JPH03152198A - １，１，１―トリクロロエタン組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本願発明は、溶剤回収を伴う金属洗浄分野やドライクリ
ーニング分野の１．１．１−）リクロロエタン組成物に
関する。

（従来の技術） １．１．１−トリクロロエタンは、トリクロロエチレン
やパークロロエチレン等の他の塩素系溶剤に比べ、洗浄
力、毒性および環境汚染の点に優れていることから金属
の脱脂洗浄用やドライクリーニング用に広（使用されて
０る。近年特に、溶剤ガスによる大気汚染の防止や作業
環境の向上のために溶剤回収を伴う洗浄、すなわち洗浄
中に発生した安定剤を含む溶剤蒸気を活性炭を充填した
回収機に送り、活性炭に吸着させたあと過熱蒸気による
脱着操作で溶剤を回収し再使用する方法での使用頻度が
高くなっている。

しかし１．１．１−）リクロロエタンは分解し易く、熱
分解や加水分解で発生した塩化水素が金属を腐食させる
問題がある。特にアルミニウムとは反応し易く、比較的
簡単にアルミニウムが腐食する欠点がある。このような
分解反応を防止したり金属の安定性を高めるために、ア
ルコール類、環状エーテル類、ニトロアルカン類、エポ
キサイド類、ケトン類等の安定剤を添加した安定化１゜
１．１−）リクロロエタンが数多（提案されている。

例えば、特公昭３９−１２６０３号公報には７１０ｍモ
ノエポキサイドを含んだ１，１．１−）リクロロエタン
が、蒸気相での亜鉛、鉄およびアルミニウム等の金属に
よる１、１．１−）リクロロエタンの接触分解を抑制し
て金属の耐食性を向上させていることが開示されている
。また特開昭５４−９９１３４号公報にはハロゲン化炭
化水素類にケトン類を添加し、剥離後のエポキシ樹脂を
含む溶剤の硬化を抑制していることが開示されている。

しかし、これらの従来技術には溶剤回収を繰り返し行っ
た場合の金属安定性や溶剤の安定性については触れられ
ていない。

一方、過熱蒸気による溶剤回収では安定剤が排水に溶解
して排出されたり、１，１．１−）リクロロエタンの熱
分解や加水分解による塩化水素や酢酸等の酸性物質を含
む溶剤が回収される等の欠点がある。

このような回収液を再生するため、特開昭５３−９４２
７８号公報には回収液に安定剤を添加して回収液の劣化
を防止することが開示されているが、安定剤を補添せず
とも溶剤回収を繰り返し行う技術については記載されて
いない。

揮発性が高（でも水溶性の安定剤を含有した１、１．１
−）リクロロエタンで溶剤回収を行った場合、排水から
の安定剤損失が多いため回収時に於ける１、１．１−）
リクロロエタンの安定性が低々熱分解や加水分解により
酸性物質を含む安定剤の少ない溶剤が回収される。

また、揮発性の低い安定剤を含有したｌ、■。

１−トリクロロエタンで溶剤回収を行った場合、回収機
に送入される安定剤が少ないため回収時に於けるｉ、ｉ
、ｔ−トリクロロエタンの安定性が低く熱分解や加水分
解により酸性物質を含む溶剤が回収される。

このような回収液に安定剤の補添も行わず再使用すれば
、洗浄液での安定剤濃度低下や酸性物質蓄積が起こり、
蒸気相で洗浄を行うアルミニウム、鉄、亜鉛等の金属部
品に腐食物やしみが発生するなどの問題がある。

一方、回収液に安定剤を添加し繰り返し洗浄を行う場合
は、回収液の劣化については解消できるが効率が悪く経
済性に劣るなどの問題がある。

（発明が解決しようとする課題） かくして本願発明は、溶剤回収を繰り返す洗浄に於ける
１、１．１−）ソクロロエタン組成物において、長期間
に渡り洗浄液の安定剤濃度を適度に保持し酸性物質の蓄
積を防止することができ、ひいては、常に金属安定性に
優れる蒸気相を形成すると共に溶剤回収時に於ける１、
１．１−）リクロロエタンの安定性を高め、安定剤の補
添を行わずとも洗浄液に戻すことのできる回収液が得ら
れる１、１．１−）リクロロエタン組成物を提供するも
のである。

（課題を解決するための手段） すなわち本願発明は、組成物の全量に対して、０．１〜
１０容１％のアセチルアセトンと０．１〜５容量％のア
ルキレンオキサイド類を含むことを特徴とする１、１．
１−）リクロロエタン組成物に関するものである。

本願発明のアルキレンオキサイド類としては、１．１．
１−）リクロロエタンの沸点に近似する１、２−ブチレ
ンオキサイド、２，３−ブチレンオキサイド、イソブチ
レンオキサイド等が好ましい。

アセチルアセトンはアルミニウムなどの金属に対する安
定化効果は高いが、酸性物質を捕捉する作用は持たない
。従って、アセチルアセトンを単独で含有する１、１．
１−）リクロロエタンで溶剤回収を繰り返し行った場合
、洗浄液中に酸性物質が蓄積し徐々に金属安定性が低下
する。

またアルキレンオキサイド類は金属安定性に劣るが、１
，１．１−）リクロロエタンの分解によって発生した塩
化水素を捕捉する作用がある。従って、アルキレンオキ
サイド類を単独で含有する１、１．１−）リクロロエタ
ンで溶剤回収を繰り返し行った場合、短期間でアルミニ
ウムなどの金属被洗物にしみや腐食物が発生する。更に
、アルキレンオキサイド類は塩化水素を捕捉し消失する
ため徐々に洗浄液中の濃度が低下し酸性物質が増大する
。

このように単独では溶剤回収を繰り返す洗浄での効果は
期待できないが、アセチルアセトンとアルキレンオキサ
イド類を併用し、且つ各０．１容量％以上含有すること
で長期間に渡り洗浄液の安定剤濃度を適度に保持し酸性
物質の蓄積を防止することかできる。よって、常に金属
安定性に優れる蒸気相を形成すると共に溶剤回収時に於
ける１、１．１−）リクロロエタンの安定性を高め、安
定剤の補添を行わずとも洗浄液に戻すことのできる回収
液を得られる。

これらの効果はアセチルアセトンとアルキレンオキサイ
ド類が保育する個々の作用とは別に、両安定剤が適度の
揮発性を持ち、且つ排水からの損失が少ないという特徴
を持つことによる。すなわち、洗浄液が沸騰している時
に於けるアセチルアセトンとアルキレンオキサイド類の
蒸気相での濃度が洗浄液での濃度の工０％以上を示し、
且つ排水量と回収液量が同量の時に於けるアセチルアセ
トンとアルキレンオキサイド類の排水からの損失量が回
収機に送入されたｌの３５％未満を維持することによる
。

しかし、アセチルアセトンあるいはアルキレンオキサイ
ド類が０．１容量％未満の場合では、排水からの損失ま
たは塩化水素との反応による消失等で安定剤濃度を適度
に保持することが困難になると共に洗浄液中の酸性物質
増加に至る。

また、アセチルアセトンが１０容量％を越えると、洗浄
中に金属イオンの溶出が起こり金属表面にじみが発生し
易（なる。一方、アルキレンオキサイド類が５容量％を
越えても、含有量に対する金属への安定化効果を期待す
ることができない。

尚、本願発明の組成物に排水からの損失が多いあるいは
揮発性の低い公知の安定剤を含有しても本願発明の効果
を損なうことはない。すなわち、１．１．１−）リクロ
ロエタンの主要安定剤として使用される１、４−ジオキ
サンや１，３−ジオキソラン等の環状エーテル類、ニト
ロメタンやニトロエタン等のニトロアルカン類、２級ブ
チルアルコール、３級ブチルアルコール、３級アミルア
ルコールやメチルブチノール等のアルコール類、補助安
定剤として使われるフェノール類、ベンゾトリアゾール
類、アミン類をも添加できる。

（実施例） 本願発明を実施例によって具体的に示すが、本願発明は
それらの実施例に限定されるものではない。なお溶剤回
収を伴う洗浄試験と評価試験は以下の方法による。

く溶剤回収を伴う洗浄試験〉 表−１、表−２に示す安定化ｉ、Ｌ　　１−トリクロロ
エタンを洗浄槽に５００１投入する。洗浄槽の溶剤を沸
騰させ、繊維状活性炭を充填した回収機に毎分１０♂の
風量で安定剤を含んだ溶剤蒸気を送る。この時、溶剤蒸
気の一部は吸着されず系外に放出される。１時間毎に１
．５ｋｇ／ｅＪＧの過熱蒸気を回収機に送入し、活性炭
に吸着した溶剤と安定剤を回収する脱着操作を行う。脱
着した溶剤と安定剤は、凝縮器で液化させたあと水分離
器で溶剤層と水層に分離させる。回収した溶剤は、何ら
処理せず洗浄槽に戻し再使用する。以降この操作を繰り
返す。但し、洗浄槽内の液量が徐々低減するため液量が
５００１になるよう運転当初に投入した安定化１，１．
１−）リクロロエタンを１０時間毎に補給する。

なお評価試験を行うため、１０時間毎に補給を行う前の
洗浄槽内の洗浄液と溶剤蒸気を３００．１の注射器で各
５０１ＬＩ採取する。

くアルミニウム安定性試験および評価法〉アルミニウム
試験片（Ｊ　ｒＳ−Ｈ−４０００゜Ａｌ１００Ｐ）１枚
を置いたシャーレに蒸気相の溶剤を３０１Ｌｉ入れ、鋭
利な千枚通しで試験片に長さ約３ｅ−の傷を４本付ける
。５分間放置後、試験片に付けた傷口の状態を肉眼で観
察し、溶剤蒸気のアルミニウム安定性を評価する。

く酸性度評価試験および評価法〉 １００−三角フラスコに洗浄液の溶剤を入れ精秤する。

０．１％ブロモチモールブルーのメタノール溶液を０．
６−加え０．０ＩＮ水酸化ナトリウムのメタノール標準
液で滴定する。指示薬の色が黄色から青緑色に変色した
時を終点とし、その時の滴下量で塩化水素換算の酸性度
を次式で計算する。

第１表は実施例、第２表は比較例であり洗浄試験に使用
した安定剤成分と組成、更に１０時間毎に洗浄槽で採取
した溶剤蒸気のアルミニウム安定性結果と洗浄液の酸性
度評価結果を示す。

尚、安定剤成分は次に示す略号で示し、その組成をｖｏ
１％で与える。但し、補助安定剤として使用されるＢＨ
ＴｌＢＴＺ、ＤＩＰＡの組成は、ｗｔ％で与える。

ＡＣＡＣニアセチルアセトン １．２−ＢＯ：　１．２−ブチレンオキサイド２．３−
ＢＯ：　２．３−ブチレンオキサイド１ｓｏ−ＢＯ：イ
ソブチレンオキサイドＤＯ：１，４−ジオキサン ＤＯＬ：１，３−ジオキソラン ＮＭ　　：ニトロメタン ＮＥ　　：ニトロエタン ＳＢＡ　　：２級ブチルアルコール ＴＢＡ　　：３級ブチルアルコール ＴＡＡ　　：３級アミルアルコール ＭＢ　　：メチルブチノール ＢＨＴ　　ニブチルヒドロキシトルエンＢＴＺ　　：ベ
ンゾトリアゾール ＤＩＰＡニジインプロピルアミン ＭＥＫ　　：メチルエチルヶトン ＩＰＥ　　：イソプロピルエーテル （発明の効果） 溶剤回収を繰り返す洗浄に於ける本願発明の１、ｉ、ｉ
−トリクロロエタン組成物は、長期間に渡り洗浄液の安
定剤濃度を適度に保持し酸性物質の蓄積を防止すること
ができる。よって、常に金属安定性に優れる蒸気相を形
成すると共に溶剤回収時に於ける１、１．　１−）リク
ロロエタンの安定性を高め、安定剤の補添を行わすとも
洗浄液に戻すことのできる回収液を得られる等の効果を
与え工業的に極めて有用である。

表−１ 表−２

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 組成物の全量に対して、０．１〜１０容量％のアセチル
   アセトンと０．１〜５容量％のアルキレンオキサイド類
   を含むことを特徴とする１，１，１−トリクロロエタン
   組成物。