旋補強ホースａ側に嵌合させておいた被嵌ナ
ツト４をスライドして被嵌し、その接続側端部を
接続口ｂに螺合して締付ける。

これにより、被嵌ナツト４、螺旋補強ホースａ
側端部の掛止部４ａが緊締部材３の端面に掛止さ
れて、同緊締部材３とホースニツプル１とを接続
口ｂ側へ押し込む。而して、ニツプル１の鍔部１
ｂはパツキン５を介して接続口ｂに対し押圧さ
れ、シール性を保持した状態で接続口ｂとホース
ニツプル１が接続される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した接続構造を示す縦断
面図、第２図は第１図における−線断面図、
第３図はホース、ホースニツプル、緊締部材３者
の分解斜視図である。 図中、Ａ……接続構造、ａ……螺旋補強ホー
ス、ｂ……接続口、１……ホースニツプル、１ａ
……ホース差込部、１ｂ……鍔部、２……螺旋突
条、３……緊締部材、４……被嵌ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接続側端に鍔部を形成したホースニツプルのホ
   ース差込部を先細状に成形すると共に、該差込部
   周面に所定の螺旋補強ホースの螺旋ピツチと同ピ
   ツチの螺旋突条を突設し、該ホース差込部に螺旋
   補強ホースを嵌合し、このホース嵌合部外周に複
   数の円弧片を連結して成る合成樹脂製の緊締部材
   を巻回して締め付け、同部材側縁同士を熱溶着し
   て接合し、上記緊締部材及びホースニツプルの外
   周に被嵌ナツトを嵌装し、該被嵌ナツトを目的の
   接続口に螺合した螺旋補強ホースの接続構造。