JPH03134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、各種の催しに於て張設せられる幕
に関するものである。

［従来の技術］ 従来の幕、例えば祝事に張られた紅白の幕は、
その長手方向の長さが25ｍ乃至35ｍ位の長尺物で
形成されていた。

［考案が解決しようとする課題］ 前項の従来の技術の項で記載した通り、従来の
此種幕が極めて長尺物であつた為、当該幕を張り
めぐらす場所が狭小の場合は幕に余端部が生じ、
之を地面上に放置するときは極めて体裁が悪く、
又、広い場所であるときは、この幕の端部を重ね
乍ら補充することになる。このときも、この補充
される幕自体が長尺物である為、前記の如く余端
部を多く残すことも屡々生じる。更に、張にめぐ
らされた幕の或る一定場所を通過せんと欲すると
きは、その場所の幕を手で上方に持ち上げ乍らめ
くることになり、従つて、この拡開時に於て当該
場所以外にも、この拡開が拡大されることになり
不体裁であつた。更に、前記の通り補充したとき
は、当該補充個所が風等によつて不慮開放された
り、或は紅白地が順序よく配列されない嫌があつ
た。又、長尺物である為、最も不便であること
は、幕が汚染したとき之をクリーニングする手間
が甚大であり、更に上端部に於ける紐通し操作が
至難である等の種々の問題点がある。

而して、紅白幕を連結可能にした技術は実開昭
56−125772号に開示されている。然し乍ら、該公
開公報所載のものは卓上に立てて用いる紅白幕で
あつて、折り畳式の屏風を紅白幕で囲んだもので
ある。従つて、各種の催しに於て張設せられる一
般の幕としては用いることができない。更に、柔
軟幕をフアスナーで連結する技術も実開昭54−
157702号に開示されている。但し、該公開公報開
示のものは、該フアスナーの開閉を遠隔操作する
ための一対の紐を該フアスナーのスライダーに反
対方向より夫々止着したものであり、従つて、該
公報所載のものは各種催しに於て張設せられる幕
に用いることはできない。

そこで、各種催しに用いることができる紅白等
の幕であつて、上記種々の問題点を解決すべき技
術的課題が生じてくるのであり、本考案は該課題
を解決することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この考案は上記目的を達成するために、上記公
開公報に開示された従来技術を上位概念として提
案せられたものであり、所定の寸法を有する幕で
あつて、該幕は濃色地と白色地が所定寸法にて交
互に配設せられた短尺物とし、且つ、その端部に
フアスナー片を定着して連結可能に形成した幕に
於て、該幕の片側は前記所定の寸法を有する濃色
地とし、之に対して他側を前記所定の寸法を有す
る白色地に形成したことを特徴とする幕を提供せ
んとするものである。

［作用］ 本考案は、従来の技術を応用して、例えば祝事
に於て張られる紅白の幕を短尺物に形成し、且
つ、その両端部にフアスナー片が止着されて連結
可能に形成されているので、該フアスナー片を係
合せしめることによつて長尺物と同様に用いるこ
とができることは当然であるが、本考案は該短尺
物の幕の両側のうち、片側は所定の寸法を有する
紅色地とし、そこで、之に対して他側は所定の寸
法を有する白色地に形成したので、前記フアスナ
ー片にて短尺物である本案の幕を相互に連結する
とき、該連結部位が所定の寸法を有する紅白地と
なつて表われるので、張られた幕全体の紅白地の
バランスを崩すことはない。

［実施例］ 以下、この考案の一実施例を別紙添付図面に従
つて詳述する。尚、説明の都合上、従来公知に属
する技術事項も同時に説明する。１は幕であり、
その両端部にフアスナー片２，２を夫々定着して
ある。勿論、このフアスナー片２，２は端部の上
下方向全長に及んで止着するを可とし、係合片２
ａを有している。而も、この幕１は巾1.8ｍ、長
さ3.6ｍ乃至5.4ｍに形成され、従来の長尺物の凡
そ1/5以下に形成されており、その長手方向に所
定の寸法にて交互に紅白地が形成されている。更
に、この幕１の片側に所定寸法の紅色地１ａを配
し、之に対して他側には所定寸法の白色地１ｂを
配されている。尚、３は紐であり、４，４…は紐
通し片である。

この実施例は叙述せる如き構成に係るから、少
くとも幕を張設すると思われる場所の最少限のス
ペースの長さを基準としてその長さが決定されて
いるので、余端部が生じることは殆どなく、その
スペースの長さに応じて任意に継足できる。而
も、短いものに比し、稍長いものも用意しておけ
ば、すべての場所に丁度適合できる幕を張りめぐ
らすことが可能となるのである。而して、幕１を
継足するときは、更に通常のフアスナーの係合法
で係合片２ａを下端部より上端部に及んで摺動す
れば、相対するフアスナー片２，２は夫々係合し
て不慮妄脱することはない。而も、その継足部分
は紅色地に対して白色地が配列されることにな
り、紅白が順序よく配され体裁が良い。更に、上
端部の紐通し片４，４…に対して紐３を通す操作
も全体が短かく形成されている為、その操作が簡
単であると同時に、汚染したときもクリーニング
に至便を与える。又、幕間を通過せんとするとき
は、前記フアスナー片２，２の係合を開放すれば
よいので、体裁上極めて良好であり、更に、張設
した幕の撤去作業も便利である。

［考案の効果］ この考案は叙述せる実施例に於て詳述せる如
く、従来の長尺物に比し、極めて短い規格品とし
た為、すべての場所に直ちに適応できるものとな
る。即ち、端部に定着したフアスナーを係合する
ことにより長尺物と同様となり、スペースが狭少
であるときも一枚乃至数枚のもので足り、且つ、
その余端部を生ずることなく、全体の体裁が極め
て良好となる。又、フアスナーの係合又は解放操
作も簡単である為、張りめぐらした幕の一部より
外部に通過せんとするときも、前記フアスナーの
解放により体裁よく解放して外に出ることもでき
る。又、従来のものに比し、凡そ1/5以下の短尺
物にて形成した為、上端部に於ける紐通し操作も
簡便であることは当然であるが、本考案は特に、
短尺物に形成された幕の両側部位にも所定寸法で
夫々濃色地と白色地を配設しているので、継足さ
れた部分も紅白が順序よく配列されることになつ
て張られた幕全体のバランスを維持し、更に、ク
リーニングに至便を与える等、正に諸種の実用価
値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図は継足
したときの一部切欠正面図、第２図は同継足部分
を解放したときの状態を示す正面図である。 １……幕、１ａ……紅色地、１ｂ……白色地、
２……フアスナー片、２ａ……係合片、３……
紐、４……紐通し片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の寸法を有する幕であつて、該幕は濃色地
   と白色地が所定寸法にて交互に配設せられた短尺
   物とし、且つ、その端部にフアスナー片を定着し
   て連結可能に形成した幕に於て、該幕の片側は前
   記所定の寸法を有する濃色地とし、之に対して他
   側を前記所定の寸法を有する白色地に形成したこ
   とを特徴とする幕。