JPH0314696B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は豆腐、その他非常に柔らかく壊れ易
い物品を無菌もしくは滅菌状態を保持しつつ自動
的にパツク詰めする方法とその装置に関する。

〔従来の技術〕

豆腐製造所において、連続して所定形状に製造
した豆腐を一丁づつパツク詰めする場合、柔らか
く非常に壊れ易いため水中に豆腐を浸し、これを
作業者により一丁づつ壊れないよう注意しつつ水
中より手で抄い揚げこれを他方の手に持つたパツ
クに入れ、その後、自動包装機へコンベヤ等の搬
送手段を介して、または直接手で供給して豆腐入
パツクをポリエチレンフイルム等の薄いフイルム
にて包装し、出荷している。この豆腐のパツク詰
は多量に製造し、スーパーや小売店へ卸す製造業
者にとつては必要欠くべからざる作業である。

〔発明が解決しようとする課題〕 豆腐は柔らかく非常に壊れ易いため、自動的に
包装、すなわち機械的にこれを包んだり、あるい
はこれをパツク詰めしたりすることは不可能であ
つた。このため豆腐をパツク詰めする際、豆腐が
水中に浸された状態で作業者が壊れないようしか
も片手で抄い揚げ、他方の手に持つたパツク内に
挿入してパツク詰めしている。このため能率が悪
く、製造行程において多くの人手を要している。

さらには豆腐を浸した水、または湯が作業者の
手で抄いとれる程度の温度をもつ湯、または水で
は作業者の手に付いている雑菌が豆腐に付着し易
く、これが密封包装後繁殖する虞があり、賞味期
間を長くすることができなかつた。

本発明ではこれに鑑みて豆腐のパツク詰めを作
業者が豆腐に触れることなく、自動的に無菌状態
にて行うことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するためになしたもの
で、製造機にて製造された豆腐を湯槽内にて製造
された搬送する第１の搬送手段と、この搬送手段
の終端部に隣接し、第１搬送手段より早く駆動さ
れ、第１搬送手段より移載された豆腐をパツク詰
め動作と同調すべく待機せしめるようになした第
２搬送手段と、この第２搬送手段の前後位置に昇
降自在に設けた第１及び第２のストツパーと、こ
の第２ストツパーと隣接し、パツク供給位置及び
搬送ライン間を昇降し、包装パツクを一枚づつ供
給するパツク昇降装置と、このパツク昇降装置の
下方位置にあり、繰り出されたパツク内に注湯す
る注湯ノズルと、前記パツク昇降装置のテーブル
降下位置でテーブルうえに載置されたパツクの浮
上を防止し、かつ豆腐進入時のガイド作用をする
昇降自在なるパツク押えガイド装置と、豆腐のパ
ツクへの進入方向と反対側にあつて、豆腐進入
時、パツク端面部上に突出し鍔を押さえ、かつス
トツパーとしての作用をするパツク押えガイドと
より構成されることを要旨とする。

〔作 用〕

滅菌温度を保つ湯槽内を空気に触れることなく
順次搬送される豆腐をこの第１搬送ラインより少
し早く駆動される第２搬送ライン及びパツク内へ
の送り込み位置へと豆腐を一つづつストツパーの
作動にて送り込むと共に、一枚づつ繰り出される
パツク内に注湯して前記湯槽内へ沈め、第２搬送
ラインうえで待機せしめておいた豆腐をこの湯中
内のパツク内へ進入させた後、このパツクを湯中
より上昇せしめ、次の密封包装へ移送して包装を
行うようになす。これによつて豆腐のパツク詰め
を作業者が豆腐に触れることなく、しかもより衛
生的で賞味期間の長い製品を提供することができ
る。

〔実施例〕

次に本発明を図面に示す実施例にもとづいて説
明する。

１は湯槽でこの内部には豆腐に雑菌が繁殖せ
ず、しかも味を損うことのない適当な温度をもつ
湯を充填し、必要により適温に保つよう加熱した
り、循環せしめたりすると共に、この湯槽１内に
はネツトコンベヤ等の第１搬送装置２が組み込ま
れ、図示省略された豆腐製造機にて所要の大きさ
に製造された豆腐は湯槽内に投入されると第１搬
送装置２により湯槽１内の湯中を搬送せしめられ
る。この槽内には豆腐が製造された直後、あるい
は雑菌が繁殖しない滅菌状態を保持できるに適し
た温度の湯が満たされており、かつ湯温を保つよ
うになしている。そしてこの第１搬送装置２の終
端部にはこの第１搬送装置と連続し、パツク詰位
置へ供給するための第２搬送装置３が隣接され、
豆腐は第１搬送装置２より第２搬送装置３へ湯中
にて移乗して移送されるようになす。この第２搬
送装置３は短いベルトコンベヤ式またはローラを
所要ピツチで多数並列せしめ、かつ同一方向に駆
動するローラコンベヤであつても良く、その駆動
速度は第１搬送装置２よりも速くする。そしてこ
の第１搬送装置２と第２搬送装置３との隣接間に
第１のストツパー４を昇降装置６にて昇降自在に
配設する。第１搬送装置２にて搬送されてくる豆
腐は同時に配列され、複数のパツクにそれぞれ詰
める方式においては各パツク包装の列に並ぶよう
に整列板（図示省略）が第１搬送装置上に配設さ
れる。この時、整列板は先端、すなわち豆腐投入
側が広がり、第２搬送装置側の奥部が狭くなるよ
うにして配列配置すれば第１搬送装置２にて槽内
を搬送される豆腐が、不整列であつてもこの整列
板先端位置にきたとき、自動的にあるいは作業者
によつて配列される整列板間に方向を揃えられて
豆腐を整列せしめて各包装位置へ一つづつ進入し
得るようにし、第２搬送装置３上ではその状態の
ままパツクへ進入可能の姿勢を保つようになす。

またこの第２搬送装置３とパツク昇降装置との
間には第２のストツパー５が昇降自在にして配設
され、第２搬送装置へ移載された豆腐が、この第
２ストツパー５に当接され、第２搬送装置が常時
駆動されていても、豆腐はこのストツパー５にて
停止されるようになす。

第２ストツパー５は第２搬送装置上にある豆腐
を該装置３が連続駆動されても停止させる下降位
置と豆腐が次の湯中に没しているパツク内へ進入
するようになす上昇位置とを昇降するシリンダ等
の昇降装置６を設ける。

この第２ストツパー５に隣接してパツク昇降装
置７が配設される。これはシリンダ等の昇降機７
１とパツクを受けるテーブル７２とよりなり、槽
上方位置に配設されたパツク供給機より繰り出さ
れる一枚のパツクＰをテーブル７２上に載置する
上昇位置と湯槽内の第２搬送装置ラインと同高の
下降位置間をテーブルが昇降するようになす。そ
してこのテーブル７２が下降位置にあるとき、第
２ストツパー５を上昇させると第２搬送装置８上
の豆腐はその駆動によつて送り出され、テーブル
７２上にパツク内へ進入するようになす、この時
豆腐は第２搬送装置上より確実にパツク内に入る
よう押出機構８を、この第２搬送装置よりテーブ
ル上にかけて移動するようにして設ける。この押
出機構８はシリンダー等の押出機８１と、その先
端に突設し、豆腐の後端と接してこれを押す押板
８２及びこの押板８２を確実に第２搬送装置より
パツク側へ移動せしめるガイド８８よりなり、こ
のガイド８８と押出機８１との作用にて押板８２
は第２搬送装置の始端側（第１ストツパー側）上
方では該装置３上の豆腐より上方位置にあつて、
第１搬送装置より進入を妨げないようになす。

上記パツク供給機９は多数重積されたパツクＰ
を収納し、その下部から一枚づつ順次自動的に繰
り出すようになしたもので、従来より汎用されて
いるものが使用され、かつパツク昇降装置７の昇
降動作と同調される。テーブル７２が上昇し、パ
ツク供給機の直下位置に停止するとパツク供給機
９の繰り出しローラ９ａは駆動され、下段側より
一パツクＰを繰り出し、テーブル７２上へ落下供
給する。

これと同時、あるいはその直後に上昇位置にあ
るパツクＰ内へ注湯が行われる。

これはパツクＰを供給機よりテーブル７２上へ
落下供給するのに支障がなく、しかもパツク内へ
の注湯が確実に行える位置に注湯ノズル１０を１
または２以上設け、テーブルが降下し、水面下に
没するまでにパツク内へ注湯が満たされるように
する。このパツクへの注湯の温度は槽１内の湯温
と同程度、もしくは少し高くする。そしてこのパ
ツクの自重と昇降機の操作にてパツクがテーブル
と共に湯面下に没するとき、パツクも自然に湯槽
下に没し、第２搬送装置ラインと略同じラインに
なるようにする。

この時パツクが確実に没し、浮上しないように
するため、また豆腐のパツク内への進入が確実に
行えるため、パツク押えガイド１１を設ける。こ
れはテーブル上に載置されたパツクの上端鍔部
Paを押さえる水平のガイド片１１ａと、このガ
イド片より上方に延びるガイドストツパー片１１
ｂとをＬ字形に一体とし、これを左右に平行に配
し、互いに左右のガイド片を連繋してシリンダ等
の駆動装置１１ｃにてパツク押えガイド１１を昇
降と、テーブル昇降時、衝突しないように横方向
へ逃がすように動作せしめる。

したがつてテーブルが通過した直後、このパツ
ク押えガイドが降下し、テーブル上のパツクの鍔
Paをガイド片１１ａにて上から押さえ、パツク
の浮上を完全に防止する。それと共に第２搬送装
置とテーブル７２を挟んで反対方向にあるパツク
押えガイド１２が、そのシリンダ１２ａにて押し
出され、パツクの端側部の鍔Paを押さえ、この
パツク押えガイド１２と前記ガイド片１１ｂ，１
１ｂとにより、パツクの鍔は第２搬送装置側を除
いた三側面を押さえられ、かつ第２ストツパーの
上昇にて第２搬送装置にて送り出される豆腐がこ
のガイド１２ガイド片１１ｂに導かれて確実にパ
ツク内へ進入するようになす。

なお第１のストツパー４は第２搬送装置上に豆
腐がストツクされている状態では降下しており第
１搬送装置からの供給を停止せしめ、第２搬送装
置うえが空になつたことを検知すると、この第１
ストツパーが解除され、次の豆腐が進入するよう
になす。この第１、第２搬送装置は連続的に、し
かも第１より第２のほうが少し速い速度で駆動さ
れると共に、第１、第２、ストツパー１，５の作
動、パツク押えガイド１１，１２の進退、押出機
構８の進退、パツク昇降装置７の昇降停出保持動
作、パツクの供給及びパツク内への注湯作用はす
べて同調して行われるものである。

また豆腐をパツクＰに詰めてテーブル７２が上
昇すると、この信号を受けてこの位置の側方に配
設された押出機１８にて該パツクを上昇したテー
ブル上より包装機へ通ずるコンベヤ１４上へ押し
出し移載せしめるものである。そしてこの豆腐入
パツクをコンベヤへ移載し、押出機が復帰すると
パツク供給機より次のパツクがテーブル上へ供給
される。このようにして自動的に連続的に豆腐を
滅菌状態のうちで包装するものである。なお、こ
の豆腐を入れたパツクがテーブルと共に上昇する
とき注湯は停止しておくほうが好ましい。

〔発明の効果〕

この発明によれば、製造された豆腐を味を損な
うことなく、しかも滅菌状態を保持できる温度を
有する湯槽内を整列した状態で搬送せしめると共
に、この整列した状態で最前列の豆腐からその搬
送速度を速めて搬送し、かつパツク内に注湯され
ることによつてパツクが湯中内に降下した時点
で、この湯中でかつ搬送装置上で第２ストツパー
１２待機した豆腐をこのストツパーの上昇にて湯
中にある降下パツク内へ送り出すようになしてい
るため壊れ易く柔らかい豆腐でも作業者の手で持
つたり触れたりすることなくしかも壊すことな
く、確実にしかも自動的にパツク詰めでき、省力
化を図ることができるとともに作業者の手が一切
触れないのでパツク詰時の雑菌の付着がなく、よ
り衛生的にパツク詰めすることができる効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は外観説明図、第２図は平面図、第３図
は側面図、第４図はパツク押えガイドを主体とし
た説明図である。 １…油層、２…第１搬送装置、３…第２搬送装
置、４…第１ストツパー、５…第２ストツパー、
６…昇降装置、７…パツク昇降装置、７２…テー
ブル、８…押出機、９…パツク供給機、１０…注
湯ノズル、１１，１２…パツク押えガイド、１３
…押出機、１４…コンベア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 滅菌状態と味を損なうことがない温度を保つ
   湯槽内を空気に触れることなく順次搬送される豆
   腐を、パツク詰め位置においてこの第１搬送ライ
   ンより少し早く搬送し、かつこの第２搬送ライン
   の搬送速度、ストツパーの昇降作動の協動にてパ
   ツク供給位置にて一枚づつ繰り出され、かつこれ
   に注湯して前記湯槽内へ沈めたパツク内へ前記第
   ２搬送ライン上で待機せしめておいた豆腐を押し
   出し、この湯中内のパツク内へ挿入させた後、こ
   のパツクを湯中より上昇せしめることにより確実
   にパツク詰めすることを特徴とする豆腐の自動パ
   ツク詰方法。 ２ 製造機にて製造された豆腐を滅菌状態を保つ
   湯を満たした湯槽内にて搬送する第１搬送装置
   と、この搬送装置の終端部に隣接し、第１搬送装
   置より早く駆動され、第１搬送装置より移載され
   パツク詰め動作と同調すべく豆腐を待機せしめる
   ようになした第２搬送装置と、この第２搬送装置
   の前後位置にあつて昇降自在に設け、豆腐を一時
   的に待機させる第１及び第２のストツパーと、こ
   の第２ストツパーと隣接し、パツク供給位置及び
   搬送ライン間を昇降し、包装パツクを一枚づつ供
   給するパツク供給機と、このパツク供給機の下方
   位置にあり、パツク供給機にて上昇位置にあるパ
   ツク昇降位置のテーブル上に繰り出されたパツク
   内に注湯する注湯ノズルと、前記パツク昇降装置
   のテーブル降下位置で、テーブル上に載置された
   パツクの浮上を防止し、かつ豆腐進入時のガイド
   作用をするパツクの鍔部を押さえるガイド片とこ
   れを昇降させる駆動装置よりなるパツク押えガイ
   ド装置と、豆腐のパツクへの進入方向と反対側に
   あつて豆腐投入時パツク端面部上に突出し、鍔を
   押さえ、かつストツパーとしての作用をするパツ
   ク押えガイド及び豆腐を入れたパツクを上昇位置
   にあるパツク装置のテーブル上よりコンベヤ側へ
   押し出す押出機よりなることを特徴とする豆腐の
   自動パツク詰装置。