JPH031209B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、貨物用の搬送デツキであつて、貨物
を直接支持する多数のボールを備え、これらのボ
ールは互いに平行な直線状のボール列をなして搬
送方向に対して交さ方向に位置して、１つのプレ
ートの下側においてボールを支持する円筒状の駆
動軸、それもボール列の直下に配置されている駆
動軸上で支承されており、いずれのボールもプレ
ート貫通口内で案内されてプレートの上面から突
出している形式のものに関する。

従来の技術 この種の搬送デツキが西独特許第3439966号明
細書によつて知られている。この公知例の場合、
プレート又はプレート区分がフレームに固定され
ている。従つて、回転軸からボールへたんに転動
運動が伝達されるだけであつて、ボールはたんに
搬送モーメント、つまり回転軸の軸線に対して直
角な方向での搬送モーメントだけを生ずる。

多くの場合、搬送物品を直線的な搬送に次いで
特定の個所において一層正確な位置ぎめを目的と
して一定限の区間だけ横へずらすことができるの
が望ましい。このことは特に平滑な底面を有する
重い物品の処理の場合についていえる。すなわ
ち、このような物品は搬送系から持ち上げて横方
向へ位置修正することが簡単ではない。

このような問題は、例えばパレツトで搬送され
る貨物を貨物自動車又は航空機に積載する場合、
パレツトを搬送方向で装入個所又は受取り側の搬
送系と同列に向きを合わせようとする際に生ず
る。

西独特許出願公告第2261936号明細書によれば、
冒頭に述べた形式の搬送デツキに類似した搬送機
構において搬送方向を変えることのできる例が知
られている。しかし、この公知例の場合多数のボ
ールは回転軸上にではなくて、１つの支承プレー
ト上に配置されたトレイ上に支承されており、こ
の支承プレートがやはり不動に配置されたボール
保持プレートに対して相対的に押しずらされる。
このような装置は高価であり、特に、ボールから
伝達される支持力をトレイおよびその支承プレー
トへ導出することが著しい難点を伴う。このよう
ないわゆる直角ステーシヨンは上述の目的で搬送
物の所期の横移動に比較して高価過ぎる。

別の荷役方式においては、すべりレールを介し
て油圧式に横へ押しずらすことのできる昇降プラ
ツトホームも利用される。多くの場合しかし、プ
ラツトホーム全体の移動が必ずしも常に可能であ
るわけではない。というのは、しばしばプラツト
ホームがピツト内に配置されていて、ピツト自体
たんに一方向用にした設けられてないからであ
る。このような昇降プラツトホームの場合、プラ
ツトホームの貨物支持面を横へずらす可能性もあ
るが、そのためには作業員が大きな怪我の危険を
負わねばならない。

発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、冒頭に述べた形式の搬送デツ
キにおいて、ボール上に支持される搬送物を横へ
押しずらすために主搬送方向に対して直角な方向
に一定限の行程にわたつて搬送モーメントを伝達
できるようにすることである。

課題を解決するための手段 このような課題を本発明は次のようにして解決
した。すなわち、プレートが回転軸の軸線方向に
対して平行にしゆう動可能であるようにしたので
ある。

このような本発明の構成の搬送デツキの特別な
利点は次の点にある。すなわち、ボールを保持し
ているプレートを主搬送方向に対して直角な方向
へ一定限の行程量だけ押しずらすことを極めて簡
単な手段によつて行なえるという点である。この
場合、プレートの横移動の際にプレートの行程並
びに調整速度が変換されて搬送物へ伝達される点
が効果的に役立つ。というのは、横移動調整の際
軸線方向に回転軸上を転動するボールの運動に基
づき、搬送物がプレートに対して相対的に二倍の
速度で二倍の距離を動くことになるからである。
従つて、例えば、ボールを保持しているプレート
がその中央位置から両側へそれぞれ100mmの行程
量を移動するのに伴つて搬送物の最大400mmの横
移動が生じ、この横移動の大きさは多くの実際の
用途において完全に充分である。

プレート、それも互いに一体状に結合された複
数のプレート区分から成つていてもよいプレート
の案内のためには、プレート縁部に沿つてすべり
レールを設ければ充分である。すべりレール自体
は主搬送方向に対して直角に位置するビームによ
つて支えることができ、ビーム自体は上面でプレ
ートを支えるためにすべり部材として構成され
る。

プレートの横移動は次のことを必要とする。す
なわち、主搬送方向に対して直角に位置するガイ
ドを設け、このガイドを介して縦方向に働く力、
要するに主搬送方向に働く力を導出できるように
することである。このような横方向ガイドはプレ
ートを支持するビームに設けると有利である。

プレートの横移動のために、例えば油圧もしく
は空圧シリンダ又はスピンドルモータの形式の１
つの直線駆動装置が使われる。この直線駆動装置
は、プレートへ傾けようとするモーメントが作用
しないようにプレートに駆動力を及ぼす。このた
め直線駆動装置の作用点がプレート中央において
プレートを通る鉛直平面、それも主搬送方向に対
して直角な鉛直平面内又は少なくともその近くに
位置している。直線駆動装置が複数であつてプレ
ートにおける作用点も複数である場合には前記鉛
直平面に対して対象的な配置にする。

実施例 次に、図面に示した実施例に従つて本発明を説
明する： 第１図に示す搬送デツキは１つの枠の形式で方
形をなしているビーム２，３から成る架台１を有
している。縦方向の両方のビーム２は内側に向き
合つて一平面内に配置されたすべりレール４を備
えており、これらのすべりレール４は、搬送方
向、つまり縦方向に対して直角に位置する横ビー
ム３に沿つて内方へ突出して配置されている別の
すべりレール５と同じ平面をなしている。

それぞれ互いに向き合つているすべりレール
４，５上には１つのプレート６がしゆう動可能に
支承されていて、この場合プレート６は搬送方向
に位置する縦ビーム２に対して直角な方向で動く
ことができる。プレート６の中央位置から両側へ
向かつて可能なしゆう動行程量が第１図中に符号
Ｈで示されている。このしゆう動行程量Ｈの方向
は搬送デツキの主搬送方向に対して直角な方向で
ある。

搬送デツキはプレート６の上面全域にわたつて
突出した多数のボール８を有しており、これらの
ボール８は主搬送方向に対して直角な方向に多く
の直線状のボール列７をなして配置されている。
ボール８の案内および支承の詳細が第２図に示さ
れている。ボール８はその上部区分が、ガイドス
リーブ１７を嵌め込んだプレート６の穴９から突
出している。搬送デツキ上を搬送される貨物、特
に小口貨物は、このような突出した球欠区分との
み接触してプレート６には接触しないような平ら
な下面を有している物品である。ボール８の支持
力は各ボール列７（第１図）の下に配置されてい
る各１つの回転軸１０によつて及ぼす。各回転軸
１０の軸線は各ボール７のすべてのボール８の中
心を通る鉛直平面内に位置している。従つてボー
ル８は当該回転軸１０の頂点に沿つて位置し、回
転軸１０自体はプレート６の上面に対して平行に
その下の支持体１６内に支承されている。これに
よつて理解される通り、各ボール列７に付属する
多くの回転軸１０が同期的に駆動され、すべての
ボール８に主搬送方向の転動運動が強いられる。
この転動運動によつてボール８は貨物の下面で移
動し、かくして貨物は回転軸１０による駆動によ
つて搬送デツキの縦ビーム２に対して平行に移動
することになる。

プレート６のしゆう動可能性は、ボール８の位
置を、しゆう動行程量Ｈに相当する一定限の行程
範囲にわたつて回転軸１０の頂線に沿つて移動さ
せるのに役立てられる。この場合ボール８には１
つの転動モーメント、それも主搬送方向に対して
直角であつてボール８上の貨物を主搬送方向に対
して直角な方向へ動かす転動モーメントが強いら
れる。この場合貨物は二倍の行程をプレート６の
横移動の二倍の速度で横方向にずらされる。

横移動のためにはプレート６を相応に案内して
駆動する必要がある。そのため、第１図に示され
ているように、プレート６の中心部の下に横方向
の支持ビーム１１が架台に固定されており、この
支持ビーム１１は第３図および第４図に示されて
いるように上面にすべりライニング１８を有して
いる。プレート６はこの支持ビーム１１上におい
てたんに鉛直方向でのたわみに抗して支えられる
だけでなく、縦方向力を吸収するためにも案内さ
れる。支持ビーム１１は搬送デツキの横方向に位
置する両方の縦縁に直線ガイド１２を備えてお
り、これらの直線ガイド１２は第３図に示されて
いるように支持ビーム１１の外側へ装着されたプ
レート片２０から成つている。このプレート片２
０は平らな外面のものとして簡単に製作できる。
第３図および第４図にさらに示しているように、
プレート６の下側には支持プレート片１９を介し
て互いに軸平行のガイドローラ１３が支承されて
いる。これらのガイドローラ１３はプレート６の
平面に対して直角な軸線をなしていて、支持ビー
ム１１を両側からプレート片２０を介して支えて
いる。ガイドローラ１３および直線ガイド１２か
ら成るこのような案内機構はプレート６の両方の
縦縁部の近くに設けられている。場合によつて
は、多数の個所においてプレート６の支持および
案内が必要である限り、このようなビーム１１を
搬送デツキの架台１内に多数配置してもよい。こ
の場合もちろん、すべりライニング１８を有する
支持ビーム１１の上面は縦ビーム２並びに横ビー
ム３のすべりレール４，５と同じ一平面板に位置
する。

ボール列７および回転軸１０に対して平行にプ
レート６を横移動させるための駆動装置が第１図
および第４図に詳細に示されている。縦ビーム２
の一方に１つの行程シリンダ１４が支承されてお
り、この行程シリンダ１４の行程運動部材２３が
１つの連行部材２２に介してプレート６の支持プ
レート片１９にか又は直接にプレート６に結合さ
れている。この場合、プレート６と行程運動部材
２３との結合点１５はプレート６が可能な限り不
都合な傾きのない移動を生ずるように設定されて
いる。このためには、結合点１５がプレート６を
通る鉛直方向の横中心平面内又は可能な限りその
近くに位置することが必要となる。故障時にプレ
ート６の横移動が妨げられないようにするため
に、行程シリンダ１４はしや断可能にプレート６
に結合しておくことができる。このような場合に
は、搬送デツキのボール８上の貨物を手動で主搬
送方向に対して交さ方向に押しずらすことができ
る。

第５図には２つのプレート区分６ａ，６ｂを備
えた搬送デツキが示されている。各プレート区分
６ａ，６ｂは個々に搬送方向に対して交さ方向に
しゆう動可能である。この搬送方向で両方のプレ
ート区分６ａ，６ｂが前後して位置しており、従
つて、個別しゆう動可能性の結果としてほぼ半分
ずつ両方のプレート区分６ａ，６ｂにわたつて位
置した搬送物の向きを一定限調整することができ
る。例えば第５図において鎖線で示す１つのパレ
ツトは搬送デツキの中央に位置して搬送方向に対
してわずかに斜めをなしている。この斜め位置は
次のようにして修正することができる。すなわ
ち、一方のプレート区分６ａが矢印Ａの方向に、
かつ他方のプレート区分６ｂが矢印Ｂの方向にそ
れぞれ押しずらされ、これに伴いパレツトは矢印
Ｃの方向で旋回を生ずる。このような斜め位置の
修正が必要でない限り、もちろん両方のプレート
区分６ａ，６ｂを同期的に横へ押しずらすことが
できる。

適当な駆動制御によつて種々の合成運動を搬送
物にあたえることもできる。例えば主搬送方向で
の搬送物の搬送を横移動とは別個に行なつて、搬
送物を搬送デツキ上で互いに直角をなす２つの区
間にわたつて移動させることができる。また、主
搬送方向での搬送物の運動とこの運動に対して直
角な横移動とを同時に行なわせることもでき、こ
の場合搬送物はほぼＳ字状に曲がつた区間を通
る。このことは特に、横移動がたんに限られた搬
送区分の間でのみ縦搬送に重畳される場合に該当
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は搬送デツキの平面図、第２図は第１図
の搬送デツキの縁部範囲の部分横断面図、第３図
は第１図の搬送デツキの中央支持ビームの範囲の
部分縦断面図、第４図は第１図の搬送デツキの中
央支持ビームの端部範囲の部分横断面図、第５図
は第１図の例とは異なる搬送デツキの平面図であ
る。 １……架台、２……縦ビーム、３……横ビー
ム、４，５……すべりレール、６……パレツト、
６ａ，６ｂ……パレツト区分、７……ボール列、
８……ボール、９……穴、１０……回転軸、１１
……支持ビーム、１２……直線ガイド、１３……
ガイドローラ、１４……行程シリンダ、１５……
結合点、１６……支持体、１７……ガイドスリー
ブ、１８……すべりライニング、１９……支持プ
レート片、２０……プレート片、２２……連行部
材、２３……行程運動部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 貨物用の搬送デツキであつて、貨物を直接支
   持する多数のボールを備え、これらのボールは互
   いに平行な直線状のボール列をなして搬送方向に
   対して交さ方向に位置して、１つのプレートの下
   側においてボールを支持する円筒状の駆動軸、そ
   れもボール列の直下に配置されている駆動軸上で
   支承されており、いずれのボールもプレートの貫
   通口内で案内されてプレートの上面から突出して
   いる形式のものにおいて、プレート６が回転軸１
   ０の軸線方向に対して平行にしゆう動可能である
   ことを特徴とする、搬送デツキ。 ２ プレート６が正方形又は長方形であつて、少
   なくともしゆう動方向に対して直角な辺に沿つ
   て、フレームに固定されたすべりレール４によつ
   て支持されており、すべりレール４の幅がしゆう
   動行程量よりも大である、特許請求の範囲第１項
   記載の搬送デツキ。 ３ プレート６の下に、回転軸１０に対して平行
   に延びてフレームに固定された１つ又はもつと多
   くの支持ビーム１１が配置されており、この支持
   ビーム１１上でプレート６が滑動可能に支持され
   ている、特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   搬送デツキ。 ４ 支持ビーム１１がプレート６のしゆう動方向
   に位置する直線ガイド１２を有しており、直線ガ
   イド１２はプレート６の下面に設けられたガイド
   部材１３と協働する、特許請求の範囲第３項記載
   の搬送デツキ。 ５ ガイド部材１３がローラであつて、ローラは
   直線ガイド１２を形成する支持ビーム１１の縦縁
   に両側から接触している、特許請求の範囲第４項
   記載の搬送デツキ。 ６ プレート６がフレームに固定された１つの直
   線駆動装置１４に結合されている、特許請求の範
   囲第１項から第５項までのいずれか１項記載の搬
   送デツキ。 ７ 直線駆動装置１４とプレート６との結合点１
   ５がプレート６の、しゆう動方向の中心線上又は
   その近くか又はこの中心線に対して対称的に位置
   している、特許請求の範囲第６項記載の搬送デツ
   キ。 ８ 直線駆動装置１４がプレート６の下側に配置
   された行程シリンダ又はスピンドルモータであ
   る、特許請求の範囲第６項又は第７項記載の搬送
   デツキ。 ９ プレート６と直線駆動装置１４とが互いにし
   や断可能である、特許請求の範囲第６項から第８
   項までのいずれか１項記載の搬送デツキ。 １０ プレート６が搬送方向で前後して位置する
   ２つのプレート区分６ａ，６ｂに分割されてお
   り、これらのプレート区分６ａ，６ｂは個別に回
   転軸１０の軸線方向に対して平行にしゆう動可能
   である、特許請求の範囲第１項から第９項までの
   いずれか１項記載の搬送デツキ。