JPH0314544B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、蒸気相の気化潜熱によりはんだを溶
融するタイプの気相式はんだ付け装置に関するも
のである。

（従来の技術） 気相式はんだ付け装置は、プリント配線基板を
搬送しながらこのプリント配設基板と搭載部品と
の間に介在するはんだを蒸気槽内に生成した蒸気
相の気化潜熱により溶融し、プリント配線基板に
IC等の搭載部品をはんだ付けするようにしてい
る。

その場合、プリント配線基板の搬送コンベヤに
プリント配線基板を載せてこのプリント配線基板
を水平の姿勢で搬送するようにしている。

一方、前記蒸気槽内の蒸気相はプリント配線基
板および搭載部品の表面で凝縮し、その凝縮の際
にプリント配線基板等に気化潜熱を放出するので
あるが、前記凝縮で生じた液（フツ素系不活性溶
剤）がプリント配線基板等の表面に付着される。

（発明が解決しようとする問題点） その場合、従来はプリント配線基板を蒸気槽へ
の搬入から搬出にわたつて水平の姿勢で搬送して
いるため、このプリント配線基板等に付着した液
がその付着面から容易に離脱せず、この凝縮液が
前記基板とともに外部に持出され、高価な液の消
費量が多くなる問題点がある。

本発明は、プリント配線基板等に付着した凝縮
液の離脱を容易にするように搬送コンベヤを構成
することにより、液の持出しを防止することを目
的とするものである。

［発明の構成］ （問題点を解決するための手段） 本発明は、プリント配線基板Ｐを搬送しながら
このプリント配線基板Ｐと搭載部品Ｗとの間に介
在するはんだＳを蒸気槽１１内の蒸気相１８中で
加熱して溶融することにより、プリント配線基板
に搭載部品をはんだ付けする気相式はんだ付け装
置に関するもので、プリント配線基板Ｐを搬送す
る搬送コンベヤ２１は、前記蒸気相１８に対する
搬入部分が水平に配設され、蒸気相１８からの搬
出部分が上下方向に傾斜状に配設されたものであ
る。

（作用） 本発明は、蒸気相１８に対する搬入部分が水平
に配設された搬送コンベヤ２１により、溶融開始
時点のプリント配線基板Ｐを水平に搬送すること
により、溶融開始時点で生じやすい搭載部品Ｗの
位置ずれを防止する。また、はんだが完全に溶融
してしまえば、溶融はんだの表面張力が搭載部品
Ｗに働き、この溶融はんだの表面張力によつて、
搭載部品Ｗが傾斜状態に関係なく保持され、位置
ずれを生じることはないので、プリント配線基板
Ｐを傾斜姿勢で蒸気相１８から搬出することによ
り、このプリント配線基板Ｐ等の表面に凝縮した
液は、その傾斜面に沿つて蒸気槽１１の内部に流
れ落ち、外部に持出されることがない。

（実施例） 以下、本発明を図面に示される実施例を参照し
て詳細に説明する。

第１図に示されるように蒸気槽１１の下部に溶
剤槽１２が設けられ、この溶剤槽１２の内部にフ
ツ素系不活性溶剤１３が収納され、この溶剤１３
は溶剤槽１２内に配設されたヒータ１４により加
熱される。さらに前記蒸気槽１１の搬入側に搬入
口部１５が設けられるとともに搬出側に搬出口部
１６が設けられ、そして前記蒸気槽１１の上部、
搬入および搬出口部１５，１６の内壁にそれぞれ
冷却コイル１７が設けられている。前記蒸気槽１
１の内部には前記ヒータ１４により加熱されて蒸
発された蒸気相１８が生成されている。

そして前記搬入口部１５、蒸気槽１１および搬
出口部１６お経て主として一対のチエンからなる
搬送コンベヤ２１が配設されている。その搬送コ
ンベヤ２１は、第２図に示されるように一対の無
端チエン２２からなり、第１図に示されるように
外部の端部スプロケツト２３および中間部スプロ
ケツト２４により上下部を接近され、そして、前
記蒸気槽１１の中央部に設けられたスプロケツト
２５に至る蒸気相１８への搬入部分が水平に配設
され、また、前記蒸気槽１１内のスプロケツト２
５，２６間にて、蒸気相１８からの搬出部分が搬
送方向に向つて上昇傾斜状に配設され、傾斜搬送
部２７が形成されている。

前記両側のチエン２２はコンベヤフレーム３１
およびこのフレームに取付られたアングル材３２
に設けられたガイドレール３３により移動案内さ
れるローラチエンであり、ピン３４により順次連
結された各リングプレート３５の上部に支持部３
５ａが一体成形され、そして左右両側に位置する
この複数の支持部３５ａの先端３６の上面にてプ
リント配線基板Ｐの左右両側部が直接支持され、
さらに前記両側の支持部３５ａに螺着され上側に
突設されたねじ３７によりプリント配線基板Ｐの
左右両端面が規制されている。

前記プリント配線基板Ｐの上面および下面には
面実装型集積回路等の電子部品Ｗが搭載されてい
る。この搭載部品ＷのリードＬと基板Ｐとの間に
はデイスペンサにより基板面に塗布されたクリー
ムはんだＳが介在されている。下面の搭載部品は
本体パツケージを接着剤によりプリント配線基板
Ｐに固着されている。

次にこの実施例の作用を説明すると、前記搬送
コンベヤ２１の一端部にて両側チエン２２の支持
部３５ａ上であつて、ねじ３７間に部品搭載基板
Ｐを載せると、この部品搭載基板Ｐは、前記チエ
ン２２の搬送作用により前記蒸気槽１１内に搬入
され、この蒸気槽１１内で前記ヒータ１４の加熱
蒸発作用により気化形成されたフツ素系不活性溶
剤の蒸気相１８の内部に搬入され、この段階でこ
の蒸気相１８の気化潜熱によりほぼ215℃に加熱
され、この加熱により前記クリームはんだＳが溶
融され、プリント配線基板Ｐに搭載部品Ｗのリー
ドＬがはんだ付けされる。

このように、プリント配線基板Ｐと搭載部品Ｗ
との間に介在するはんだが溶融（リフロー）する
場合、この溶融（リフロー）が開始する時点で
は、搭載部品Ｗの位置ずれが発生し易い状況にあ
り、溶融開始時点でのプリント配線基板Ｐの搬送
姿勢は水平状態であることが好ましい。このよう
な観点から、蒸気相１８に対する搬入部分が水平
に配設された搬送コンベヤ２１により、溶融開始
時点のプリント配線基板Ｐを水平に搬送すること
により、搭載部品Ｗの位置ずれを防止する。

前記蒸気相１８はプリント配線基板Ｐおよび搭
載部品Ｗの表面にて凝縮され、液化した前記溶剤
が前記基板Ｐ等の表面に付着されるが、このプリ
ント配線基板Ｐ等が前記蒸気槽内スプロケツト２
５，２６間の傾斜搬送部２７において傾斜姿勢で
蒸気相１８から搬出されるときに、前記付着液は
その傾斜基板面に沿つて自重で流れ落ち、前記溶
融剤１２内に回収される。

この蒸気相１８からの搬出時は、はんだが完全
に溶融した状態にあるので、溶融はんだの表面張
力が搭載部品Ｗに働き、その溶融はんだの表面張
力によつて、搭載部品Ｗが傾斜状態に関係なく保
持されており、位置ずれを生じることはない。

最後に、前記搬出口部１６から外部に搬出され
た部品搭載基板Ｐが、コンベヤ２１上から取出さ
れる。

なお、前記実施例では搬送方向に向かつて上昇
する傾斜搬送部２７を設けたが、本発明はこれに
限定されるものではなく、下降傾斜状に構成して
もよい。

［発明の効果］ 本発明によれば、蒸気相からの搬出部分が上下
方向に傾斜状に配設された搬送コンベヤにより部
品搭載基板を蒸気槽内で傾斜させながら搬送する
ようにしたから、気相式はんだ付けがなされる際
に前記基板等の表面に凝縮した液が傾斜基板面等
に沿つて蒸気槽内に容易に流れ落ち、この凝縮液
の外部への持出しを低減することができる。ま
た、蒸気相に対する搬入部分が水平に配設された
コンベヤにより、はんだが溶融開始する時点のプ
リント配線基板を水平に搬送するようにしたか
ら、この溶融開始時点で生じやすい搭載部品Ｗの
位置ずれを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の気相式はんだ付け装置の一実
施例を示す断面図、第２図はその搬送コンベヤの
拡大断面図である。 Ｐ……プリント配線基板、Ｗ……搭載部品、Ｓ
……クリームはんだ、１１……蒸気槽、１８……
蒸気相、２１……搬送コンベヤ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ プリント配線基板を搬送しながらこのプリン
   ト配線基板と搭載部品との間に介在するはんだを
   蒸気槽内の蒸気相中で加熱して溶融することによ
   り、プリント配線基板に搭載部品をはんだ付けす
   る気相式はんだ付け装置において、プリント配線
   基板を搬送する搬送コンベヤは、前記蒸気相に対
   する搬入部分が水平に配設され、蒸気相からの搬
   出部分が上下方向に傾斜状に配設されたことを特
   徴とする気相式はんだ付け装置。