JPH03119061A - ゲル多孔質体の製造方法とシリコーンゲル多孔質体 - Google Patents

ゲル多孔質体の製造方法とシリコーンゲル多孔質体

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JPH03119061A
JPH03119061A JP1255810A JP25581089A JPH03119061A JP H03119061 A JPH03119061 A JP H03119061A JP 1255810 A JP1255810 A JP 1255810A JP 25581089 A JP25581089 A JP 25581089A JP H03119061 A JPH03119061 A JP H03119061A
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JP
Japan
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gel
granules
component
particles
silicone gel
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JP1255810A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
Masaaki Amano
天野 正章
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SHIIGERU KK
Original Assignee
SHIIGERU KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の目的)
【産業上の利用分野】
本発明は、緩衝、防振、梱包用等の素材として用いられ
るようになってきたゲル状物質の性状改善するゲル多孔
質体の製造方法と、性状改善されたシリコーンゲル多孔
質体に関するものである。
【発明の背景】
近時、ゲル状物質の優れた緩衝、防振特性が見直され、
特に付加反応型のシリコーンコポリマーであるシリコー
ンゲルは、靴底や各種運動用具に緩衝パッドとして採用
され、また、各種回転装置やOA種機器のインシュレー
タ、精密測定機器を始めとする高精度、高付加価値商品
の特殊梱包材としての利用も期待されている。特に、J
IS  K(K−2207−198050g荷重)によ
り測定された針入度が5〜250程度のシリコーンゲル
は、緩衝、防振特性において優れており、好ましいので
あるが、高価な点と、比重が1近くと比較的重い点に難
があった。勿論、微小中空球体等を混入することで、コ
スト及び比重を下げ、同時に緩衝、防振性も向上させる
ことができるのであるが、一般に、ゲル状物質は通気性
がなく、このため、座席シート材やヘルメット内装材等
の人体と直接接触する部位の素材とするには不向きな面
もあった。 しかし、現状、発泡させたゲル状物質を得るのは難しく
、かと言フて、従来の発泡体では、ゲル状物質の特性に
は及ぶべくもないものであった。
【開発を試みた技術的事項】
したがって、本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであって、ゲル状物質としての特性を失うことな
く、ゲル状物質問に形成される空孔にて通気性を確保し
、更には、このことによって、緩衝、防振特性をも改善
したゲル状物質を得ようと試みたものである。 (発明の構成)
【目的達成の手段】
即ち、本出願に係わる第1の発明たるゲル多孔質体の製
造方法は、針入度5〜250程度に硬化するゲル状物質
の硬化前原液に、該ゲル状物質より可燃性、又は可溶性
、若しくは収縮性の粒体を混入せしめる工程と、該粒体
が混入された前記原液を硬化せしめる工程と、その後、
該粒体を加熱して焼失せしめ、又は適当な溶媒にて溶出
せしめ、若しくは乾燥して収縮せしめて、ゲル状物質体
中の前記粒体が存在していた部位に除去痕跡たる空孔を
形成する工程とを有することを特徴とする。 また、本出願に係わる第2の発明たるゲル多孔質体の製
造方法は、これに加え、ゲル状物質の硬化前原液として
、付加反応型のシリコーンゲルの原液を用いることを特
徴とする。 更に、本出願に係わる第3の発明たるゲル多孔質体の製
造方法は、これに加え、収縮性の粒体として含水ゲル製
の粒体を用い、該含水ゲル製の粒体中の水分を蒸発せし
めて、粒体を収縮せしめることを特徴とする。 ざら−にまた、本出願に係わる第4の発明たるシリコー
ンゲル多孔質体は、ジメチルシロキサン成分単位からな
り、次式[I]で使用されるジオルガノポリシロキサン
(A成分): R22SIO−(R22SIO)nSjR’2R−[I
][ただし、Rはアルケニル基であり、R1は脂肪族]
[ただし、Rはアルケニル基であり、R2は一価の脂肪
族炭化水素基(R2のうち少なくとも50モル%はメチ
ル基であり、アルケニル基を有する場合にはその含有率
は10モル%以下である)であり、nはこの成分の25
℃における粘度が100〜100.0OOcStになる
ような数である]と、25℃における粘度が5000 
cSt以下であり、1分子中に少なくとも3個のSi原
子に直接結合した水素原子を有するオルガノハイドロジ
エンポリシロキサン(B成分)とからなり、かつジオル
ガノハイドロジエンポリシロキサン(日成分)中のSi
原子に直接結合している水素原子の合計量に対するジオ
ルガノポリシロキサン(A成分)中に含まれるアルケニ
ル基の合計量の比(モル比)が0.1〜2.0になるよ
うに調整された混合物を、白金系触媒下で硬化させてな
る付加反応型シリコーンコポリマーであって、前記混合
物状態中において混入された可燃性、又は可溶性、若し
くは収縮性の粒体が、該混合物全体が硬化せしめられた
後に、加熱焼失、又は溶媒に溶出、若しくは乾燥収縮し
て、シリコーンゲル体中の前記粒体の存在した部位にそ
の除去痕跡たる空孔が形成されていることを特徴とする
【発明の作用】
本発明は、−旦ゲル状に硬化させた状態から、硬化前原
液時に混入した粒体を取り除くから、該粒体の存在した
部位に除去痕跡たる空孔が形成される。粒体を除くにあ
たっては、粒体に可燃性のものを用いれば、加熱して粒
体を焼失せしめればよく、粒体に可溶性のものを用いれ
ば、粒体の溶剤等溶媒中に浸漬する等して溶出せしめれ
ばよく、粒体に収縮性のものを用いれば、乾燥する等し
て収縮せしめればよい。 また、ゲル状物質の硬化前原液として、付加反応型のシ
リコーンゲルの原液を用いれば、ゲル状物質が耐溶剤性
、耐熱性、疎水性に優れるため、上記操作が特にし易く
、そして、得られるシリコーンゲル多孔質体もそのシリ
コーンゲル本来の特性と相乗して優れるものとなる。 また、収縮性の粒体として含水ゲル製の粒体を用いれば
、該粒体から蒸発、発散されるのが水分が専らであり、
ゲル状物質自体への悪影響が少ない。
【実施例】
第1図乃至第3図は、ゲル状物質としての付加反応型の
シリコーンゲルに対し、乾燥収縮性の粒体としての含水
ゲル製の粒体2を用いた例である。 ここで、ゲル状物質としてのシリコーンゲルは、ジメチ
ルシロキサン成分単位からなるもので、次式[I1で使
用されるジオルガノポリシロキサン(A成分): RR’2S i 0−(R22S i O) nS i
 R’2R・・・[I][ただし、Rはアルケニル基で
あり、R1は脂肪族][ただし、Rはアルケニル基であ
り、R2は一価の脂肪族炭化水素基(R2のうち少なく
とも50モル%はメチル基であり、アルケニル基を有す
る場合にはその含有率は10モル%以下である)であり
、nはこの成分の25℃における粘度が100〜100
,0OOcStになるような数である]と、25℃にお
ける粘度が5000 cSt以下であり、1分子中に少
なくとも3個のSi原子に直接結合した水素原子を有す
るオルガノハイドロジエンポリシロキサン(日成分)と
からなり、かつオルガノハイドロジエンポリシロキサン
(B成分)中のSi原子に直接結合している水素原子の
合計量に対するジオルガノポリシロキサン(A成分)中
に含まれるアルケニル基の合計量の比(モル比)が0.
1〜2.0になるように調整された混合物を硬化させる
ことにより得られる付加反応型シリコーンコポリマーで
ある。 このシリコーンゲルについてさらに詳しく説明すると、
上記A成分であるジオルガノポリシロキサンは、直鎖状
の分子構造を有し、分子の両末端にあるアルケニル基R
が、B成分中のSi原子に直接結合した水素原子と付加
して架橋構造を形成することができる化合物である。こ
の分子末端に存在するアルケニル基は、低級アルケニル
基であることが好ましく、反応性を考慮するとビニル基
が特に好ましい。 また、分子末端に存在するR1は、脂肪族][ただし、
Rはアルケニル基であり、このような基の具体的な例と
しては、メチル基、プロピル基およびヘキシル基等のよ
うなアルキル基、フェニル基並びにフロロアルキル基を
挙げることができる。 上記式[I]において、R2は、−価の脂肪族炭化水素
基であり、このような基の具体的な例としては、メチル
基、プロピル基およびヘキシル基のようなアルキル基並
びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げることが
できる。ただし、R2のうちの少なくとも50モル%は
メチル基であり、R2がアルケニル基である場合には、
アルケニル基は10モル%以下の量であることが好まし
い。アルケニル基の量が10モル%を越えると架橋密度
が高くなり過ぎて高粘度になりやすい。また、nは、こ
のA成分の25℃における粘度が通常は100〜100
 、 OOOcSt、好ましくは200〜20.000
cStの範囲内になるように設定される。 上記のB成分であるオルガノハイドロジエンポリシロキ
サンは、A成分の架橋剤であり、Si原子に直接結合し
た水素原子がA成分中のアルケニル基と付加してA成分
を硬化させる。 B成分は、上記のような作用を有していればよく、B成
分としては、直鎖状、分岐した鎖状、環状、あるいは網
目状などの種々の分子構造のものが使用できる。また、
B成分中のSi原子には、水素原子の外、有機基が結合
しており、この有機基は、通常はメチル基のような低級
アルキル基である。さらに、日成分の25℃における粘
度は、通常は5000 cSt以下、好ましくは、50
0 cSt以下である。 このようなり成分の例としては、分子両末端がトリオル
ガノシロキサン基で封鎖されたオルガノハイドロジエン
シロキサン、ジオルガノシロキサンとオルガノハイドロ
ジエンシロキサンとの共重合体、テトラオルガノテトラ
ハイドロジエンシクロテトラシロキサン、HR’2S 
i Ol/2単位と5iOnz2単位とか・らなる共重
合シロキサン、および、HR’2S i OI72単位
トR’3s i O172単位と5i0472単位とか
らなる共重合シロキサンを挙げることができる。ただし
、上記式においてR1は前記と同じ意味である。 そして、上記のB成分中のSiに直接結合している水素
原子の合計モル量に対するA成分中のアルケニル基の合
計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、好ましくは
0.1〜1.0の範囲内になるようにA成分と日成分と
を混合して硬化させることにより製造される。この場合
の硬化反応は°、通常は触媒を用いて行われる。ここで
使用される触媒としては、白金系触媒が好適であり、こ
のような白金系触媒の例としては、微粉砕元素状白金、
塩化白金酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白
金アルコラードおよび塩化白金酸とビニルシロキサンと
の錯塩を挙げることができる。このような触媒は、A成
分とB成分との合計重量に対して通常は0.1ppo+
(白金換算量、以下同様)以上、好ましくは0.5pp
m以上の量で使用される。このような触媒の量の上限に
ついては特に制限はないが、例えば触媒が液状である場
合、あるいは溶液として使用することができる場合には
、200 ppm以下の量で充分である。 上記のようなA成分、B成分および触媒を混合し、室温
に放置するか、あるいは加熱することにより硬化し、本
発明で使用されるシリコーンゲルが生成する。加熱して
硬化させる場合、加熱温度は、通常は50〜150℃で
ある。 このようにして得られたシリコーンゲルは、JISK(
K−2207−198050g!りで測定した針入度が
通常5〜250度を有する。 このようなシリコーンゲルの硬度は、上記A成分の量を
、B成分中のSiに直接結合している水素原子と架橋構
造を形成することができる量よりも過剰に用いることに
より調整することができる。 また、他の方法として、両末端がメチル基であるシリコ
ーンオイルを、得られるシリコーンゲルに対して5〜7
5重量%の範囲内の量で予め添加することにより調整す
ることもできる。 このようなシリコーンゲルは、上記のようにして調整す
ることもできるし、また市販されてるものを使用するこ
ともできる0本発明で使用することができる市販品の例
としては、CF3027、TOUGH−3、TOUGH
−4、TOUGH−5、TOUGH−6(■トーレシリ
コーン!りやX32−902/c a t 1300 
(信越化学工業■Iり 、 F25O−121(日本ユ
=カmliり 等を挙げることができる。 なお、上記のA成分、B成分および触媒の外に、顔料、
硬化遅延剤、難燃剤、充填剤等を、得られるシリコーン
ゲルの特性を損なわない範囲内で配合することもでき、
また、微小中空球体を混入してなる複合シリコーンゲル
な用いてもよく、このような材料に、日本フィライト株
式会社製造のフィライト(登録商櫃)や同社販売のエク
スパンセル(登録商標)等が例示できる。 実施例では針入度を30に調整したものを用いた。 そして、このシリコーンゲルのA成分、B成分および触
媒の清合物に、乾燥収縮性の粒体を混入する訳であるが
、これには、A成分、B成分各々に混入()でから、再
度、全体を混合するようにした方がよい。 そこで、次ぎに、この乾燥収縮性の粒体2れとついて説
明する。 実施例では、この乾燥収縮性の粒体2とIJで、アルギ
ン酸ナトリウムがカルシウムイオンと結合して、表面な
いし表面内側に水に不溶性のアルギン酸カルシウムを形
成してなる含水ゲル状態の球状粒体を用いた。さらに、
詳1ノ<説明すると、アルギン酸ナトリウムはアルギン
酸塩の代表であり、このアルギン酸ナトリウムはコンブ
、カシメ3゜7ラメなどの褐藻類の細胞膜を形成する物
質であって、乳化安定剤、粘強剤、型剥離剤などとして
用いられている。この物質は極めて高粘性のコロイド物
質で親水性が強く、冷水、温水いずれにもよく溶解1ノ
、非常に粘均−な溶液となる性質を有する一方、この溶
液に多価金属イオンとなり得る金属の各金属塩、具体的
にはアルミニウム、バリウム、カルシウム、銅、鉄、鉛
、1鉛1.ニッケルなどの金属塩を加えると、水に不溶
性のアルギン酸塩となるのである。モlノτ、この水に
不溶性のアルギン酸塩は、水溶液から取り出したばかり
は含水ゲルの状態であり、この為、乾燥すると、その水
分を蒸発1ノで、大きく収縮することができるものであ
る。 実施例では、196のアルギン酸ナトリウム水溶液と、
大きめのビーカーに1%塩化カルシウム水溶液を用意し
、マイクロチューブポンプを使用してアルギン酸ナトリ
ウムをそのチューブ内に吸い上げ、これを塩化カルシウ
ム水溶液中に滴下した。 すると、滴下粒は、水圧のにより球状に成形されつつ沈
降し、同時に表面から不溶化してゆき、次第に内部まで
不溶化してアルギン酸カルシウムの含水ゲルの状態とな
る。アルギン酸ツートリウムの濃度やチューブの径等に
もよるが、実施例では、平均4 m m直径の粒体が得
られたので、続いて、これを水溶液中から取り出()、
水洗浄し、適度に水分を切った後、粒体の重量と前記シ
リコーンゲルの原液の重量比が1=1となるよう、A成
分、B成分に振り分りで混入、さらにA成分、B成分を
混合して、適宜成形型に流Lノ出し、前記温度に保てば
、A成分、B成分が反応して、全体が成形型溝りに硬化
し、粒体2が分散されたシリコ・−ンゲルのシー)1が
得られる。 図示実施例では、厚さ5mmのスベーガーを四辺に設け
たガラス板3上に流lノ出し、上からもガラス板3を重
ね、これを80℃に保った加熱炉内に50分放屑して、
第1図のごとく、厄さ15 rrn mで、粒体2が分
散したシリコーンゲルのシート1を得た。 続いて、加熱炉を100℃に昇温し、」二下のガラス板
を取り除いて、3時間放置したところ、第2図のごとく
、前記アルギン酸カルシウムの粒体は乾燥収縮[)で、
シリコーンゲルのシート1中の前記粒体が存在1ノでい
た部位に除去痕跡1.上る空孔4が形成され、乾燥収縮
したアルギン酸カルシウム粒体はそこに直径0.5mm
以下の微粒子5として付着しIていた。実施例では、こ
の空孔々、は、隣接する空孔同士が連続する状態となっ
ており、あたかもシリコーンゲルのシートlが内部から
連続発泡1ツカ−かの状態に仕上がっていた。その後、
この乾燥収縮()たアルギン酸カルシウムの微粒子5を
水6で洗い流して、シリコーンゲル多孔質体を得た。な
お、各空孔4が連続した状態となっていたので、アルギ
ン酸カルシウムの微粒子5は各空孔4に残留することな
く、洗い流せた。 そこで、このようにして得られたシリコーンゲル多孔質
体を、100mm角にカットし、この上から重量1.5
8Kgの180mm角の分銅を高さを変えて落下させ、
分銅上に取り付けたピックアップでその際の衝撃を計測
したところ第1表のような結果を得た。また、比較例と
して、特開昭61−268756号に開示された針入度
150のシリコーンゲルを基材とし、これに有弾性外殻
を有する微小中空球体たるエクスパンセルを3%混入し
てなる緩衝性に優れた複合シリコーンゲルの同形状のも
ので同じ試験を行ってみたところ、本実施例シリコーン
ゲル多孔質体は、比較的軽荷重の衝撃を緩衝するのに適
することが確認された。 第1表 なお、本実施例シリコーンゲル多孔質体の比重は、約0
.5であり、比較例の複合シリコーンゲルは0.58で
あり、若干ながら軽量化もなされ、また、4 m m程
度の三次元網目構造を呈したので、通気性あるものとな
っていた。 本実施例方法によれば、シリコーンゲルがいわゆる疎水
性であり、一方、粒体2が含水ゲル状態であるので、ゲ
ル状物質に悪影響を及ぼすことなく、多孔質体化するこ
とができる。 なお、粒体の混入率が低いときは、各空孔が連続せず、
微粒子5を水洗等しても取り出せないこともあるが、こ
の場合は、例えば、アンモニア水に浸けたり、アルギン
酸ナトリウムの濃度を低くしたり、その他の材質で体積
の収縮率の高いものを用いたりすればよい。勿論、この
場合は、独立発泡したかのごとくのゲル多孔質体が得ら
れる。 前記実施例では、乾燥収縮性の粒体を用いるものとした
が、第4図乃至第5図は可溶性の粒体を用いる他の実施
例を示すものである。 この実施例では、可溶性の粒体として、市販の直径3m
m程度の発泡スチロールボールを用い、この発泡スチロ
ールボールをシリコーンゲルの原液との体積比が2:3
となるよう、前記ゲル原液たるA成分、B成分に混入、
さらにA成分、日成分を混合し、今度は、厚さ10mm
のスペーサーを四辺に設けたガラス板上に流し出し、上
からもガラス板を重ねて、これを80”Cに保った加熱
炉内に30分放置して、厚さ10mmのシリコーンゲル
のシートl′を得た。この時の状態は、前記実施例第1
図とほぼ同様な状態となるが、前記実施例では、粒体が
シートの厚さ方向において、はぼ平均して分散していた
が、本実施例によると、発泡スチロールボールの比重が
シリコーンゲルの原液のそれと比較して著しく低くて浮
いてくるため、シリコーンゲルのシートl′の上層に偏
在するような状態に仕上がっていた。続いて、このシリ
コーンゲルのシート1′を発泡スチロールの溶剤たるト
ルエンを満たしたバット中に浸漬して2時間程放置した
ところ、シリコーンゲルが若干膨潤7するとともに、発
泡スチロールボールはトルエンに溶解してゆき、第4図
のごとく、シリコーンゲルのシートl′中の前記粒体が
存在していた部位には除去痕跡たる空孔4′が形成され
た。この実施例では、発泡スチロールボールが偏在して
硬化していたため、空孔4′は、シリコーンゲルのシー
ト1′の上層においては、隣接する空孔同士連続し、あ
たかも連続発泡したかの状態に仕上がっていたが、下層
においては存在せず、シリコーンゲルのみの層が形成さ
れていた。その後、赤外線8にて一部吸収されたトルエ
ンを十分揮発9させ、シリコーンゲル多孔質体を得た。 発泡スチロールボールのようにゲル状物質と著しく比重
の異なる粒体を用いれば、空孔4′の密度がその層によ
って異なるので、人体に触れる側の部位にだけ空孔を存
在させ、他方は通常のシリコーンゲルの層とするに適し
たシリコーンゲル多孔質体が一度で得られる。勿論、そ
の混入量によっては、全体が連続発泡したかのごとくの
状態のものも得られる。 また、発泡スチロールボールによるときは、強加熱させ
ることで、発泡スチロールボールが収縮するので、これ
によっても、空孔を形成することができる。 以上、実
施例では、付加反応型のシリコーンゲルについて述べた
が、これに限らず、その他シリコーンゲル、ゼラチンゲ
ル、PVAゲル、エポキシゲル、アクリルゲル、ウレタ
ンゲル、アクリルアシド アクリル酸共重合体ゲル等、
種々のゲル状物質について適用できる。勿論、この場合
、ゲル状物質の材質によって、可燃性、可溶性、収縮性
の何れか粒体を用いるかを定め、粒体の材質やその混入
量を決定する必要がある。また、可溶性の粒体を用いる
ときは、その溶剤も上記トルエンに限られず、粒体およ
びゲル状物質の材質との関係で選択することとなる。こ
の点で、シリコーンゲルを用いると、この何れにおいて
も融通が効き、好都合である。 また、本実施例のようなシリコーンゲル多孔質体であれ
ば、シリコーンゲルを素材としている為、物性が安定し
ており、座席シート材、ヘルメット、ヘッドレスト、さ
らには、その池内装材、靴底、マツトレス等の素材とし
て適する。 (発明の効果) したがって、本発明によれば、従来困難とされていたゲ
ル状物質の発泡化が、−旦ゲル状に硬化させた状態から
、硬化前原液時に混入した粒体を取り除くことによって
、該粒体の存在していた部位に除去痕跡たる空孔を形成
することで達成され、ゲル状物質としての体を失うこと
なく、通気性を確保し、更には、このことによって、緩
衝、防振特性をも改善できるゲル多孔質体が得られる。 同時に、コスト及び比重も下げられ、座席シート材やヘ
ルメット内装材等の人体と直接接触する部位の素材とし
ても適するようになる。 特に、付加反応型のシリコーンゲルは、耐溶剤性、耐熱
性、疎水性に優れるため本発明を施用し易く、また、従
来から緩衝、防振、梱包用素材としての利用が期待され
ていただけに、さらなる用途展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明ゲル多孔質体の製造方法の一
実施例における各工程を示すもので、第1図は粒体を混
合しシリコーンゲルの硬化前原液をガラス板間に流し込
んで硬化させた状態を示す断面図、第2図はその粒体を
乾燥収縮させた状態時のシリコーンゲルのシートの断面
図、第3図はその乾燥収縮した微粒子を水で洗い流す状
態を示す概要図、また、第4図乃至15図は他の実施例
における各工程を示すもので、第4図は粒体が溶剤に溶
解した後の状態を示す断面図、第5図は溶剤成分を揮発
させる状態を示す概要図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)針入度5〜250程度に硬化するゲル状物質の硬
    化前原液に、該ゲル状物質より可燃性、又は可溶性、若
    しくは収縮性の粒体を混入せしめる工程と、該粒体が混
    入された前記原液を硬化せしめる工程と、その後、該粒
    体を加熱して焼失せしめ、又は適当な溶媒にて溶出せし
    め、若しくは乾燥して収縮せしめて、ゲル状物質体中の
    前記粒体が存在していた部位に除去痕跡たる空孔を形成
    する工程とを有することを特徴とするゲル多孔質体の製
    造方法。
  2. (2)ゲル状物質の硬化前原液として、付加反応型のシ
    リコーンゲルの原液を用いることを特徴とする請求項(
    1)記載のゲル多孔質体の製造方法。
  3. (3)収縮性の粒体として含水ゲル製の粒体を用い、該
    含水ゲル製の粒体中の水分を蒸発せしめて、粒体を収縮
    せしめることを特徴とする請求項(1)、又は(2)記
    載のゲル多孔質体の製造方法。
  4. (4)ジメチルシロキサン成分単位からなり、次式[
    I ]で使用されるジオルガノポリシロキサン(A成分)
    : RR^1_2SiO−(R^2_2SiO)_nSiR
    ^1_2R…[ I ][ただし、Rはアルケニル基であ
    り、R^1は脂肪族不飽和結合を有しない一価の炭化水
    素基であり、R^2は一価の脂肪族炭化水素基(R^2
    のうち少なくとも50モル%はメチル基であり、アルケ
    ニル基を有する場合にはその含有率は10モル%以下で
    ある)であり、nはこの成分の25℃における粘度が1
    00〜100,000cStになるような数である]と
    、25℃における粘度が5000cSt以下であり、1
    分子中に少なくとも3個のSi原子に直接結合した水素
    原子を有するオルガノハイドロジエンポリシロキサン(
    B成分)とからなり、かつジオルガノハイドロジエンポ
    リシロキサン(B成分)中のSi原子に直接結合してい
    る水素原子の合計量に対するジオルガノポリシロキサン
    (A成分)中に含まれるアルケニル基の合計量の比(モ
    ル比)が0.1〜2.0になるように調整された混合物
    を、白金系触媒下で硬化させてなる付加反応型シリコー
    ンコポリマーであって、前記混合物状態中において混入
    された可燃性、又は可溶性、若しくは収縮性の粒体が、
    該混合物全体が硬化せしめられた後に、加熱焼失、又は
    溶媒に溶出、若しくは乾燥収縮して、シリコーンゲル体
    中の前記粒体の存在した部位にその除去痕跡たる空孔が
    形成されていることを特徴とするシリコーンゲル多孔質
    体。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54135865A (en) * 1978-03-13 1979-10-22 Gen Electric Silicone foam* production and preparation thereof
JPS55133451A (en) * 1979-04-03 1980-10-17 Shin Etsu Polymer Co Ltd Semicured silicone rubber molded article
JPS63191859A (ja) * 1987-02-03 1988-08-09 Shin Etsu Chem Co Ltd オルガノポリシロキサン組成物

Patent Citations (3)

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