JPH03138070A - 鋳鉄製シリンダブロックの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はエンジンの鋳鉄製シリンダブロックの製造方法
に関する。

（従来技術） 自動車部品の軽量化が進む今日、エンジンのシリンダブ
ロックにおいても、小型軽量化を図るための技術開発が
行なわれ、シリンダボア間の間隔を縮小したサイアミー
ズ型シリンダブロック、あるいはアルミニウム合金製シ
リンダブロック等が実用化されている。

上記アルミニウム合金製シリンダブロックを作成する場
合、例えば特開昭５８−２１１５５０号公報に開示され
ているように、鋳鉄製シリンダライナをアルミニウム合
金で鋳ぐるむことが一般に行なわれている。

ところで、ディーゼルエンジンの場合は、熱負荷条件が
ガソリンエンジンよりも厳しく、またＮＶＨ（ノイズ、
バイブレーション、ハーシュネス）特性の改善要求も高
いため、剛性の高い鋳鉄製シリンダブロックが依然とし
て採用されているが、エンジンの高回転、高出力化に伴
い、ピストン摺動面の耐摩耗性をさらに向上させること
が必要になってきた。その場合、経済性の面から、通常
の鋳鉄製シリンダブロックのボアに高耐摩耗性を有する
材料で形成されたシリンダライナを取付ければよいと考
えられるが、シリンダブロックの製造に際して鋳鉄製ラ
イナをシリンダブロックのボアに圧入する方法を採用す
ると、圧入代を確保する必要があり、シリンダブロック
全長が長くなって、小型化の要求を満足できなくなる。

以上の理由から、ディーゼルエンジンにおいては、耐摩
耗性に優れた鋳鉄製シリンダライナを鋳鉄で鋳ぐるんで
シリンダブロックを構成することが最も効果的と判断さ
れる。

しかしながら、上記鋳鉄製シリンダブロックの製造工程
におけるシリンダライナと溶湯とのなじみあるいは鋳造
後の冷却の均一性の問題から、シリンダライナが部分的
に鋳ぐるみ材と融合一体化されないという不具合が生じ
る。すなわち、シリンダのボア間は鋳ぐるみ材が厚肉で
あり比較的温度が高く保たれるため接合し易いが、ボア
間以外の部分、例えばボア列方向に直交する方向に面す
る側面は薄肉であり冷却速度が速いため接合が容易でな
いという問題があることが認められた。

（発明の目的） そこで本発明は、シリンダライナ外周と鋳ぐるみ材とを
一体化して機械的結合を強固にすることができる鋳鉄製
シリンダブロックの製造方法を提供することを目的とす
る。

（発明の構成） 本発明は、鋳鉄製シリンダライナを支持する鋳型治具に
、上記シリンダライナに電流を通してこれを加熱する通
電加熱後鋳を設け、通電加熱後鋳ぐるむことを特徴とす
る。

（発明の効果） 本発明は、シリンダライナの外周面のうち、鋳ぐるみ時
に温度が上昇しにくい側部を鋳ぐるみ前に通電加熱後鋳
によって予熱することにより、上記側部を高温に保った
状態で鋳ぐるむようにしているので、ライナが部分的に
鋳ぐるみ材と融合−体化されないという不具合を解消し
、ライナと鋳ぐるみ材との機械的結合を強固なものとす
ることができる。

（実　施　例） 以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する
。

第５図は本発明によって製造されたシリンダブロックを
概略的に示す斜視図で、４つのボアＢを備えたシリンダ
ブロックＳは鋳鉄製シリンダライナ２の外周を鋳鉄で鋳
ぐるむことによって製造される。本発明の実施例におい
ては、シリンダライナ２はリンを０．６〜Ｉ　、　Ｏｌ
ｉ　１　％含有し、かつビッカース硬さＨｖが２５０前
後の高リン含有鋳鉄によって形成される。また鋳ぐるみ
材料はピンカース硬さＨｖが２００前後の鋳鉄（Ｆｅ１
２）よりなり、鋳込温度は約１４００℃である。なお第
５図において、シリンダブロック１のボア列方向をＸ方
向、ボア列方向に直交する水平方向をＹ方向、上下方向
をＸ方向とする。

第１図は本発明の実施に用いられるシリンダブロックの
鋳型中子を示す平面図、第２図はその■■線に沿った縦
断面図である。

図において、砂で形成した中子１の上半部は円筒状のボ
ア中子部１ａとなっており、このボア中子部１ａの外周
には、鋳鉄製シリンダライナ２が配設されている。シリ
ンダライナ２の上端縁２ａおよび下端縁２ｂには、第３
図および第４図に示すような環状の鋳型治具３がそれぞ
れ取付けられている。この鋳型治具３は、セラミンク等
の耐熱絶縁材料よりなる環状体の１つの直径上に相対向
して一対の通電用導電性端子４ａ、４ｂを備えており、
かつ、シリンダライナ２との機械的な係合および電気的
接触を確実なものにするために、その外周面に保合用段
部３ａを有している。このように構成された鋳型治具３
．３は、その導電性端子４ａ、４ｂをボア列方向とは直
角の方向（Ｙ方向）に向けた状態で、シリンダライナ２
の上端縁２ａおよび下端縁２ｂにそれぞれ嵌着されてい
る。

ボア中子部１ａおよびその下方の中子１には、端子４ａ
、４ｂを加熱用電源に接続する導線を導出するための中
心孔５が上下に貫通してあけられている。そして、シリ
ンダライナ２の上端縁２ａに取付けられた鋳型治具３の
一方の導電性端子４ａと、その直下方に位置する鋳型治
具３の一方の導電性端子４ａとの間に導ｖＡ（図示せず
）を用いて加熱用量ａ＜図示せず）を接続する。同様に
して、上方の鋳型治具３の他方の導電性端子４ｂと、そ
の直下方に位置する鋳型治具３の他方の導電性端子４ｂ
との間にも加熱用電源を接続する。この場合、シリンダ
ライナ２の上端縁２ａに嵌着された鋳型治具３の導電性
端子４ａ、４ｂが互いに同電位となり、シリンダライナ
２の下端縁２ｂに嵌着された鋳型治具３の導電性端子４
ａ、４ｂも互いに同電位になるように加熱用電源を接続
する。

このような工程において、まず鋳型に対して注湯を行な
う以前に、上記シリンダライナ２に対する通電を開始す
る。この通電によって、シリンダライナ２の必要部位、
すなわちシリンダライナ２のボア列方向と直角な方向（
Ｙ方向）に面する周面が集中的に予熱される。そして、
シリンダライナ２の必要部位が適宜予熱された後に鋳型
に対する注湯を行なってシリンダライナ２を鋳ぐるみ、
凝固後鋳型および中子ｌを除去して、鋳鉄製シリンダラ
イナ２を鋳込んだ鋳鉄製シリンダブロックＳを得る。

以上の説明から明らかなように、本発明では鋳ぐるみを
行なうライナ２の上下を支持する一対の鋳型治具３．３
の一部に導電性端子４ａ、４ｂを設け、シリンダライナ
２の外周面のうち鋳ぐるみ時に温度の上昇しにくい側部
に通電してシリンダライナ２を予熱しているので、シリ
ンダライナ２と鋳ぐるみ材との溶着不良を防止すること
ができる。

なお、本実施例では上記鋳型治具３の一部に導電性端子
４．４を設けているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、鋳型治具３全周を導電性端子としてライナ２
を支持し、ライナ２全周を通電して予熱するようにして
もよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施に用いられるシリンダブロックの
鋳型中子を示す平面図、第２図は第１回のロー■線に沿
った縦断面図、第３図は鋳型治具・中子　　　　　　　
２−ボア中子部 シリンダライナ ａ・・シリンダライナの上端縁 ｂ−シリンダライナの下端縁 鋳型治具　　　　　３ａ−鋳型治具の段部４ａ、４ｂ−
・導電性端子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋳鉄製シリンダライナの外周を鋳鉄で鋳ぐるんだ鋳鉄シ
   リンダブロックの製造方法において、上記シリンダライ
   ナを支持する鋳型治具に、上記シリンダライナに電流を
   通してこれを加熱する通電加熱手段を設け、通電加熱後
   鋳ぐるむことを特徴とする鋳鉄製シリンダブロックの製
   造方法。