JPH0315248B2 - - Google Patents

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JPH0315248B2
JPH0315248B2 JP58031940A JP3194083A JPH0315248B2 JP H0315248 B2 JPH0315248 B2 JP H0315248B2 JP 58031940 A JP58031940 A JP 58031940A JP 3194083 A JP3194083 A JP 3194083A JP H0315248 B2 JPH0315248 B2 JP H0315248B2
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JP
Japan
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magnetic
film
substrate
magnetization
iron oxide
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JP58031940A
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JPS59157835A (ja
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Shozo Ishibashi
Juji Kasanuki
Masahiko Naoe
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication of JPH0315248B2 publication Critical patent/JPH0315248B2/ja
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/64Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent
    • G11B5/65Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition
    • G11B5/658Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent characterised by its composition containing oxygen, e.g. molecular oxygen or magnetic oxide

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  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
1 産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気デイスク等の磁気記
録媒体に関するものである。 2 従来技術 従来、この種の磁気記録媒体は、ビデオ、オー
デイオ、デイジタル等の各種電気信号の記録に幅
広く利用されている。これらは、基体上に被着形
成された磁性層(磁気記録層)の面内長手方向に
おける磁化を用いる方式として発達してきた。と
ころが、近年、磁気記録の高密度化に伴ない、面
内長手方向の磁化を用いる記録方式では、記録信
号が短波長になるにつれ、媒体内の反磁界が増し
て残留磁化の減衰と回転が生じ、再生出力が著し
く減少する。このため、記録波長をサブミクロン
以下にすることは極めて困難である。 一方、磁気記録媒体の磁性層の厚さ方向の磁化
(いわゆる垂直磁化)を用いる垂直磁化記録方式
が、最近になつて提案されている(例えば、「日
経エレクトロニクス」1978年8月7日号No.192)。
この記録方式によれば、記録波長が短かくなるに
伴なつて媒体内の残留磁化に作用する反磁界が減
少するので、高密度化にとつて好ましい特性を有
し、本質的に高密度記録に適した方式であると考
えられる。 ところで、このような垂直記録を能率良く行な
うには、磁気記録媒体の記録層が垂直方向(磁性
層の厚さ方向)に磁化容易軸を有していなければ
ならない。こうした磁気記録媒体としては、基体
(支持体)上に、磁性粉末とバインダーとを主成
分とする磁性塗料を塗布し、磁性層の垂直方向に
磁化容易軸が向くように配向させた塗布型の媒体
が知られている。この塗布型媒体には、Co、
Fe3O4、γ−Fe2O3、Co添加Fe3O4、Co添加γ−
Fe2O3、六方晶フエライト(例えばバリウムフエ
ライト)、MnBi等が磁性粉末として用いられて
いる(特開昭52−46803号、同53−67406号、同52
−78403号、同55−86103号、同52−78403号、同
54−87202号各公報)。しかしながら、これらの塗
布型媒体は、磁性層中に非磁性のバインダーが存
在しているために、磁性粉末の充填密度を高める
ことには限界があり、従つてS/N比を充分高く
することができない。しかも、記録される信号の
大きさは磁性粒子の寸法で制約される等、磁性膜
からなる磁性層を有する媒体は垂直磁化記録用と
して不適当である。 そこで、垂直磁化す磁性層を、例えばバインダ
ーを用いることなく磁性体を支持体上に連続的に
被着したもので形成した連続薄膜型磁気記録媒体
が、高密度記録に適したものとして注目されてい
る。 この連続薄膜型の垂直磁化記録用記録媒体は、
例えば特公昭57−17282号に開示されているよう
に、コバルトとクロムとの合金膜からなる磁気記
録層を有していて、特にクロム含有量は5〜25重
量%のCo−Cr合金膜が優れているとしている。
また、Co−Cr合金膜に30重量%以下のロジウム
を添加してなる磁性層を有する磁気記録媒体が特
開昭55−111110号公報に開示され、更にコバルト
−バナジウム合金膜(例えば米国電気電子通信学
会:略称IEEE刊行の学会誌“Transaction on
Magnetism”1982年第18巻No.6、1116頁)やコ
バルト−ルテニウム合金膜(例えば1982年3月開
催の第18回東北通研シンポジウム「垂直磁気記
録」論文集)を用いた磁気記録媒体が知られてい
る。 ところが、本発明者が検討を加えた結果、上記
の如き構造の磁気記録媒体は、Co−Cr系直磁化
膜が次に示す欠点を有しているために、実用化す
る上で不充分であることを見出した。 (1) 磁性層の面に垂直に磁化容易軸を配向させる
には、特に10-7Torr以上の高真空中で磁性層
を作成する必要があり、かつ基板の高度な洗浄
処理、低スパツタ速度等の如き条件を要し、垂
直配向の制御要因が非常に複雑となる。 (2) 信号の記録、再生においては、磁気記録媒体
と垂直記録/再生用ヘツドとを相対的に摺動さ
せるために、ヘツドと媒体との間の界面状態が
悪く、媒体にきずが発生し易く、ヘツドも破損
等を生じる。 (3) 磁性層が硬いために、可撓性のある基体上に
磁性層を設けた場合に亀裂が入り易い。 (4) 磁気記録媒体としての耐蝕性が充分でなく、
従つて表面に保護膜を設ける必要がある。 (5) 原料のコバルトは安定に入手し難く、コスト
が高くつく。 更にまた、本発明の検討によれば、従来の磁気
記録媒体においては磁性層が基体の一つの面にし
か設けられていないので、磁気記録のための有効
面積に制約があるか或いは記録されるべき信号の
量、種類に限界があることをつき止めた。例え
ば、磁気テープでは、テープの一方の主面にしか
磁性層を設けていないのが一般的である。 3 発明の目的 本発明者は、上記の如き実情に鑑み、鋭意検討
した結果、高密度の垂直磁気記録に適し、機械的
強度や化学的安定性等に優れ、磁気特性が良好で
あり、更に記録信号の量や種類も大きく増やせる
磁気記録媒体を得ることに成功したものである。 4 発明の構成 即ち、本発明は、中空状の基体を有し、この基
体の外面及び内面に夫々磁性層が設けられ、か
つ、これらの磁性層が、 (a) アルミニウム、コバルト、コバルト−マンガ
ン、亜鉛、コバルト−亜鉛、リチウム、クロ
ム、チタン、リチウム−クロム、マグネシウ
ム、マグネシウム−ニツケル、マンガン−亜
鉛、ニツケル、ニツケル−アルミニウム、ニツ
ケル−亜鉛、銅、銅−マンガン、銅−亜鉛及び
バナジウムからなる群より選ばれた添加物質を
含む鉄をターゲツト材として用いた対向ターゲ
ツトスパツタ法により、形成されたものであ
り、 (b) 面内方向での残留磁化(MH)と、その面に
対し垂直方向での残留磁化(MV)との比
(MV/MH)が0.5以上であり、 (c) 前記添加物質を含み、Fe3O4、γ−Fe2O3
はこれらの中間組成の酸化鉄を主成分とする。 連続磁性薄膜からなつている磁気記録媒体に係る
ものである。 本発明によれば、磁性層が酸化鉄を主成分とし
ているから、酸化物に由来する特有の優れた特性
(即ち機械的強度及び化学的安定性等)が得られ、
従来の合金薄膜に必要であつた表面保護膜は不要
となる。この結果、磁気ヘツドと媒体との間隔を
小さくし得て高密度記録が可能になると共に、材
料面からみても低コスト化が可能となる。 しかも、酸化鉄を主成分とする磁性層の面内方
向と垂直方向とでの残留磁化比(MV/MH)を
0.5以上としているので、酸化鉄磁性体の磁気モ
ーメントは面内方向に対し30度以上垂直方向側へ
立ち上つており、垂直磁化を充分に実現できる構
造となつている。上記磁化量MV、MHは、例えば
試料振動型磁力計(東英工業社製)で測定可能で
ある。即ち、MV/MHが0.5未満であれば垂直磁
化に適した磁気モーメントが得られ難い。 また、本発明の磁気記録媒体によれば、上記の
酸化鉄系磁性層が、中空状の基体の外面と内面と
に夫々形成されていることに注目すべきである。
中空状の基体の外面と内面とが磁気記録に供さ
れ、磁気記録を行なう上での有効面積が増大する
から、記録されるべき信号の量を増やすことがで
き、かつ一方の面の磁性層に記録する信号とは異
なる信号を他方の面に磁性層に記録し、これら両
信号を夫々取出すとか、或いは合成することもで
き、情報処理を多様化することも可能となる。し
かも、基体は中空状であるから、例えば回転させ
ながら外面及び内面での磁気記録が可能となり、
デイスクやテープ状の媒体と比べて基体の占有領
域を比較的小さくでき、しかも磁気記録の高速化
も図ることができる。 本発明における磁性層は、従来の塗布型磁性層
とは根本的に異なり、バインダーを使用せずに酸
化鉄(即ちFe3O4、γ−Fe2O3、又はこれらの中
間組成の非化学量論的組成からなるベルトライド
化合物)自体が連続的に連なつた薄膜(飽和磁化
量が大きく、保磁力(HC)が100〜5000Oe)か
らなつている。この磁性層においては、鉄と酸素
の両元素の総和は磁性層の50重量%以上であるの
がよく、70重量%以上であるのが更に望ましい。
また、鉄と酸素との比は、酸素の原子数/鉄の原
子数=1〜3であるのがよく、4/3〜2である
のが更によく、上記に例示した酸化鉄が適当であ
る。上記酸化鉄がスピネル型の結晶構造(特に、
Fe3O4の(111)面が、γ−Fe2O3では(100)面
が面内方向に対し垂直方向を向いているのがよ
い。)を有していると、飽和磁化量が大きく、記
録信号の再生時に残留磁束密度が大きくて再生感
度が極めて良好となる。一般に、磁性を示す酸化
鉄には、菱面体晶形の寄生強磁性を有するα−
Fe2O3;スピネル構造でフエリ磁性を示すFe3O4
γ−Fe2O3又はこれらのベルトライド化合物;六
方晶型の酸化物であるBa系その誘導体;ガーネ
ツト構造の希土類ガーネツト型フエライトがあ
る。これらの酸化鉄のうち、その磁気特性の重要
な1つである飽和磁化量は、α−Fe2O3では
2.0Gauss、Baフエライト、Srフエライト、Pbフ
エライトでは最大でも380Gauss程度、更にガー
ネツト型フエライトでは最大でも140Gaussであ
る。これに対し、本発明で好ましく使用するスピ
ネル型フエライトの飽和磁化量は480Gaussを示
し、酸化鉄の中で最も大きい。このような大きな
飽和磁化量は、記録した信号を再生する場合、残
留磁束密度の大きさを充分にし、再生感度が良好
となるために、極めて有効なものである。一方、
スピネル型フエライトに類似した飽和磁束密度を
示すものとしてBaフエライト、Srフエライトが
あるが、これらの連続薄膜型の磁性層を形成する
には、例えば後述のスパツタ装置において基体の
温度を500℃と高温に保持しなければならず、こ
のために基体の種類等が制約される(例えば耐熱
性の乏しいプラスチツクス基体は使用不可能)
等、作成条件に問題があり、不適当である。本発
明の好ましく使用されるスピネル型酸化鉄では室
温〜300℃と低温で製膜が可能であり、基体材料
の制約を受けることがない。但、磁性層には、鉄
及び酸素以外の金属又はその酸化物、或いは非金
属、半金属又はその化合物等を添加し、これによ
つて磁性層の磁気特性(例えば保磁力、飽和磁化
量、残留磁化量)及びその結晶性、結晶の特定軸
方向への配向性の向上等を図ることができる。こ
うした添加元素又は化合物としてはAl、Co、Co
−Mn、Zn、Co−Zn、Li、Cr、Ti、Li−Cr、
Mg、Mg−Ni、Mn−Zn、Ni、Ni−Al、Ni−
Zn、Cu、Cu−Mn、Cu−Zn、V等が挙げられ
る。 また、本発明で、磁性層を設けるのに使用可能
な基体の構成材料は種々のものが採用可能であ
る。例えば、望ましい表面平滑性を示す基体とし
て、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、三酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリ
イミド、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート
の如きプラスチツクス、ガラス等のセラミツクス
等からなる基体が使用可能である。或いは金属基
体も使用してもよい。基体の形状はドラム状、球
状等であつてよい。 この磁気記録媒体を作成するには、基体を固定
板に密着支持し、或いは基体を走行させつつ磁性
材料を被着させることができる。このためには、
真空ポンプ等の真空排気系に接続した処理室内
で、磁性材料のターゲツトを対向ターゲツト方式
でスパツタする。 5 実施例 以下、本発明の磁気記録媒体を図面参照下に更
に詳細に説明する。 第1図〜第4図は、各種の磁気記録媒体(但
し、第4図のみが本発明によるもの、他は参考例
である。)を示すものである。 第1図は磁気テープの例を示し、フイルム基板
6の両主面(即ち表側と裏側)10,11に夫々
上記した酸化鉄系垂直磁化膜12,13を設けた
ものである。 第2図は磁気デイスクのデイスク基板6の両主
面10,11に酸化鉄系垂直磁化膜12,13を
設けた例を示し、更に第2図c,dは基板6が厚
い場合にその外周面14にも酸化鉄系垂直磁化膜
15を設けた例を示す。 第3図は磁気ドラムにおいて、その円筒外周面
16上に酸化鉄系垂直磁化膜12を設けるだけで
なく、その円形の両側端面17にも酸化鉄系垂直
磁化膜18を設けている。 第4図は球形の基体6の外面19及び内面20
の夫々に酸化鉄系垂直磁化膜21,22を設けた
ものである。 なお、上記の各例においては磁気記録媒体の要
部を概略的に示したが、各基体につきその少なく
とも2つの面に酸化鉄系垂直磁化膜を設けてお
り、特に第4図のように中空基体6の外、内面に
酸化鉄系垂直磁化膜を設けていることは、従来の
媒体にはない新規で独創的な構成である。即ち、
この構成によつて、媒体の2以上の面を磁気記録
に使用することができるから、これまでの倍以上
の信号記録量を得ることができる。なお、上記し
た各図では、記録/再生用の磁気ヘツドは図示省
略したが、2以上の磁気ヘツド(光学的に記録/
再生するヘツドも含む。)を配し、これらを媒体
の各面の磁化膜に対し摺接させればよい。また、
各面の磁化膜に対する記録信号の種類を異なら
せ、夫々から別々に再生信号を取出してもよい
し、或いは両信号を合成してもよい。 次に、上記磁気記録媒体における磁化膜の形成
方法を説明する。 垂直磁化膜(磁性層)を形成するために、磁性
材料を基体上に被着させる手段として、対向ター
ゲツトスパツタ法を用いる。 第5図は、対向ターゲツトスパツタ装置を示す
ものである。 図面において、1は真空槽、2は真空槽1を排
気する真空ポンプ等からなる排気系、3は真空槽
1内に所定のガスを導入してガス圧力10-1
10-4Torr程度に設定するガス導入系である。 ターゲツト電極は、ターゲツトホルダー4によ
り一対のターゲツトT1,T2を互いに隔てて平行
に対向配置した対向ターゲツト電極として構成さ
れている。これらのターゲツト間には、磁界発生
手段(図示せず)による磁界が形成される。一
方、磁性薄膜を形成すべき例えばドラム状基体6
は、基体ホルダーによつて、上記対向ターゲツト
間の側方に垂直に配置される。 このように構成されたスパツタ装置において、
平行に対向し合った両ターゲツトT1,T2の各表
面と垂直方向に磁界を形成し、この磁界により陰
極降下部(即ち、ターゲツトT1−T2間に発生し
たプラズマ雰囲気と各ターゲツトT1及びT2との
間の領域)での電界で加速されたスパツタガスイ
オンのターゲツト表面に対する衝撃で放出された
γ電子をターゲツト間の空間にとじ込め、対向し
た他方のターゲツト方向への移動させる。他方の
ターゲツト表面へ移動したγ電子は、その近傍の
陰極降下部で反射される。こうして、γ電子はタ
ーゲツトT1−T2間において磁界に束縛されなが
ら往復運動を繰返すことになる。この往復運動の
間に、γ電子は中性の雰囲気ガスと衝突して雰囲
気ガスのイオン電子とを生成させ、これらの生成
物がターゲツトからのγ電子の放出と雰囲気ガス
のイオン化を促進させる。従つて、ターゲツト
T1−T2間の空間には高密度のプラズマが形成さ
れ、これに伴なつてターゲツト物質が充分にスパ
ツタされ、側方の基体6上に磁性材料として堆積
してゆくことになる。 この対向ターゲツトスパツタ装置は、他の飛翔
手段に比べて、高速スパツタによる高堆積速度の
製膜が可能であり、また基体がプラズマに直接曝
されることがなく、低い基体温度での製膜が可能
である等のことから、垂直磁化膜を形成するのに
有利である。しかも、対向ターゲツトスパツタ装
置によつて飛翔した磁性膜材料の基板への入射エ
ネルギーは、通常のスパツタ装置のものよりも小
さいので、材料が所望の方向へ方向性を以つて堆
積し易く、垂直磁化記録に適した構造の膜を得易
くなる。 次に、上記のスパツタ装置を用いて磁気記録媒
体を作成する具体例を説明する。 この作成条件は以下の通りであつた。 ターゲツト材 鉄(Coを1原子%含有) 基体 ガラス 対向ターゲツト間隔 100mm スパツタ空間の磁界 100Oe ターゲツト形状 100mm直径の円盤(5mm厚) 基体とターゲツト端との間隔 30mm 真空槽内の背圧 10-6Torr 導入ガス Ar+O2 導入ガス圧 4×10-3Torr スパツタ投入電力 420W なお、第5図中、23はドラム回転機構を示
し、この機構で例えばAl合金製で厚み3mmのド
ラム基体6を例えば10rpmで回転させながらスパ
ツタを行ない、その円筒外面に磁化膜を堆積させ
る。また、基体6の両側端面に対しては、別途、
上記と同様にスパツタを行ない、磁化膜を堆積さ
せればよい。 第6図は、ターゲツトT1又はT2に対する基体
6の配置を平面的に示すものであるが、一点鎖線
で示す如くにターゲツトの周りに複数(例えば4
つ)の基体6を配し、これらを同時に処理して磁
化膜を形成すれば、量産が可能である。 第7図は、ターゲツトT1又はT2の形状を基体
6に対応した形状にしたものであるが、これによ
つて基体6の周面に対しより一様かつ効果的にス
パツタを行なうことができる。 基体6については、その内面にも垂直磁化膜を
設けることができる。例えば、第3図の例で、ド
ラム基体6の円筒外面16と円筒内面25とに
夫々磁化膜を形成できる。内面25へのスパツタ
は、第8図に示す如くに、ドラム基体6がターゲ
ツトT1、T2を包囲するように配して行ない、こ
れによつて内面25に酸化鉄系垂直磁化膜24を
堆積させる。また、第8図と第5図の各スパツタ
方法を組合せれば、ドラム基体の内外面に対し同
時にスパツタを行ない、一度に磁化膜を形成でき
る。 第9図は参考迄に真空蒸着法に適用した例を示
すものであるが、ドラム基体6の内側空間内に磁
性材料(例えばFe)の蒸発源26を配し、酸素
ガスの導入下にヒーター27で加熱する。これに
よつて、基体6の内面25に酸化鉄系垂直磁化膜
24を付着せしめることができる。基体6は矢印2
8方向に回転させながら矢印29方向に直線移動
させると、磁化膜を均一に形成することができ
る。 第10図及び第11図も参考例を示すものであ
つて、テープ状のフイルム基板6の両面に垂直磁
化膜を形成する方法を示し、上記したと同様のタ
ーゲツトT1、T2の二組を配置し、これらの各外
周面にフイルム基板6をテーブルガイド30及び
ガイド板(図示せず)で案内しながら、同時にス
パツタを行なう。フイルム基板6は供給リール3
1から巻取リール32へ連続的に送る。なお、ス
パツタ後に、基板6は更に所定幅にスリツトして
最後のテープに作成することができる。 次に、上記した方法及び媒体の具体例(但し、
デイスク状媒体についての例であるが、本発明の
如き媒体も同様である。)を説明する。 例えば表面粗さRmax=0.1μmのポリエチレン
テレフタレート基体の両面に、対向ターゲツト法
によつて膜厚7000Å、保持力HC=1000Oeの酸化
鉄系垂直磁化膜を形成した。しかる後、デイスク
状にカツテイングして磁気デイスクを得、この記
録/再生特性を実効ギヤツプ0.3μm、トラツク幅
100μmのリング型ヘツドによつて測定した。 第12図は、上記磁気デイスクの再生電圧のデ
ータを示すが、高記録密度で高出力が得られるこ
とが分る。 更に、本発明による磁気記録媒体について、磁
性層の特性評価は、X線マイクロアナライザー
(XMA)による組成の同定、X線回折法による
酸化鉄の状態、試料振動型磁力計による磁気特性
によつて行なつた。得られた磁気記録媒体の特性
は次の如くであつた。 まず、面内方向での残留磁化量(MH)と面に
垂直方向での残留磁化量(MV)との比はMV
MH≧0.5であつた。即ち、第13図に例示するよ
うに、破線で示す面内方向での磁化時のヒステリ
シス曲線と、実線で示す垂直方向での磁化時のヒ
ステリシス曲線とが夫々得られたが、印加磁界が
ゼロのときの各磁化量をMH、MVとした。これに
よれば、前者のヒステリシス曲線は後者のヒステ
リシス曲線よりも小さく、MV≧0.5MHとなつて
いることが明らかであり、垂直磁化にとつて好適
な磁性層が形成されていることが分る。また、保
磁力は垂直方向では920エルステツド、面内方向
では750エルステツドであつた。これは、酸化鉄
系の磁性層においては驚くべき事実である。 また、この磁気記録媒体の組成をXMA(X線
マイクロアナライザ:日立製作所製「X−556」
KEVEX−7000型)で測定したところ、Feが主ピ
ークであり、Coが少量含まれていることが分つ
た。更に、酸化鉄の状態を調べるために、X線回
折装置(日本電子社製「J.DX−10RA」:CuKα
管球使用)を用いて測定したところ、下記表に示
すように、磁性層が酸化鉄を主成分とするもので
あることが分つた。しかも、この磁性層は、面内
方向に対して垂直方向に秩序正しい構造を有して
いることが電子顕微鏡で観察された。
【表】
【表】 なお、上記のスパツタ法による製膜前に、基体
上の表面を同一スバツタ装置内でAr+によりボン
バードして表面清浄化処理したり、或いはベーキ
ングを施すか、高周波をかけて表面処理しておく
のが望ましい。 上記の如くに得られる磁気記録媒体は、磁性層
の磁化容易軸をその面内方向に対しほぼ垂直にす
ることができる。 上記した実験と比較するために、上記作成条件
において、ターゲツト材を純鉄(Co含有せず)
として同様にスパツタした結果、得られた磁性薄
膜のMV/MHは0.5未満、保磁力は垂直方向で600
エルステツド、面内方向で500エルステツドであ
つた。 次に、本発明による磁気記録媒体は、磁性層と
して酸化鉄を主成分とするものを用いているの
で、従来のCo−Cr系磁性層に比べて化学的、機
械的安定性等に著しく優れている。第14図は、
強制劣化試験(80℃、85%RH)を行なつた場合
に得られた、酸化鉄系磁性層を用いた本発明によ
る媒体の残留磁束密度(Br)の経時変化(a)と、
Co−Cr系磁性層を用いた媒体の残留磁束密度
(Br)の経時変化(b)とを示すものである(△Brは
残留磁束密度の変化量)。Brの測定は試料振動型
磁力計(東英工業社製)で測定した。これによれ
ば、酸化鉄系磁性層では、Co−Cr系磁性層より
Brの劣化が大幅に小さくなることが分る。なお、
酸化鉄系磁性層で△Br/Brが幾分低下している
のは、膜の組成であるFe3O4の一部がγ−Fe2O3
に移行したからであると考えられる。また、1カ
月(30日)後の観察結果において、Co−Cr系磁
性層の表面に斑点、くもり、サビ等が生じていた
が、酸化鉄系磁性層では、表面状態に変化はみら
れなかつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明を説明するためのものであつて、
第1図a,b、第2図a,b及びc,d、第3図
a,b、第4図a,bは各種磁気記録媒体の各斜
視図及びその断面図、第5図は対向ターゲツトス
パツタ装置の概略断面図、第6図及び第7図はタ
ーゲツトとドラム基体との配置を示す各平面図、
第8図及び第9図はドラム基体の内面に磁化膜を
形成する状態の各断面図、第10図はフイルム基
体に磁化膜を形成する状態の平面図、第11図は
第10図の一部分の斜視図、第12図は磁気記録
媒体の再生特性を示すグラフ、第13図は磁気記録
媒体のヒステリシス曲線図、第14図は磁気記録
媒体の残留磁束密度の経時変化を比較して示すグ
ラフである。 なお、図面に示された符号において、1……真
空層、2……排気系、3……ガス導入系、4……
ホルダー、6……基体、12,13,15,1
8,19,21,22,24……酸化鉄系垂直磁
化膜、26……蒸発源、T1,T2……ターゲツト、
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 中空状の基体を有し、この基体の外面及び内
    面に夫々磁性層が設けられ、かつ、これらの磁性
    層が、 (a) アルミニウム、コバルト、コバルト−マンガ
    ン、亜鉛、コバルト−亜鉛、リチウム、クロ
    ム、チタン、リチウム−クロム、マグネシウ
    ム、マグネシウム−ニツケケル、マンガン−亜
    鉛、ニツケル、ニツケル−アルミニウム、ニツ
    ケル−亜鉛、銅、銅−マンガン、銅−亜鉛及び
    バナジウムからなる群より選ばれた添加物質を
    含む鉄をターゲツト材として用いた対向ターゲ
    ツトスバツタ法により、形成されたものであ
    り、 (b) 面内方向での残留磁化(MH)と、その面に
    対し垂直方向での残留磁化(MVとの比(MV
    MH)が0.5以上であり、 (c) 前記添加物質を含み、Fe3O4、γ−Fe2O3
    はこれらの中間組成の酸化鉄を主成分とする。 連続磁性薄膜からなつている磁気記録媒体。
JP58031940A 1983-02-28 1983-02-28 磁気記録媒体 Granted JPS59157835A (ja)

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Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS52134706A (en) * 1976-05-06 1977-11-11 Univ Tohoku Vertical magnetic recorder reproducer and system therefor
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