JPH0313849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、外周方向に突出する磁気ヘツドを有
し、前記磁気ヘツドにて映像信号などを記録再生
する回転ドラムに関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来より回転ドラムは、業務用あるいは民生用
の磁気記録再生装置（たとえばVTR，PCMオー
デイオなど）の心臓部としてその役目を果たして
いる。

近年、映像情報のデジタル化や高品質化の動き
が活発になつて来ておりその中でも特にデジタル
VTRや高品位VTRなど広帯域信号への対応が重
要視されている。

現在、広帯域信号を記録する手段として回転ド
ラムの径を大きくし周速度を上げる方法や、磁気
ヘツドを増やし帯域を分割して記録する方法があ
りどの方式が良いかは一概に決定できない。

しかし、将来的な展開を考慮すると当然民生用
としての機器開発は重要であり、そのためには装
置の小型化は不可欠と言え、その面より多チヤン
ネルの磁気ヘツドを高速回転させるタイプが最も
有望である。

以下に多チヤンネル磁気ヘツドタイプの従来回
転ドラムについて説明する。

第１図は回転ドラムを含むドラム装置の部分断
面図である。

１は磁気テープであり、上側固定ドラム２と下
側固定ドラム３の外周上をら旋状に摺動走行す
る。４は、デイスクと呼ばれ駆動源（モーターな
ど（図示せず））と連結されており所定回転数で
回転する。

そのデイスク４上にネジ（図示せず）などによ
つて回転ドラム５が固定される。

回転ドラム５の外周には、同心円で溝部６が、
また、大小のツバ部７，８が形成されている。

大きいツバ部７には螺合部９（以後調整ネジ９
と称す）が螺合しており小さいツバ部８端面に磁
気ヘツド１０が固定されている。磁気ヘツド１０
は、上側固定ドラム２と下側固定ドラム３の間隙
１１より突出し磁気テープ１と当接する。

前述した磁気ヘツド１０は回転ドラム５に対し
所定角度で複数個取付けてある。

よつて記録再生に於ける互換性確保のため各々
の位置合せが必要であり前記調整ネジ９は磁気ヘ
ツド１０の厚み方向調整（以後高さ調整と言う）
を行うものである。

調整は、調整ネジ９の締付けによる小さいツバ
部８の撓みにより行われる。

第２図は、第１図の矢視Ａ方向の断面図であ
る。

回転ドラム５のツバ部７，８にはスリツト部１
２があり小さいツバ部８の歪みが比較的容易に行
われる様になつている。

本例における回転ドラム５が第２図の矢印Ｒ方
向に回転するとすれば、回転ドラム５の溝部６を
流れる空気流（破線矢印）は調整ネジ９部で乱さ
れる。

この場合、回転ドラム５の回転数が数万RPM
となると空気流の乱れはいわゆる風切り音として
騒音の原因となる。

また、回転ドラム５の全周に関しては、第３図
に示すように磁気テープ１がガイドポスト１３に
より規制され下側固定ドラム２（上側固定ドラム
を含む）外周に沿つて走行するが、調整ネジ９に
よる空気流（破線矢印ａ）の流れが磁気テープ１
を固定ドラム２より離そうとする方向に生じるた
め、磁気テープ１と磁気ヘツド１０間にスペーシ
ングが生じ易くなる。

そのためスペーシング損失による出力低下や再
生エンベロープの悪化を招くなどの問題を有して
いた。

考案の目的 本考案は上記従来の問題点を解消するもので、
前記空気流の乱れを解消した回転ドラムを提供す
ることを目的とする。

考案の構成 本考案は、回転ドラム外周面より回転中心に向
けて設けた凹部と、前記凹部を通る少なくとも一
対のスリツト部を設け、前記凹部とスリツト部で
形成される一対の対向する凸部の小断面積側端面
に磁気ヘツドを、また、凸部の大断面積側に螺合
部（以後調整ネジと称す）を設けた回転ドラムで
あり、前記一対の凸部と回転ドラム外周部で調整
ネジ部を覆うことにより回転ドラム外周近傍の空
気流の乱れを解消することのできるものである。

実施例の説明 第４図は本考案の実施例における回転ドラムの
部分斜視図、第５図は第４図の正面図、第６図は
第４図におけるＡ−Ａ断面図であり、以下図面を
用いて説明する。

なお従来と同一のものに関しては同一符号にて
記す。

第４図において、回転ドラム１４の外周面より
回転軸方向に凹部１５を所定深さで設ける。

穿設部１５で交差する一対のスリツト部１６を
穿設部１５深さ方向に形成している。

穿設部１５とスリツト部１６で形成された一対
の凸部１７，１８の大断面積側１７に調整ネジ９
を、小断面積側１８の端面に磁気ヘツド１０を配
設している。

磁気ヘツド１０の高さ調整は調整ネジ９による
小断面積凸部１８の撓みにより従来通り行われ
る。

以上のように構成された回転ドラム１４が第５
図に示す平面図にて矢印Ｒ方向に回転するとすれ
ば、調整ネジを回転ドラムに埋め込んた構成とし
たことで、空気流は調整ネジを横切ることなく、
外周面に沿つてスムーズに流れる。

よつて磁気ヘツド１０近傍の空気流が安定であ
るため風切り音の低減や磁気ヘツドと磁気テープ
との安定した当接状態が得られる。

なお、本実施例では凹部を丸孔としたが、第７
図に示すような長孔部１９とし、長孔の両端にス
リツト部２０を形成した回転ドラム２１としても
良い。

考案の効果 本考案の回転ドラムは、回転ドラムの外周面よ
り回転軸方向に設けた凹部とその凹部を通る少く
とも一対のスリツト部にて、磁気ヘツドの高さ調
整ネジを履うことにより、回転ドラム外周面近傍
の空気流の乱れが解消でき、従来、回転ドラムの
高速回転時発生した風切り音の低減や、空気流の
乱れにより生じたスペーシング損失の低減、エン
ベロープの安定化が計れるなど、その実用的効果
は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転ドラムを含むドラム装置の
部分断面図、第２図は、第１図の部分断面図の矢
視Ａよりの平面図、第３図は回転ドラム近傍の磁
気テープ走行系経路の平面図、第４図は、本考案
の一実施例における回転ドラムの部分斜視図、第
５図は、第４図の平面図、第６図は第４図におけ
るＡ−Ａ断面図、第７図は本考案における回転ド
ラムの他の実施例を示す正面図である。 １４，２１…回転ドラム１５，１９…凹部、１
６，２０…スリツト部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周に突出した磁気ヘツドを有する回転ドラム
   であつて、前記回転ドラム外周面より回転中心に
   向けて設けた凹部と、前記凹部を通る少なくとも
   一対のスリツト部を設け、前記凹部とスリツト部
   で形成される一対の対向する凸部の小断面積側に
   前記磁気ヘツドを、大断面積側に螺合部を設け、
   前記螺合部に螺合したネジが前記小断面積凸部を
   押圧するようにしてなる回転ドラム。